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同じことをくよくよ考えるのを止める

世の中にはちょっとしたいやなこととがあってもすぐに立ち直れる人と、同じことをくよくよ考えこんじゃったりして動けなくなったりする人がいるわけですが、あんまりくよくよしているとあれなので対策を考えないとならんですね。私も同じことを歩きながら酒飲みながら寝ながら考えちゃったりしちゃいます。けっこう苦しい。

ボブ・ディラン先生の歌にDon’t Think Twice, It’s Alrightって曲があるけど、まあそういうことを歌った曲でしょうなあ。

 

くよくよ考えたってたいしていいことがあるわけじゃないし、明るい友達とかからは「なにそんなこといつまでぐちぐち言ってんのよ!」とか言われちゃうし、自分でもなにやってんだかわかんなくなって非常に精神衛生に悪いですよね。

自分自身では同じことを2回も3回も考えているうちに、まれに新しい発見があったり別の解釈が思いついたりして、楽しいときもあるし、仕事の上でもちょっといいところでもあるかと思ってはいるのですが、そればっかり考えてると他のことができなくなっちゃって仕事先延ばししちゃったりしてドツボに陥いるのでコントロールしたい。

これもまあうつ病の行動療法とかで研究されているところで、「反芻 rumination」とかって言われてます。あなたは牛さんとか山羊さんの仲間なんですな。もぐもぐ。もぐもぐ。基本的な対策は(1) とにかく止める、(2)あとで解決する、の2点。

1点目のとにかく止めるのは、体や精神になんかそこそこ強い刺激を与えると、注意がそっちにとりあえず我にかえることができる。なんか腕に輪ゴムをはめておいて、同じことを考えてたら「パチン」とはじく、なんてのがあったりします。一回やってみたけどかっこ悪すぎる。おしゃれなミサンガみたいなんだったら大丈夫かも。自分で手の甲やほっぺた叩いてもいい。耳の横でちりーんって鈴を鳴らすとか。でもこういうのもかっこ悪いですね。これ教えた学生様のなかには顔の横で両手を広げた「なしよ!」のポーズをするなんて人もいました。「こんちくしょう」とかって口ぐせぶつぶつ言いながら歩いている人も、まあそれなりの仕方で反芻を切ろうとしているわけでしょうなあ。まあなんでもいいから気をそらす。

でもまあこれじゃ解決にはならんです。ちょっと空き時間ができたりして他のものに対する注意が弱くなると反芻は何度でも襲ってくるんでね。

何度も名前を出しているセリグマン先生によれば 1)おそらくこれセリグマン先生がオリジナルじゃないと思うんですが、オリジナルが誰だかわからんです。 、われわれが出来事や経験その他を反芻しちゃうのは、それが大事なことだから忘れないように反芻するんだろう、ってことで、忘れようったって忘れることができない。だから逆に憶えてよく考えちゃえばいいってわけです。基本的にはうざい思いを紙に書きだして白日のもとに晒しちゃう。まあ紙に書いてると誰かに覗き見られたりしていやだから、コンピュータの秘密のファイルにでも書いておきましょう 2)ツイッタとかに書いてもいいですが、あとで揉め事の当人にバレたりしてえらいことになるのであんまりおすすめできない。 。こんなときにこんなことがあってこんなことを感じた、あいつはいつか殺す、みたいな感じで。恨み魔太郎とかそうして殺す手帳をつけてあとで恨みを晴らしています。さすがに魔界のプリンスだけあってネガティブなエネルギーを使う方法を知っている。恨みじゃなくて自己嫌悪とか失敗とかそういう人の場合も、正直に書いといたらいい。

最近のコンピュータはファイルの暗号化とかもできるので安心です。好きなだけ書いてみてください。少し楽になるでしょうし、思い出すことが少なくなるし、「こうやって恨み晴らしてやる」とか「次に同じことがあったらもうちょっとうまく対応しよう」とかポジティブなことを考えられるようになります。おそらく次はうまくいくでしょう。

もっと本格的なのは「認知行動療法」とかで検索してみてください。親切な人が丁寧にいろいろ教えてくれます。

オプティミストはなぜ成功するか [新装版] (フェニックスシリーズ)
マーティン・セリグマン
パンローリング
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こころが晴れるノート―うつと不安の認知療法自習帳
大野 裕
創元社
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References   [ + ]

1. おそらくこれセリグマン先生がオリジナルじゃないと思うんですが、オリジナルが誰だかわからんです。
2. ツイッタとかに書いてもいいですが、あとで揉め事の当人にバレたりしてえらいことになるのであんまりおすすめできない。

ブックガイド:倫理学入門の読書順

サンデル先生がテレビで放映されたり児玉聡先生の『功利主義入門』が出たりして(英米系の)倫理学が人気なようです。入門書を読んでいくおすすめの順番を考えたり。

功利主義入門―はじめての倫理学 (ちくま新書)
児玉 聡
筑摩書房
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まあやっぱりここらへんから。非常にクリアなのでどんな人でも読めるはずです。

プレップ倫理学 (プレップシリーズ)
柘植 尚則
弘文堂
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これは超初歩。クセがなくていいけど、ちょっと教科書っぽすぎるかもしれない。

2015年に出た品川哲彦先生の『倫理学の話』もここらへんで読みたい。大陸系の考え方も検討しているのがポイントです。

倫理学の話

倫理学の話

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品川 哲彦
ナカニシヤ出版
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まあでもやっぱり英語圏のやつをちゃんと読みたい。

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
マイケル サンデル
早川書房
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最初の方だけ読んでわかったつもりにならないで、最後まで読みましょう。ネットで「トロリー問題で議論するサンデルは〜」って言ってるひとたちは最初の方しか読んでないみたいです。サンデル先生自身の立場はうしろの方に出てくる。

現実をみつめる道徳哲学―安楽死からフェミニズムまで
ジェームズ レイチェルズ
晃洋書房
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いま国内で出ているなかで、一番標準的な倫理学の教科書として使えるのはこれです。

 

法哲学

法哲学

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瀧川 裕英 宇佐美 誠 大屋 雄裕
有斐閣
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『法哲学』ってことになってるけど、倫理学と共通の部分も多いし、権利や自由などの面倒な概念についてわかりやすい説明があるのでおすすめ。

動物からの倫理学入門

動物からの倫理学入門

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伊勢田哲治
名古屋大学出版会
売り上げランキング: 237,511

伊勢田先生のこの本も入門書としてとてもよい。肉食とか菜食主義とかそういうのからはじまって具体的な問題を通して進んでいくので実感しやすいはず。

 

新版 現代政治理論

新版 現代政治理論

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W. キムリッカ
日本経済評論社
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これはほぼ専門書というか、この本読みおえたら倫理学入門はおしまいです。「倫理学」の授業のテストでは必ずAをもらえるでしょう。

私個人としては、本当は倫理学ってのは、上にあげたような「正しさ」「正義」「権利」なんかだけじゃなく、もっと個人的な幸福、よい生き方、それにさまざまな道徳的・非道徳的感情を扱うもんだと思うけど(そこに政治哲学や法哲学との考察対象の違いがある)、そっち方面でよい入門書は今のところあんまりおもいつかない。

自分の気づいてない長所を見つける/長所を伸ばす

最近ポジティブ心理学ってのが流行っていて私もいろいろ注目しております。最近も(訳し直しだけど)新しい本が出ましたね。

ポジティブ心理学入門: 「よい生き方」を科学的に考える方法
クリストファーピーターソン
春秋社
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このクリストファー・ピーターソン先生のはアカデミックな教科書で、非常に多くのアカデミックな情報とともにプラクティカルなアドバイス満載です。翻訳ではカットされちゃっている部分が多くてちょっと残念です*1が、一読の価値はあります。

ポジティブ心理学っていうと「なんでもポジティブに考えよう」っていうポジティブ・シンキングとか、「とりあえずハッピーになっちゃったやつが勝ち」みたいなんと誤解されやすいですが*2、もともとはまじめなもんです。あと「美徳」とか「長所/強み」みたいのに注目しているのも倫理学研究者モドキとしては興味があるところです。

自分の長所・強みを知るってことは自尊感情を高めることにもなるし、うまく生きる方法やライフスタイルを選択する助けにもなるのでおすすめ。

ピーターソン先生やその師匠のセリグマン先生たちが作ってるページがあって、そこでweb上で心理テストをして何が強みなのか知ることができます。やってみてください。

http://www.authentichappiness.sas.upenn.edu/Default.aspx

このページを見て、右上の「Select Language」で日本語にします。左上の「登録」ってところからメアドとか記入して開始。今一番上にある 「VIA・強みに関する調査票 (VIA-IS)」ってのをやってみてください。240問ぐらいあるのでけっこうたいへんです。

でもやってみると意外な強みに気づくかもしれません。ちなみに私の一番の強みは「向学心」で、まあ大学教員とかやってるのはそれなりに合っているのだろうか、ぜんぜんだめでもないかもしれない、みたいな安心感を得ることができます。

自分の強みがわかったら、

http://www.authentichappiness.sas.upenn.edu/books.aspx?id=1466

から「とっておきの強みを新しい方法で使ってみよう 」を読んでみましょう。登録やテスト受けなくても見ることができるので、興味ない人もぱっと見てみてください。意外におもしろい生活のヒントみたいなのを知ることができる。自分の「強み」と関係なくても試してみる価値のあるものがけっこうあるように思います。こいうのをちょっと意識してやってみるだけで、自分の意外な得意分野に気づくかもしれないし、実際やってみると生活の質や自尊心がずいぶん向上するんじゃないかとおもうので、まあとりあえず一目見てみてください。

実はこれは上の『ポジティブ心理学入門』の一部なんで、ぜひ本にも載せといて欲しかったんですけどね。

自分の長所を見つけるってのでは も見てみてください。

 

