月別アーカイブ: 2012年12月

ジャズ入門(17) アレンジの妙

ファンキージャズもそうなんだけど、1960年前後はアドリブ一発ってのを離れて、曲やアレンジしっかりして全体として演奏を作ろうっていう方向性が強い。まあこれはマイルスがハードバップはじめたときからの方向性でもあるけど、マイルスはきっちりアレンジするというよりはメンバーの色彩をうまく合わせておく、みたいな感じだった。 続きを読む

Views: 11

ジャズ入門(16) オーネットコールマンのフリージャズ

マイルスと同じように、うまく吹けないけど一発当てたい男がいました。あんまり頭もよくないし教養もない。音楽理論とかちゃんと理解できない。そもそもチューニングもできない。さてどうするか。

答:あまり考えずに自由にやる。ただし白人インテリのバッアップを受ける。

続きを読む

Views: 66

ジャズ入門(14) ファンキージャズ

ちょっと時間が前後して60年代前半までいっちゃうけど。

まああんまりアートだの芸術だのしてないで、楽しければいいのではないか。音楽というのは音を楽しむと書くのです!みたいな人もいるわけだわね。

まあポピュラー音楽といういうのはダンスみたいなのと切り離しちゃうと死んじゃうわけでね。死なないまでも弱ってしまう。もっと踊れるようにしましょう。

ファンキーってのはまあ黒人臭いというか、そういうんだと思う。ブルーノートのあからさまな使用とか独特のハネた感じとか。ビバップの人たちはぜんぜんファンキーじゃなかったし、マイルスとかもファンキーじゃない。コルトレーンもファンキーじゃない。もちろんビルエヴァンスもファンキーじゃない。エリントンもベイシーもファンキーじゃない。でもハードバップの人々のけっこうな部分がファンキーだった。

まあゴスペルとかブルースとか、黒人ポピュラー音楽の伝統にもどろう、みたいな。すごいテクニックとか繊細で高度な音感みたいなんいらんから楽しくやりましょう。

モードだのフリーだのっていうのは一部の先進的な人々のもので、こういうのが主流。

おそらく50年代から60年代、アートペッパーとかスタンゲッツとかシェリー・マンとかチェット・ベイカーとかデイブブルーベックとか、白人ジャズミュージシャンも増えてけっこうな人気があった。イケメンだったりして女にはモテた。こっちに来る女は商売人ばっかりだけどあっちは素人女だ。ていうか実力的には黒人ミュージシャンの方が上だけど、人気は白人の方が高くなる。それに対する敵対的な行動でもあったんちゃうかな。おれたちはクサく行くぜ。これはマネできねーだろう。

Views: 7

安物ギターとODの私

30手前になった1994年、オーバードクター人生はどんぞこでもうどうしようもなくてギターを買う。ははは。ストラトとアンプのセットで4万円。払えず2回ばらい。ジャズギター練習するつもりだっんだよな。教則本もいちおう買ってみるけどなかなかむずかしい。コードおさえらんないし、どう練習したらいいのかもわからんし。 続きを読む

Views: 10

ジャズ入門(13) エヴァンス先生によるドラムとベースの解放

ビルエヴァンス先生はモードジャズとかってのの他にもう一つ大きな働きをしていて、ドラムとベースを同じこと繰り返すことから解放したんですわ。

いまままで聞いてきた曲はぜんぶドラムはチーキキチーチキ、ベースはぶんぶんウォークしているわけですが、人数少ないのにそんなことしてたら飽きちゃう。

ビルエヴァンス先生はもっとドラムもベースももっと好きにやっていいよ、と。まあベースだけならチャールズミンガス先生という偉大な方がそういうことやってらっしゃったんですが、それをピアノトリオでやる。さらにドラムもやりたくないならビート刻まなくていいです。ピシ!スパ!とか好きなときに入れてください。

スコットラフォロというベースの高慢な腕利きとポールモチアン先生と3人で白人インテリ高慢ピアノトリオを結成して、決定的な1曲を出す。

聞きどころは、「枯葉」のテーマやったあとにリズムキープする人が誰もいなくなって、ドバババ/ボンビョロ/キョロロ とかしばらくやってから緊張もりあがったところで、エヴァンス先生のアドリブに突入するところですな。まあそれ以前からラファロ先生は勝手なことをやっておるわけですが。もうウォーキングするだけがベースではない。もうここは音でかくしてドラムの人のスティックの音とかまで聞きたい。すごい緊張感。

