月別アーカイブ: 2022年11月

藤田直哉さんが政府と学者を信頼している件について

藤田直哉さんというかたがこういうことを書いておられました。(最初お名前まちがってました。もうしわけありません)

これらを見て、「女性差別はない」「男性特権はない」と言える人の思考には本当に付き合いきれないです。「あるけど」という次の段階の問題として、弱者男性などの問題をあげたり、あまり社会に出ない方が人生にプラスになる女性もいるのでは、みたいな話をするなら分かるんですが https://t.co/DjVxqs81in— 藤田直哉@『新海誠論』10月、『攻殻機動隊論』 (@naoya_fujita) November 23, 2022

↑の内閣府男女共同参画局が出している「ひとりひとりが幸せな社会のために」が女性差別や男性特権の根拠なのかと思って確認したんですが、女性に対する暴力の話やM字カーブ、非正規雇用、ワークライフバランスなんかの話はありますが、女性差別や男性特権という言葉自体はほとんど出てこないようです。男女格差があることは示されていますが、それが差別や特権のためであることは示されていません。この資料だけから差別や特権の存在を推論するのは即断だと思います。

藤田さんは「政策はエビデンスやデータに基づいて決定されていると思う」とおっしゃるわけですが、本当にこの資料は信用できるだろうか?私は実は2ページ目でもう挫折してしまいました。

私の嫌いな「ジェンダーギャップ指数」がでてきてるわけですが、よく見てください。古い(2020)ジェンダーギャップ指数なんですが、日本は121位、教育分野は91位、この参画局の筆者はさらにそれを分解して「教育分野においては高等教育在学率が低い状況です」って指摘してますが、なんかおかしくないですか?日本の教育そんなに国際的に見て女性に不利になってるだろうか?

表をよく見ると、高等教育在学率は男女比が0.952で色をつけて強調されていますが、その前の中等教育在学率は0.953。え? なんで中等教育でさえも女性は差別されてるっていわないのだろう?実はこれは須藤玲司さんという方が計算ミスがあるよと指摘してくれてるやつですね。スレッドはここから。

ジェンダーギャップ指数2019で集計ミス? 日本は本当は何位だったのかhttps://t.co/UKjuVcERjy
ねとらぼが、ぼくのツイートを元に、独自に検算していました。フットワーク軽い。
結論「ミスがなければ本当は120位」。
ぼくは「121位のまま」と書きましたが、計算精度に自信なかったんで120位かも。— 須藤玲司 (@LazyWorkz) December 18, 2019

んで計算ミスはともかく、この参画局のパンフレット、著者たちはその数字がおかしいのに気づいているはずなんですよ。高等教育は0.952で中等教育も0.953なんだから。でも高等教育だけをカラーリングする。これってみなさまはどういうことだと思われますか? 

私は、この著者たちはジェンダーギャップ指数の数字になにか変なところがあることに気づいていながら、それを無視して高等教育において男女差別が存在しているということをほのめかしたいためにカラーリングしたのだ、と思います。

藤田さんは政府やその関係の学者たちは信頼できると思ってらっしゃるようですが、私はこういうものをたくさん見てしまっていて、ぜんぜん信用ならないのです。そういうことはネットでよく話題になっている。そして、藤田さんのように「政府や学者がやってるんだから大丈夫だろう」と自分で確認してない資料を出す人々にも疑問を感じているのです。

ジェンダーまわりの話はネットでずいぶん長い間議論されていて、「女性差別」を示すとされていたいろんなデータも見直されてるんですよね。近い分野の学者先生たちは手分けしてそういうのチェックしてほしいのです。

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オペラを見よう

(学生様向け)

クラシック音楽好きな人は多いと思いますが、オペラはあんまり知らないという人は多いと思います。私もあんまり知らない。これはやはりオペラはちゃんと舞台見ないとならからですね。そしてDVDが高い。

でも図書館とかにいけばDVD見ることができますのでぜひ見ましょう。実はオペラは有名作はそれほど多くないので、5〜10本ぐらい見ればすでにかなりの教養人です。YouTubeでもけっこう見ることができるんですよね。ただしこういうのは音響がよくないとおもしろくないので、しょぼいPCのスピーカーなどで聞いてはいけません。せめてイヤホンとか使いたい。

私のベストテン。

  1. モーツァルトの『ドンジョヴァンニ』 https://www.youtube.com/watch?v=NBt2vjTdCh0
  2. モーツァルトの『フィガロの結婚』。モーツァルトは誰でも見なくてはならない。 https://www.youtube.com/watch?v=xKhY7aV3KzY
  3. ビゼーの『カルメン』。オペラらしいオペラ。 https://www.youtube.com/watch?v=u_fh84Iqetc
  4. リヒャルト・シュトラウスの『サロメ』。奇っ怪。シュトラウスは他のもおもしろい。 字幕つきのはなさそう https://bit.ly/3GGgOIm
  5. プッチーニの『トゥーランドット』。プッチーニもどれもおもしろいです。字幕つきのはなさそう https://bit.ly/3gukjHa

これでいいと思います。これだけ見ましょう。ヴェルディさんのオペラが入らなかったけどまあ「椿姫」と「アイーダ」。

ワーグナーは「トリスタンとイゾルデ」とかはおもしろくないのに長くてしんどいので、せいぜい「さまよえるオランダ人」ぐらい。「マイスタージンガー」は実はおもしろいんですけどね。

↓は以前に書いたもの。

他に有名ミュージカルもじゃんじゃん見たいですね。ハブ・ファン!

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トリスタンとイゾルデの「動機」(1)

いつもの某講義でちょっとワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』の話をしたんです。この曲、動機(モチーフ)になにやら象徴的・文学的意味があるってことになっていて、それを理解するとおもしろいんですよね。せめて前奏曲だけでもその秘密を理解したい。大好きなショルティ先生で。

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