あと生活のヒントってのでは、

暮らしのヒント集
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暮らしのヒント集2
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松浦弥太郎
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こんなのも読んでて楽しい。まあどうでもいいっちゃーどうでもいいような細かいお説教の話なわけだけど、少しでも生活が楽しくなったり楽になったりすればまあ苦しい人生を生きているのもそんな悪くないのではないかと思えるようになったりするかもしれんです。

VIA

 

セリグマン先生やピーターソン先生がやってるVIA(Values in Action)調査ってのはまあなんか世界的に見て「よい性格」「長所」「(道徳的)美徳」とかみなされてるものをリストアップして、リストのなかから文化間で共通に賞賛されてるやつを選択してさらにグループ分けしてみよう、みたいな感じ。どれくらいまともな研究になるのかはまだこれからって感じだわね。どうも説教臭い感じはあるし、どの程度実証的になれるのかわからん。なんかまあ主観的にハッピーになることだけ考えててもだめだね、みたいな反省とかもあるんだろう。

リストアップした基準はいろいろあるんだけ、、文化に依存しない普遍的なものとか、当人に充実感を与えるとか、それを体現している模範的人物がいるとか、まあいろいろ。上の本めくってみてください。基本的には「親が子供にそれを身につけてほしいと思う性格」とかを集めてる。

で、セリグマン先生たちによると、そういう文化共通の長所・強み・美徳はだいたい六つぐらいに分けることができる。「知恵」「勇気」「人間味」「正義」「節度」「超越」ぐらい(訳語はもっとよいのあるかも)。

ちょっとだけ解説してみよう。どれも実は訳語が難しくて、そんなに「普遍的」なんかいな、って言いたくなるんだけど。

知恵 wisdom / knowledge

まあ頭がいいってのはだいたい褒められるけど、難しい大学入試問題とかパズルとか解けなくても視野が広くて賢いって賞賛される人はいますね。

  • 創造性。なんか新しいものを作る。
  • 好奇心。知らないことをおももしろいと思う。
  • 勉強好き/向学心。なにか学ぶのが好き。好奇心との違いは、わりと体系的にきっちりやることだと思う。
  • 心の広さ/柔軟性。基本的に自分と違う考え方に対してポジティブっていうか、「へえ、そういう考え方もあるのかー」みたいな。
  • 視野の広さ/大局観。こう、「君らが争っていることは、もっと将来を見通すとこうだよ」みたいな。
勇気

基本的には抵抗や障害や反対があってもがんばる、って美徳。

  • 誠実さ/本物。authenticityって語が当てられてるけど、これ日本語では難しいねえ。まあ基本的に上っつらのものではない、って感じ。
  • 勇敢。まあ「勇気」の基本的な意味な気がしますね。敵や困難や脅威にぶつかってもがんばる感じ。
  • 忍耐。我慢してじっくりやる。
  • 熱意 enthusiasm。なんていうか、エネルギーって訳がいい気がするんだけど。一生懸命な感じ。
人間味

humanity。人間らしさとか人間性とか。わりと狭い範囲での人間関係にかかわる美徳。

  • 親切心。「やさしさ」とか訳したいね。まあ他人を幸せにしようとする。
  • 愛情。love。 ある程度限られた人に対する愛のことを言ってるのではないかと思う。
  • 社会的知性。他の人がなにを感じてるかちゃんと察することができる、ってことね。
正義

セリグマン先生たちは正義 justice って呼んでるけど、基本的な堅い社会的・グループ的な美徳というかなんというか。

  • 公平さ。ひいきしない、同じものは同じに扱う。自分の悪いところはちゃんと認める、みたいな。
  • リーダーシップ。まあ他人をリードできる人はどの文化でも尊重されます。
  • チームワーク。誰でもリーダーになれるわけはないけど、チームプレーヤーにはなれる。こっちも大事だと思う。
節度

temperanceで宇野カオリ先生は「節制」って訳してる。過剰にならない、って徳。

  • 寛容/慈悲。怒っててもやりすぎない。
  • 慎み/謙虚。自慢しすぎない。自分を大きく見すぎない。日本人は得意な美徳。ははは。
  • 思慮。フロネーシス。自分の将来のこともちゃんと考える、って徳。危険を避ける。
  • 自己規制。自分を律する。感情とか欲望を抑える。
超越

「超越」ってわけわからんけど、小さい自分を越えた大きなものにかかわる、ってことだと思う。

  • 美と卓越の鑑賞。自分ではやったり作ったりできなくても、美しいものを美しいと思い、優れた人を優れていると思えるのは大事。
  • 感謝。皆さまのおかげて生きております、みたいな。
  • 希望。まあなんかがんばってれば将来よくなるさ、みたいに思えるのは大事ね。
  • ユーモア。笑顔は大事です。
  • 宗教性。なんかまあチマい俗世間のことだけ考えてんのはあれですよね。

この分類がうまい分類なのかどうかもわからんし、セリグマン先生たちが主張しているほど普遍的なものかどうかもわからん。まだこれからの話。

あとまあ前の「長所を見つけよう」エントリでも書いたけど、これくらいたくさんあると一つぐらいは得意なことあるだろうから自信もっていきましょう。

ちなみに全部身につけるのは無理だと思う。たとえば「正義」と「人間味」はけっこう背反しちゃうことがあるはず。とりあえず自分のいいところ一個見つけてみて、それを伸ばせばいいのだろうと考えることにしましょう。

 

追記

実際にVIAテストやった人は、なんか違うなーって思ったんじゃないかと思います。実際に私もなんか違うと思った。ポイントは、ネガティブというか自己評価が低い人は、ああいうテストでさえ自分の強みとか長所をそういうものとして見ることができなくなっていることなんじゃないかとおもうです。おそらくそういう人はほかの幸福度テストとかしてもひどい結果が出るんじゃないかと思う。私はすごい結果でした。ははは。

まあそれでもある程度のデコボコはあるんで、自分のデコってる部分をすこし肯定的に見てあげる感じが大事なのではないかとか思ったり。

おそらくそういうひとは、VIAテスト受けたあとにあの「長所を伸ばす」を見たときに、「あれ、こんなことなの?」って思ったんじゃないですかね。ちょっと立ちどまってみたり、本読んだり美術館行ったりするのが自分の長所を伸ばすだなんてね。信じられん。ちゃんとしている人ってのはそういうんじゃなくてもっとすごい、とか言いたくなる。でも実は美徳とか長所とかってのはそういう細かいことなんのかもしれず、そういうことからなにかがはじまるんよね。おそらく。まだ私はなにも美徳を身につけられてないけど、不幸でいるのに飽き飽きしたからなんかするのです。

*1:訳出されているのは原書の半分ぐらいじゃないかなあ。ちと翻訳も改善できそうな気がするので あたりで気づいたところをメモってます。

*2:まあ実際「ポジティブ心理学」の名前を使ったヤバい本もけっこう出てるようです。大石先生、島井先生あたりは偉い。

携帯電話/スマホの迷惑メール対策

迷惑メールはうざいものですな。知らない人から「登録が完了しました、料金が発生します」とか「なんの御連絡もないのでは困ります」とか「巨乳で困ってます」とかメールされてもこっちも困ってしまいます。

docomo http://www.nttdocomo.co.jp/info/spam_mail/

softbank http://mb.softbank.jp/mb/support/antispam/settings/

au

まあパソコンの場合はgmailに登録して、届いたメールをぜんぶそこに送るようにすると適当に振り分けてくれるのですが、携帯電話の方はそこまで賢くない。迷惑メール対策をしなければならないわけですが、「PCからのメールを拒否」を選ぶといろいろな連絡トラブルのもとになります。よく考えましょう。

基本的に「PCからの一部のメールを拒否」するか、「PCからのメールを全部拒否して、一部だけ受けとる」ようにするかのどちらかです。どっちが便利かってのはよくわかりませんので好みで。

大事なことが一つあります。「URLが入っているメールを拒否」にするのはやめた方がよいです。URLを送ったりするのは一般的になってますので、これはけっこう重大なトラブルの原因になります。

PCからのメールの一部を拒否

私はこっちにしてます。基本的に .net .biz .info の三つで終る(後方一致)アドレスを拒否するだけでだいたいの迷惑メールは止まります。ただ、それ意外のから届いたときは一々設定しないとならないのが面倒ですね。softbankのiPhoneの場合、MMS(メッセージ @softbank.ne.jp)とメール(~@i.softbank.jpのアドレス)の両方を設定しないとなりません。面倒。基本的にiPhoneで~@i.softbank.jpのアドレスを受けるのはやめて、gmailとか使った方が便利です。私はそうしてます。

PCからのメールをいったん全部拒否して、一部を受けとる

こっちの方がおすすめなんじゃないかと思います。基本的に .ac.jp (大学関係者)と google.com のふたつを後方一致で受け取る設定にするだけで十分でしょう。あと知りあいが使っているアドレスの後三つぐらいを指定してあげるとよい。hotmail.comとかyahoo.co.jpとかを後方一致で受けとるようにするわけね。でもyahoo.co.jpを受けとるようにするとけっこう迷惑メール届いちゃうかもしれない。

新聞はスマホでは読みにくい。うまい方法を考えよう。

このまえ学生さんと話ていると、「就活に備えてとにかく新聞を読もうとしてます」「偉い。私去年ぐらいから新聞買うのやめちゃいましたよ」みたいな話がありました。

「でも時間がかかってけっきょく1月ぐらいで読めなくなっちゃって」「へ、なんで?ぱらぱら見ときゃいいじゃん」

「スマホで読んでるのですごく時間がかかちゃって」「え、そんなんで読んでんの、そりゃいいかんわ。」「でも1000円だし」みたいな話でした。

まあ通勤で忙しいサラリーマンが満員電車のなかでスマホで新聞読む、とかってのはありでしょうが、時間的に余裕のある学生様がスマホで新聞読むってのはばからしいですよ。紙で読めばいいじゃん。情報量もぱっと見て得られる情報の量も桁が2つ3つ違ってくる。スマホで読める程度の情報なんてのはtwitterでいくつか新聞社フォローしておけば入手できるような程度ものでね。ほとんど価値がない。