まあこういう「インタープレイ」みたいなのは、前に書いたようにそれ以前から細かくピアノとソロ楽器の間とかでおこなわれてわけですが、それを公にやる感じ。

ちなみにラファロ先生はウォーキングベースやらせてもすごいスイング感でとんでもないです。ちょっと早めっていうか前ノリでバンドを猛烈にドライブする。

このブッカー・リトル先生のでラファロ先生の推進力を味わってください。

Portrait in Jazz

posted with amazlet at 12.12.29
Bill Evans
Riverside (2008-03-13)
売り上げランキング: 591

ブッカー・リトル

posted with amazlet at 12.12.29
ブッカー・リトル
ビクターエンタテインメント (2008-10-22)
売り上げランキング: 43,363

Views: 12

ジャズ入門(12) モードジャズ

皆が速くて激しい音楽やってるとき、そういう演奏できない人間はどうするか。ってのがまたしてもマイルスデイヴィス先生を襲った問題だった、って理解していいんちゃうかな。

んで、ギルエヴァンス先生とかインテリ白人に相談するのもいっしょ。今回はピアノのビルエヴァンス先生にも協力してもらって、ぜんぜん違う音楽をはじめる。有名なKind of Blueですわね。

アイディアは、パーカーやコルトレーンみたいに速くてコードチェンジたくさんするのがバップの考え方だけど、ついていけないからやめましょう。1個や2個のコードでいいではないですか、と。もうDm7の上でレミファソラシドレだけで演奏するってのでいいじゃん。まあそれだけだともたないから一部Ebm7もつかいましょう。AABA形式にして、BのところでEm7でミbファソラbシbドレbミbで演奏します。スケール2個で1曲作っちゃいましょう、というわけです。

こういうあえて素材を限定してしまおうというアイディアはクラシック作曲家のドビュッシーやサティー(どっちも20世紀初頭ぐらいに活躍)あたりからあって、それを50年後にジャズにもちこんだわけですわね。雰囲気も似た感じになる。

まあとにかくSo What聞きましょう。

もう1曲、Blue in Green。これはモードではないですが、バップとはぜんぜん違う方法論で作られてます。マイルス作曲ってクレジットされてるけど実はビルエヴァンス先生の曲らしい。コード進行もおもしろいしアドリブ部分での構成もおもしろくて、マイルスは32小節で1コーラス、コルトレーンは16小節、エヴァンスは8小節になってんだっけかな。だんだんコード進行が密になる、みたいな。まあそういういろいろヒネリを入れて、「もうハードバップやめようぜ(オレ吹けないし)」みたいな。

まあ文句なしの名盤。超名盤。これくらいの名盤はないってくらいの名盤。ちゃんとクレジットしてもらえたらギルエヴァンス先生あんなに貧乏する必要なかったのに。マイルスも実は悪いやつなんだ。

So Whatとかのアイディアの一つはビルエヴァンス先生のこのPeace Pieceって曲。さらにそのもとはレナード・バーンスタイン先生のSome Other Timeだったかな。

おそらくこの演奏のアイディアになったサティーあたりも1曲聞いてみてください。こっちはジムノペディ。

こっちはグノシェンヌって曲。スケールは違うけど一貫して同じような和音の上で一つのスケールの上で動いてるだけ。おそらくここらへんからアイディアとってきてるはず。

Kind of Blue

posted with amazlet at 12.12.29
Miles Davis Jimmy Cobb John Coltrane Paul Chambers Wynton Kelly Cannonball Adderley Bill Evans
COLUMBIA/LEGACY (1997-03-27)
売り上げランキング: 1,727

高橋アキ先生のサティすごくいいから買いましょう。後悔しないはず。

ザ・ベスト・オブ・サティ

posted with amazlet at 12.12.29
高橋アキ
EMIミュージックジャパン (2009-07-22)
売り上げランキング: 7,997
Everybody Digs Bill Evans: Keepnews Collection

posted with amazlet at 12.12.29
Bill Evans
Riverside (2007-06-21)
売り上げランキング: 28,603

