お説教」カテゴリーアーカイブ

意識高い学生様向けZoomの注意点

  1. 設定 → オーディオ → 「会議に参加するときにオーディオをコンピュータで作動させる」をオン。「ミーティング参加時、マイクをミュートする」もオン。「スペースキーを長押しして〜」もオン。
  2. 人数が多いときは基本的に音声はミュートしておいてください。ミュートしていても、スペースキーを長押しするとミュート解除されて話せます
  3. 少人数(4、5人)のときは、邪魔でなければミュート解除して自由に話してよい。
  4. 名前は(相手にあわせて)まともなものにしてください。「えぐりん(江口某)」とか、読んでほしい名前にしておいてもよいミーティングもあると思うけど、知らない人がいるときはフルネームはわかるように。「某」はいけません。ははは。
  5. 抵抗があっても顔出しして話すクセをつけましょう。話しているとき、聞いてるときの表情というのはとても重要なものです。
  6. 「チャット」は必ず開いておきましょう。質問やコメントなどはここに自由に書いて、司会に指名してもらって話すのがよい。
  7. 自分の部屋が丸見えなのは抵抗があるひともいるかもしれないので、「ヴァーチャル背景」をつかってもよい。「ビデオ」の隣の△から設定できます。「+」ボタンを押すと好きな画像を選べるので、好きなものをいくつか用意しておきましょう。
  8. 新しいアプリなどは、友達などとつないででいじりたおすのが吉。だいたいPCやネットまわりのサービスというのは、好奇心が旺盛であちこちボタン押したり設定変えたりする人々に向けてつくられています1)どんなアプリやサービスを使うときも、基本操作ができるよういなったら設定メニューをひととおり眺めておくのがよいです
  9. たとえば設定の「ビデオ」から「マイビデオのミラーリング」はオン。鏡と同じように見えるようになります。これ私けっこう苦しかった。「あれ、ネクタイまがってるな、直そう」ってやるとなおさら曲げてしまってた。ははは。

 

この動画はほんとうに大事なことを教えてくれていて、(1) PCのパフォーマンスは大事、(2) マイクに注意、(3) ビデオはオン、(4) 練習しておく、(5) 録画して復習するべし、だそうです。

学生様としては、(1) PCはちゃんと電源につなぐこと。スマホでもつなげるけど、基本的にはPCにつないでください。(3) 顔出しちゃんとするべし。(4) なにをするにも事前練習が大事。(5) 復習して向上する。(3)(4)(5)は一般的な話としてとても重要ですね。予習復習は大事だ。

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1. どんなアプリやサービスを使うときも、基本操作ができるよういなったら設定メニューをひととおり眺めておくのがよいです

学生アマバンの皆様へのお願い

私はアマチュアバンドを聞くのが大好きで、それは上手い下手とはあまり関係なく、好きな音楽を好きなようにやって楽しそうなのがよいのです。ぜひどんどん聞かせてください。

しかしあちこちの学園祭などでステージを見ているとちょっと気になることがあり、ツイッターなどではそのたびに書いているのですが、考えていることを記事に残しておこうという気になりました。うざいことを言うと怒られそうですが、オーディエンスの側から見るとこういうのが気になる、というのをいくつか。怒らないでくださいね。

ステージ上でチューニングや機材調整するのはやめてください

学園祭ステージだと、1バンド20分ぐらいが多いかと思いますが、その時間はフルに使いきってほしい。舞台にあがって3分以内に演奏をはじめてほしいものです。もたもたしているバンドは印象が悪いものです。

いまはチューニングはチューナーで舞台裏でできるのでやっておいてください。PAに音流しながらやるのはもっての他です。クラシック演奏会じゃないんだから。同様に、エフェクターの調整もやめてください。そんな時間がかかるエフェクターは捨ててしまえ!つまみは演奏前にいじるな!アンプはやはりステージの上で調整せざるをえないことがあるかと思いますが、どうせ細かいことは数分ではできないのですから、だいたいのところであきらめてください。

ライブハウスではリハの時間つかって音の調整できますが、学祭の野外ステージなどで同じことをしようとするのは無理です。とにかくあきらめなさい。

PA業者さんが使っているアンプはジャズコなどの標準的なものが多いのですから、スタジオ練習や個人練習のときにだいたいのところを把握して、ステージ上ではせいぜい微調整ですませてください。ベースの人はそもそもつまみどうしたらいいかわからないだろうからあきらめなさい。ちなみに、PAさんにモニタースピーカーの具合などおねがいするのはステージの上からマイクを通しておこなってかまわないと思います(曲間でもOK)。

ステージ上で練習しないでください

微調整のための音出しはしょうがありませんが、気になっているフレーズなど練習するのはやめてください。ギターピロピロ、ベースのスラップビシバシ、みたいなの見せる必要ありません。最高なのは調整もなしにビシっと1曲目からはじまることですが、まあPA調整しなければならないアマバンステージでは無理ではあります。でも最短に。

特に、今後実際に演奏する曲のフレーズを弾くのはぜったいにやめてください。手のうちあかしてどうするんですか。やる曲やキメのフレーズは最後まで隠しておくこと!ドラムははっきりしたリズムは叩かないこと。みんな注目しちゃうでしょ。それぞれの太鼓をマイク拾ってるか確認すればそれで十分だし、そんなのあとでPAさんがやってくれるはずだからとにかくはじめてしまえ!

バンド全体での楽曲の練習は絶対やめてください

あとでやる曲の一部を使って全体の音を確認したいと思う人々がいるみたいですが、人前なのですから曲を始めたら最後まで演奏しきってください。途中でやめてどうするんだ!絶対まもってほしい。

はじまるときには一言でいいからMCで挨拶してください

「こんにちは。(バンド名)です!ジャーン!」でいいじゃん。こっからはじまる、というのをはっきりしてください。

カバー曲をやる場合は、オリジナルのアーティストと曲名を必ず宣言してください

もちろん演奏したあとでもかまいませんが、誰のなんという曲かは必ず紹介すること。これはオリジナルのアーティストへのリスペクトです。自分たちのオリジナルの場合も曲名あるはずだから必ず伝えること。これは演奏前がよいと思う。誰が書いた曲かとか、どういう曲かとかも思いいれがあるはずなので、ボーカルの人が紹介してあげてください。

ショーであることを意識してください
姿勢に注意してください

さほどショーアップする余裕がないことが多いと思いますが、お客に聞いてもらうのですからたんに楽器いじってるというのではなく、それなりのステージアクションを入れてください。ギター弾くにしてもキボード弾くにしても、それなりのアクションが欲しいです。メンバーどうしのアイコンタクト、ソロがあったらそれへの視線のひきつけなど、少し意識するだけでずいぶん印象がかわります1)メンバー間のアイコンタクトがないと、このバンドは仲が悪いのか、解散寸前なのか、あそこは元カップルか、とかいろいろ考えておもしろいのですが、おもしろすぎます。。ボーカルは実は姿勢の悪い人が多いので鏡やビデオ見て確認してください。楽器はテンパって自分の手元だけ見てる人が多いですが、他がなにやってるかいつも見る癖つけておいてほしい。うまくいったら笑顔とか見せてくれるのはとてもよいことです。ボーカルだけなく、バンド全員がそうした表情を意識してください。ドラムもフィルイン入れるときそれなりの顔するんですよ!

メンバー紹介しましょう。最後も挨拶、バンド名など再度

最後もきもちよくおわってください。途中MCでメンバーの名前紹介するのもとてもよいことです。君らサークルのメンバーは知ってるけど聞いてる人はしらんわけだから。サークルのステージだとどうしても内輪なノリになってしまいますが、それ以外のお客さんもたくさんいるわけだから、それは意識しましょう。

というわけで余計なことを書きましたが、これからも楽しい演奏期待しています。がんばってね!

 

 

 

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1. メンバー間のアイコンタクトがないと、このバンドは仲が悪いのか、解散寸前なのか、あそこは元カップルか、とかいろいろ考えておもしろいのですが、おもしろすぎます。

レポートの書き方文章編、というか細かくてわかりにくい話

昆虫亀先生が「2018年度レポートに関するコメント、諸注意」ってブログ記事を書いていて、私もこのタイプのお説教まとめておきたいと思ってるんだけど、なんかごちゃごちゃしてうまく書けない。

とりあえず講義やゼミでいつもお説教していることを書いておきます。何回も同じことくりかえしているのでそろそろつらいし飽きたし。おおざっぱなものは古い「レポートの書き方」を、コピペ・剽窃については「剽窃を避ける」を読んでください。

原則

まず、一番の原則を確認すること。大原則は「読者に親切にする」。レポートや論文でのあらゆる約束事は、想定される読者が読み理解しやすいように、また最小限の苦労で読み理解できるように定められていると思ってください。

さて、レポートは、レポートが学内に落ちてたら、それを拾った人が誰が書いたなんの授業のどういう課題か理解できるように書いてください。当然書くべき科目名とか自分の所属とかだけでなく、どういう課題であるか、どういうテーマであるかを、自分の文章で冒頭で確認してください。すると読者(教員)は、「なるほど、私はこういう課題を出したんだった。わすれておったわい」と思い出せるわけです(実は忘れてることがある)。読者に親切にするっていうのはそういうことです。レポート拾った人も、「なるほど、あの講義ではこういう課題が出されており、社会にはこういう問題があり、そしてこのレポート筆者はこういう勉強をしてこういうことを書いているわけだ……ここで参照されている本は……なるほど、〜先生の『〜』か、この引用されている文章は……なるほど〜頁か!いますぐ見よう」というように、そのレポートから多くの情報を引き出せるわけです。これが読者に親切。

まあそうでなくても、レポートというのは他の仲間の学生(ピア)とかに向けて、情報を与えるつもり書くもので、大学教員のために書くものではない。

課題を確認するには、疑問文を使うとよい。たとえば課題が「日本のフェミニストの不倫に対する態度を検討せよ」であったら、「日本のフェミニストは、不倫関係についてどのような見解をもっているだろうか。ここでは社会学者の〜を例にとって検討してみる」のように書きはじめるとよい。

体裁

  1. 見た目は非常にだいじ。そもそも学生様のレポートの文章は読みにくいもので、教員などの読者はそれをがんばって読むわけですが、体裁とかでさらに読みにくくされてはかなわん。勘弁してください許してください。許してください、読みやすくしてください、苦しめないでください、なんとかおねがいします……許してくれないのですかどうしてもその体裁で私を苦しめるのですか、それならそれでかまいません、こちらにも考えがあります!という感じになってしまうのでおたがいによくない。
  2. 様式・体裁はワープロソフトまかせにしないこと。自分でプリントアウトしたものを見て、読みやすいかどうか確認せよ。
  3. 紙で提出の場合、本文はふつう明朝体にせよ。 Pagesがゴシック体を初期設定にしてたら変更する。
  4. 一般にWordやPagesのデフォルト(初期設定)の体裁は読みにくい。自分で調整すること。文字間や行間はそれで適切か自分で判断すること。とにかくパソコンの言うなりになるのは人類として恥ずかしいことであると思うこと。
  5. 必ずページ番号つけよ。Wordの場合はメニューの「挿入」→「ページ番号」などでフッター中央とかに入れておけばよい。
  6. ヘッダーの部分に自分の名前その他ごちゃごちゃいれる必要はない。1行程度ならともかく、ごちゃごちゃしていると読みにくい。あれは冊子などをつくるときのものだと思うこと。
  7. 段落の最初はちゃんと1文字文字下げすること! ネット記事やブログで最初1文字落としせず、かわりに1行文の空行を入れている文書を読みなれていると思うが、それはディスプレイでの視認性とデザインを優先しているから。大学でのレポートは紙に最初が1文字文だけへこんでいる全体に黒っぽい紙が求められている。現状での大学レポートは、ディスプレイのデザインより、紙での読みやすさを優先することになっている。(逆にいえば、全体に海苔を貼ったようなだいたい黒い紙を出せばそれだけで単位をもらいやすい)

