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旧「目の中の丸太日記」

小松美彦先生の『脳死・臓器移植の本当の話』(3)

ISBN:4569626157あとシンガーの議論やろうかと思ってたけど、根気がつづかん。一箇所だけ。脳の機能が不可逆に停止した人間に関して倫理的に関連のある最も重要な特徴は、その人間が人間という種の一員であるということではなく、その人間には...
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小松美彦先生の『脳死・臓器移植の本当の話』(2)

続き。いわゆる「パーソン論」前からいわゆる「パーソン論」の解釈は非常に気になっているのだが、よい入門・解説書がないんだよな(あとで調査する)。とりあえず小松美彦先生の文章を読みながら落ちいりやすい読み間違いを確認しよう。パーソン論とは、一言...
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小松美彦先生の『脳死・臓器移植の本当の話』(1)

ISBN:4569626157前回書いた『情況』の大庭健先生は、次のようにおっしゃっている。だからすでに生命倫理学の土俵に乗ってしまっている人は、せめて(小松美彦先生の)『脳死・臓器移植の本当の話』(PHP新書)程度だけでいいから、小松さん...
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『情況』を買ってみた。

ちょっと前に大庭健先生の名前を出したばっかりなのだが、おもしろいという評判なので()『情況』11/12月号を買う。(この雑誌はじめて買ったかな)『状況』だと思ってたけけど違うのね。無知はいやだなあ。p.51 の特集扉が「諸論理のポリティクス...
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レスポンシビリティ

英語の「責任」に当たる言葉、responsibilityという言葉は、だれだれに答える、応答する、respond toという動詞表現に関係していて、要するに応答できるということですね。他者からの呼びかけ、あるいは訴え、アピールがあったときに...
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かっこいい文章

檜垣立哉『生と権力の哲学 (ちくま新書)』。まずフーコーの仕事を、フランス現代哲学の流れのなかに位置づけてみよう。そのためには、何よりもまず、フランスにおけるエピステモロジー(科学認識論)の系譜について押さえなければならない。エピステモロジ...
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さらに追記(7/21)

なんで「アファーマティブ・アクション」「ポジティブ・アクション」は優遇措置を含むと思いこんでいたのだろうとちょっと考え、ふと大沢真理先生の『男女共同参画社会をつくる (NHKブックス)』を読み直してみる。(勉強不足でこれ以外にこの手の話題を...
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田中重人先生につっこまれてしまった

「ポジティブアクション」についていいかげんなことを書いた( )のについて、田中重人先生 からつっこまれてしまった(というか、つっこんでいただいた。ありがとうございます)。非常に勉強になる。関心ある人は必読。いろいろ指導してもらっているので、...
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後藤浩子先生のファンキーな引用法

でコメント書いた後藤浩子『“フェミニン”の哲学』。ケラーの本が届いたので読みなおしているかな・・・と。その前に。・・・ヒュームもまた、同様な問題に直面し、次のように言及している。男性と女性は幼い者の教育のためには、〔力を〕合一しなければなら...
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「哲学の劇場」コンビのヒュームの法則理解

『バックラッシュ! なぜジェンダーフリーは叩かれたのか? 』はもう読む気がなかったのだが、ぱらっと手にとって気になって放っておけなくなった部分がある。ヒュームの法則とは、「~である」から「~べきである」を導くことはできないという主張のことだ...
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macskaさんのアファーマティブアクションの解説

。この件あんまり勉強してないのでただのメモ。このブログではネット上の情報について書くことはなかったのだが、不十分かと問われれば不十分だと思うのでメモだけは残しておくです。米国の現状や判例に興味あるひとは 、もっと哲学的な側面の方に興味がある...
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『バックラッシュ! なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?』

楽しみにしていた『バックラッシュ! なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?』。期待してたけどもうひとつだった。半分以上がなんというか大きなヨタ話で占められていて、実質的な議論らしい議論をしていると思われる論文はほんの数本(山口論文と瀬口論文)...
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小谷野先生の『なぜ悪人を殺してはいけないのか―反時代的考察』

小谷野敦先生は私が敬愛する人の一人。おもしろいことを色々書いていらっしゃる。共感するところも多い。一回は御著書についてなんか書いてみてかった。死刑の問題については最近興味があるので読んでみよう。それは対偶ではないですよ。・・・これを、当為命...
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後藤浩子先生のファンキーなフェミニスト哲学

後藤浩子『“フェミニン”の哲学』とか。なんだこれ。エヴリン・フォックス・ケラーの『遺伝子の新世紀』という本によっかかってなんか変なことを書いているが、このケラーの本というのはまともな本なのだろうか。調査すること。なんで現代思想とかそういう人...
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解説まちがいさがし(2)

