ファイトバックの会とwebプレゼンテーション

http://fightback.exblog.jp/ を見る機会があったのだが、4月17日の裁判官退席の件、会の主張がよくわからんな。

傍聴者の人数を読めなかったとかってのはまずいのかもしれんが、指示に従わない聞かない傍聴者が多くてやばいから裁判延期、ってのはありそうな話なんだが・・・。そういう話ではないのだろうか。私のような政治音痴にはわからんかもしれない。

ついに裁判長は、「中止します」とあっというまに自ら退廷。これは多くの傍聴者が発したエネルギーが、裁判長の紛争解決能力を萎縮させ、裁判長席にい たたまれなくさせたせいではないだろうか。

とか、ちょっとまずすぎる。退廷命令出したのに従わなかった人間がいる場合、(1)強制的排除か(2)休廷・延期、のどちらかしか選択肢があるまい。まさか強制排除するほどじゃないから、延期は正しい判断に見える。

それにしても、運動家の人々はwebの作り方にもっと注意してほしい。いまじゃ最強の市民メディアなんだし。ブログ形式だけじゃ読みにくいからだめ。

ちゃんと全体の情報がわかるようにしてほしい。「館長雇止め」がどういう裁判なのかさっぱりわからん。その「ホームページ」はhttp://fightback.fem.jp/ だが、全体がわかるのは「よびかけ」と訴状ぐらいが置いてあるだけで、あのページ読んで会の主張の全体やその正当性がつかめる人はほとんどいるまい。あれを読んだだけでそれに応じて「応援」しちゃう人はよっぽど批判能力がないひとたちだけだろう。2ちゃんねるあたりのいろんな「まとめサイト」の方がよっぽどうまい。

上のファイトバックの会のページを批評してみると

  • いま「ホームページ」で一番目立つのは「5月22日に法廷を埋めつくそう」になってる。わからんではないが、そういうのはblogの方で大々的にやればよい。そういう流れていくべき情報と、基盤となる情報や主張は分けておく必要がある。
  • 「雇止め裁判とは何か」のページを作ってホームページの一番目立つところにおくか、トップページに書く。現状では最低限の知識を得るために「ホームページ」→「みなさん応援してください」→「よびかけ」の3クリックが必要だから、最大2クリックにしなきゃ。
  • 三井館長の雇止めが「バックラッシュ」によるものだという論証が必要。「社会的にフェミニズムとかそこらへんに対するバックラッシュがあった」ということと、「三井館長がクビになった」ということの因果関係をはっきりさせてくれないと納得できない。訴状に書いてあるんだと思うが、そんなもん読む気になる奴はほとんどおらん。
  • 就業規則の改訂が三井館長をターゲットにしているという論証も必要。なんか一方的だぞ。企業でも終身雇用をやめて派遣使って、思い通りに働いてくれない人は使い捨てるってのが流れだろう。官公庁や大学その他、かたいところでも全国的に非常勤に厳しくなっていったってのはここ10年ぐらいの流れだったと思う。それで苦しんでいる人は男女を問わず多い。そもそも館長を非常勤にしてしまうというんだから、最初から館長が固定しないつもりだった、使い捨てにするつもりだったんじゃないのか。(もちろんそれがよいことだと言うつもりはぜんぜんないが。)
  • Q and Aはブログで書いたあとにホームページに移動すべき。
  • テレビ番組の動画について、「公開期限が切れました。ご覧になりたいかたは私的に保存している物がありますので fightback@hh.fem.jpまでご相談下さい」とかって書いていて著作権とかそういうのに関して無関心なところを晒しているのはまずい。ワキが甘いというか。
  • フェミニズム運動系のページでは、「代表者」がはっきりしてないことが多いのがいつも気になる。いったい誰が代表者なり責任者なりなのか、明示してほしい。誰が責任を負っているページなのかはっきりしていないのはやはり価値が下る。これは私の男性的なバイアスなのかもしれない(っていうかまさにその典型だろう)のだが、最終的に誰が責任負うのか、誰に話をすればよいのかは、私のような資質の人間には非常に気になる。筆名その他なんでもよいが、とにかくトップの人間ぐらいは明示してほしい。「ファイトバックの会、代表者 フェミ野フェミ子 femimi@~、会員~。でOK。逆に、「賛同者」なんてのはいらん。せめて「ファイトバックの会とは」のページぐらいは作ってほしい。もしかするとトップが誰か意図的にはっきりさせてないのかもしれないが、そういう組織はやっぱり社会的な信用に欠けると思う*1

まあwebもblogも、やっぱり最後はコンテンツだ。あたりまえ。自分たちの主張をわかりやすくプレゼンしてください。とにかく運動家はもっとプレゼン能力を高めよう!

*1:同じく気になるVAWW-NETジャパンは「共同代表者」になっている。なぜ「共同」にするのか、とかってのはジェンダー研究にとってよい課題だと思う。

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