  8. これを参考に。 レポートの体裁(PDF)

文字・表記

  1. 英数文字はいわゆる「半角」でABCabc123と書く。なんでかっていうと、日本語文字は等幅で1文字は1マスにはいって同じ幅なんだけど、英数文字はそれではかっこわるいのでABCabcMi123とその文字ごとに幅を変えて美しくしてるんね。いわゆる「全角」はそうならないのでかっこ悪い。ABCDabc123。まのびしてるっしょ。(他にも単語の折り返しやハイフネーションで問題が起きる)
  2. ○のなかに数字が入ってる文字はかっこわるいと思う人々がいる(私)。見た目もかっこわるいし、そもそも1〜9ぐらいならいいけど、(101)とか(102)とか数が増えたらどうするつもりなんだろうと思ったり。
  3. 「?」のうしろは空白を空けるという約束があるらしいんだけど、よくわからない。
  4. <>は数学記号であって文章でつかう括弧ではない。〈山括弧〉を使う。
  5. 半角の「,」(カンマ、コンマ)と「.」(ピリオド、ドット)の後ろには必ず半角空白を入れる。ちなみに記号の名前と、それぞれの用法を知らないと大卒としては恥ずかしいので http://www.type-labo.jp/Mojinonamae.html を見ておぼえておくこと。

タイトル・見出しまわり

  1. 文書には必ずタイトルがあります。タイトルそのものには「」は必要ない。 タイトル指定されている場合はそれを、指定されていない場合は文書の内容を示すタイトルをつけてください。「応用倫理学第2回課題」とかつまらんので、内容を表すやつに。気のきいたタイトルを勝手につけて減点されることはないでしょう。
  2. タイトルや見出しに説明を頼らない。タイトルや見出しは本文ではない。 見出しとタイトルを消した本文だけですべて理解できるようにすること。(これ説明しにくいんだけど、見出しは目印であって、リストや箇条書きではないっていうのを理解してもらう必要がある。)
  3. 「読んだ本を紹介せよ」という課題であって、あなたが芳賀茂『あなたのその「忘れもの」コレで防げます』をタイトルに入れたとしても、「この本は」から書き始めてはいかん。
  4. タイトルに書名があっても、「忘れ物と言うのは困りものだ。芳賀繁は『あなたのその「忘れもの」コレで防げます』で次のように述べている。」のような形にする。本文でも書名などを必ず明記する。
  5. 「序論」「本論」「結論」という見出しは勘弁してください。もちろんレポートは序論本論結論という順番になっていなければならないが、それは「見出し」ではない。特に「本論」だけは許さん(絶許!)。中身に対応した見出しにする。
  6. 何度も書くが、見出しは目印にすぎない。見出し(目印)が多すぎるのも読みにくい。1ページに1個あれば十分。

文献リスト

  1. 出版物は基本的に出版年だけでOK。月日はいらない。 (新聞やオンライン情報は年月日必要。)
  2. 株式会社岩波書店→岩波書店。「株式会社」はいりません。
  3. 参照文献リストでは、参照した箇所(pp. 74-95)のようなページ表記は基本的にいらない。参照したページは本文中か、脚注で示す。リストは単なるリスト。 参考文献リストにページ表記が必要なのは、雑誌に掲載されている論文。
  4. 見よう見まねでは正しく書けない。必ず手引きを参照すること。どの手引きにしたがえばいいかわからない場合は教員に確認すること。(指定しない教員も悪い)
  5. 「第〜版」(はん)は初版(第1版)以外は必ず必要。第2版、第3版と版が変わるにつれて内容はかなり変化する。
  6. 「第〜刷」(すり)は不要! 「刷」というのは、出版社がその「版」で何回刷ったかをあらわしてるもの。同じ「版」で印刷するので、原則として誤植などの微修正があるだけ。ちなみに「刷」が多い本を出してる著者の人はもうかっていることがわかる。たとえば戸田山和久先生の『論文の教室』は20刷とか軽く越えてて、先生はおそらく出版長者であることが推測できる。

人の呼び方・文献の参照

  1. レポートのなかには数多くの情報や他人の意見が入るので、それらが自明なものでないかぎり、いちいち情報源をつけること。また本文でもその情報源に言及する。「生命倫理学者の霜田求によれば、〜である」のような表現になる。
  2. 文献を参照するときは、その文献の著者がいったい誰で専門はなんなのかはいつも意識しておくこと。カントや安倍首相などの有名人でないかぎり、名前だけ出されても読者はそれが誰であるかわからないので、ごくごく簡単な紹介をつける。
  3. 人の名前は一回目はフルネームで読んでおく。 「尾木直樹は」でもいいのですが、「教育学者の尾木直樹」とか「教育評論家の」ぐらいの説明つけるとさらにグッド。2度めからは「尾木によれば」でOK。ちなみに最近どういうわけか、「作家である百田」「倫理学者である霜田」とか「である」使う文章がめだつが、「の」でいいです。「作家の」「倫理学者の」でいいじゃん。ちなみに、肩書のようなものは「鳥辺野女子大学教授の〜は」より「心理学者の〜は」の方がグッドな場合が多い。大学教員の所属は頻繁に変わるし、所属より専門の方が大事。新聞などでは肩書の方が大事なので鳥辺野女子大教授の〜になることがある。もちろん、「鳥辺野大学教授の倫理学者霜田求は」でいいけど、大学の所属はあんまり重要ではない。
  4. 文献(論文や書籍)は「作り物」ではないので、それを書いた人は「作者」ではなく著者。しかし「著者」と読んでも誰だからわかにくいので、原則的にぜんぶ名前で呼ぶこと。
  5. 著者は〜と述べている」はやめて、「芳賀は〜と言う(出典表記)」「芳賀によれば〜である」にするレポートでは学者が1人だけでなく3人とか10人とか出てくるので、「著者」では誰のことかわからないし、わかるとしても不親切。
  6. 「授業で聞いた」は典拠にならない。その講義で教員が使ったテキスト、資料、論文などを確認する。典拠は教員が授業で提示しているはずだが、曖昧だったら質問する。典拠なしに大学教員がしゃべってることはすべてヨタ話なので、そんなものはなにをするときも根拠にしてはいかん。

引用まわり

  1. 日本語の引用は「」(鍵括弧)でおこなう。”引用”は日本語では使いません(そもそも“ ”と向きを合わせないとならんし。)。二重括弧『』を使うのは本のタイトルだけ、と思ってよい。括弧のなかの括弧も最近は鍵括弧「」でよいことがおおいのでそっち推奨。引用符は引用符で奥が深いのでwikipediaを見よ
  2. 長い引用(おおむね4行以上)は、「」でくくるのではなく字下げして引用だとわかるようにする形で書く。
  3. 学問の世界では、文献(本)のタイトルより、その情報をもたらした人が誰であるかの方が重要な情報なので、名前を優先する。「『日本国記』によれば〜」ではなく、「作家の百田直樹によれば〜」がベター。もちろん「作家の百田直樹の『日本国記』によれば〜である」でもOK。
  4. 誰かがなんか言ってるのを参照したら、基本的にページ番号もつける。読者がその資料・文献のどのページを見たらいいのかすぐにわかるように。基本的に読者のことを考えて読者に親切にする、という原則。
  5. 私はいわゆるAuthor Yearを推奨しているので、(百田 2008, p. 16)のように。
  6. ページ表記に「p」記号を使う場合、pのうしろには必ず.をつけること。p12も12pも12PもP12もどれもだめ。複数ページはp. ではなくpp. 。pp. 5-8 のようになる1)(百田 2008:16)のような書き方もあって、これだとピリオドのことを考える必要なくなるからいずれこれ指定するかな。
  7. なんでも直接引用(「」などでそのまま転載する引用方法)すればよいというものではない。基本的にはレポートでは、他人の主張もパラフレーズ(自分の言葉で書き直す)して出典つけた方がいいと思う。
    1.直接引用(「」でくくってそのまま書く)が必要なのは、(1) 批判する場合(「ほんとにこんなこと言ってるのだ!」の意)あるいは意外な内容の場合、(2) 表現が特殊・印象的な場合(うまい表現だ!)だと考えておくとよい。
  8. (1)の批判する場合は、批判の対象なのでまちがいなくその対象がそう述べていることを明示する必要があるから。勘違いしやすいものだし。「ほんとにこいつはこんなこと言ってるんですよー、信じられないっしょ」ってやる。 (2) 表現が印象的・オリジナルな場合は、その表現がその人のものだと明示するため。 (3) 意外な内容の場合もほんとにその人はそう言ってるんだと明示するため。
  9. ふつうに参考にするだけなら、自分が理解したところを自分の言葉で述べて参照ページを書くのでOK。
  10. 「〜には〜と書いてある」「〜には〜とある」は大学では禁じ手だとおもってもよい。 書いてあるんじゃなくて誰かが書いたのです。 それを書いたのが誰か、っていうのが大事なのです。
  11. 辞書や法文や中高での教科書や資料集などは、誰が書いているかは重要ではないので「〜には〜とある」は許されるが、大学で使う文献は誰が書いているかがまさに重要。
  12. 高橋祥吾先生の「引用の作法について」も見てください。

注について

  1. わざわざ手で「※」記号などを使って注をつけるひとがいるけど、WordやPagesのアプリの脚注・後注機能使ってください。便利なものですわ。Wordの場合は、メニューバーの「挿入 → 脚注」とか。
  2. 掲載媒体にもよるところもあるけど、基本的には文献参照や注は、「。」の前に記号をつける。「。」のうしろだとどこについているかわからない。
  3. 語句に対する注は必ずその直後。どういうわけか低学年だと前につける人がいるけどぜったいに許さない(いわゆる「絶許」)。
  4. 語句の説明を注でやってはいかん。本文で説明するべし。

箇条書き

  1. 箇条書きは便利だが、地の文(箇条書きでも引用でもない、自分の文章)での説明なしに使ってはいかん。「〜。この点について要約すると、次のようになる」など、「箇条書きにするぞ!」と宣言してから使う。
  2. ワープロソフトが適当にやってくれるかもしれんが、「インデント(字下げ)」や「ぶら下げ」という概念を理解しておくこと。