Views: 46

ジャズ入門(11) バップ/ハードバップのどんづまり

ハードバップは歌心を大事にする、とはいえけっきょくやっぱり速く複雑に、っていう欲求は常にあるわけっす。とにかく黒人の人々は競争的なのね。ラップとかでもその場で思いついたことラップして罵り合ったりするゲームがあるじゃないっすか。とにかく黒人男性は敵対して競いあう。まあ黒人だけじゃあくて男ってのはそういうもんなんだけど。

んでいちじき遅くなったハードバップもまた速く複雑になってくんすよ。

これはロリンズとコルトレーンのV.S.。まあでも燃えます。

ハンク・モブレー、ズートシムズ、アル・コーン、そしてコルトレーンの4人のバトルロワイヤル。これは上のほどよくない。

で、50年代のチャンピオンはやっぱりマイルスバンドにいたコルトレーン先生ということになります。この2曲はコード進行とか超難曲で、ふつうの人は演奏できない。それをこのスピードでやる。きっとパーカー先生も10年後にタイムスリップしたら、しばらく演奏できなかったんちゃうかな。

おかしな曲でしょ?調性がどんどん変化していってぐるぐるしてて目がまわる感じ。そんでこのスピードだからねえ。ビバップとかってのは世界で一番速い音楽の一つなんだと思います。200〜300BPMなんてのもあるし。1分間に300拍ですよ。
これはビバップと同じどんづまりというか極北になって、こっからどうすっかなあ、みたいなことをみんな考えたはずですね。とにかく音楽とかってのは変化がないと飽きちゃう。新しいことをやりたいのはアーティストの本能だし。
手下のコルトレーン先生がこんなすごいのにマイルス先生はいぜんとして楽器うまくならない。っていうかなんかあの人は速いフレーズとかそもそも聞きとれなかったらしい。私もわかります。あんまり速いとなにやってるかわかんないのよね。上のコルトレーンの1年前だけどこんなのんびりしたことをやっている。

これでは勝負にならんですなあ。どうするマイルス先生!なんちゃって。

Views: 13

ジャズ喫茶と私

ジャズとか興味はあるものの、よくわからん。とふと通りがかった「しあんくれ〜る」という老舗ジャズ喫茶が「バイト募集」の紙を出してるから面接。2回生の冬ぐらいかな?無事やとってもらって働くことになる。 続きを読む

Views: 7

ビバップの和声的側面(4) コードの装飾の不如意実例

でジャズミュージシャンは勝手にコードを変えて演奏するのだ、そしてそれは打ち合わせないのでぶつかったりするけどかまわん、という話をしましたが、やっぱり実例がないとわからんと思うので、不肖私が不如意ながらも実例を見せたいと思います。 続きを読む

Views: 5

ドラムセットと私

ギターはうまくならないしなんかピロピロを練習する気にはなれなかったんだけど、ドラムセットには興味があった。そもそも中学校でもドラムセット(当時はやってた透明のやつ)があって、打楽器担当の子が叩いてたんだけど私も叩きたい!でもなんか禁欲的な部活なので自分の楽器以外に手を出してはいかん、みたいな雰囲気があってねえ。エイトビートとかシャッフルぐらいはこっそり習ってた。 続きを読む

Views: 9

ジャズ入門(10) ハードバップ全盛

クリフォードブラウン先生はビバップ魂のままにヴィルトゥオーゾの道を行こうとしますが、自動車事故で死んじゃいます。あとはもうマイルの天下。

まあハードバップという様式はつまり、下手でも歌心があればよろしい、というものなので百花繚乱みたいになります。

まあこういう名盤は山ほどあるのでいろいろ探してください。嫌いじゃないけど紹介するのが面倒すぎる。

Views: 21

ジャズ入門(9) ハードバップ誕生

んで、53年にパーカー先生死んで、ああいう腕くらべはもうやめましょう、下手は下手なりに音楽すればいいではないですか、というのがハードバップ。

ここでもマイルス先生が重要な働きをします。
その前しばらくヘロイン中毒とかで苦しんでいたことになってるんですが、たんにパーカーが恐かっただけではないのか。死んだらいきなり活躍します。1954年、記念碑的なアルバムを録音する。
パーカーのああいうのと比べたらとにかく遅いし、タルいっすよね。いっしょうけんめいパラパラ吹いてもパーカーの半分の遅さ。でもこれでいいのである、メロディックだ、と。他のミュージシャンもこれなら俺にもできる、あの白い薬をキメなくてもできる、と、このスタイルに飛びつくわけです。同じアルバムに悲しい歌も入れて、バップをもっと一般にウケるようにするのである。

