月別アーカイブ: 2014年10月

田村和紀夫先生の本を読もう!

これ、昔書いてそのまま「下書き」になってた。その後、さらにいくつか読んだんですが、とにかくこの先生はすばらしいので読みましょう。


図書館で音楽の本をパラパラ見てたら、田村和紀夫先生という方がいらっしゃることを知りました。このひとすごいわ。

このブログでは調性がどうのこうのリズムがどうのこうのって話をしていましたが、この先生は音楽史とかのなかでそういうのがどういうふうになっているかわかりやすく説明してくれてます。こんなブログ読んでるより先生の本読んだほうがいいです。

とりあえず2冊読んでみました。

どっちもモーツァルトやベートーヴェンの苦悩がどうのこうの、って話じゃなくて純粋に音楽としてどういう部分を聞くと楽しいのか、理解が深まるのかってのを説明してくれてます。

ただし楽譜読めないとちょっとつらいかもしれません。でも雰囲気だけはわかるんじゃないかな。この方がDVDとかネットとかで音楽解説してくれたらいいのにね。きぼん。


このあとも『ビートルズ音楽論』読んだんですが、これはすばらしいビートルズの音楽論です。ポップ音楽好きな人や作ってる人は絶対に読みましょう。特にコード進行と歌詞の関係とかの分析がすばらしい。

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ローランドカーク先生を聞いて秋に耐える

ローランドカーク先生も好きですねえ。口に複数楽器咥えて和音鳴らしちゃったりする盲目の音楽家。とくにこのThe Return of the 5000 Lb. manってのが好きでたまらん。最初の曲はこんななの。いっしょに音楽的な旅に出ましょう。Theme for the Eulipions
 
ウツが最高になってるのがこれ。ミンガスの曲。好きな曲で、これを念頭に私自身も勝手に歌詞つけてカバーしてみたことがあります。Good-bye Pork Pie Hat 私がやるとこうなる。ははは。 https://yonosuke.net/yonosuke/porkpie2.mp3 歌詞がきっちり決まらなかったりいつものように途中でよれたり音はずしたりしてるけど、いまだに好き。んで最後の2曲はすごく明るくてもりあがるんですよね。でもyoutubeにはないや。ぜひ買ってください。秋冬苦手な人ににいいと思います。
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生きてるのが難しいときはボビーウーマック先生を

やはり秋冬になると誰しも調子が悪くなってこの世に存在していることが難しくなるわけですが、とりあえずボビー・ウーマック先生の「110番街」を聞きましょう。
ウーマック先生は非常に説教くさい方で、いろいろ人生のためになる説教をしてくれます。

生き延びるためだったらなんでもしましょう。正しくなくてもかまわん。

とにかくその状態から抜けだすのです。もっとましな生き方ああるのがわかっても、とにかく生き延びるのが先です。そしてもし生き延びたいなら、強くなきゃだめです。そのときに正しくないとかカッコ悪いとかどうでもいいのです。

音楽的にはドラムのチッチッチキチってのと1:55あたりからのオーケストラヒットがかっこいいですね。

女性とつきあっている人はWoman’s gotta have itっていうお説教も聞いておきましょう。ウーマック先生のお説教にまちがいはありません。

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録音技術を楽しむ

この前、ask.fmで録音エンジニアを気にすることがあるか、という質問をもらいましたが、たしかにポピュラー音楽では録音大事ですよね。エンジニアの名前を気にしてそれでCDを買う、みたいなことはしたことないですが、この曲は録音技術の勝利だな、みたいなときはあります。

ジャズとかだとルディー・ヴァン・ゲルダー先生とか超有名ですわね。なんというかこの先生が「ジャズ」の音を決めた気がする。

ピアノの内部のマイクつっこんでオンな感じでとってて力がある。この演奏自体はまあヨレたりしていてあれですが、この録音に助けられてるところもあると思う。

ビルエヴァンス以降はちょっと離れて録ったり、ECMみたいに会場の残響をすごく大事にしたりするのもありますが、やっぱりハードバップはオンでとりたい。

ロックだとやっぱりレッドツェッペリンですね。はじめてWhole Lotta Loveの冒頭を聞いたときは衝撃を受けた。

当時私は高1だったと思いますが、1980年ごろなのでどの楽器もきれいに整理された形でとられているのが普通だったので、この左から来る歪んだギターのスピーカーの紙が震えてる感じにしびれた。これもかなりアンプに近づいて録ってるんでしょうが、スピーカーのまわりの空気の感じもとれてて名録音だと思いますね。これじゃないとツェッペリンじゃない。もちろんボンゾのドラムの録りかたもすばらしい。私1枚目は録音悪くて聞きません。

