ブーニン先生のセックス倫理学本は最高です

デヴィッド・ブーニン先生という私が以前から尊敬している応用倫理学の先生がいるのですが、2022年に The Palgrave Handbook of Sexual Ethics という素敵な本を編集してくれて助かっています。

目次はこんな感じ → https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-030-87786-6 タイトルだけ訳しとくとこんな感じ。強調してるのはChatGPTに読んでもらいました。

  1. David Boonin イントロ
  2. Edward Freser 「性道徳の形而上学的基礎」
  3. Raja Halwani 「性的快楽の倫理学」
  4. Caleb Ward & Ellie Anderson 「エロチックなオブジェクトであることの倫理的意義」
  5. Carol Hay & Helga Varden 「グッドセックスとバッドセックスの誘惑という問題についてのカントとアーレント」
  6. Natasha McKeever & Luke Brunning 「性的嫉妬と性的貞節」
  7. Patricia Marino 「性的使用、性的自律、適応的選好:性的モノ化に対する社会的アプローチ」
  8. Michael Tooley 「マスターベーションと不合理/不道徳な性的活動」
  9. Dan Demetriou 「童貞とモテ男:インセル問題の解決としてのモノガミー制度」← ChatGPT訳あり
  10. Christopher Kaczor 「同棲の倫理学」
  11. Francis Joseph Beckwith 「なぜ性的暴行は特別か:取引的セックスと神聖なる制度」
  12. Jessica Flanigan 「欺瞞とセクシャルハラスメント」
  13. DavidBenatar 「同性愛、獣姦、ネクロフィリア」
  14. Alastair Norcross 「婚前禁欲の不道徳性」
  15. Shaun Miller 性的自律と性的同意
  16. Tom Dougherty 「セックスへの熱意ある同意」
  17. Alan Soble 「性的同意の十分性」
  18. Elise Woodard 「バッドセックスと同意」
  19. Jordan Pascoe 「女性をリスペクトする:#MeToo後に同意を越えて考える」
  20. Stephen Kershnar 「法定レイプは犯罪であるべきか」
  21. Andria Bianchi 「性的同意、認知症、福利」
  22. David Boonin 「搾取と性的同意」
  23. Laurie Shrage 「欺罔によるレイプ問題の解決」
  24. Sonu Bedi 「性的レイシズム」
  25. Cheryl Abbate 「人種的性的差別:道徳的権利か道徳的不正か」
  26. Kevin Mintz 「性的能力主義:セックスワークが最善の解決法か」
  27. Alida Liberman 「性的排除」
  28. Neil McArthur 「セックスとテクノノジー:Tinderからロボットセックスへ」
  29. James Rocha 「大学パティーフックアップ:同意、アプリ、ダブルスタンダード」
  30. Peter Brian Barry 「#MeToo と 加害者晒しの倫理学」
  31. John Corvino 「下品なファンタジー(セックスロボットについての後書きつき)」

倫理学の大物もけっこう入っていておもしろそうですね。そして実際おもしろい。私はやっと同意に関するやつ(上のリストの15〜23)をぽちぽち読んでいるところです。特に18の「バッドセックス」論文はおもしろかった。これは起爆力がある。これから少し内容を紹介したいと思っています。

それにしてもAIに英語読んでもらうと、そのラクさにびっくりしますね。いままで苦労して英語読んでたのはなんだったのだ、私の人生を返せ、そもそも英語ネイティブは有利すぎる、とか思っちゃう。

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