音楽的には、ホーンのピアノとのからみがしっかりしてきましたよね。お互いを聞く余裕がある。パーカーはトロンボーンとか遅くて嫌いだったらしいけど、マイルスはあえて相手に選ぶ。こう、なんか、こういうのだと自分も鼻歌で参加できる気がするっしょ。ジャズは一部の楽器の巨匠たちのものではなくなった。誰でも参加できます。歌心が勝負っす。下手でもいいんす。なんなら楽器なしで鼻歌で参加してもかまわんす。

偉い。えらすぎる。このロセンで「ハードバップ」というのが成立します。元気にタルくぱっぱらーって曲と、悲しかったりあたたかかったりするバラード。パーカー先生よりずっとわかりやすい。ここらへんでジャズが市民権を得るわけです。
Walkin

posted with amazlet at 12.12.29
Miles Davis
Prestige (2006-10-05)
売り上げランキング: 30,134

Views: 14

ジャズ入門(8) クールとウェストコースト

とにかくパーカー先生はすごくて、40年代後半はああいうのじゃないとプロのジャズじゃない、みたいな感じだったんだろうと思う。もちろんダンス用のバンドはあるものの、プロどうしはジャムセッションで腕を比べるのである。

こういうときに白人ミュージシャンがなにをしてたかというのはけっこうおもしろい話。やっぱりジャズってのは基本的に黒人音楽を根にしていて、白人とかぜんぜんだめだし。でも「好きだからやりたい!」ってやつらはいるわけだ。そこでどうしたか。

アルヘイグ先生みたいにパーカーやマイルスのとりまきになって顔に墨塗って南部を旅した人もいた。まあずいぶんいじめられたでしょうなあ。マイルス先生はビルエヴァンスでさえ白人だっていっていじめたんだから。パーカーとかもうなにしても不思議ではない。でもまあ好きなものはしょうがないよね。

白人の人々はああいう競争的なのがあんまり好きじゃない、っていうかやっぱり過度に競争的なのは黒人文化の一部であって、もっと全体としてアートしているのをやりたいと思ってた人々が、マイルスとか組んでクールジャズとか立ちあげたわけですな。かなりアレンジされていて全体としてアート。マリガンとかデイヴ・ブルーベックとか。同時期のアメリカ現代音楽(グローフェとかコープランドとかバーンスタインとか)みたいなのにも注意している感じ。

どうも親玉としてレニー・トリスターノ先生っていうのがいて、このひとおもしろいんだけど初心者には向かないのでその弟子のリーコニッツ先生。マイルスのBirth of Coolでも非常に重要な役割を果たしてます。まあ最高のジャズインプロバイザーの一人だわね。

スムース。

西海岸はニューヨーク中心とはまた違った文化があって、チェットベイカーとかアートペッパーとかイケメン白人ジャズミュージシャンという文化があった感じなんじゃないっすかね。ジェリーマリガンももともとは西の人。ここらへんの東と西の雰囲気の違いはわたしらにはわかりませんね。

アートペッパー先生とか、黒人ミュージシャン雇ってツアーしたたら、どうも自分がソロをしているときに後で黒人たちが自分のことをせせら笑うような素振りをしていて死にたくなった、みたいな自伝を残しております。

Straight Life: The Story Of Art Pepper

posted with amazlet at 12.12.29
Art Pepper Laurie Pepper
Da Capo Press
売り上げランキング: 92,884