メモだけ。山形はこの本がまんま「自由」についての本じゃなくて「意志の自由」と道徳的責任の本だってのをちゃんと理解していないかしれない。解説でも「自由」という言葉はふりまわしているけど「自由意志」という言葉は使っていない。ここには大きな違いが...
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ミードの表その後はあるかな

そういや、トラックバックされたりして思いだしたのだが、Margaret Mead の Sex & Temperament: In three primitive societies がこの前届いていた。もちろん問題の表は存在しない。さて、調...
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女性器研究本2冊

どうでもいいことだが、キャサリン・ブラクリッジの『ヴァギナ:女性器の文化史』ISBN:4309204538とイェルト・ドレント『ヴァギナの文化史』 ISBN:4878936894を短期間に読む機会があったんだが、ブラックリッジの方はドレント...
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ファイトバックの会とwebプレゼンテーション

を見る機会があったのだが、4月17日の裁判官退席の件、会の主張がよくわからんな。
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On Bullshitその後

『ウンコな議論』 ISBN:4480842705 に品川哲彦先生が書評を書いている。
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まだまだ「ミードの表」

粘着している「ミードの表」問題。村田孝次先生の『教養の心理学』四訂版、培風館、1987を入手。初版1975年、改訂版1979年。村田孝次先生は奈良女の先生だった模様。発達心理学が専門かな。てっきり村田先生は文化人類学者だと思っていたけど。毎...
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アンドレア・ドウォーキン メモ

WikiPediaでAndrea Dworkinの項読んでみたり。 恥ずかしながら、知らない重要な事実がけっこうあった。
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立岩真也先生『自由の平等』その後

立岩先生については、内容的にもけっこう難しい問題がはいっているので、内容について少し真面目に考えてみる必要があると思うようになった。時間がかかりそうだ。とりあえずでは他にこの規則を正当化する理由があるか。考えてみると、実はこの主張は「私の働...
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「マーガレット・ミードの表」問題その後

マーガレット・ミードの名前を使ったニューギニアの3部族についての表問題。Amazon から本が届いた。まず、井上知子・新野三四子・中村桂子・長嶋俊介・志水紀代子『生き方としての女性論』嵯峨野書院、1989 ISBN:4782301375 で...
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立岩真也先生とアイザイア・バーリン

北田先生の立岩先生評立岩真也先生は『自由の平等』(岩波書店、2004) のあとがきですばらしくクールな文章を書いている。幾名かの名があげられ、何冊かの本が引かれてはいるが、わかる人ならすぐ分かるように、これは本を読み勉強して書いた本ではない...
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北田暁大先生の立岩真也先生評

立岩真也先生は『自由の平等』岩波書店2004 ISBN:4000233874 のあとがきですばらしくクールな文章を書いている。幾名かの名があげられ、何冊かの本が引かれてはいるが、わかる人ならすぐ分かるように、これは本を読み勉強して書いた本で...
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伊田広行『はじめて学ぶジェンダー論』の謎

伊田広行『はじめて学ぶジェンダー論』大月書店、2004。ISBN:4272350188この本でもジェンダーは文化だってことの証拠としてp.62でミードの『男性と女性』の研究がひきあいに出されている。で、先日触れた伊藤公雄の『男性学入門』IS...
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伊藤公雄先生の『男性学入門』

ISBN:4878932589。1996年。2005年10月には第10刷。売れてる。p. 164からマーガレット・ミードのニューギニアでの研究があげられていて、ニューギニアのような狭い地域でも集団文化によって男女の性役割がずいぶん違うよ、と...
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加藤秀一の性暴力論

昨日加藤秀一先生の『性現象論―差異とセクシュアリティの社会学』を読んでかなりショックを受けたので、ちとメモを残しておく。ちょっとよく読んでみる。気になった終章の「性/暴力をめぐって」の前に、ポルノを論じているところ(第3章)でも性暴力の話を...
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性=人格論とか

セックスやセクシャリティまわりの社会学や哲学まわりというのはほんとうに難しい。私の頭が悪いからなのだろうが、よくわからない議論が多くて困る。
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『性現象論』

浅野千恵のかなり優れた論文「『性=人格論批判』を批判する」(『現代思想』第26巻11号、1998)を読んでいたら、加藤秀一の『性現象論―差異とセクシュアリティの社会学』にぶつかった。あれ、性暴力について書いてたんだ。でちょっと『性現象論』該...