よくいる古い世代の「新聞読め」とかっていう人は、たんに時事ニュースをフォローしろっていうのではなく、社説読んだり記事解説読んだり、特集読んだりして見聞を広げろってことを言おうとしているので、たんに毎日の出来事おっかけているだけではほとんどなんの勉強にもならんです。

紙の新聞のために3500円も4000円も出すのは学生様にはかなりの経済的な負担になってしまうわけですが、時間あるんだから授業のあいだの空き時間(3回生にもなればけっこうあるはず)で図書館に行って3、4日ぶんまとめてめくればいいだけの話ですよ。

ポイントは、「負担の少ない効率的な方法を採用する」ってこといつも意識しておくことです。「新聞はスマホで読むものだ」と思いこんじゃなうと、そういう不便で使いにくいものにこだわってしまい、けっきょくやめちゃう。本当は「読みにくいなあ」と思いながら、「みんなそうしているらしいからそういうものだなの」だと思ってしまうのはもっともよくない道です。みんながやってることはだいたい効率が悪かったりバカげてたりするものなのです。いつも自分が採用している方法が効率的なものなのか、便利なものなのか考えてください。そして使いにくいと思ったら、もったいないと思ってもあえて捨てる。一つのことをやる方法は一つだけではないし、常にもっとよい方法があるのです。

推薦状ふたたび

最近内定が決まってからゼミなどの教員からの推薦状を要求するところがあるようです。これ困りますね。お互い面倒だし。

企業の方の意図としては「テメー、本当に入社するんだろうな、内定蹴って他行ったりしないだろうな、それじゃー困るんだよ、テメーを世話している教員からカタとって来いゴルア」ということです。向う様としては、予定していた人数をちゃんと取れないとえらいことになるわけでねえ 1)大学なんかも受験で合格出したひとがどれくらい実際に入学してくれるかいろいろヤキモキ考えてます。

教員としてはまあゼミの学生様の推薦状ぐらい何本でも書きます(私も偉い先生にいろいろ書いてもらいました。ほとんどは無駄になったわけですが)。でもまあ推薦状書いて内定蹴られるとちょっと恥ずかしい感じもします。「お前の信用はそれくらいか」みたいなんでね。

一つおぼえておいてほしいことは、簡単な推薦状一本書くにしても、それを書くひとは自分の信用とか評判とかそういうのを質に入れてるということです。自分が推薦した人が無礼な仕方でブッチしたらそりゃ信用がなくなる。知ってる相手だったらもう会わせる顔がなくなっちゃう 2)だから書きなれてる人は、自分が信用していない学生様の推薦状にはなんとなくそれを匂わすことも書いちゃうかもしれない 。基本はまあ推薦状書いてもらったらその人の顔を立てるようにするのが仁義です。

で、推薦状を書く教員として学生様としてはどうしてほしいかというと、まあその推薦状書いたところが通ったらそこ入ってほしいわけですね。でも人生そんな大学教員のつまらないメンツとかに気にしてるほど楽なわけじゃないので、やっぱり内定蹴ってもいいでしょう。これが一般的になると、企業も「大学教員に推薦状なんか書かしても無駄だわ」ってんで要求しなくなると思うんでそれはそれでOKな気がします。

まあ人生こういう義理とかってのはどうしてもつきまとってくるんで、そこをどう解決するかで人間の器みたいなものが見えます。おそらく私だったら、推薦状書いてもらった教員に「ごめんなさい」して自分がいちばん行きたいところに行くんじゃないかなあ。けっきょく自分の人生が一番大事なのはだれでもわかるから、単に教員にスジだけ通しゃいいだけ。「推薦状書いてもらったところを蹴ることにしましたー。その理由はこれこれで、私の人生のためにはそっちの方があれだと思って決断しました。ごめんごめん」「そりゃしょうがないねえ、ははは」ぐらいで終る。メンツつぶして知らんふりはだめです。

あと、まだ内定出してない時点で推薦状要求してくるところは要注意です。これは本気で書いてもらわないとならん。非常によく知ってる関係ならともかく、ふつうは「推薦状書いて」って言うだけじゃなくて、どんなことを推薦してほしいかもよく考えてから頼んでください。

あ、もちろん教員のコネ使って内定もらって蹴るのは絶対だめですよ。

References   [ + ]

1. 大学なんかも受験で合格出したひとがどれくらい実際に入学してくれるかいろいろヤキモキ考えてます。
2. だから書きなれてる人は、自分が信用していない学生様の推薦状にはなんとなくそれを匂わすことも書いちゃうかもしれない

2011年に読んだ本ベスト10

メディアマーカーで自分的におすすめの五つ星つけた本から、特に印象に残ってるものを順不同であげてアフィリエイトかせごう。

 

香西先生にはいろいろ教えていただきました。ネットとかでの論争の方法について理解が深くなったと思う。

論より詭弁 反論理的思考のすすめ (光文社新書)
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関連で『論理病をなおす!―処方箋としての詭弁』。この2冊読めばまあ一流ソフィスト、じゃなかった一流レトリック家の基本的な考え方がわかる。『 反論の技術―その意義と訓練方法 (オピニオン叢書) 』まで読めば十分か。ネットの議論で負けることが少なくなるかもしれない。『 オルグ学入門 』も香西先生から教えてもらったけどもうすごい奇書。これは買うほどの価値はないだろうけど、図書館とかで一読の価値がある。

性格とかパーソナリティとかについてはずっと興味をもってるんだけど、これが一番おもしろかった。

パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる
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ビッグファイブの堅牢さと、それらがそれぞれ生物学的な基盤あるんじゃないかとかそういう話。

パーソナリティ心理学の本道としてはミシェル先生の『 パーソナリティ心理学―全体としての人間の理解 』がおそらく現在最強の教科書で勉強になった。

 

ビジネス・ゲーム 誰も教えてくれなかった女性の働き方 (光文社知恵の森文庫)
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女性が会社で働くということについて鋭い分析とハウツー。女性は必読。っていうかこういうエンパワが国内でももっと注目されるべきだと思う(政治的にどうかは別にして)。『 会社のルール 男は「野球」で、女は「ままごと」で仕事のオキテを学んだ 』『 女性(あなた)の知らない7つのルール―男たちのビジネス社会で賢く生きる法 』はこの本に影響を受けた同工異曲。どれ読んでも同じだが、とにか重要な観点。

ポジティブ心理学や進化心理学に影響を受けた倫理学まわりの成果が出そうな感じ。まだ発展途上だけど。

しあわせ仮説

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欲望について 』もよかった。

性差科学といえば、これがよかった。非常に慎重。

性差や性分化、性志向などの生物学的な解明については『 科学でわかる男と女になるしくみ ヒトの性は、性染色体だけでは決まらない 』も買ってあげてください。最新の内容のはず。

女性のグループ内力学については『 女の子って、どうして傷つけあうの?―娘を守るために親ができること 』も重要。『 女はなぜ足を引っ張りあうのか 』も笑えた。

子ども向けエリノア・ルーズベルトの伝記。エリノア先生についてはちゃんとした評伝が出版されるべきだと思う。国内ではその業績が十分に理解されていないようだ。政治学の人々に期待。

すごい資料。英米の法律関係についてなんか言わなきゃならんひとは必携。

現代英米情報辞典 』は新しくしてほしい。

倫理学・法哲学まわりで重要なのはこれ。倫理や政治における感情の重要性。

ジュディス・バトラー様とか読んでるヒマがあったらこういうの読んで欲しい。

恋愛ものではこれがとてもおもしろかった。

PUA (Pick-up Artist)という文化があることを教えてもらった。まあナンパの方法なんだけど、カルチャー研究みたいなのにも重要な気がする。あれ、もう入手できないみたいね。

英語読みやすいから

でもいいと思う。かえっておもしろいだろう。

具体的なハウツーは『 確実に女をオトす法則 』だけどこれはまあたいしたことがない。とにかく『ザ・ゲーム』はおもしろいので一読の価値がある。

認知的不協和について。『 なぜ人は10分間に3回嘘をつくのか 嘘とだましの心理学 』とかも。

行動経済学みたいなんもたくさん読みました。

なぜ直感のほうが上手くいくのか? – 「無意識の知性」が決めている 』、『 なぜ選ぶたびに後悔するのか―「選択の自由」の落とし穴 』とかもどうぞ。

あ、番外だけど買ってください。

トムソンの有名なヴァイオリニストの議論とかパーソン論とか正しく読めるようにしました。あと売りはヘアの直観主義批判がどんなものか、とか、死の悪さについての剥奪説が中絶問題に適用されるとどんな問題をひきおこすかとか。あとハーストハウスのやつを読むと徳倫理学ってのがどういうインパクトがあったかがわかるはずです。よろしくおねがいします。

 

文房具

何度も書いてますが、楽しい勉強のためにはよい文房具が必要です。この前のある授業でコミュニケーションシートに「メモ帳のおすすめはありますか?」と書いてくれた学生様がいるので、その時に話したことをメモっておきます。

メモ帳みたいなものにも定番があります。まず定番のものを使ってみて、その書きごこちを味わってみてその他のものを探しましょう。なにごともオーソドックスなのからはじめるのがおすすめ。安全で効率的。(もちろんあとで冒険するのはかまわん)

私が日常的に使っているのはこのロディアのやつ。切り取り線がついていて、書いてからピリっと破ります。

[asin:B0018HHTEO:detail]

長細くて本なんかに挟むのによい、とある尊敬する先生のブログで教えてもらいました。

 

小さいのはこれ。

 

基本的に千切ってつかうものです。あとこういうメモは基本的に片面しか使わない。裏に書いちゃうと見えなくなっちゃうから。とにかくメモ紙とかそういうのはケチらないのが一番大事なことです。どんどん書いてどんどん捨てちゃう。文字も大きく一目で見てわかるように。