まあ雰囲気なんかわかるよね。イジメ。ペッパー先生偉大なのに。でもやっぱり黒人的じゃないのです。

Views: 19

ジャズ入門(7) クールジャズ

まあジャズ批評家っていうのはあんまり信用できなくて、よくないCDとかもよいっていってすすめたりするわけです。

ビバップの名盤と呼ばれてるパーカー&ガレスピーとかどうなんすかね。歴史的には意義があるんだけど、音楽的にどうなんかな。

私にはもうアルトとペットが早口で怒鳴り合ってるように聞えてそんな好きじゃない。まあとにかく競争してるんですわ。すごいスピードで。

で、まあこういうのしんどいし、音楽ってそんな大声でやるもんでもないだろう、みたいな人々が出てくるのは当然のことであります。

マイルスデイヴィス先生は1947年ぐらいからパーカーのバンドに2年ぐらいいて、前に紹介したダイアルレコードの名盤の隠れプロデューサーみたいな役目を果たしていた。同じ傾向のガレスピーとだとこういううるさい感じになるけど、パーカーとマイルスだと対象的でいい感じなんすよね。

パーカーがマイルスの音楽性を好きだったからバンドに入れてたのかどうかはわからない。っていうかパーカー先生は人格破綻者だったので自分が好きなこと吹いてればあとはどうでもよかったんちゃうかな。マイルス先生はいいとこのボンボンなので仕送りがあってアパート借りてたので、そこに転がりこんでいろいろパシリとして使うのに便利だからマイルス使ってたんだろう。まあとにかくおそらくパーカー先生は誰も自分と同じ人間だと思ってない。サイコパス。

マイルス先生はいろいろ気をつかったり音楽的な全体のことを考える人なので、アレンジ考えたり、(彼が無能だとみなしていた)ピアノのデューク・ジョーダンを首にしようとしたりしてた。

マイルス先生はそんなアドリブとかうまくない。ダイアル盤のテイクとか聞いても、どのテイクも同じような演奏していて、家でいろいろ考えてきてるのがわかる。パーカーは1回ごとにぜんぜん違ってたり。そういうでもコンプレックス感じさせられてつらい。そんな毎回違うことやらなきゃならんもんだろうか?

で、さすがにパーカー先生が金とか女とかいろいろ汚いのでいやんになって飛びだしたはいいものの、ああいう演奏はできない。んじゃどうするか、ってのがクールジャズ。ギルエヴァンスとかリーコニッツとかジェリーマリガンとかインテリ白人といっしょにインテリなことをする。基本的にマイルスはインテリが好きなんですわ。白人インテリを自分勝手に使うと自尊心が高まる。んで、「きっちりアレンジしてるよ」ってことになればアドリブそんな新しいことしなくていいし。

んで、テクニックとかスピードとかじゃなくてアレンジでせまる。無理して高い音とかピロピロとか出さなくても音楽はできるよ、ってな感じで、私はBirth of Cool好きですね。愛聴してます。

まあパーカーが死ぬまでまわりのミュージシャンはパーカーが怖くてしょうがなかった。もう同じステージに立ったら一発でやっつけられるのわかってんだもん。マイルスは違うスタイルだったからいっしょにやれた。パーカーが死んだ53年の次の年あたりからジャズが栄えるのは偶然ではなく、あれと同じことをしなくてもいいんだ、っていう呪縛が解けたってことだって思っていいと思う。

名盤。

Birth of the Cool

posted with amazlet at 12.12.29
Miles Davis
Blue Note Records (2000-12-09)
売り上げランキング: 41,938

Views: 25

ジャズ入門(6) パーカー先生はすばらしいのだ

まあパーカーは録音が改善される前に死んでしまっているので、それほど聞くべきものはないんですわ。前のエントリで紹介した「ダイアル」レコードのやつとサヴォイのやつ、Now the TimeってのとSwedish Snapsってやつぐらい。

これだけはぜひライブラリに加えてほしいってのが Charlie Parker with Strings。これはすばらしい。愛聴盤です。

聞きどころはやっぱりスピード。なめらかさ。歌心。そして突然のピロピロ。「バード」って呼ばれてた理由がわかります。オケの編曲もけっこういいんだ。

長生きしたら音楽の歴史が変わってただろうにね。なんか30才近くなってから本気で作曲勉強したいとかでヴァレーズに習おうとしたとか。薬とか駄目な生活態度はいかんです。
Charlie Parker With Strings: The Master Takes

posted with amazlet at 12.12.28
Charlie Parker
Polygram Records (1995-01-24)
売り上げランキング: 6,896