80年代前半はなんかスネアドラムにゲートかなんかかませて「バシ」みたいな音がはやりましたね。今聞くと微妙なかっこよさ。

https://youtu.be/1hDbpF4Mvkw

Roxy MusicのAvalonも録音技術の勝利な気がします。デジタルリバーブかけまくりで空間が広い! ちょっとこのYoutube音源ではこれのよさが出てないので、CDで聞いてみてください。

録音っていうので思いうかぶのはこの4曲ぐらいかなあ。

録音、特にドラムの音は録音や処理のはやりすたりがあっておもしろいですよね。これ国内でも大学の先生が授業でいろいろ比較したりしてるんじゃないかと思うので、ブログでも書いてくんないかなあ。

あ、1曲大事なのがあった。

これね。カセットテレコでとったとか。歪みまくっているのが勢いあっていい。

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バトラー様のフォロワーを考える(3) さらに主体と表象について教えていただいております

ありがとうございます。ヘーゲル関係の講義を聞いているときを思いだしました。聞いてるとだんだん何を言おうとしているかわかってくる。

>なるほど、choicesするの意味上の主語はlawやpolitical structureですか。individualかと読みちがえてました。

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進捗どうですか (18) 計画と進捗管理はもちろん重要なのに大学教員はわかってない

10月第3週、前半はわりと落ちついて勉強してました。毎年この季節はまあ落ちつきかげんで集中できることが多いので貴重です。いつもこういう気候ならいいんですけどね。

しかし後半は例の研究費獲得のための書類を書かねばならず、そういうの苦手で四苦八苦。以前は私立大学は教員にわりと「研究経費助成」などで研究費をくれる傾向があったようですが、いまは各大学とも「とりあえず申請しろ、科研費出さなきゃ研究経費助成も認めんぞ」と強く指導されます。まあ筋は通ってますわね。

データベースとか見ると、みんながんばって研究してるなー、中年すぎてもらってる人は一流の人ばっかりだなとか。でもそのわりには論文とか出てないような気がする、とか。人文系の研究成果っていうのはなかなか謎ですね。ははは。

まあとにかく出さねばならない。ってので土日徹夜になっちゃったりして。でもまあ書いてみるとやっぱり計画は大事ですよね。人文系の人間は「自由な発想が大事だ!」とかっていって計画通りに研究するという習慣がない人が多いような気がしますが、やっぱりどれくらいの労力と時間と予算を投下してどれくらいの成果が出るかを見つもる、実行してみて進捗を計測してうまくいかなかったら計画を見なおしたり、放棄したり、っていうのはあたりまえのことですわね。企業だったらごくごくあたりまえなのに、大学教員はそういう習慣がないのは驚くべきことです。反省しました。いやはや。

進捗管理こそすべて。こころがけます。「研究者のための進捗管理」とかビジネスにも詳しいコンサルの人とかが書いたら売れるんちゃうかな。

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進捗どうですか (17) 自発性がすべてだ

安彦先生の書評研究会終ってから、ちょっと間があいてしまいました。進捗だめです。

その後なにをしてたのかというと、9月から10月はじめにかけては、書けと言われていた某雑誌の原稿をやっていたのですが、途中で放り出してしまいました。いろいろ悩んだのですが、まあ今は書けない感じ。そういうのはだめなのはわかっているのですが、できないものはできない。

なんかやっぱり自発的じゃないとだめなんすよね。私はなんというかあるていど調査とかしてそこらへんの地理がわかってからじゃないと書けない。書けるときってのはなんか「こういうのを書くべきだ」っていう内発的な動機があり、「だいたいこの分野の議論はこうなっている」とかそういうある程度の自信があるときだけなんですわ。

付け焼刃で勉強したことは、こう浅くて、浅いものを書いてもかまわんとわかっていても浅くて書いてていやになる。浅くても書けるときはあるんですが、そのときはなんかある種の感動みたいなのがあってこれまた自発的に書ける。とにかく締切あるのはだめ。

まあしかしその落としたやつのために勉強したことは非常にためになったので、いずれ出します。でもいまは出せない。熟してくるのを待つ。

んで10月に入ってからは当初計画通りに研究を進めています。なんかいきなり楽になり、充実感を味わってます。これやるために研修させてもらってんだよな、みたいな。やっぱり成果出すために勉強したいと思ってたことは楽しいし、いろいろ発見がある。ノート作ったり、試作品書いたりしています。どういうこと勉強しているのかはそのうちブログ記事にしたい。

まあとにかく自発性とか内発的動機とかっていうのはほんとうに大事だ、ということを確認するための半年でした。自発的なことをやっているときは楽しいし、なんというか自分がやってることがright trackにある、みたいな感じがします。やりたいこととやるべきことが一致しているのが人間のあるべき姿ですわね。

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