文章

  1. 自分自身のことも「筆者は」とか書かないで「私は」。「筆者」は自分自身を指しているのか、言及している文献の筆者(著者)を指しているかわかりにくいことがある。
  2. 体言止めは徹底的に避けよ。 体言止めつかうのは文章書くのに慣れてから。
  3. 前の文章にある語句でも、「これ」「それ」はわかりにくいことがあるので注意する。「その体験」「この主張」のように名詞を加えるとわかりやすくなることがある。
  4. 「〜と書いてある」「〜とある」はかっこわるいので避ける。「〜は〜と主張している」の形にすべし。
  5. 接続詞は積極的に使う。というより、原則的にはすべての文章の先頭には接続詞がついている、ぐらいのつもりで書いてよい。もちろんそれではかっこわるいが、その文が、それ以前の文章や段落とどうつながっているのかを明示する。主語は省いてかまわないとか接続詞はない方が軽快な文章になるとかそういう文章指南もあるが、ああいうのはエッセイや文学作品や軽い雑誌記事などを書くときの作法。
  6. 文章は短く。ふつうの大学生は4行以上になる文章を書くと文がねじれる。そうなってしまったら切って接続詞でつなぐ。
  7. 「冬、雪が多く日照量が少ない山形県で育った私は」のような名詞や代名詞の前にごちゃごちゃ形容句がついてる文章は読みにくいしねじれた文章の原因になる。「私は山形県で育った。山形県は冬には雪が多く晴れの日が少ない。だから私は〜」と「形容句 + 名詞」を名詞を主語にした文にするとよい。
  8. 「私は〜思った」「私は〜と考える」はあってもいいのではなるべく削りたい。「私が一番興味深いと思ったのは」もNGではないが、「もっとも興味深い点は〜だ」でOK。こっちの方が大人っぽい。「私は〜は思う」→「〜だろう」「〜かもしれない」「〜のようだ」とかいろいろ、「私は〜思う」以外の表現はある。特に、「私は〜と考えた」「〜と思った」「〜と感じた」と過去形にすると、大学レポートとしては非常に子どもっぽい印象を受けることがあるので特に注意。

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1. (百田 2008:16)のような書き方もあって、これだとピリオドのことを考える必要なくなるからいずれこれ指定するかな。

私的SNSリテラシー(ver. 0.1)

Dropbox Paperでだらだら書いてたものだけど、おわらないからもうこっちに載せちゃう。最近山口真一先生の『炎上とクチコミの経済学』っていうグッドな本を読んで、また別に書きたいこともでてくるかもしれないし。とりあえずこんな駄文読んでるより山口先生読みましょう。→ ちょっとだけ抜粋したもの。関係ないけどMediaMarkerなくなるらしくて弱りました。困った困った。


だらだら。SNSリテラシー、というかツイッターリテラシー。何に気をつけてるかなあ。以下はけっして「うまくいく方法」ではない。うまいくいかない。

話のネタを見てもすぐに「コミット」しない。

ニュースなどを見て、そのときに感じたことを書くのは問題がないが、すぐに誰かを非難するのは避けたい。なにかを人前で書くことは「コミット」することになる。コミット・コミットメントってなんか難しいけど、自己束縛ね。人前で自分の立場を表明してしまうと、いわゆる「首尾一貫性バイアス」ってのが働いて、すでに採用し表明した自分の立場を守りたくなってしまう。また自分にまちがいがあったことがわかってもそれをなんらかの形でごまかしたくなる。ごまかせない場合は無視してなかったことにしたい。この欲求はものすごく強くて、私自身はそれに抵抗できるかどうかぜんぜん自信ないですね。

それに、どうしてもコミットしなければならないと感じることも多い。たとえば暴力反対、性暴力反対、戦争反対、差別反対。こういうのは当然のことだけど、SNSで話がまわってきた最初のうちは事実関係もはっきりしなかったり、一部の人々が勝手な推測を広めていたりする。そうした情報にもとづいて自分をコミットしてしまうと、あとはひどいことになるんじゃないかと思うわけです。事実関係がはっきりするまでは我慢して「へー」「もし〜ならひどいなあ」ぐらいにしておけばすぐにおかしなっことになるのは避けられる。特に誰かを非難するっていうのは重大なことなので、我慢のしどころ。でも私誘惑に弱いから。ははは。

チャルディーニ先生の『影響力の武器』(万人が必読)っていう本のなかに、中国共産党が朝鮮戦争で捕まえた米兵に、資本主義を批判する文章だか、共産主義を擁護する文章だかを筆写しろ、っていう作業をやらせたらしいんですわ。すると、それやらされた米兵は共産主義に共感的になってしまう。まあ写経ってそういうところありますよね。わからないなりに一回自分の手で書いてしまうとそれにコミットしてしまう。リツイートなんかもそうかもしれない。

ツイッタその他で、個人が一方的に「誰それにこんなひどいことされました、言われました」みたいなのは特に用心が必要ですね。聞きまちがい、勘違い、その他人間はいろいろ間違うものです。悪意があればなおさら。ついでに、そうした一方的な断言にすぐにのっかる人はそれなりのマークをつけておいて、「このひとはこういうときにすぐにコミットするひとなのだな」ぐらい記憶しておきたいです。用心深いひとは、「もし〜が本当だとしたら〜はひどい奴だ」みたいな書きかたをしますが、これでもけっこう危険な兆候ではないかと思ってます。こういう書き方は用心はしているものの、特に、敵対的な人々、あるいは親しみのない人々、「エキゾチック」な人々に対してよく使われているような気がする。まあでも避けようもないんですけどね。

すぐに一般化した判断を書いてしまうのを避ける。

誰か個人を攻撃すると、個人攻撃であると読まれるのがいやだったりするので、もっと広い範囲を非難してしまいたくなる。「社会が悪い」とか。でもそれって、根拠がしっかりしてなければだいたい「性急な一般化」の誤謬推理になるし、もともとの情報がただしくなかったら完全に偏見になってしまう。

ニュース記事、特に第一報には用心する。

新聞その他のニュース記事を書いている人も我々と同じ人間で、ツイッターを見ていれば人間というのがどれくらい間違いやすいものであるか、自分勝手なものであるかわかるわけで、ニュース記者がツイッターユーザー以上に優れた判断力をもっていると想定する理由はなにもないわけです。もちろんちゃんと取材している記事には貴重なものですが、そうでない記事もたくさんあるのはみなよく知ってるところ。

一気にリツイートが増えるタイプのは人々の感情に訴えかけるものが多いので特に用心する。

「わー」ってひろがるのは、われわれの感情に訴えかけるから話題になるわけですよね。特に正義や平等にかかわるやつは我々の義憤を促す。でも義憤っていうのはこれは生の怒りとはまたちがうものでまちがいやすいものだと思う。

有力な発言者はいちおう傾向を見ておく。「半年ROMれ」ってやつだねえ。

まあ有力な人びとはそれぞれそれなりの癖と傾向があるから有名なのでね。

他の人々、特に集団が怠惰だとか無能だとか(十分な根拠がなければ)想定しない。

これはけっこう気になるやつで、ある種の人びとはすぐに「〜は無能」「おかしい」とかって判断をしちゃうけど、私は公の組織がそれほど狂ってる場合というのは特にワンマンだったりおかしなトップもってないかぎりはそれほど多くないと思ってる。報道や論説の方がなにかおかしい場合も疑わないとならないような。もっともおかしな組織や集団はたしかにあるんだけど。

これは個人的にいくつか印象深いのがあって、「〜省の判断はまちがってる」「〜省はなんでそういう判断するんですかね」「官僚が馬鹿だからだ!」みたいな会話を何回かして(文科省だけではない)、それじゃやっぱりうまい説明じゃないなあ、みたいなことがあって、そういう人々とは距離を置くようになってしまいました。

社会というか人の集団は単純ではない。意思決定がどういうふうにおこなわれてるか本人たちでさえわからないことが多い。

まともな人びとがあつまってると想定できるのに集団がおかしなことをしている場合には、やはりなぜそうなったのかを考えたい、というか知りたい。全員が無能で邪悪だから、ではなくなにか構造的な問題があるのだろうと思うようにしている。

基本的には、長く観察した人でなければ反応しないのが吉。なぜ誰だかわからないひとと交流しようとするのだろう?

まあ私が相手が誰だかわからないと会話する気にはなれないです。もちろんネットになんか書いてる以上、質問されたら答えなきゃならないことは多いけど、知らない人にこっちから接近するってのはあんまりないなあ。

その論者が具体例やデータを出す用意があるのかどうかには特に注意する。

なんか報道されたことについて、単純な原則みたいなのを披露するのは簡単なのよね。それぞれの問題の難しい点、特徴、報道されてない側面、なんかのデータや新奇な発想をもってるのかどうか。そうしたものをもってないのに大声で叫ぶ人、他人を非難するひとはそういう人である。

フォロワー多いひとは有名人なので、少ない人間がお相手する必要はない。

お相手っていうか、なにかお話してみたくなっても、有名人のひとからしたら我々なんか見分けつかないようなもんだしねえ。同じ意見はすでにたくさん寄せられているだろう。

タイムライン見てリツイートだらけの人は無視してよい。

まあリツイート多い人々はなにか政治的な運動を目指していたり、人々をディスることが主目的だったりするわけで、そういうのも目指さない人にはあんまり関係がない。ちょうど「悪口は自分で書くべきだ」っていう意見を目にしたけど、私もそう思う。悪口こそ自分で書きたい。おもしろいから。それにドキドキするし。ははは。緊張感がない悪口はつまらん。まあ良いことにしても悪いことにしても、リツイートするだけで自分のコメント書けない人はチキンである。そして我々は1日にそんなに多くのことを判断できるわけではない。

シングルイシューの人は避ける。

SNSのおもしろさというのは、やはり人々の私的な生活の多面性を見るところにあると思うんですわ。「ああいうことを言う人がこっちではこういうことを感じるのかー、なるほど人生は難しい」みたいな。でも一つの問題だけをとりあつかっている人々はそういう人間の深みを見せてくれることは少ない。それならもっと非パーソナルなメディアの方で見学する方が向いているかもしれない。

全体的なポジティブ/ネガティブな傾向はやはり大事。ネガティブなのは必ずしもわるいことではないけど、やはりそっち向きに歪んでることが多いように思う。まあポジティブなのも歪んでるんだけど有害さは比較的ましか。

ネガティブな気質の人々は、社会その他の問題を発見したり、それを修正方法を考えたりする力があって大事だと思うんですよね。でも毎日毎日ずーっと他人のアラを探している人々はやはり不幸だろうと思う。もちろん、抑圧されたり差別されたり、不幸な状況に置かれているからネガティブになってしまうっていうのもありなので、全体にネガティブだから嫌うっていうのはおかしいことだとは思うです。でもその苦しみみたいなのにずーっとつきあうのも体力や健康が必要よね。みんなができることではないかもしれない。少なくともそれにつきあうことで、利得があるとか、自分もなにか大きなことに参加できるとか、そういう意識がないとつらい人々とずっといっしょにいることはできない。

ポジ/ネガの他に、ネタのあつかいが主体的/反応的っていう分類もあって、反応的なのはだいまちがってしまう。なんかネタが外部にある。

ネタというか、テーマや話題について、それ自体に興味があるというよりも、他の人を攻撃する道具として反応している人々がいるように思う。私が優れていると思っている人々は、たいてい、新しいテーマや話題を提供する力がある人々で、そのテーマはみなが見てない資料や書籍、論文、あるいは自分の本当の体験なんかからとってきている。