どういうふうに使うのが効率的かは、上の商品説明から「この商品を含むブログ」から探してみてください。デキる人びとはいろいろ工夫しています。

バラバラにならないメモ帳の定番はこれ。MOLESKINE。

これも方眼。映画で地道な刑事さんや探偵さんが使ってるやつ。「あー、その不審者はどんなことをしましたか。はあ、いきなりコートの前を。すると。ほう、そうですか、それはいかんですな。けしからん。メモメモ。」ってやるときのメモ帳ですね。

他にも「ほぼ日手帳」とか「能率手帳」とか定番がありますね。「メモ帳 おすすめ」とかでググってみてください。

リーガルパッドというのも1回使ってみるといい。

ボールペンはまあ適当なのでいいけど、いろいろ使ってみてください。高いのはそれ相応の価値がある。あとまあとにかくシャーペンだけは捨ててください。いらんし。少なくとも他人様に提出するものに鉛筆・シャーペンは即アウトね。

付箋は我が社の卒業生が関係しているこれ使ってあげてください。

こういうのもケチらずどんどん使う。とにかく文房具ケチってはいかん。

スケジュール帳とメモ帳いっしょにしとくのかいいのかどうかはよくわからんです。私は別。スケジュールはiPhoneからGoogleカレンダー使ってます。

翻訳出ました。

もう何回も宣伝見せられてうんざりしている人もいると思うけど、ごめんなさい。モロに宣伝なのはここが最後だと思います*1

みんなで翻訳した本出させてもらいました。

妊娠中絶の生命倫理
妊娠中絶の生命倫理

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勁草書房
売り上げランキング: 535,916

amazon等でも入手可能になったようなので宣伝。買ってくれたらしばらく感謝します。

サポートページはこちら。 https://yonosuke.net/eguchi/abortion/

買ってメールくれたりtwitterでメッセージくれたらおまけつけようかな。

なんでこんな20年~40年も前の古い論文訳すことになったかってのは、kalliklesってペンネームの人のブログのここらへんみるとわかるかもしれません。

日本の生命倫理学の発展に少しでも貢献できるといいなあ。

*1:まあこの宣伝するために露出を増やしたりいろいろ姑息なことをしていたわけですが。

自分の長所を見つけよう

就活とかで、面接で「あなたの長所はなんですか」とか馬鹿げたことをたずねられて困っちゃうわけですが、まあ自分の長所はなんであるか、ってのは一回考えておく価値のあることかもしれないですね。「ここが私のいいところだ」って思うことは、自己評価とかとかかわっていて、「自分はなんにも長所がない」とか思ってるとこう生きてるのがいやになるし。でもまあ誰だって長所はあるわけで、それに気づいてないだけだわね。(そういや昨日見た 「初期の栗田さん」おかしい。 )

かなり以前にもエントリシート関係で一回書いてる けど、もう1回書いてみようかしら。

最近流行の「ポジティブ心理学」とかではそういう研究もしてて、そういうのの成果を利用して自己啓発しましょうみたいな感じの本がたくさん出ています。

今日はこんな本読んでみました。

The Strengths Book: Be Confident, Be Successful, and Enjoy Better Relationships by Realising the Best of You (Strengthening the World)
Alex Linley Robert Biswas-Diener Dr. Philos.
Capp Press
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まあほんとうに一般向けの本で、「自分の長所を見つけて自己評価を高めましょう」とかって感じ。英語も簡単だし自分で読んでみるといい。高校1年生レベルで読めます。

それにあげられているリストがなかなかおもしろいと思ったので、超訳というか勝手な訳つけて紹介してみます。

こんだけ数があれば、誰だって一つぐらいは「あ、これなら私もいけてる」と思うのがあるんじゃないかなあ。そういうのを大事にしましょうとかそういう感じ。

上の本の原語 勝手な訳 コメント
Action 行動力 すぐに行動するよ。
Adherence しっかりしてる いつもきちんとルール通りやります。
Adventure 冒険好き 危ないことにもチャレンジ。
Authenticity いつも自分らしい 自分自身に忠実です。自分らしくないことはやりません。
Bounceback 叩けば伸びる 失敗したらそれをジャンプボードにする。
Catalyst 触媒人間 たいしたことしてないのにその人がいると物事がうまく進む、とかっ人いるよね。
Centred ぶれない人 いつも自分ってものをもってる人だね
Change Agent チェンジ!するひと なにごもと変化しなきゃ。
Compassion 同情心 苦しんでる人や悲しんでいる人の気持ちがわかっていっしょに苦しんじゃう感じ。
Competitive 競争心 負けず嫌い、競争するのが好きってのはいいことなんよ。その方がいい結果が出る。
Connector つなぐ人 人と人をつなぐってのも実はむずかしいこと。
Counterpoint 別の視点 あえて他人に反論とかするのも重要なんよね。
Courage 勇気 困難がありそうでも恐れない。
Creativity 創造性 新しいものを作りだす。
Curiosity 好奇心 新しいものが好き!
Detail 細部にこだわり ちまちまやるのが好き。細かいとに目が向くのも長所。
Drive 自発性 やらされるんじゃなくて自分でやる。もうやらずにはいられません。止められてもやるわよ。
Efficacy 自信 自分のやることは意味がある、効果がある、オレってイケてる、と思える。
Emotional Awareness 感情に敏感 自分や他の人の気持ちに敏感。
Empathic Connection 共感のつながり 感情で他人とつながれる。
Enabler 手助けする人 難しいことをやさしくしてあげる。
Equality 平等 人々を公平にあつかえる。
Esteem Builder 他人に自信をつけせる いいとこ見つけてほめてあげられる。
Explainer 説明力 難しいことをわかりやすく。
Feedback フィードバック力 いいとこ、悪いところを本人に伝えてあげる。
Gratitude 感謝 感謝できる、ってことも才能。
Growth 成長 いつも成長します。
Humility 謙虚さん 自信がないひとは実は謙虚なんよ。
Humor ユーモア おもしろおかしいことを考える人。笑いは非常に重要。
Improver 改善屋さん 新しいのを発明するのもたいへんですが、すでにあるものを改善するのもたいへんなことです。
Incubator アイディア練り屋さん じっくり考えてよいものにする。
Innovation 発明家 ぜんぜん新しいものを作りだす。
Judgment 判断力 バランスとれた判断するひとっていいね。
Legacy 伝統重視 伝統とか習慣とかも実は重要なんよ。
Listener しっかり聴く人 「聴く力」ってやつね。たいていの人は聴くことができない。
Mission 使命感 「私はこれやるために存在してるのだなあ」みたいな。
Moral Compass 道徳の羅針盤 困ったときにアドバイス求められる人。
Narrator お話屋さん 話上手。どうでもいい話をおもしろく話せる人っているねえ。
Optimism 楽観性 「きっとうまく行く」と信じるのも美徳。
Order 秩序 ちちんとしてます。秩序を守る人。乱す人は許せません。
Persistence 忍耐力 がまんします。がんばります。
Personal Responsibility 責任感 「これは私の責任だ」って思える人。
Personalisation 人を一人の人として見る 他人の個性とかちゃんと見える人。
Persuasion 説得力 しっかり納得させる。
Planful 計画性 きっちり先々のことを考えます。
Prevention 用心深さ やばいことに敏感。
Pride 自尊心 ちゃんとした仕事ができるのは自尊心もってる人だけ。
Rapport Builder 社交家 人見知りしないでいろんな人と仲良くできる。
Reconfiguration 調整屋さん うまくいかない細かいところの面倒見ることができる人。
Relationship Deepner 深いおつきあい 深くて長い人間関係をもてる。奥行きは重要だ。
Resilience 反発力 失敗したり不幸なことがあっても柔軟に反発してもとに戻れる。反発マクラ人間。
Resolver 解決屋さん 問題見つけて解決法を考えるのが好き。
Scribe 物書き 文章書くのが好きで得意。
Self-awareness 自分を知ってる 自分がどういう人間で、今どういうことを考えてるかよく知ってる。たいていわかってない。
Service 奉仕 他人様のためにご奉仕します。
Spotlight スポットライト スポットライトあびて派手に行こうぜ!これもけっこう長所なんよ。
Strategic Awareness 戦略屋さん いろんな要因を考慮して目標達成。少々ダークなことも受け入れられます。
Time Optimiser 時間能率屋さん なんでも短時間ですませられるように考える。イラチとか言われたくないね!みたいな。
Unconditionality 無条件の愛を それぞれの人をそういうものとして受け入れられる、ってのはいいことです。
Work Ethic 職人気質 「おらー職人だからそういういいかげんなことはできねーな」

なんか一つ二つ自分の長所を見つけると自己評価があがって、少し生きているのが楽になるはずです。具体的にどういう場面でその長所を発揮しているかを考えておくと、面接対策にもなるはず。

別にこういう長所ぜんぶ持ってる必要はない、っていうかお互いに矛盾対立するような関係のものもあるし。せいぜい2、3個あてはまるのがあればいいですよね。なんか同じようなのも含まれてるしね。こういう「長所」ていうか「美徳」は文化によってけっこう違うんで、日本だともっと違う美徳もあるんじゃないかな。

それからあんまり他人と比較して考える必要もない。あと、まあ「そういう長所はいいなあ、あこがれるなあ、欲しいなあ」と思ったら、あたかもそういう人であるかのように行動するように習慣づけると次第に身につく、てな感じのことをアリストテレスという大昔の偉い哲学者は言ってます。

私だったらEnablerとかExplainerとかの長所がほしいかな。あとFeedbackと。Esteem Builderは職業的に必須なんだけどなかなか難しい。むしろEsteem Destroyerみたいなところがあるような・・・つまりこれはFeedbackとEsteem Builderは微妙な関係にある、ってことなんよね。