Views: 23

ジャズ入門(5) ビバップはスピード勝負

んでまあまた鑑賞に戻りますが、そういうことを考えてミュージシャンはいろいろやっているのです。考えてると時間がかかるわけですが、それをどう時間かけずに速く弾くか、ってのを競ってるわけですなあ。スピードキングはもちろんパーカー先生。

前のエントリでアートブレイキーの54年のを聞いてもらいましたが、これは1946。トランペットはガレスピー、のはず。あれ、マイルスに聞こえるなあ。まあ調べます。マイルスみたいっすね。テーマのあとに、バンプ(くりかえし)があって、そのあとのパーカーのブレイク(大見得)が聞きどころ。ピロピロピロピロー。

これは前の和声の話でやったコードの分解みたいなのをやってるんですな。もっと有名なのがあるけどな。youtubeにあるかな。

お、あるある。これはすごいよ。どっかで失敗した未完成のトラックみたいだけど、パーカー先生のピロピロがすごすぎるのでそれだけで売られてるという。

Ornithologyって曲も入ってるしよいですね。アルト、トランペット、テナーの3人が腕を競っております。とにかくどれだけ速く弾くかが勝負。聞く方も音の粒々に集中してききたいです。

まあ音あんまりよくないからあれなんですが、これと比べると、54年のブレイキーのはたるいというか勢いは感じるけど繊細さやスピードの点で劣ってる。あれのルー・ドナルドソン先生ももちろんこのパーカーの演奏は何十回も聞いて知ってるわけですが、こうはできないので悔しい思いをしているわけです。この曲はこのブレイクの部分でなにをやるのか、っていうのが聞きどころになる。まあパーカーと勝負しようって人はいないわけで、どうやってこの演奏を思いうかべながらあれするか、みたいな。

実は55年ぐらいからのハードバップっていうのは、パーカーとかのこういう高度な技術と知識と感覚にささえられたビバップはたいへんすぎるので、もっと楽しくやろうじゃないか、みたいな運動だったんす。そんな一生懸命やらなくたって楽しく美しい音楽はできるよ、みたいな。ちょっと志が低い感じもするけど、まあパーカーとは勝負できない。

というわけでパーカーのような純粋ビバップという様式は45年ぐらいから50年ぐらいまででおしまい。誰もそのスピードに耐えられなかったんすわ。精神は残るわけですけどね。

(まあここだけの話、どう考えてもこの40年代後半から50年代前半の超スピードの音楽は薬物の影響を感じるんですよ。戦中〜戦後のドサクサといえばあの頭がすっきりして興奮するという薬物が思いうかびますよね。日本でもあれしたあの薬。いまでもあれしているあの薬。ジャズミュージシャン、特にパーカーというとヘロインって話になるわけですが、こういうタイプの音楽はダウン系の薬物やってたらできないんじゃないのかな。他のミュージシャンにもそういう影響を感じることがあるです。ハンプトンホーズのAll Night Sessionっていう有名盤があるんですが、あれもおかしい。やっぱりあれキメてたんでしょう。やっちゃだめですよ!)

チャーリー・パーカー
EMIミュージック・ジャパン (1997-05-28)
売り上げランキング: 30,978

On Dial

posted with amazlet at 12.12.28
Charlie Parker
Spotlite (2001-06-04)
売り上げランキング: 271,585

Views: 26

ビバップの和声的側面(3) コードの修飾

んじゃ具体的にどういうことをしているのか。実はもうなにやってもかまわんのですが、いくつかよく使われる手段がある。

実は前に「コード進行を複雑にする」とかってのがそのまんまなんすよ。
続きを読む

Views: 21

ビバップの和声的側面(1) 前置き

ビバップはリズムも非常に特徴があるのですが、和声的にもいろいろなことをしていて、これ解説するのは猛烈にたいへん。うまく解説するとお金が発生するくらいたいへんなのではないかと思うです。でもネットでうまい解説を見たことないので、ちと書いてみたい気はある。 続きを読む

Views: 42