健康にわるい人々はとにかくミュート。人間はたくさんいます。

いずれどっかで見ることになるのだから、毎日フォローしている必要はない。

アイコンはけっこうな手掛かりになります。アイコンを見てストレス感じるようになったら、ためらわずミュート。

アイコンがいやな感じになるのは、もともとも趣味があわない人のときと、その人の発言見てるうちに連想が働いて嫌いになる場合があるように思う。アイコン見て「いやだな」って思ったらまあもう見ないのがいいと思う。ふつうは見慣れて単純接触効果とかで好きになるものなわけで。

ツイッタ検索はデフォルトではいろんな癖があるので注意。検索しないのが吉、だけどそうもいかんわよね。

web版や公式アプリでは注目浴びたものを選択しているみたいで、拾い落しも多い。

まあやっぱり傾向まで記憶して見物できるのは200人ぐらいまでだと思う。

そんなにたくさんの人に関心をもつことはできないし、共感的な読みや善意の読みをすることができるのはやはり関心もってる人だけだろうと思う。

前にも書いたけど、私の感じでは、興味ある人は最初50点ぐらいに評価しておいて、長く見てるうちに次第にプラスマイナスしていく感じ。まあここに自分の好みが反映されるわけだけど、それはそれでOK。

頭のなかでこうい評価の上下やってるから、あんまり多くの人はフォローできないのよね。

あきらかな言い掛かりや大きな誤解みたいなをして訂正もしないのを何回も目撃したらすぐに評価がさがっていく。

やっぱり失敗したときにどうするかってので人間の価値はわかる。

まちがった発言をしてしまったときの対応はいつも考えておきたい。我々は非常によくまちがうし不道徳なことをするので、それがバレたときの対処が大事。「すみませんすみません」ぐらいで逃げてしまうのがいいと思うけど、そのさい何がまちがったのか、なぜまちがったのか書いた方がよさそう 。

これほんとうにむずかしい。私も頻繁に誤解・誤読にもとづく違和感や非難の表明や、おかしな知識や古い知識の披露なんかしてしまうんだけど、修正するのはとても心理的負担が大きいのよね。負担を感じずに修正する決まり文句みたいなのが必要かもしれないと思ってる。

リツイートは非表示に。

そんな沢山の人々の意見を見る必要はない。私はあらかた「リツイートは非表示」にして、数人の特に興味ある人々だけ表示するようにしてるです。

ツイッタにいる人々よりは、書籍や論文とお話する方が楽しい。

ツイッタは反応があるし、ふつうの人々がおもしろいことを言ったり、自分では体験できないような個人的な経験や思考を語ってくれたり、ふつうにまちがうからおもしろいけどね。

言葉づかいが特殊な人々、ツイート内部、あるいはツイート間の論理的・連想的なつながりが理解できない人々を無理に理解しようとしない。

ときどきひどく難しい人々、思わせぶりだけどよくわからないことを言う人々がいて、一部はどうも知的に優秀な人々らしいのですが、それを無理に理解しようとしてもあんまり益はない感じです。これはまあ私の長年のネット生活での反省。けっこう長いこと観察してもけっきょくよくわからないままだったりするし。ぜんぜん別のことを考えいたり、基本的なところであいいいれなかったりしそう。

人の集団にレッテルを貼る人々、定義されていない言葉をつかう人を避ける

「ネオリベ」みたいなの定義も例示もせずに使うひとはまあそれだけで私はパスかな。ネオリベの代表者の名前を数人出してくれりゃいいんですけどね。その他の蔑称を使う人は論外なのですぐにミュート。


2018/09/13 余計な論争みて余計なことを書いて勢いのある先生に火をつけられそうになってしまった。ははは。


  • http://mediamarker.net/u/yonosuke/?asin=4314011173
  • http://mediamarker.net/u/yonosuke/?asin=B01N2T30HQ
  • http://mediamarker.net/u/yonosuke/?asin=4760145109

ピーターソン先生による自分の強みの伸ばし方リスト

すでになむなむなChristopher Peterson先生のA Primer in Positive Psychologyはすばらしい名著なのですが、翻訳ではあちこち大幅に文章が削られて意味がとれなくなっているところがある。誤訳も多くて困っています。以下は削られている「強み」を伸ばすエクササイズ。

自分の強み・長所・美徳を伸ばしましょう(あるいは気になる弱みや悪徳をすこしやわらげましょう)ってなエクササイズです。Habiticaのような習慣づけアプリに登録しておいて、気がついたらちょっと意識してやってみると幸福度が上がるかもしれないと思います。Haidt先生バージョンもあるよ

(順番ずれてます)

智恵と知識

  • 創造性
    • 陶芸、写真、彫刻、デッサン、絵画などのクラスに参加してみる
    • 自分の家のモノを一つとりあげて、ふつうの使い方ではない使い方を考えてみる──エクササイズ用の室内バイクを洋服掛けにするようなのはだめです
    • 自分のポエムを書いた葉書を友人に送ってみる
  • 好奇心
    • それについてなにも知識のない講座に出席してみる
    • よくしらない料理を出すレストランに入ってみる
    • 自分の街の知らない場所を訪問してみて、そこの歴史を学んでみる
  • オープンな心
    • 会話しているとき、悪魔の代弁者を演じてみる。自分自身の意見とは違う立場をとってみる。
    • 毎日、なにか強く信じられている意見を考えて、それが間違っていたらどうだろうかと考えてみる。
    • 自分とは「別の」政治的意見を採用しているラジオ番組を聞き新聞を読む
  • 学習意欲
    • 学生なら、「推薦」されているが「課題」にはなっていない本を読む
    • 毎日新しい言葉を学んでそれを実際に使ってみる
    • ノンフィクションの本を読む
  • 広い視野
    • 自分が知りあいの賢い人のことを考え、1日自分がその人であるかのように生活してみる
    • 頼まれたときだけにアドバイスをする、しかしその場合いは徹底的にする
    • 友達、家族、同僚どうしの間の言い争いを調停する

勇気

  • 勇敢
    • グループのなかであまり人気のない発想を擁護してみる
    • あなたが見つけた明らかな不正義について、適切な当局に抗議を申し入れる
    • いつもは恐怖心からやらないことしてみる
  • 忍耐力
    • やるべきことのリストをつくり、毎日そのリストから一つをする
    • 大事な仕事を締切前に終らせる
    • 邪魔なしに数時間仕事や勉強をしてみる。たとえばテレビをつけっぱなしにせず、電話がかからないようにして、メールも読まずに。
  • 熱意
    • 少なくとも1週間のあいだ、毎日目覚まし時計を鳴らさなくともよいくらい睡眠をとる。起きたら栄養たっぷりの朝食をとる。
    • 「どうしてそんなことするの? why?」と言う発言の3倍の回数「なんでしないの why not?」と言ってみる。
    • しなければならないからではなく、やりたいからという理由で毎日なにかをしてみる。
  • 誠実さ(authenticity)
    • 友達に白い嘘(悪意のない嘘、善意の嘘)を言うのをやめてみる(本気でない愚痴を含む)
    • 自分が一番重要だと思う価値について考えてみる。毎日それにしたがったなにかをする

人間性

    • 褒められたらもじもじしたり否定しない受け止める。単に「ありがとう」と返事をする
    • 好きな人に短いメモを書いて、それがその日に見つかるようにする
    • 親友といっしょに、そのひとが楽しめるなにかをする
  • 親切心
    • 病院や福祉施設にいる人を訪問する
    • 運転しているときに、歩行者に道を譲る。歩いているときは、車に道を譲る
    • 友達や家族に匿名で親切なことをする、プレゼントする
  • 社会的知性
    • 誰かを気楽な気持ちにする
    • 友達や家族がその人には難しいことをしていたらそれに気づくようにし、それを褒める
    • 誰かがうっとうしいと思ったときに、やりかえすのではなく、その人の動機を理解しようとする
  • チームワーク
    • 自分ができるかぎり最高のチームメイトになる
    • 毎日道端のゴミを拾いゴミ箱に入れるのに5分間使う
    • 慈善グループに参加する

正義

  • 公正さ
    • 1日に少なくとも1回、自分の間違いを認めてその責任をとる
    • 1日に少なくとも1回、自分があまり好きではない人の功績を認める
    • さえぎることなしに誰かの話すことをじっくり聞いてみる
  • リーダーシップ
    • 友達のためにお茶会やパーティーを企画する
    • 仕事場で不快な役割を担当し、それがしっかりやりとげられるようにする
    • 新人が喜んで迎えられていると感じられるように努力する

節制

  • 赦し
    • 毎日、恨みつらみをひとつ手放す
    • いやな気分にされたときに、それが正当ないやな気分であっても、自分がどう感じたを他の人に言わずにおさめる
    • 赦しの手紙を書く。それは実際に送らないこと。しかし1週間のあいだ毎日それを読む。
  • 思慮
    • 「おねがいします」「ありがとう」意外のことを言うときに、2回考えてみるようにする
    • 車の運転しているときに、制限速度より5キロ遅く走る
    • スナックを食べる前に、「これは脂肪をとるのに値するだろうか?」と考えてみる
  • 自己統制
    • エくササイズのプログラムを開始し、1週間のあいだ続ける
    • 他の人についてゴシップや悪口を言うのをやめる
    • 怒りだしてしまいそうなときに、10数える。必要なだけ繰り返す
  • 謙虚
    • 一日中、自分自身のことはなにも話さないでいてみる
    • 自分が注意されないような服を着る
    • 友達が自由よりもうまくやっていることを見つけ、それを褒める

超越

  • 審美眼、美の鑑賞
    • あまり行かない美術館や博物館に行く
    • 毎日その日に見た一番美しいものについての記録をつける
    • 1日に少なくとも1快、立ちどまって自然の美を見る。たとえば日の出、花、鳥の鳴き声など
  • ユーモア
    • 少なくとも1日1人以上人を笑顔にするか笑わせる
    • 手品をおぼえて友達に見せる
    • 「やれやれ、まただね」程度でいいので、自分自身をからかう
  • 感謝
    • 1日で何回「ありがとう」と言ったか記録する、1週間のあいだ毎日その回数が増えるようにしてみる
    • 一日の終りに、その日うまくいったこと・よかったことを3つ書き留める
    • 感謝の手紙を書く。できれば実際に送る
  • 希望
    • 過去にがっかりしたことを考えて、そのがっかりしたことによって可能になったことを考えてみる
    • 次の週、次の月、次の年の目標を書き出す。次にそのゴールを達成するための具体的なプランを考える
    • 自分の悲観的な考え方に反論する
  • 宗教性
    • 毎日、自分の人生の目的を考えてみる
    • 毎日のはじめに祈るか瞑想する
    • 自分がよくしらない宗教奉仕活動に参加してみる

「送られてきたファイルが読めません」「ページが見れません」は一工夫したい

ときどき学生様から、LINEやメールで送ったファイルやURLを開くことができない、のような連絡をもらうことがあります。

そういうの連絡の文章は、だいたい↓みたいな感じになります。

「ログインできないので課題出せません」

「ファイルが開けないので課題出せません」

「サイト見えませんので課題出せません」

困ってる気持ちはわかるのですが、それでは返事が面倒なのです。なぜなら、最初は必ず↓のように返さなければならない。

「何で何をしようとしたらなにができなかったのですか?」

1人2人ならいいんですが、これを毎日やるっていうのはけっこうつらいものです。

使ってる機械はPC? Mac? iPhone? Android? アプリはChrome? LINE? Dropbox? なにを開こうとしたの? どのURL?どのファイル、どんなファイル?