こういうのに興味のある人は、下のも読むといいかも。

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『しあわせ仮説』の訳はちゃんとしているけど、他の2冊はちょっと読みにくいかもしれない。

この前聞いたところによると、こういうのがもうビジネス界でも流行りまくってるらしいです*1。まあこういう自己啓発系のはある程度用心してかなきゃならんけどね。

あと、セリグマン先生たちのホームページで自己診断してみてもいい。

http://www.authentichappiness.sas.upenn.edu/Default.aspx 右上に言語選択するところがあるから日本語選べばよい。登録してログインして、「強みに関する調査」ってのやってみてください。

『しあわせ仮説』の訳者の人たちが作ったページも見てみてください。 http://blog.goo.ne.jp/shiawase-kasetsu

*1:行動経済学とポジティブ心理学の二つはいまいろんなビジネスチャンスとつながってるはず。

生命倫理学とわたし

なんちゃって。「功利主義とわたし」 の兄弟編。

前史

  • 学部~Mのころはなにも考えてなかった。アルバイトだし。卒論はキェルケゴール。修論も。
  • でも小学生のころから医学とか生物とかそっち系の科学とは好きだったねえ。学研(?)の学習マンガシリーズで『人体の不思議』とか『生命の神秘』とか買ってもらってね。小学3~4年生で子どもが『生命の神秘』読んでたら親心配したろうねえ。なんか男性が水撒きホースにぎってましたよ。どういう意味かはさっぱりわかってなかった。次の瞬間には精子が「わーっ!」って泳いでいて、受精して発生がはじまっているという・・・
  • うちのあたりでは学業優秀な子どもは山大医学部に入って医者になるとかそういう感じだったので、自分もそうなるかなとか思ってたような気がする。
  • 高校生物で発生のあたり習ってたときに、「んじゃ人間ていつから人間なんだろうね」とかそういうことを考えたり。文学とかそっちはまってたこともあって、「これは科学の問題じゃないよね」みたいな。大江健三郎先生の『個人的な体験』とかも読んでますた。
  • 高2の物理があれでね。もう赤点の連続。赤点とったのなんかはじめてだったわ(いや、1年生の数Iの最初の方でもとったかな?でもそれはすぐに挽回できた)。とにかく物理は謎。反作用てなんだ!向こうから押してるのはいったい誰だ?ハンマー投げがどっちの方向に飛ぶかわからない。あれはさぼってたのも悪かったけど教師も悪かったわ。
  • まあそんなんで完全に文系になってしまう。あ、高校の思い出じゃなかった。
  • まあとにかくD1ぐらいまでは勉強ってのは誰か偉い人の思想を勉強することだった。

大学院生~OD

  • しかしなんか世間が脳死だなんだかんだって騒いでいるので、そういうことも勉強しないとね、みたいなことに。梅原猛先生とか哲学者代表だし。
  • 研究室の偉い先輩たちが加茂直樹先生を中心に研究会とかやってて、『生命倫理の現在 (SEKAISHISO SEMINAR)*1とかすでに出してた。怖くてどういう人たちか知らなかった。まだ加藤尚武先生のことはアイデンティファイしていない。
  • 加茂先生たちのグループの名誉のために書いておくと、京都で生命倫理の研究が進んだのは加藤先生がいらっしゃる前から。加茂先生のグループと飯田・加藤先生のグループは同時期にまったく独立に活動していたはず。加藤先生の京大就任にともなってそれが融合されるというかそういうグループ分けはなくなるわけだけど。とにかく飯田亘之先生と加茂直樹先生の活動の意義は軽視されすぎ。
  • あ、医学哲学・倫理学会はもっと前から活動しているはずで、そこらへんがどうなっていたのかは私はよく知りません。すみません。偉いです。あと他にもたくさん偉い先生はいらっしゃる。星野一正先生とか木村利人先生とか・・・名前はあげきれないです。
  • 日本生命倫理学会は1988年から。医学哲学・倫理学会はもっと古くて1982年からのはず。
  • 1990年の日記(1990/4/9)にこんなこと書いてるのが「生命倫理」の最初の記述みたい。

情報整理の方法を考える時期にきていると思う。フェミニズムや生命倫理を考えるなら、情報が大事だ。新聞の切り抜きなどは馬鹿らしいが、ある程度情報を集めなくてはならない。どうするか。

  • あれ、これはM2のときだね。それにしても文章が子どもっぽい。
  • 1991年1月16日にはこんな感じ。

また読書会をしようという話がある。今度は生命倫理についてだが、何をネタにしていいのか悩むところだ。

  • 1991年(D1)の年は怖い先生(2年目)が生命倫理の授業を半年やった。『バイオエシックスの基礎―欧米の「生命倫理」論』が教科書だったか。
  • あれ、けっこう記憶違いがあることに気づく。主に脳死のあたりやったんじゃなかったかなー。そのあとすぐ海外研修に行かれたんよね。半年研究室に教官がいないという状態になったような。
  • まあとにかく読書会なんかしたり。怖い先生はともかく、その前任の先生が非常に寛大な先生だったので、基本的に院生は放置されるのがデフォルトであるという意識。自分たちでいろいろ組織しないとならん。今思えば恐い先生にもっといろいろ教えていただけばよかったんだけど、そういうことをお願いしてはならんのだ、とか思いこんでた。
  • でもこれはもう読書会とはいえないようなお茶飲み会。科哲の大将から見るとこんな感じ。

動物倫理との出会いは、大学院生時代に同じ研究室の先輩や後輩数人とやっていた生命倫理学研究会にさかのぼる。これは雑談とも勉強会ともつかないスタイルでそれぞれのテーマについて話し合う、今から思うとずいぶん生ぬるい研究会だったが、そういうところで勉強したことがあとまで生きることになるのだから分からないものである。(伊勢田哲治、『動物からの倫理学入門』p. 355)

  • ほんとうに人生とは分からないものであるね。
  • でもそれまでの研究室の読書会ってのは、なんかすごい本(『イロニーの概念』とか)を少しずつ読む、ってのが基本スタイルだったみたいなんだけど、この読書会は1回で1本読む、とかそういう感じにしたんだったよな*2
  • 基本的には3~5人ぐらいでBioethicsっていう雑誌の論文を読みましょう、みたいな感じ。へえ、QALYとかってあるんですか、なんかあれだねーとか。なんかそういう感じ。牧歌的。でもそういう勉強スタイルもそれまでの研究室の雰囲気ではなかった。医者呼んできたりもしたり。細長い狭い狭い部屋で和気あいあい・・・でもなかったか。
  • 「千葉大の資料集」というのがあることを知る。ここらへんで加藤尚武先生の名前を知ったのかな。もちろん『バイオエシックスの基礎』の編者として知ってる。「千葉大の資料集」は関西にはあんまり流れてきてなかったず。
  • 1993年に、「千葉大の資料集」にシンガーの妊娠中絶/新生児の治療停止の紹介文を書け、という話が入ってくるのでシンガー読んでなんとか書く。苦労したしけっこう煩悶した。科哲の大将も同じ課題わりあてられたので、読書会でいろいろ意見交換したりしたはず。できたの開けてみると土屋貴志先生が同じのネタにしてスマートなの書いててあれだった。土屋先生もかっこよかったんよねえ。
  • 飯田亘之先生実物が京都に来られて、社交辞令として褒めてくれたり、いくつか助言いただいた記憶がある。でもあれはありがたかった。飯田亘之先生はいろいろ本当に偉いんだよな。どうしても太陽のような加藤先生の陰になって光が当たらないかもしれないけど、日本の生命倫理を研究者組織して本当に立ちあげたのは飯田先生。加藤先生はむしろ宣伝役というかなんというか。
  • 1994年にその加藤先生が教授として就任。
  • 私はこの年から晴れてOD。私は形としては加藤先生の弟子筋ではない*3。でもほんとうにいろいろお世話になりました。
  • 就任前には迎撃体制をとっておこう、ってんで対策読書会したような気がする。「おもしろいけどちょっと具合悪いところもあるね」みたいな感じ。しかし偉大なことはわかった。実際偉大。
  • 奨学金切れて塾講師暗黒時代突入。勉強する時間なんてない。あんまり思い出したくないのだが・・・
  • 1994年に研究室の紀要で生命倫理特集したんだっけか。まあ千葉大の資料集に載せてもらったのを焼き直す。
  • 1994年の12月(OD1年目)に加茂先生たちの生命倫理研究会で発表させてもらったようだ。選択的妊娠中絶の話をしようとしたけど、なにをどう議論していいのかわからなかった。この日はほんとうに最悪の思い出だなあ。朝、「今階段から落ちたら発表しなくてすむかなあ」とか本気で考えた*4。以降この研究会にいろいろ厄介になる。御指導ありがとうございます。
  • 1995年には加藤先生がヒトゲノムプロジェクトの倫理的問題みたいなのでお金をひっぱってくる。偉い。
  • でも時間がなくてちゃんと貢献できず。すみませんごめんなさい。なんか嚢胞性繊維症のスクリーニングみたいなので紹介文書かせてもらうが、勉強不足でだめすぎる。いまだに公開できない。ていうか自分のなかではなかったことになっている。
  • ジョナサン・グラバーの『未来世界の倫理―遺伝子工学とブレイン・コントロール』の翻訳にも参加させてもらう。おもしろい!これは今読んでもおもしろい。
  • まあとにかく人生最大の暗黒時代に襲われていて、生命倫理どころじゃなくなっている。もう自分が生存するだけで必死。
  • でも非常勤の授業では生命倫理とかの講義もたせてもらったりして、とりあえずちょっとずつ勉強はしてた。
  • 信州大学にいる立岩真也先生がなんかすごい文献データベースを作っていることに気づく*5
  • 読書会はけっこう続いたんだけど、科哲の大将が留学することになっていったん終了。あれ、某女史が留学するからだったかな。記憶があいまい。とにかく忙しくて勉強どころではない。
  • 読書会はいまオハイオにいる功利主義女子が主催して第2期に入る。医学部の建物そのものまで侵略してすごい。そのころには私は時々顔出させてもらう程度。「♪とにかく時間が~足りない」
  • いつのまにか、「倫理学本道と生命倫理学あたりの応用倫理学の二本建で業績つくっておかないと就職できないよ」みたいなのが通念になってる。それでいいのかってのはあれだよなあ。

