ペッパー警部
ものすごいぶあついアレンジで、左にファンキーなオルガン、右にクラビとカティングギター、それにホーンとシンセ、さらにストリングス。ドラムはチキチキチキチキの16フィールで、実際のテンポより聞いてるテンポは倍ぐらいに感じられる。二人はハモりまくりでキャンディーズよりずっと難度が高い(今素人が二人で実演しようとしても可能なコンビはあんまりないと思う)。さらに女性コーラスも入ってる。すばらしいアレンジです。
歌詞は積極的な女子が公園とかで男子といちゃいちゃしてると(「不純異性交遊」だ!)お巡りさんから早く帰れと言われてしまうわけですが、このころ、なによりピーター・セラーズさんのクルーゾ警部が出てくる『ピンクパンサー』の2と3が大ヒットしたんで、それでしょうな。ペッパーにしたのはまあビートルズの「サージェントペッパー」ですか。
SOS
私の大好きな曲なんですが、男は狼であり女子は気をつけねばならなりません、年頃になったらあるていど行動は慎みなさい、男は羊の皮をかぶった狼である、「この人だけは安全」とかそういうのはありません、おばあちゃんが言うことをぼんやり聞いてたらだめだめだめだめよ、今日もあちこちで処女(おとめ)がピンチでSOS発信してます、ってのは今なら炎上確実ですなあ。昭和芸能は無法地帯です。
カルメン’77
「私の名前はカルメンでっす」の「でっす」がいい。「ああ もちろんあだなに決まってます」の「ああ」とかっていうのも、なんか間が抜けていて、このカルメンがまだ垢抜けてない女子であるのがわかるのがいいですねえ。出身は東北か九州かどっちかねえ。
「まだまだ無邪気なカルメン」「純情すぎると言われます」「お色気ありそでなさそうです」とかっていうのがいい。なんかつげ義春先生の「もっきり屋の少女」のチヨジさんが成長した姿、あるいは10年後バージョンのチヨジさんを連想しますね。どういうお店なんでしょうか……しかしいずれは垢抜けて素敵な魔性のカルメンになるのでしょう。いや、実は田舎娘の皮を被った魔性の女か……
渚のシンドバット
これもイントロがものすごくよい。イントロ最後の中東風のスケールもいいわねえ。Aメロにはいって快適、ってかBメロ・ブリッジ・間奏すごい部品が整然と並んでてすごい。ぜひキャンディーズもピンクレディーもよいイヤホンやヘッドホンで聞いてほしいですね。すごいよ。
ウォンテッド
「うーウォンテッド!」で有名。これは1977年9月。1977年6月に発表されたキャンディーズの「暑中お見舞い申し上げます」でも「ウー!」ってんではじまってて、なんか意識してるんかなあ。アニメ『ルパン三世』が1977年に第2シリーズやって人気、あと「あるとき〜」は多羅尾伴内だけど、石ノ森章太郎先生作画のやつは1978年だからこれは関係ないですね。Aメロのリフはよく聞くけどどこらへんにオリジナルありますかね。まあ曲としては全体は悪くはないけどすごくいい、ってわけではない。部品は印象に残りますがまとまりが悪いよね。
UFO
これは名曲。1977年12月。70年代後半、UFO流行してましたねー。デビッドボウイの「地球に落ちてきた男」が1976年だけど、関係あるかなあ。これはなさそう。映画『E.T.』は1982だから阿久悠/ピンクレディーの方がずっと早い。1977年の『スターウォーズ』は関係ないですわね。藤子不二雄先生たちかなあ……萩尾望都先生の『11人いる』は1975年。『ヤマト』は1974年だけどこれは関係なさそう。
サウスポー
1978年3月。1977年に王貞治さんがホームラン756本打って、これが直接のネタですわね。あと、水島新司先生の『野球狂の詩』が1977年までやってて、実写映画やアニメにもなってますね。
ピンクレディーの魅力は、子供が喜びそうなネタがあるコミカルな歌を臆面なく歌うところですねえ。阿久悠先生は天才。ってか作家たちがおもしろがって作ってるのがわかります。もちろんダンスも素敵でした。下半身使うダンスは当時の純情な少年たちは見たことがなかったのです。
このエントリも順次追記していきます。
- 1983年の邦楽ヒッツ(特に思い出がない……なぜだ)
- 1982年の邦楽ヒッツ(よい曲はあるが印象が薄い)
- 1981年の邦楽ヒット曲 (「春先小紅」はYMOファミリーの最高傑作)
- 1980年の邦楽ヒッツ(オフコースは偉大だが、もんたも偉大だ)
- 1979年の邦楽ヒット曲 (なぜか印象が薄い)
- 1978年の邦楽ヒット曲 (深夜ラジオ全盛期)
- ピンクレディーにコメント
- キャンディーズにコメント
- 1977年の邦楽ヒット曲 (少年は深夜ラジオを聞くようになる)
- 1976年の邦楽ヒット曲 (だんだん記憶しているものが増えてくる)
- 1975年の邦楽ヒット曲 (「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」はやばい)
- スージー鈴木先生の名著『1984年の歌謡曲』の一覧
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