最初から、こう聞いてくれると楽

「Android端末のブラウザでhttps://yonosuke.net/eguchi/ を開こうとしても読みこめません。「404 ファイルが見つかりません」と表示されます」

「iPhoneでLINEで送られてきたfoo.pdfというファイルをLINEで直接読もうとしても、「ファイルが壊れています」と表示されます」

のように連絡してくれれば、お互いにハッピー。

企業の苦情・相談テレオペなんかだとマニュアルが用意されていて、その通りに質疑応答してけっこうなお金をもらえるわけですが、我々教員はそういうのではないのでけっこうつらい。最初からできるだけ詳しく報告してくれると対策がとりやすいのです。

まあ上の「できません」みたいなの、昔の2ちゃんねるあたりに相談を書くと、「エスパー募集か」とか書かれておわっちゃってたものです。我々の世代は、この「エスパーじゃないからわからんよ」「ソースは?」の二つによって鍛えられました。あらっぽい匿名掲示板みたいなのが有益な時代はあったんですよね。

いつも、いつ、なにを、なにで、なんのために、どのようにしようとしたのかをはっきりさせましょう。いわゆる5W1Hとかってやつね。コミュニケーションの基本で、大学では口をすっぱくして言われてると思うのですが、あれはレポートやプレゼンするときだけじゃなく、日常のコミュニケーションでこそ重要なわけです。

ちなみにこれも読んどいてください。→ PDFは専用アプリで読むのだ

授業のお約束2018年度版

授業、特に講義のお約束です。2018年版。江口のお願いなので、他の先生の授業はその担当の先生に合わせてください。

  • 私語厳禁。
  • 出席確認と質問・感想等のために「大福帳」を使用するが、出席点はない。病気の時は休んで構わない。健康第一。ただし、文科省様・大学基準協会様などの要求に答えるため、3/4は出席するように。公欠の場合、やむをえない場合には大福帳にその旨書いておくとよい。
  • 授業中の質問、発言は高く評価する。授業によっては、1回の発言で1点、学期10点まで加点することがある。発言ののちに江口からハンコ等をもらうように。本当にどんな質問でもかまわない。たとえば江口の指示が聞き取れなかった場合、聞き落としてしまった場合も質問してよい。エアコンや照明の調整の要求でもよい。
  • なにごとも「他人を無視しない、透明人間にならない」が基本。トイレ等は周りに軽く合図して行ってよい。
  • やむをえず遅刻した場合はそれなりの態度で入ってくること。軽く会釈したりする程度でよい。さっさと席につくこと。友人といっしょにはいってきてどこに座るか相談したりしないこと。
  • 途中退室もそれなりの態度で出ていくこと。事前に連絡しておくとよし。授業に対する嫌悪感、抗議などで出ていくなどは許す。
  • 飲み物はOK。食べ物は可能ならば避けてください。
  • ノートパソコン・スマホ使用はOK。ただしスマホは目立たないかっこよい姿勢(教えました)で使ってください。
  • スライドの写メはパシャパシャうるさいから避けるように。音出ないなら可。そもそも授業後に授業ページにアップロードするので無駄。
  • 机に座ったらまずノートを開いてペンを出す習慣をつけよう。
  • 腕組み・足組みOK。指示待ちで「手はお膝の上」はかっこ悪い。ペンをもっておこう。
  • 居眠りはやむをえないが、机に突っ伏すのはやめて。
  • 授業内容や発言に、セクハラ・アカハラ等の疑いがある場合は、日時等・内容をメモして、あるいは録音などして、担当部署に相談してよい。ただし、疑問があった場合は、直接、あるいは大福帳、メール、大福帳の束にしのびこませた匿名の紙、等で直接疑義・抗議などしてもらった方がありがたい。
  • レポート課題、試験等は最低2週間前に告知する。内容・評価基準等もそのつど伝達する。まえもって質問する必要はない。
  • オフィスアワーは火曜の昼休み・3限。この時間帯は予約不要。他はメール (eguchi.satoshi@gmail.com)で予約すること。

 

自主ゼミ/読書会/ブッククラブの方法は有元先生に学ぼう

前に「自主ゼミを開こう」みたいなエントリは書いてたのですが、その具体的な手順を書いていなかったことは反省しています。どういうことをかけばいいのかわからなかった。このたび、『ブッククラブで楽しむ学ぶクリティカル・リーディング入門』(ナカニシヤ出版、2010)を発見したので、それを紹介します。買ってください。


読書会/ブッククラブの手順

  • 「教員ぬきの大学ゼミ」でよいのだが、もっと気楽なブッククラブもよい。
  • 2〜6人程度の仲間を見つける。調子悪いやつは誘わない。
  • 司会進行を決める。もちまわりがよい。
  • 1時間から2時間程度。
  • 短くてやさしい本から。良い本を探すのは難しいので、読書家にすすめてもらうのもよい。簡単な本だと思っていても複数で話し合うと意外なことが発見できる。
  • (メンバー全員)1週間ぐらい前に各自本を読む。大事なところに線をひいいたり付箋をはったりして、ぱっと出せるようにしておく。読書ノートをつけてみるとよい。登場人物の相関図、シーケンスチャート≒あらすじ(出来事・心情の変化の一覧)、主題がなんであるか、キークェスチョン(重要な問い)を考える。
  • ホストは場所と時間を決めて案内を出す。メンバー全員がすることは一番熱心にやっておく。Wikipediaなどで著者・時代背景などを調べておく。キークェスチョンも10個ぐらい用意する。
  • 当日、ホストが司会。各自自己紹介。読んだことについて面白かったところ、心に残ったところ、つまらなかった、など一人ひとり話してもらう。あとは自由にやる。話が本からあまりに離れてしまったら、ホストはキークェスチョンを出して本題に戻る。最後に簡単にまとめる。
  • 【注意事項】一人で話しすぎない。ずっと黙っていない。疑問点はすぐに聞く。おだやかに。テクストや自分の体験など根拠をあげる。本以外の話題にそれすぎない。一つの話題がだいたい決着するまで他の話題に移らない。

読み/問いのストラテジー

本を読む時、あるいは本について話し合う時、以下のような問いはほぼ常に役に立つ「ストラテジー」だそうな。まあ必ず結果が出ます、っていうのはいいですね。

読みのストラテジーとは、本を上手に読むための方法です。「方法」ではなく「ストラテジー(戦略)」という軍隊が起源の言葉を使う理由は、単なる方法ではなく「必ず効果を上げる方法」だからです。戦争は必ず戦果をあげなければなりませんから、効率を最優先します。 (p.26)

てなことですが、これすばらしくよいですね。こういう「できあいの問い」をいくつもってるかってので読書やディスカッションの腕がちがうわけです。

背景的知識についての問い

[基礎知識]
基礎知識を確認する。作者・筆者の国籍、年齢、経歴、その本が書かれた事情、時代背景。蛇が出て来る物語なら蛇の形態や生態など。戦争小説だったらその戦争がどういう事情でいつ始まりいつおわったか、など。
[体験]
題材と関連・類似する経験・体験を確認する。恋愛小説なら恋愛の経験、他人の恋愛のパターン、など。

正確な理解のための問い

[キーワードの理解]
キーワード=重要な語 ≒ 他の本にあまり出てこないけどその本によく出てくる語。
[キーセンテンスの理解]
ストーリーの場合は、物語の展開で重要な文、登場人物の行動、感情。作者・語り手の感情、意見。論説の場合は以降論じられる課題・問題、重要な事実、筆者の意見や推論、結論、段落のまとめとなるセンテンス。
[文章構造の理解]
ストーリーの場合は、登場人物たちにとって問題(こまったこと)は何か、それをどう解決したか、うまく解決したか。語られる時間順序。論説の場合は論証の構造。
[イラスト・図表の理解]
登場人物の性格。グラフの目的。グラフの信頼性、わかりやすさ。

深い理解のための問い

[解釈]
登場人物はなぜ〜の行動をとったか、作者はどうして〜の表現をしたか。どの登場人物が大切か、主人公は誰か。どのようなことを教えようとしているか。
[予測]
テキストの途中で先を予測する。タイトル、表紙の絵、イラストなどから内容を予測する。物語が大きく展開するところで先を予測する。
[要約]
主人公にどのような問題が起きてどのように解決したか。
[主題]
主題はなにか? 上のキーセンテンス(場面設定、登場人物の行動や感情、場面の展開に重要な役割を果たす箇所、作者の感情や考えが現れている箇所)を手がかりに考える。

発信のための問い

[評価・批判]
この話の終わり方をどう思うか、それに賛成か、反対か。ほかにもっとよい終わり方はあるか。特定の登場人物の行動についてどう思うか。特定の作者の文章表現についてどう思うか。イラストについてどう思うか。
[解説]
自分が登場人物や作者になったつもりで創造的な読みをする。もし自分が特定の登場人物だったらどうするか。作者だったらどう話を展開し、どう話を終わるか。話の終わりの先はどうなるか。
[パーソナルリーディング]
似たような経験をしたか、そのときあなたはどうしたか。今度同じことがあったらどうするか。あなたは登場人物と似ているか。どこが違うか。まわりに登場人物と似た人物がいるか。どこが同じでどこが違うか。似たような話を読んだことがあるか。どこが似ていてどこが違うか。
[視点を変える問い]
それぞれの登場人物の視点に立って表現してみる。

上の、有元先生のそのままじゃなくて、私の解釈やコメントもいれてしまっているのですが、あと少し私から。

おもしろいところ、興味深いところ、読みにくいところ、疑問のあるところなどは、面倒でも誰かが音読してしまった方がよいです。大人になると日本語を音読するなんてなあ、みたいになっちゃいますが、音読は非常に大事。1ページぐらいなら読めるし、長い部分読みたいときは、一行ずつおもいついた解釈、勝手なコメント、茶々なんかをいれながらよんでもいい。

自主ゼミ・読書会の運営方法(PDF)

文献リストを持ち歩け

教員や他の学生様と卒論の相談をするのはとてもよいことです。どんどん相談してください。

ところで、論文というのは文献をちゃんと読んだり参照したりするのが基本なので、文献情報はとても重要です。レポートでちゃんと参照文献リスト書け、みたいなのを口をすっぱくして言ってるのはその準備作業ですわ。

んで、自分がいまままでどんな文献(本、論文)を読んだのかというのはとても重要な情報です。そのリストがなければ指導とかできない。「えと、その件についてはどの文献みたんだっけ」「わすれました」「なんとかっていうひとの論文みたいなの」「そのなんとかって誰よ、なにを言ってるのかわからんがね」みたいなまったく意味のない会話をしなきゃなならなくなる。

だから、卒論書いている人々には、いつも文献リストをもちあるいてほしいとお願いしております。いままで読んだ関連する書籍・論文のリスト、それに、あちこちで気づいたりした(これから読むべき)文献のリストの2個をいつも持ち歩きましょう。