 

RA/常勤職時代

  • 90年代後半には一気に生命倫理とかの本がたくさん出た。
  • 立岩先生の『私的所有論』読んでわけわからず、でもなんか圧倒される*6
  • 運よく給料をいただける身分にしていただく。感謝感謝。
  • でもネタが「情報倫理」とかだから生命倫理のことはあんまり考えてない。
  • 情報倫理は生命倫理ほどおもしろくないなー、みたいな。
  • いやもちろんおもしろいネタもいろいろあるし。
  • このころになってやっと、ちゃんと「イントロダクション」や「ハンドブック」や「リーダー」読んで、お金かけてそれなりに文献集めてから仕事をするのだ、ってことがわかってくる。遅すぎる。でもいまじゃ一般的なこのスタイルは、95年には一般的ではなかったんですよ。
  • まあでも生命倫理は流行でいろんな人がやってるから、情報倫理で一発当てる方があれかな、みたいな感じでさようなら生命倫理学。
  • でも気にはなっていた。
  • 運よく常勤職ゲット!っていうかもらった。
  • わーい。
  • 好きなことしたいなー。
  • やっぱり生命倫理気になるよなー。特に選択的妊娠中絶なー。
  • フェミニズムも気になるんだよなー。大学が大学なだけにフェミニズムもそれなりにまじめに勉強しないと。
  • 井上達夫・加藤秀一論争があったことはこのころに江原先生のやつで知る。まあよくわからん。そんなん大昔に議論されつくしたことじゃん、みたいな印象。
  • 胚の利用とかES細胞とかで世間がさわいでるよ。
  • なんか少し勉強するかねえ。
  • 脳死も勉強しないとね。とかいいつつ4、5年すぎる。
  • と、なんかとにかくトムソンの議論もパーソン論も紹介なんかおかしくね? っていうか森岡先生の『生命学に何ができるか―脳死・フェミニズム・優生思想』あたりからなんかいやな雰囲気だったんだけど。
  • 異議あり!生命・環境倫理学』とかひどいなあ・・・
  • なんか勉強しないで生命倫理について書いてる人が増えてね? 業界が大きくなって海外文献読まずに国内の文献だけで議論してる?
  • 山根純佳先生の『産む産まないは女の権利か―フェミニズムとリベラリズム』とかもなんかおかしくね?
  • 小松美彦先生の『脳死・臓器移植の本当の話 (PHP新書)』。こ、これは・・・
  • まあここらへん別ブログで遊んでいたときに発見したわけだけど。
  • 2006年ごろ『生命倫理学と功利主義 (叢書倫理学のフロンティア)』に遺伝子治療の件とか書かせてもらって生命倫理学に復帰する準備。
  • よく見ると、『バイオエシックスの基礎』の訳はいろいろ問題ありすぎ。もちろん黎明期にはああいう形で出すのは意味があるけど、流行りで生命倫理学やってる研究者たちがちゃんともとの論文読んでないってのはこれはもう許せん。
  • というわけで学会に殴りこみに行くかなあ、とか。2007年ごろ。まず研究会で発表してまわりの人をディスり、学会でも全員ディスる発表して、その原稿を大学の紀要に載せた。今思えば学会誌に載せりゃよかったんだけど、なんか面倒だし、なるべく早く一目に触れる情報にしたかった。
  • 学会はけっこうな人数がいたんだけど、「トゥーリーの議論についてはここにいらっしゃる方々はみな御存知だと思いますが、魔法の子猫について御存知の方はいらっしゃいますか?」って聞いたときは気分よかった。「それではトムソンの最低限良識的なサマリア人はどうですか?」ははは。あれは人生で最高に痛快な一瞬の一つだったかもしれない。
  • でもそういう全力ディスり論文を書くと、「んじゃお前がやれよ」って話になるわけで、翻訳しなおさないわけにはいかんわねえ。
  • でも日本語が不自由でね・・・・天気悪いと仕事にならんし。
  • とかで今に至る。

*1:この本、まだどこかで教科書として使われてるらしい。すごい。

*2:ここで研究室の伝統というか上下の連結がが一回切れているわけだが、それについて今考えるといろんなことがあれだ。まあ苦しかったかもしれん。

*3:そして残念ながら怖い先生の弟子筋とも言いにくい。I’m a self-made man, and am proud of it、と言うべきなのかなあ。

*4:でも逃げなかった自分を褒めてあげたい。

*5:立岩先生はインターネットの威力を一番最初に使った学者の一人だと思う。

*6:ここでなんか反応するべきだったんだよな。

ハウツー本の読み方

(2007年にも同じこと書いてます。http://d.hatena.ne.jp/eguchi_satoshi/20071213 )

学生様にはレポート書く前に「ハウツー本ぐらい読め」としつこく言ってるわけですが*1、私自身もハウツー関係はよく読みます。「大学教育の方法」とか「庭木の手入れ」とか「宅録の方法」とかそんなんとかね。この前は「ナンパの方法」みたいな本を3、4冊読みました。まあこれはナンパするためじゃなくて、そういう私のぜんぜん知らない活動がどういうふうに行なわれているか調査するためだけど。海外旅行行くときはかならずガイドブック買うでしょ?1回生にとっての大学生活や、3、4回生にとっての就活も海外旅行行くみたいなもんで、危険や落とし穴があるからそれをちゃんと知っとく。地図持たないで山行く人は死にます。

今年も3回生ゼミの学生さんに就活について(せめて心がまえだけでも)お説教する時期なので、数冊買ってみました。私自身は就活はM2のときしかしたことないので、現在どうなっているのか知らないので勉強しておく必要があります。こういうときに本が買えるかどうかが、まあ教員としての生存戦略にかかわるわけです。就活の世話して人気先生になったり、大学全体の就活指導にかかわったりする気はぜんぜんないけど、ぜんぜん知らないとピントはずれた馬鹿なこと言って学生様から軽蔑されたり、学生様の人生狂わせたりするのはあれですからね。

先週大学の書店に平積みになっている就活本を買ってみました。

人事のプロは学生のどこを見ているか (PHPビジネス新書)

人事のプロは学生のどこを見ているか (PHPビジネス新書)

就活のしきたり (PHP新書)

就活のしきたり (PHP新書)

就活の勘違い 採用責任者の本音を明かす (朝日新書)

就活の勘違い 採用責任者の本音を明かす (朝日新書)

2013年度版 面接の虎 (就職の赤本シリーズ)

2013年度版 面接の虎 (就職の赤本シリーズ)

ここらへん。もちろんさすがに自分のお金じゃなくて、教員に割り当てられている「個人研究費」で購入しました。

ところで、ハウツー本とか自己啓発本を読むときに重要なのは、「1冊を信じない」ってことですわ。こういう本ってのは、アカデミックな世界にいない人が書いていることが多くて、その人が信用できるか信用できないかわかりづらい*2。もしかしたらダメな人がなにも調査せずに適当なことを書いているかもしれなくて、へんなものを読むと、皆から馬鹿にされるへんな行動をとってしまったりする。だから必ず複数読んでみること。

まずは出版社と著者を見てみることね。朝日新書とかPHPとか、まあそこそこ名の通った新書シリーズなのでそこそこ安心。経歴はやっぱり一流企業とか一流大学とかの方が一応信用がある。「~コンサルタント」とかはたんにその人がそう名乗っている、ってだけなのであんまり信用できない。「~研究所所長」とかってのも、その「研究所」ってのがその人が勝手に作った一人だけの研究所だったりするので用心。

amazonの評価も必ず見ること。全体の評価が高くても、一つ星や二つ星がたくさんつけられてしまっている本はやばい。一方、ぜんぶ五つ星、みたいなのはサクラがつけているだけだからこれも信用できない。ある程度の数(10個以上)がつけられている本は、評価が四つ星~三つ星半ぐらいでも十分読む価値があったりする。まあでもいきなりamazonの評価を見ないで、一読してからamazon見た方が自分の印象と人々の印象の違いが知れて勉強になります。

3、4冊読んでだいたい同じことが書いてあればそれが常識。必ず従いましょう。1冊でしか主張されてないことはその著者のオリジナルな観点から書かれていて、これは自分の判断で信用するかしないか決めなきゃならない。

今回買っているのはどれもそれなりに読める。『虎』が一番初心者向けというか偏差値それほど高くない人向けの最低限かな。『しきたり』は最初の方は「ちょっとこれは」と思ってましたが、よく読むとぶちゃけていてコンパクトで悪くなかったです。この人は前に紹介した『就活のバカヤロー (光文社新書)』の著者でした。すごく優秀なライターさんですね。大学とかと直接に関係してなくても優秀な人はいます。『勘違い』と『人事のプロ』は平凡だけど標準的な学生さんが考え方を知るにはよいのではないでしょうか。『しきたり』の人は30代、『人事のプロ』の人は40代、『勘違い』の人は50代で、そこらへんの著者の世代の違いみたいなものを見るのもたのしい。

まあ正直、こういうハウツー本を2、3冊読んでおける人は、そんな失敗しないと思いますが、それだけでは成功もできないかもしれない。成功するためにはもっと勉強や訓練をしなきゃならんわけだけど、それはまあふつうのハウツー本には載ってない。まあいろいろ探してみてください。

ブログとかもいいんだけど、まあ検索したりその情報がどの程度まともかを判断したりするのに余計に手間がかかるので、とりあえず最初は本読みましょう。

とかいってもなかなか読んでくれないんよね。

*1:何回も言いますが、レポートの書き方の本を読まないでレポートを書くのは馬鹿です。

*2:まあアカデミックな世界にもインチキはたくさんいるんですけどね。https://yonosuke.net/eguchi/memo/authors.html を参照。

