星野源の「恋」の歌詞はエッチだと思う

最近、学生様たちが図書館に自発的に集まって星野源の「恋」の歌詞を考えようってな企画をしていたので、参加してきたんですわ。学生様が読書会その他、自発的にいろんなことをするっていうのはほんとうにすばらしいことですわねえ。私も邪魔にならない程度にいろいろ応援したい。

んで「恋」ですが、これ数年前にギターで弾き語りの真似しようとして練習したことがあったんですわ。練習しながらニコ生配信したとき、歌詞についてもちょっと考えてみたりしました。

営みの
街が暮れたら色めき
風たちは運ぶわ
カラスと人々の群れ

この先生の歌詞の特徴として、省略が多いんですわね。「営み」は「日々の営み」とか「昼間の営み」とか「営業という営み」とかそういうことなんだろうけど、「営み」一発ですます。「営みの街」って、繁華街なのか、住宅地なのかよくわかんけど、まあその中間ぐらいの、電車やバスが走ってる街ですかね。

「色めき」もなにが色めくのかよくわからん。繁華街ならネオン、住宅地なら住宅や団地とかの窓に明かりが灯る感じですかね。

風はカラスと人の群れをを運ぶ。カラスが鳴くから帰ろう。うちには七つの子がいるかーらーねー。

意味なんか
ないさ暮らしがあるだけ
ただ腹を空かせて
君の元へ帰るんだ

「意味」っていうと哲学やら倫理学やら勉強していると、「人生の意味」とかそういう大物を考えちゃう。人生の意味なんかないのです。ただ毎日の暮しがあるのです。

キリスト教の聖書に「コヘレトの言葉」っていう章があるんです。むかしは「伝道の書」って呼ばれれたみたい。こんな感じ。

伝道者は言う、空の空、空の空、いっさいは空である。
日の下で人が労するすべての労苦は、その身になんの益があるか。
世は去り、世はきたる。しかし地は永遠に変らない。
日はいで、日は没し、その出た所に急ぎ行く。

リンク貼っておくので読んでみてください。これはどうも賢者として有名なソロモン王が作った、ってことになってて、「私はいろいろやりましたが、すべては空しいです」みたいなそういうニヒルな文書だって言われてます。

しかし、この文書は読みようによってはさほどニヒルじゃなく、人生は全体としては空だし、贅沢やあざとい快楽はむしろ害悪をもたらすものなんだけど、毎日の食事みたいなものがもたらしてくれる喜びはよいものだ、って歌われてるんですわ。

「人は食い飲みし、その労苦によって得たもので心を楽しませるより良い事はない。」「すべての人が食い飲みし、そのすべての労苦によって楽しみを得ることは神の賜物である」「あなたは行って、喜びをもってあなたのパンを食べ、楽しい心をもってあなたの酒を飲むがよい。」

人生は空だから意味なんかないけど、毎日おうちに帰って家族とごはんを食べるのはよいことだ、みたいなそういうメッセージがありそうで、星野先生これ知ってるかどうか知らんけど、知ってるんじゃないだろうか。

物心ついたらふと
見上げて想う事が
この世にいる誰も
二人から

これはその学生様の歌詞検討会で指摘させてもらってけど、なにを見上げてるのかが問題ですね。物心ついたってのは子供で、子供が見上げたときに何が見えるか。私は、空や山やビルじゃなくて、親だと思いますね。この世にいる誰(で)も父母の二人から生まれているだな、ってことですね。「ママから生まれた」じゃないところがポイントですね。パパがいないと子供は生まれない。となると、「セックスしたのだ」ということですか。

胸の中にあるもの
いつか見えなくなるもの
それは側にいること
いつも思い出して

胸のなかにあるものはまあいくつか解釈あるだろうけど、曲タイトルの「恋」でいいんですかね。あるいは「愛」か。

君の中にあるもの
距離の中にある鼓動

これも「恋」なりなんなりが指されてるものなんですかね。まあ恋っていうと聞こえがいいんだと思うんですが、私はここは非常に肉体的で肉感的なものを感じるんですが、どうでしょう。距離のなかにある鼓動ってのは、自分じゃない他人の鼓動だろうから、他人にくっついてそれを聞いているか感じているかしているわけです。

恋をしたの貴方の
指の混ざり 頬の香り
夫婦を超えてゆけ

私ここ最初は「恋をしたあなた」って聞いてたんですが、「私が恋をしたのはあなたの〜」なんですかね。「指の混ざり」とかものすごく新鮮な言葉づかいだけど、指をからめてる感じですか。「頬の香り」もふつうはごく近づかないとかげげないですよね。そういうんで非常に星野先生らしいエッチな感じがする。「夫婦を超えてゆけ」の解釈は保留。

みにくいと
秘めた想いは色づき
白鳥は運ぶわ
当たり前を変えながら

「みにくいと秘めた想い」っていうのも解釈が必要だけど、人間の醜い欲望といえばやはり性欲ですか。食欲もそこそこ醜いけど、性欲ほどではないですね。それにあんまり隠す必要がないと思われてるし。「まーおいしそう!」とか平気で言うけど「へへへ、あのXXはいいXXXXだな」とかだと秘めた方がいいだろう。

そういう秘めた思いが「色づく」っていうのも解釈が必要なんだけど、これは「色気づく」の意味ではないだろう。果物とか野菜とかが色づく、実る、成熟するって意味だろう。

さっきはカラスだったんだけど、ここは白鳥。白鳥が運ぶっていうのはわかんけど、似たような白くて大型のコウノトリが運ぶものは当たり前の生活を変えるかもしれない。はっきりいってしまうと、エッチな思いでセックスばっばりしていると妊娠してあわてます、ですか。ここらへん、歌詞で直接に歌わずに連想つかっていてうまいですね。

恋せずにいられないな
似た顔も虚構にも
愛が生まれるのは
一人から

「似た顔」っていうのはまあ親子ですか。「虚構」はむずかしい。結婚制度は虚構です、みたいなそういう話かな。さっきは恋だったけど、愛が生まれるのは一人で、その一人っていうのは、さっきのコウノトリの連想からすると両方に似た顔の誰かでしょうか。

泣き顔も 黙る夜も 揺れる笑顔も
いつまでも いつまでも

まあここは「人生と生活はいろいろあるけどがんばりましょう」ですね。

夫婦を超えてゆけ
二人を超えてゆけ
一人を超えてゆけ

んで、最後のこれが残りますが、夫婦を超えて家族、2人を超えて3人に、ぐらいですか。「1人を超えていけ」は一人でいるのやめて家族になって少子化に対抗しましょう、ぐらいかな。

全体としてこの曲はリスナーの連想を非常にうまくつかってるし、単にエッチなだけじゃなく、生殖とかからんだエッチでものすごくエッチだと思いますね。夫婦というのはそうでないカップルよりずっとエロい。そういうことを歌ってるんではないでしょうか。こういうタイプの曲はあんまり聞いたことがない。プリンス様がマイテさんとラブラブだったころに作ってた曲ぐらいかなあ。

もっとひどい解釈もありそうな気がするけど、まあ今回はこれくらいで。

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