まあ紙でもってあるく必要はまったくないので、EvernoteGoogle Keepのようなメモ帳サービスにどんどん追加していけばいい。大学来た時それみて図書館から本を借り出すとか、府立図書館の近くを通った時借り出すとか。

そういうメモを残して見直したり利用したりする習慣というのはとても重要で、だからこそ1回生のときからメモを取れメモを、とかずーっと言ってるわけです。4回生ぐらいになってもそういうのがわかってないようではやばい。会社入っても同じこと言われます。

PDFは専用アプリで読むのだ

講義やゼミの学生様たちに、教材として自分で作った各種のPDFや、場合によっては裁断してスキャンした書籍の一部抜粋などを、メールしたりオンラインの状態で渡すこともあるわけですが、それをiPhoneやiPadなどのスマホやタブレットで読もうとするときに、いちいちリンクをたどってスマホのブラウザで読んでたりすることに気づきました。オジさんびっくりしましたよ。

まあそれでも読めることもあるだろうけど、いちいちネット使って見ていて遅くて重くてイライラするっしょ。私そういうのに耐えられる神経がわからないです。もっとサクッと一発で読みたい。

PDFなどは端末にダウンロードして、専用のアプリで読むものです。

iBookとかの標準のアプリつかってもいいけど、Adobe Acrobat Readerなどの専用アプリがあるのです。こういうのは動作もブラウザで読むのに比べればずっと速いし便利。

ネットで「iPhone PDF」などで検索すればいろんなサイトが引っかかってくるからそういうの参考にして設定するべし。ファイルの転送はケーブルでPCとつないでもいいし、Dropboxなどを中継に使っても簡単。

私自身は、今のところ横書きのはGoodreader、縦書きのはi文庫HD(iPad専用)ってので読むことが多いです。他にもよさげなアプリはけっこうある。

あと、タブレットは便利なので1枚もっておきたい。iPhoneで十分ってのはないと思う。おすすめはiPadの10インチのやつ。大きくて見やすい、重さもがまんできる。

それにしても、道具に無頓着というのは大学教員として非常に気になります。学生様のみなさまにおかれましては、いちおう大学を出て知的な仕事をする職業につこうとしているわけで、WordやExcelの使い方などには習熟してなきゃならないし、スマホその他の機材やネットサービスの使い方を知っていれば、知らない人よりはるかに効率的に仕事ができる(はず)。いまやってる作業や課題や仕事をもっと楽にする方法はないのか、いつも考えてみてほしい。

少しでも楽に生産性をあげるために、ちょっとぐらい情報収拾し試行錯誤する時間やお金を投資してみてもいいのではないかと思います。

質問の前には名前や所属を教えてください

えー、これはお説教というよりはお願いなのですが、大人数講義が終わった後に教員に質問に来るときは、最初に所属とか名前とか言ってもらえると対応が楽です。

「あのー、しばらく欠席してたのでレポート返却してもらってないんですが……」(ずいぶん前の話だな、なんでいままでとりにこなかったのだろう、ごちゃごちゃの書類の山に埋もれてしまったか)「え、ああ、悪かったですね、……えと、名前なんでしたっけ、学部は、学生証番号は?いや口で言われても覚えられないからメモかなんか書いてもらうか、メールしてもらえないかしら」とかやるのはけっこうしんどいものです。

最初に「〜学部の〜です、欠席してたので」だと(あ、なんかの実習かな)とかで反応がちがったりする。「4回生の〜です」とかだと(就活とかたいへんだったのかな、しょうがないな)みたいな心の準備もできたりするし。

まあ授業後にかぎらず、各種の用事で研究室に来たり、道端で声をかけるときも、「〜学部の〜とかです、〜の講義を受講しているのですが」とかからはじめてもらうと楽です。「3回生の〜ゼミの」とかもよい情報で、(あー、〜先生には世話なってるからいろいろ配慮しないとな)ぐらいのこと考えたりする(まあそういうのあんまり考えちゃだめなんだけど)。

高校まではネームプレートつけてたり、座席表があったり、クラスの人数がせいぜい50人ぐらいで教師の方も名前をおぼえやすいし、おぼえてなくてもおぼえてるふりはしやすいのですが、150人とか200人とかの授業15回程度で、教員が顔と名前覚えるのは無理ですわ。基本的にはあなたたちの名前も顔もおぼえてないと思ってください。これはもうしわけない。

んで、まあ匿名の人と話すというのは心理的圧迫があるし、名前を聞くというのもかなりエネルギーを必要とすることなんですわ。そういうわけで、最初に名前なのってもらうとかなり楽です。

まあついでなので、もうちょっと講義終了後の教員の心理について書いてみます。

1時間半の講義が終わった時というのはたいていの教員は各種のエネルギーを使い果たしてます。面倒な勉強話をしなければならないのに加え、学生様が退屈してないかとか、室温は適切かとか、居眠りされていやだなあとか、私語しているやつをどうするかとか、まあそういうことをいろいろ考えながらやるので、体力的にも精神的にもカラータイマーがピコピコ言ってます。「はらへり」「とにかく喉がかわいた」「ビール飲みたい」「あれ俺もアル中じゃないだろうか」とかってこと考えたり。

こういうのに加えて、終了後は、説明は分かりやすかったろうか、混乱させたのではないか。あれとあれを結びつければよかったぞ、次はそうしようとかの授業の反省に加え、場合いよっては、研究のアイディアを見つけたぞ!みたいなときもあるのです。入門用の講義でも、話しているうちにけっこう勉強的に重要な発見をすることがあって、そういうのは研究者としての教員にとってものすごく大事なのね。基本的に講義終了直後はあたまが学問の世界に入ってる場合がおおい。だから講義内容に関する質問はわりと、自分の発想その他を発展させたりできるので嬉しかったりもします。

でもそういうタイミングで、「レポートが」「欠席何回までOKですか」「私何回休んでますか」みたいな事務的なことを尋ねられると頭が混乱してひどいことになちゃったり。これ私だけですかね。

まあそういうわけで、講義直後の教員はいろいろあれな状態になってるので、ちょっとだけやさしくしてください。最初に名前や所属おしえてくれるだけでずいぶん楽になるのです。

まあ実は、事務相手でもどこでも、相手が自分が誰だかわかってないかもしれないってときは、つねに自分の名前名乗るところから始めるのが基本だと思ってよいです。あとマスクはずしておいてね。

卒論生のための文献・情報関係ウェブサービス案内

卒論を書くためにはとにかく大量に本や文献を集めて読み整理しメモをとらねばなりません。(無料の)ウェブサービスを使って効率的にやりましょう。

具体的に私が書籍等あつめるときにどうしているのかというと、基本的に書籍の情報はMediaMarkerに集積してます。Amazonで「この本よまないとならんかな」と思ったら、すぐに登録して「ウィッシュ」もしておく。登録はブラウザからブックマークレットからバインダー登録一発。MediaMarkerの他に、ブクログ読書メーターといったサービスがあるので、自分の好みで。

本を買うとお金がかかってしまうので、なるべく図書館ですませたい。カーリルにアカウントをとって、自分の利用する図書館を登録しておくとよい。私は大学と市立図書館、府立図書館の3箇所を登録してる。さらに、ブラウザにChromeなどをつかっている場合は、Calilayという機能拡張を使うと、AmazonやMediaMarkerのページでその本が図書館にあるかどうかすぐわかる。FirefoxやSafari用の機能拡張もあるはず。

Webの情報は「クリップ」(保存)する。Evernoteというメモソフトの場合はEvernote Web Clipperを使うと一発でクリップできる。Google KeepOneNoteでもおなじことができるはず。これらのメモサービスは非常に便利なものなので、卒論生はどれか使いたい。とにかくWebの保存、メモ、思いつき、読書ノート、なんでもメモサービスにあずける。歩いてる時、電車のなかで思いついたこともスマホからとりあえずメモっておく。(もちろん紙でもいい)

私はPDFはMendeleyってので整理してますが、学部生でここまでやる必要あるかどうかは知りません。もっとよいサービスもありそう。Evernoteに突っ込んでおくだけでも十分かもしれない。

図書館で借りた本などは大事なところ、あとで使いそうなところはコピーするなり写メ取るなりしておく。まあ普通コピーだと思うけど。私は実際には論文などはコピーして、それをスキャナで読んでPDFにして保存することがおおいかな。


関係ありそうな古い記事。書き直さないとならんね。

授業のお約束2017年版

授業、特に講義のお約束です。2017年版。江口のお願いなので、他の先生の授業はその担当の先生に合わせてください。

  • 私語厳禁。
  • 出席確認と質問・感想等のために「大福帳」を使用するが、出席点はない。病気の時は休んで構わない。健康第一。ただし、文科省様・大学基準協会様などの要求に答えるため、3/4は出席するように。公欠の場合、やむをえない場合には大福帳にその旨書いておくとよい。
  • 授業中の質問、発言は高く評価する。授業によっては、1回の発言で1点、学期10点まで加点することがある。発言ののちに江口からハンコ等をもらうように。本当にどんな質問でもかまわない。たとえば江口の指示が聞き取れなかった場合、聞き落としてしまった場合も質問してよい。エアコンや照明の調整の要求でもよい。
  • なにごとも「他人を無視しない、透明人間にならない」が基本。トイレ等は周りに軽く合図して行ってよい。
  • やむをえず遅刻した場合はそれなりの態度で入ってくること。軽く会釈したりする程度でよい。さっさと席につくこと。友人といっしょにはいってきてどこに座るか相談したりしないこと。
  • 途中退室もそれなりの態度で出ていくこと。事前に連絡しておくとよし。授業に対する嫌悪感、抗議などで出ていくなどは許す。
  • 飲み物はOK。食べ物は可能ならば避けてください。
  • ノートパソコン・スマホ使用はOK。ただしスマホは目立たないかっこよい姿勢(教えました)で使ってください。
  • スライドの写メはパシャパシャうるさいから避けるように。音出ないなら可。そもそも授業後に授業ページにアップロードするので無駄。
  • 机に座ったらまずノートを開いてペンを出す習慣をつけよう。
  • 腕組み・足組みOK。指示待ちで「手はお膝の上」はかっこ悪い。ペンをもっておこう。
  • 居眠りはやむをえないが、机に突っ伏すのはやめて。
  • 授業内容や発言に、セクハラ・アカハラ等の疑いがある場合は、日時等・内容をメモして、あるいは録音などして、担当部署に相談してよい。ただし、疑問があった場合は、直接、あるいは大福帳、メール、大福帳の束にしのびこませた匿名の紙、等で直接疑義・抗議などしてもらった方がありがたい。
  • レポート課題、試験等は最低2週間前に告知する。内容・評価基準等もそのつど伝達する。まえもって質問する必要はない。
  • オフィスアワーは火曜の昼休み・3限。この時間帯は予約不要。他はメール (eguchi.satoshi@gmail.com)で予約すること。

 

質問の仕方 (2)

授業や説明会などのあとでは、必ず「質問ないですか」と聞かれます。これは、本気で質問を求めているというよりは、まだいろいろ話したいけど時間がないから、みんながどこらへんに関心があるかを知りないってことなのです。だから本気で「質問しよう」「質問を考えねば」「よい質問を」と考えるのではなく、「ここらへんもうちょっと詳しく話してください」みたいなのでいいのです。

面接その他の少人数の場合は特に、「質問する」というよりは、「スピーカーの人から話をひきだす」ってのを心がけてください。基本的には、すでにしゃべったことの具体的な話をしてくださいと言えばいいのです。

あと、就活のグループディスカッションとかだと延々しゃべるやつに一方的にやられてしまうから、話に割ってはいるとかつっこみ入れるとかそういうのもあえて練習しましょう。人間は自由なのです。

→ 質問の仕方 (1)

大事なときはメモを渡せ

自分の名前をおぼえてもらう必要があるときってのはあるわけです。

たとえば、レポート締切日にプリンタが壊れてしまったとか、プリンタもってなくて大学でプリントアウトしようとしたのにコンピュータ教室が閉まっていて、出力できない!どうしよう?