文章本

まあレポートとか卒論とか、文章は簡単には書けないです。私もこの歳になってもいろいろ反省したり。大学生ともなれば、はやいうちに「文章の書き方」関係のハウツーは何冊か読んでおく必要があります。

論理的に書く方法―説得力ある文章表現が身につく

論理的に書く方法―説得力ある文章表現が身につく

この本よい本だと思うので、amazonで安かったらどうでしょうか。「よい文章を書く」といよりは「よくない文章を見わける」「どこがよくないのかを具体的に指摘できるように」「よりよい文章に書き換えられるように」を目標としているのがなかなかよいです。
学生さんはお金がないのもあってこういう本にお金を使わない傾向があるみたいですが、最低限の自己投資はしなきゃならんです。買いましょう。けっきょく企業で働くとかってのも、企画書や報告書、マニュアルといった書類を作るのが主な仕事になるんでね。
文章のよしあしに敏感になると、好ましい副作用として、おかしな文章やおかしな意見やおかしな人を見わけることができるようになるかもしれません。
あれ、文庫になってるのね。

論理的に書く方法 (PHP文庫)

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論理的な作文・小論文を書く方法―ナルホドと読み手を納得させる

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もいいかも。注文してみた。
あと大学生としてはamazonやbk1といったオンライン書店のアカウントを一つもっておくべきだと思いますね。本屋で探せない本もオンラインなら買えるし早い。ただしクレジットカードの使いすぎには注意してください。
お金がないひとは図書館を有効利用すること。大学図書館には購入希望を出す。京都市立図書館はかなりの品揃えで、オンラインで一番近い図書館に配送してくれます。便利。CDも借りられるよ。

センター試験「公民・倫理」を解いてみる。

第1問「個性」

リード文。

  • 「個性という言葉の理解は、人によって様々」なのに「個性は特に他者との違いを強調するときに用いられる」と言いきっちゃって大丈夫なのかな。
  • 「個性」が「気質や性格」と同じように心理的な特徴を指すってのも大丈夫なのかな。まあふつうそう使うか。
  • 「青年期は、自我に目覚め、個性化への欲求が強まる」。「個性化」が説明なしに使われているのが不安。個性をもつようになること、かなあ。「他人と違う気質や性格をもつこと」と言いかえてしまって大丈夫なんだろうか。
  • でも「個性化」と「社会化」は心理学では対になる言葉なのかな。
  • 「仲間集団からの離脱や孤立を恐れて無理に同調行動を取るなら、個性は埋没してしまう。」ここでの個性ってのは何を指しているんだろうな。これも「気質や性格」と言いかえられるんだろうか?
  • この文章を書いた方自身は「個性」をどういうものだと考えているのかな。他人と違った(心理的な?なんらかの?)性質と見ているのか、「その人性」みたいなやつなのか。individualityなのかcharacterなのかpersonalityなのか。uniqueness? 英語だっていろいろ多義的だわね。私自身は他人との違いなんてのはどうでもよくて、むしろ自己肯定というか二階の欲求の実現というかそういうのとして考えてるような気がするような気もするけどよくわからない。独立性・自律性とかそういうとも関係あるような気がするし。そもそも「個性的な気質」ってのはよくわからんなんか矛盾した概念であるような気もする。あとでよく考えよう*1
  • まあ短い字数で言いたいことをちゃんと書くのはたいへんだな。他の問題と同じくらいの分量をとることはできないのだろうか。

問1。A~Dの説明とア~エの具体例を組合せる選択肢が、ア~エが先、A~Dが後と順番が逆になってて混乱する。会場でいきなりこの問1にぶつかったら私はパニック起こしそう。Dの選択肢を「二重接近」と「回避」だと思ってこれまた混乱した。二重の「回避-接近」なのね。むずかしかった。この二重のやつはなくてもかまわなかったのではないか。

問2。この問題はちょっとなんか奇妙な感じがする。「自己実現」「自我意識」「自己愛」「自我同一性」という *用語* と具体例の「組み合わせとして正しいもの」とはどういうことだろうか悩んだ。難問かもしれん。「~の具体例を心理学的に説明する場合に使うとすれば最も適切な用語を選べ」なのかな。問い掛け文がおかしいのか。

問3。上の世代を父親・母親と性で分けているのに、中学生・高校生で分けていない。これで中高生と父母を比べてどうするんだ。こういうインチキな感じ(とはまでは言えないかもしれないけど奇妙な)統計を使うのは勘弁してほしい。もとの『NHK中学生・高校生の生活と意識調査』もこうなっているんだろうか?ちょっと信じられないな。それとも作問した人が作りなおした?まあ性差にコミットするのがいやだったんだろうけど、それなら父母年代のほうもいっしょにすりゃいいのに。

第2問 「死と善い生」

リード文は格調高い。

  • プラトンでも善き生には死後の至福が待ってるんだったか。あんまりちゃんと意識してなかった。勉強になった。
  • 「イスラーム教」。イスラームは単なる宗教ではなく社会制度や思想まで含んでいるので「教」をとって「イスラーム」が正しい、とか書いている参考書があったような気がする。藤田正勝先生のやつ?
  • プラトンやイスラームとパウロとの違いをもうちょっと強調できるともっとよかったような気がする。

問1。『パイドン』と『クリトン』高校生に見わけがつくのかな。

問2。特に文句なし。

問3。「人間の魂は生まれる以前に」もっとうまい表現があるような。魂が生まれるわけじゃないからね。あれは不死だから。「人間に宿る魂は人間が生まれる前に」か。

問4。けっこう細かい感じの問題だけど、まあ基本なんだろう。こういうのもっとよく知らんとならんというメッセージか。

問5。イエスの説く「神の国」が「精神的な出来事として実現する」ってのは大丈夫かなあ。エホバの証人の人はそう思ってないかもしれんよな。ペテロやパウロさえ単なる精神的な出来事とは思ってなかったんじゃないだろうか。なんかかなり不安。

問6。特に文句なし。(3)を選んでしまう受験生は多いだろうなあ。まあ良問かもしれん。

問7。ヴァルダマーナとか知ってる受験生は何人いるんだろう。私は知らなかった。

まあ荘子とエピクロスで選べってことだわね。

問8。こんなもん。

第2問は格調高く問題も神経をつかうタイプのもので平均点は低めになるだろう。まあよくできているような気がする。

第3問 「善行と心のありかた」

苦手。

問1。まあ大丈夫。

問2。うーん、まあ選べたけどあんまり自信がない。

問3。親鸞の「善人」の意味かあ。これ難しいよあ。一般的にはこういうふうに解釈されているのか。違う説明されている高校生もいそうだ。むしろ消去法で選んでください、という問題だわね。難問。

問4。OK。標準的。

問5。難しいかと思ったら選択肢が工夫されていてそれほどたいへんではない。

問6。(1)と(4)でまよったが、「旧来の道徳に真に従うために」があれなのか。(2)が啓蒙主義みたいなん、(3)が自然主義みたいなんを指すのかな。(1)はなんだろう?

問7。標準的。それにしても漱石の則天去私ってのは具体的にはどういうことなんだろうな。知らんことは多いなあ。

問8。どの選択肢もけっこう長くて似ている表現が多くて選ぶのがつらい。選択肢(4)が誤答なのは「自己の生の充実や救済よりも内面の確立を優先」のあたりなんだろうか。(1)もどこがマズいかわからない。これは難問だろう。

分野よく知らないせいもあるけどけっこうたいへん。「他人への善行」の具体例があがってないのに「心のありかた」みたいな話になっちゃってるからわかりにくいのかもしれない。少なくとも単なる形だけの慈善行為や偽善の話をもうすこし具体的に書く必要があったのではないか。あと安吾の「堕落」ってのは他者に対する善行とかと関係あるのかなあ。薬やったり裸の女の背中で原稿書いたりするってのは、堕落かもしれんけど、他人への善行を拒むとか利己的にふるまうとかそういうんではないような気がするし。なんか不安。

第4問 「寛容」

リード文。「寛容(toleration)」と英語入れる必要あるのかなあ。あんまり見たことないよな。

私の語感では寛容ってのはやっぱり「我慢する」「大目に見る」なんじゃないだろうか。ほんとうに「対等なものとして認める美徳」かなあ。対等じゃないところが寛容のポイントな気がすんだけどなあ。私の理解がおかしいのかな。

問1。OK。

問2。ボッカチオ読ませるのがとてもよい。でもこの寓話読んで(3)を選べるかな。なんかボッカチオの文章自体はもっと皮肉な意図があると思うけど。

問3。標準的。

問4。標準的。よござんす。この文脈でモンテーニュでてくるのはとてもよござんす。

問5。OKだけど、スピノザが実際にどういうこといっているのかってのは高校生には(大学生にも教員にも)理解しにくいわね。まあしょうがない。こういう謎みたいな文字列を読ませてテツガクへの興味をひくわけだ。

問6。やさしい。まあ問題つくるのに苦労したんだろうなあ。

問7。ルソーの「自由」(とその強制や全体主義との関係)の話はおもしろいんだけど、これがどういうことかってのは高校生レベルの授業ではわからんだろうと思う。まあ意欲的だけどセンター試験には高級すぎる気がする。

問8。まあ(1)になっちゃうわけだけど、「寛容は大事だけど絶対的な寛容はいかん」というまあ少なからぬ人が疑問を感じる立場が正答になっちゃうわね。これはまあしょうがない。(3)は余計なことを言ってるから×ってことだわね。

  • ヘーゲルだのカントだのベンサムだのミルだの、毎年出てくる人々がひっこんでたのがとても新鮮な感じでとてもよい。そう、哲学史ってもっと広いよね。

第5問 「友愛と連帯」

友愛。まだハトが首相やってるときに作ったんだな。友愛fratanityと友情friendshipってどういう関係なのかな。見しらぬ人を助けるのは友情じゃないよな。友情ってのはあるていど排他的・選別的でないと友情とは呼ばないと思うが、フラタニティーってのはどういう感じなんだろう。ちと国内ではあんまりはっきりしない概念だわなあ。

いろいろ考えちゃう対話文。

問1。初期社会主義者とか見わけさせる細かい問題。ちと難しい。ここらへん具体的にどういう人々だったかってのが一般読書人にもちゃんと紹介されてないからねえ。フーリエのガイキチなところはもっと紹介されていいんじゃないだろうか。

問2。サルトルまだ人気あるんだなあ。

問3。選択肢(3)はフリーソフトの話でてきてよござんすけど、「その反面」がフリーソフト作っている人たちが合悪いこともしてるみたいに読めちゃわないか心配。

問4。こういうグラフ読み問題って試験としてどれくらい意味があるんだろうか。誤答率はどれくらいなんだろう?