困りますね。しょうがないからその教員の研究室にいって、「コンピュータ室が閉まっていて出力できないので明日出します」とさ交渉すればいい。とにかく交渉ってのは大事です。これは以前も書きました。

で、そのときに、自分の名前や学籍番号も伝えないで「待ってくれ」とかっていっても誰を待ってればいいのかわからんわけですよね。あなたはあなたにとってかけがえのない一人、あなたしかいないわけですが、教員にとっては数多くの学生の一人にしかすぎず、とくにあなたに関心もってないから名前も顔もおぼえてなかったりする 1)特別な関心もたれるのは時々危険です 。名前も言わずに「〜してくれ」なんて言われたって「き、きみは誰だね!?ぼ、ぼくを脅す気なのか?!」みたいなことになっちゃう。

というわけで、そういう場合はまず自分の学部とか回生とか学科とか名前とかちゃんと名乗らないとならない。しかしそれでもだめ。そんなんいちいちおぼえてられるわけがない。そういうわけで簡単でいいからメモ渡すわけですわ。「〜学部〜回生の誰それ、明日提出させていただきます」程度でいい。相手がわかればいいわけですからね。

大人はそういうときのために名刺とかもってるわけですが、まあそういうのなくても簡単なメモでいいから渡しましょう。大事なことを人に頼むときはメモが大事です。まあメールっていうのは証拠ものこっていいものなので、今どきは「後で簡単なメモを送りますからおねがいします」でもいいかもしれない。とにかくそういうクセつけてください。いろいろスムーズにいくかもしれない。いかないかもしれないけど。

References   [ + ]

1. 特別な関心もたれるのは時々危険です

添付ファイルの送りかた

 

文書をメールで送りたいときはあるものです。レポート課題等で「メールで提出」のような教科も増えてると思います。いくつか注意事項を。

WORDやEXCEL、PowerPointなどはそこそこ優秀なアプリケーションですが、売り物なので誰もが必ずもってる、ってものではない。また、こういうアプリケーションは起動にすごく時間がかかって(「重い」)、ファイルの中身をちょっと見たい、とかってときには面倒なものです。Google Mail (Gmail)だとプレビュー機能あって少しましですけどね。添削などのために編集可能なWord/Excelのファイルを受けとらねばならない場合は別ですが、そうでないのにWord立ちあげさせられるのはつらい。

受けとる相手の手間をなるべく省くようにしましょう。

(1) ファイルを添付してそのまま送らないで、必ずメール本文になんのファイルかを明記すること。

「鳥辺野女子大学現代遊興学部1500893の遊野好子です。遊興倫理学のレポートをPDFで添付します。よろしくおねがいします。」ぐらい書けばよい。メールの件名(Subject)も忘れずにね。大学教員へのメールの書き方も見てください。

 

(2) PDFにする

PDFは規格が公開されていて、Webブラウザでも読めるしAcrobat Readerなどの動作が軽快な(軽い)アプリで読めるので便利です。どうしてもWordやExcelのファイルを送らねばならないという場合を除いて、なるべくPDFで送りましょう。もちろんその他指示されてたらそれにしたがってください。

(3) 内容を本文にコピペしておく

簡単な文書だったら、内容をメール本文にコピペしておいて「内容を本文に転記しておきます。正式なものは添付ファイルをご覧ください」のようにしてもらうと受けとる方は楽ですわね。事務的な添付ファイルはそうしたい。大学事務の人なぜこれやってくれないのかな。

(4) ファイル名に気をつける

たとえば「遊興倫理学」という科目のレポートの場合、「遊興倫理学レポート.docx」みたいなファイル名はよくありません。みんな「遊興倫理学レポート」って名前使ってしまって、複数のファイルがごっちゃになります。ちゃんとした先生はファイル名のつけ方も指定もすると思いますが、「15000001 遊野好子 遊興倫理学.pdf」みたいな形にしておくと、重複がなくなるので受けとる方は楽です。(昔はファイル名に空白入れるな、日本語使うな、みたいなのがありましたが、最近は気にする必要ないでしょう。) レポートなどの場合は教員がはっきり指定するべきですわね。

大学教員へのメールの書き方も見てください。

読めない漢字・書けない漢字

漢字は大量にあるので、いつまでたっても読めない漢字や書けない漢字があります。読めないのは辞書やネットで検索すればいいわけですが、読めない書けないだとパソコンに入力することもできずに困りますよね。私も困ります。特に明治大正の文章なんてのはほんとうに読めない。最近、永井荷風先生の『断腸亭日乗』をネットに掲載しようってんで入力してるんですが、異体字とか最初はひどく困りました。漢字をどれくらい知ってるかっていうのは漢字文化圏では教養の印なんであんまり知らないのも人文系大学教員としてはくやしい。
以前はそういうのは古典的な漢字辞典に当たるしかなかったわけです。部首から画数とかってあの面倒なやつね。しかし部首の名前とかってのも面倒で、けっきょく部首はどこだとか画数は何画なんだとか面倒くさい。

電子辞書や辞書アプリとかでも漢字辞書は弱点なんすよね。そんなうまく検索できない。

ここ10年ぐらいはWindowsの「手書き入力」とかで入れる人が多いようですが(最近はMacにもあります)、あれもまた面倒すぎる。

『断腸亭日乗』を入力するためにオンラインの漢字辞典をいろいろ見たんですが、けっきょく落ちついたのは「字源」ってとこですね。 http://jigen.net/ 。ここはすばらしい。ふつうの漢字辞典のような部首や画数による分類に加えて、「部品」という概念を導入してくれている。「聡」とかなら「耳」と「公」と「心」からできてるので、その三つを入力して「部品」で検索すれば一発。異体字も示してくれるから、「だいたいこの漢字なんだけどちょっと違う」みたいなのも発見できるし。おすすめですね。

ただこのサイトは漢字の意味は示してくれないので、コピペしてふつうにネットで検索する必要がある。でもこれもいまはいろんな優秀な辞書サイトがあるから一発。よい時代になりました。

会社選びのポイント

やりがい

やりがいとか働きがいとかっていうのはどうでしょうね。どんな会社でも中に入ってしまえば、わりと短期的な目標がはっきりしていてやりがいがあるものです。人間関係が良好ならなおさら。あんまり「〜の仕事じゃないと!」みたいに思いつめる必要はない。

どんな会社も社会の役に立っていて、なくてはならないものです。それは働いているうちに実感されるものであって、就活するときにそんな重視する必要はないんではないかという気がします。それより社風とか社員や役員がどんな人か、その雰囲気になじめそうかってのを見たい。まともな人はしっかりした仕事をしているものです。(そのためにも学生時代のうちに人を見る目は身につけておきたい。)

ただ、反社会的なことやサギまがいのことをやってる会社、そもそも何をやっているのかちゃんと説明しないような会社はやばいのでスルーね。

就職活動で注意するのは

就職活動をしているたいていの人は「初任給」とかに目が行くようですが、 これは会社選びの目安としてはあんまりよいものではありません。

よい会社は初任給は低めに設定してボーナスがっぽりとか、年功序列で生き残 ればがっぽり、ってな感じにしているはずです。初任給を高めに設定している のは小さい会社、あんまり人が集まらない会社、社員がすぐにやめちゃう会社。

私だったら、初任給なんてのは見ません。なんといっても、経営規模。でかい 会社はつぶれにくい。人数が多ければデキる人間も多い。小さいところは個人 の能力や資質に負うところがでかくて不安。できれば年齢別の平均年収を教えてもらうとよい。

他に

  • 離職率。だめな会社は社員がすぐにやめてしまう。
  • 福利厚生。重要。

福利厚生

案外多くの学生が気にしてないのが住宅手当/社宅。これけっこうでかい。 特に都市部では初任給の1/3〜1/5ぐらいの価値があるはずなのに。社宅や 寮もどういう環境か知らべておかないと後悔しますよ。住む場所は本当に 重要です。

病気したときにどれくらい面倒見てくれるのか、結婚したり子どもが生まれた らどうなるのか。いろんな保証は生き延びるために重要です。

せっかくの売り手市場なのですから、会社はよく見ましょう。 面接で質問してOKです。むしろ、会社の方もそういうのをちゃんと質問してくる 学生をとりたいはずです。逆に言えば、 そういうのをいやがるような会社は入ると不幸になります。

その他

あと、私だったら、2ちゃんねるの就職板や各種業界板で 会社の評判や内部事情を探りますね。

剽窃を避ける

剽窃とは

剽窃・盗用 (plagiarism プレイジャリズム)はアカデミックな世界では非常に重大な犯罪です。大学生はすでにアカデミックな世界の一員であって剽窃は絶対に行なってはなりません。「なぜ剽窃をしてはいけないのか」については「なんで丸写しじゃだめですか?」ってページを書いてみました。

このページの冒頭にあげているインディアナ大学の Plagiarism: What It Is and How to Rocognize and Avoid It というすばらしいガイドでは「剽窃」を「情報源を明示することなく、他人のアイディアや言葉を利用すること」として、剽窃を避けるため次のことに注意しなければならないと言っています。

次のものを利用するときはいつでもクレジットをつけ
なければなりません。

  • 他人のアイディア、意見、理論
  • 他人が発言したことや他人が書いた文章のパラフレーズ
  • 多くの人が共通に知っていること(common knowlege)でないような事実、統計、グラフ、図など

この「多くの人が共通に知っていること」はなかなか微妙です。なにが「みんなが知っていること」でなにが「オリジナルな主張・発見」かは、その分野をよく知らないとわからないですからね。別の大学のサイトで、「5冊以上の本などで出典なしに挙げられている」ということを目安として提案されているのを見たことがあります。

パラフレーズ

なかでも「パラフレーズ」はなかなか難しい問題です。パラフレーズとは、ある表現を他の表現で置きかえることなのですが、どの程度違う文章にしなければならないのかをはっきりと示している文章を、国内ではほとんど見かけたことがありません。私は、それが大学におけるレポートの剽窃の横行につながっているのではないかと思います。

つい最近、この件をよく考えてみなければならない出来事がありました。それを利用して、上のインディアナ大学ガイドのような形で問題を指摘してみたいと思います。

次の文章はソースティン・ヴェブレンの『有閑階級の理論』(高哲男訳、ちくま学芸文庫、1998、p. 129-130)の一部です。

人目につく消費を支持するこのような差別化の結果生じてきたこと、それは、衆目の前で送られる生活の公開部分がもつ輝かしさに比べて、ほとんどの階級の家庭生活が相対的にみすぼらしい、ということである。同じ差別の派生的な結果として、人びとは自らの個人的な生活を監視の目から守るという習慣を身につける。何の批判も受けず秘密理に遂行しうる消費部分に関して、彼らは隣人との接触を完全に断ち切ってしまう。こうして、産業的に発展した大部分の共同社会では、個人の家庭生活は、一般的に排他的なものになる。したがってまた、かなり間接的な派生物ではあるが、プライバシーと遠慮という習慣──あらゆる社会の上流階級がもつ礼儀作法の規範体系のなかでも、きわめて重要な特徴──が生じることになった。なんとしても面目を保てるような支出を実行しなければならない羽目に陥っている出生率の低さは、同様に、顕示的消費にもとづいた生活水準をみたす、という必要性に起因している。子どもの標準的な養育に要する顕示的消費や結果的な支出はきわめて大きく、強力な抑止力として作用する。おそらくこれが、マルサスが言う思慮深い抑制のうちで、最も効果的なものであろう。

非常に示唆的な洞察ですが、こういう硬い文章に慣れない人にはちょっと歯応えがあるかもしれませんね。翻訳調だし。何を言っているかわからない、と思うひともいるかもしれません。

これをある学生さんがレポートで次のように書いていました。

人目につく消費を支持するこのような差別化の結果、他者から見られる生活の公開部分に比べて、ほとんどの階級の家庭生活が相対的にみすぼらしい、ということが言える。また、派生的な結果として、人々は自らの個人的な生活を他人の目に晒されることから守る、と言う習慣を身につける。こうして、産業的に発展した大部分の共同社会では、個人の家庭生活は、一般的に排他的なものになるのである。そして、間接的な派生物ではあるが、プライバシーと遠慮という習慣も生じることになった。顕示的消費に基づいた生活水準を満たすことを考えた際に、子どもの養育に要する支出の増加は極めて大きく、面目を保つための支出に追われているような階級での出生率の低下も考えられる。現代日本の出生率の低下に関しても、原因の一つとして当てはまるのではないだろうか。

この文章を書いた学生さんは、たしかに、レポートの冒頭で一応、

本稿はヴェブレンの『有閑階級の理論』(1998年、ちくま書房、ソースティン.ヴェヴレン1:著、高哲男:訳)をもとに、この顕示的消費と、顕示的消費における(略)

と書いているのですが、それでもこれは剽窃になります。

一つには、 ヴェブレンの『有閑階級の理論』のどのページにあるのか明記していない からですが、もっと重要な問題もあります。ヴェブレンの文章とレポートの文章を比べてみましょう。

人目につく消費を支持するこのような差別化の結果生じてきたこと、それは、衆目の前で送られる他者から見られる生活の公開部分がもつ輝かしさに比べて、ほとんどの階級の家庭生活が相対的にみすぼらしい、ということであるということが言える同じ差別のまた、派生的な結果として、人びとは自らの個人的な生活を監視の目他者の目に晒されることから守るという習慣を身につける。何の批判も受けず秘密理に遂行しうる消費部分に関して、彼らは隣人との接触を完全に断ち切ってしまう。こうして、産業的に発展した大部分の共同社会では、個人の家庭生活は、一般的に排他的なものになるのであるしたがってまた、かなり間接的な派生物ではあるが、プライバシーと遠慮という習慣──あらゆる社会の上流階級がもつ礼儀作法の規範体系のなかでも、きわめて重要な特徴──がも生じることになった。なんとしても面目を保てるような支出を実行しなければならない羽目に陥っている出生率の低さは、同様に、顕示的消費にもとづいた生活水準をみたすことを考えた場合、という必要性に起因している。子どもの標準的な養育に要する顕示的消費や結果的な支出はきわめて大きく、強力な抑止力として作用する。おそらくこれが、マルサスが言う思慮深い抑制のうちで、最も効果的なものであろう。面目を保つための支出に追われているような階級での出生率の低下も考えられる。現代日本の出生率の低下に関しても、原因の一つとして当てはまるのではないだろうか。

ほとんどヴェブレンの記述の順番そのまま、細かいところを自分で入れかえただけです。語順さえも直っていません。このように、このレポートを書いた人は、ヴェブレンの文章の重要な語句のまわりにある細かい語句を変えているだけなのです。 これも剽窃とみなされます。

インディアナ大学のガイドは次のようなパラフレーズは剽窃であるとしています。

  • オリジナルの文章の一部の語句を変更しただけか、あるいは語順を変更しただけである
  • アイディアや事実の出典を示していない

ふつうの大学生なら、「出典を示せ」は耳にタコができるくらい聞かされていると思いますが、パラフレーズの件についてはあんまり指導されていないんではないでしょうか。しかし私も上のヴェブレンの件は剽窃だと考えます。

それではどう書けばいいのか

んじゃどう書けばいいのか、ってのはなかなか難しい問題です。インディアナ大学のガイドでは次に注意したパラフレーズは正当だと述べています。

  • オリジナルの情報に正確に依拠する
  • 自分自身の言葉を使う
  • 読者が情報源を理解できるようにする
  • オリジナルの文章を正確に記録する
  • 文章におけるアイディアにクレジットをつける
  • 引用記号をつけることで、どの部分がオリジナルのテキストからとられたもので、どの部分が自分で書いたものか判別できるようにする

インディアナ大のガイドは、剽窃を避けるためもっと具体的に次のような方な方策を次のように述べています。

  • テキストから直接に書き写したものには常に引用記号(「」)を付ける。
  • パラフレーズする。しかし、いくつかの単語を書きかえただけではだめ。次のようにします。
  1. まずパラフレーズしたい文章をよく読む。
  2. 手でその部分を隠したり、本を閉じたりしてテキストが見えないようにする(テキストをガイドにしちゃだめ)。
  3. 覗き見せずに自分の言葉でそのアイディアを書いてみる。
  • 最後に、オリジナルの文章と自分の文章をつきあわせてみて、まちがった情報を書いてしまってないか、同じ言葉を使ってしまってないかの二点をチェックする。
  • (インディアナ大のには書いてないけど)忘れないうちに出典をつける。

さっきのヴェブレンの文章の前半を、実際に上の方法1と2にしたがってやってみました。

ヴェブレンの『有閑階級の理論』によれば、プライバシーという規範は顕示的消費と関係がある。ひとびとが他の人々に見せつけるために消費するのであれば、他人に見えない部分ではそれほど消費する必要がない。むしろ、顕示的消費を行なうため、見えない部分に費す費用はより少なくなる。そのため、生活の他人に見えない部分は相対的に貧弱でみすぼらしいものになる。そういう貧弱な部分を他人に見せないために、プライバシーを守るという習慣が発生するのである。(ヴェブレン『有閑階級の理論』高哲男訳、ちくま学芸文庫、p. 129)

あんまりうまくないですね。あはは。まあ平凡な大学教員の読解力、記憶力、文章力なんてこんなもんです(私ヴェブレンほとんど勉強したことないしとか言い訳したくなる)。でもここまで来れば、まあ「自分の文章だ」ってな感じでもあります。

さらに教員の側から

まあ私自身が拙いパラフレーズの腕を見せたのは、それが ほんとうに難しい ということを示すためでもあります。私の考えでは、学者の腕のよしあしの大きな部分はパラフレーズの巧拙によって決まります。まあそればっかりやっている業界もあるわけで。

ちゃんと内容を理解しないと適切にパラフレーズすることはできません。逆に言えば、パラフレーズを見ればその人がどの程度内容を正しく理解しているのかがわかる。学生にレポートを書いてもらうのは、授業内容を理解してもらうためなわけで、つまり「適切にパラフレーズ」させることによって内容を把握させたいと思っているわけです。だからそれは一所懸命やってほしいのね。

パラフレーズだけでなく、剽窃一般についてもちょっと書いておきます。レポートを書かせようとするときに一番頭が痛いのが剽窃です。正直、採点するのがいやでいやでしかたがないくらい教員にとって頭痛のタネなのね。

教員の側からすれば、どの大学の何回生がどの程度の文章を書くことができるのかははっきりわかっています。文章がうまい、難しい言葉を平気で使う、斬新な発想がある、なんてのはたいてい剽窃なのね。そんなのに点数出したくない。さっきのレポートでは、一目見たときはどっかのwebからのコピペに違いないと思いこんでしまいました。その発想の豊かさと、奇妙な翻訳調が、勉強不足の大学院生あるいはかなりあやしい大学教員の文章に見えたのです。

べつにうまい文章、きれいな文章、すごい発想なんていらないから、とにかく自分で書いてみてください。

もっとプラクティカル

日本の大学生レベルでは、インディアナ大のような注意をする前の段階の学生が多いと思います。私はもっとプラクティカルなノウハウが必要ではないかと思います。やってみましょう。

さっきのヴェブレンです。

人目につく消費を支持するこのような差別化の結果生じてきたこと、それは、衆目の前で送られる生活の公開部分がもつ輝かしさに比べて、ほとんどの階級の家庭生活が相対的にみすぼらしい、ということである。同じ差別の派生的な結果として、人びとは自らの個人的な生活を監視の目から守るという習慣を身につける。何の批判も受けず秘密理に遂行しうる消費部分に関して、彼らは隣人との接触を完全に断ち切ってしまう。こうして、産業的に発展した大部分の共同社会では、個人の家庭生活は、一般的に排他的なものになる。

たいていの学生はこれだけの文章もけっこう歯応えがあると思います。どうすりゃいいんだろう?そこでまず、次のように書きはじめてみます。

市民社会でのプライバシーの問題について、ヴェブレンはどう考えているのだろうか。

まず自分で疑問文を書く。次に、ヴェブレン本人の文章を引用する。さらに疑問文をつける。

彼は「産業的に発展した大部分の共同社会では、個人の家庭生活は、一般的に排他的なものになる」(p. 119)と述べる。しかしなぜ産業的に発達することと、家庭生活が排他的なものになることが関係しているのだろうか。

ここまで来ると、ずいぶん書きやすくなってくる。これなら答えられるかもしれないと思ったら次のようにすればよい。

ここで重要なのがヴェブレンが注目した「顕示的消費」である。顕示的消費とは〜

「顕示的消費」とかってのを一応説明するわけね。

ヴェブレンの指摘によれば、近代的な共同社会では、顕示的消費のために他人に見えないところに費す費用を抑えるという動機がはたらく。したがって、家庭の内部での生活はみすぼらしい。

さらに、自分の体験から例を加えられればよりベター。読者は、「この人実感でわかってるな」と思います。

たとえば、驚くほど華美な服を着ている女子大生が、アパートに帰るとケバだったジャージ姿でカップラーメンをすすっている、などという光景はいまでも見られるだろう。しかしそういう格好は他人には見られたくない。だからプライバシーが重視されるようになるのである。

もちろんこうして自分の頭で書いていくと、結果的にできるのはヴェブレンの高尚な文章から遠く離れたしょぼいものになる。しかしそれでいいんです。それが文章を書くということなのです。それがなにかを学び理解するってことなのだと思います。