問5。今年はイグナティエフですか。毎年こうやっていろいろ紹介していくのはとてもよいです。

問6。センも登場。アファーマティブアクション。

問7。特定の人の発言の理由や原因を推定させる、ってのはなかなか勇気のある設問だなあ。国語の問題のようでもある。しかし正答の(3)はなんかおかしい気がする。「困ったときにはお互いに助けを差し延べ合う、相互扶助の関係」であるならば、「返礼を期待せずに相手を助ける」ことにはならんのではないのかな。「友情」が特定の返礼を期待しないってのはわかるんだけどね。いやな感じがする。

まあ全体として悩む問題がけっこうあったな。会場でやると100点とれない気がする。

問題

本文の主旨としてもっとも適当なものを次の1. ~ 4.のうちから一つ選べ*2

  1. 今年のセンター試験は昨年より難化している。
  2. 気になる細かい部分はあるものの、全体としてみればよく練られた良問である。特に今年は詳細に考えさせる高級な問題が多かった。
  3. 格調高いリード文と、新鮮な作問によってセンター試験として高く評価できる。
  4. 作問する人々はごくろうである。

*1:考えたけどよくわからん。私だったら個性というのは生れつきもっている性質や環境の影響とは比較的独立に、自分自身で獲得し是認している価値観とそれにもとづいた行動様式のことである、みたいなふうに感じているみたい。

*2:内容・形式とも例年にならっております

固有名詞はぼやかすな

もうひとつ、上でも書いた「固有名詞を出せ」って話。

ゼミで自己紹介のスピーチなどしてもらうと、「バイトはカフェでやってます」「ロックが好きです」みたいに話す学生さんがいるわけですが、これはあんまりよくないんじゃないかと思います。なにがよくないかというと、固有名詞が出てこないところ。

ここははっきり、「カフェのベローチェでバイトしてます」「サンボマスターとかの暑苦しいロックが好きです」と固有名詞を出していきたいところです。「カフェ」って言うよりも「ベローチェ」の方が情報量が多いでしょ?

そういうときに学生さんに「はっきり固有名詞を出したら?」って尋ねると、なんかよくわからない。「必要ないと思いました」「そんな有名な店じゃないので」「マニアックなので言ってもわからないと思って」とか答えるわけですが、そんなふうな気を使う必要はないです。そういうのはむしろ聞き手の知識量を馬鹿にした感じでよくないです。

「カフェのベローチェ」「サンボマスターとかのロック」といえばベローチェがカフェで、サンボマスターが暑苦しいロックバンドであることはわかる。「川端四条のスーパーのフレスコ」でいいじゃん。ほんの1、2秒でその情報を伝えることができるのだからそうするべきです。

そしたら、「私もよくベローチェに行く~」とか「サンボマスター私も好き~」「フレスコは通ってるわ」とか反応してくれる人もいるでしょ?話が広がるし。とにかく自分についての情報はケチらず出すのがスピーチのコツです。「自己開示」ってやつね。「実は~」と自分についての情報を開示すると知らない人となかよくなれる。

ゼミを休むときだって、「ワコールの二次面接に行ってきます」の方が、「今日は就活なのでお休みさせてください」よりずっと好感がもてる。

逆に、固有名とか具体的な話が出てこないと、「なんか話したくないバイトしてるのかなー」とか「あんまり私たちと仲良くなりたくないのかしら」「ズル休みだろう」とかって疑ってしまうものです。つっこみも入れにくくなるし。

就職の面接のときも同じね。もうなんでもいいから具体的に話す。

あと、もし「飲食店でバイトしてます」とかってのが、その「飲食店」がキャバクラだったりすると言いにくいこともあるかもしれないですね。でもそういうときは最初から「飲食店でバイトしてます」とは言わないのが大人の暗黙のルールなんよ。なんでもかんでも正直に話さなきゃならないわけでもない。とにかくボンヤリした話はしない、するなら話は徹底的に具体的にすること。

ちなみに、嘘つきな人や嘘を見破る一番重要なポイントの一つは、嘘はたいてい具体的じゃなくてぼんやりしていることに気づくことね。本当の話、そのひとがよく知っていることの話は必ず具体的で細部がある。意図せずして、いろんな固有名や具体的な動作や会話、よけいな豆知識なんかがぽろっとでてくるものです。大学の教員でもぼんやりした抽象的なことした言わない人は本当はその話よくわかってないんよ。そういう人は信用する必要ないし、逆にいえば、ぼんやりした話をしても信用されないってことね。

暴かれる嘘―虚偽を見破る対人学

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これとか図書館で借りて読んでみるといい。

嘘つくなら徹底的に、てのではこれがすげーおもしろいよ。

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twitterの危険

twitterはおもしろいんですが、あれを携帯電話やいつも使っているメールのアドレスで登録すると他の人に把握されてしまいますので注意してください。知り合いに知られずにこっそりつぶやきたいときは、全体に非公開にするか、Gmailなどの無料メールサービスを使ってあたらしいアドレスを取得してそれで登録するべきです。

まあでもどういう手段使ってもこっそりつぶやき続けるのはまず無理です。それを覚悟してつぶやいてください。

センター試験「倫理」

前日のセンター試験公民の倫理を解いてみる。

第1問。「ステレオタイプ」問1。いきなり難しくて考えさせられる。これおそらく答は(3)なんだろうけど、
こういうのをぜんぶステレオタイプとしてみてしまうと科学的な思考はステレオタイプ思考ってことに
ならんか?エは正確にはステレオタイプ思考じゃないと思うけど◯◯◯×ってのは選択肢から排除されているし。
この問題はどうなんだろうな。物言いが付くかもしれんね。

問2。これ問いかけの「防衛機制の種類とその説明として」がわかりにくい。
「防衛機制には抑圧、投影、代償、合理化などがある。それらの説明として~」にしなきゃならんのでは?

問3。うわ、速水先生使うかあ。選択肢(2)「明確な関連」ってなんだよ。統計学的に有意かどうかは
これじゃわからん。統計もどきを使ったこういう問題は学問と社会のためにやめて欲しい。統計をちゃんと勉強した子にはかえって答えにくいはず。

第2問「囚われ」。問2。(1)が×な理由がすぐにはわからない。これは私の勉強が足りないからか。「努力で克服するのではなく」が×なのかなあ。

問4。内在と分有の違いをたずねているのか。でもこれよくわからんよな。象のイデアは象の花子に内在してるんちゃんかな。
ちゃうか。内在っていう漢字つかうから「なかにある」みたいな印象があるけど、これたとえば英語に訳すとどうなる?inherence?
immanence?

第3問。「出会い」なんかリード文にもうひとつまとまりがないというかテーマがないというか。「出会い」が人間との出会いと思想とか出来事そういうのとの出会いの二種類あって具合わるい。せめて人との出会いに限定できなかったかな。

問6。文語文の読み取り国語問題?

問8。文意をよく考えるとなんかおかしいよな。
のちのちその人の思想に影響を与えることになったから「重要な出会い」なんであって、
「自分にとって重要な出会い」がアプリオリに決まってるわけじゃないもん。だから
「重要な出会いを見逃さない」なんてことは誰にもできない(これはアプリオリにできない)し、
「偉大な人々は自分にとって重要な出会いを見逃さなかった」は当然(これはアプリオリに真)。
おそらく偉大な人々はちょっとした出会いを重大なものに変える力があったんだろう。
まあイチャモンだけど。でも「倫理」の問題はこうした無理矢理なお説教が多くて辟易させられる。
作ってる人たちも辟易してるんだろうけど。
ステレオタイプ思考は役に立つことが多いとか、「囚われ」がないと我々はなにもできないとか、
人生で重要な出会いなんか1、2回あれば十分だとかそういう話がなぜできないんだろう。でもまあ
何十万人も受ける試験にそういうのは出せないわね。
作問は苦しそうだ。

第4問。「科学」。スコラ哲学の説明として「ギリシア以来の哲学を用いキリスト教神学の教義を
理論的に体系づける」は適切なのかどうか。むしろそのための方法に関する学問なんではないのか。wikipediaだとこんな感じか

Scholasticism originally began as an attempt to reconcile ancient classical philosophy
with medieval Christian theology. Scholasticism was not a philosophy or theology in
itself, but rather a tool or method for learning that places emphasis on dialectical
reasoning. The primary purpose of scholasticism was to find the answer to questions and
resolve contradictions. Scholasticism is most well-known for its application in medieval
theology, but was eventually applied to many other fields of study.

問4のヒュームは高校生勉強しているのかな。でも哲学史上で最大の一人だから設問するのはよい。
そういや今年はドイツ・フランス系の哲学者がほとんどでてこないね。フランスはデカルトとルソーだけ?
ドイツは絶滅?やばいんじゃね?

問5。正解の(1)は私にはなんか微妙なんだが、まあ大丈夫か。(a)「環境に適応することにより」ってのが
なんか意志みたいなんを含んでいるように読めちゃうような気がするのと、(b)「多様なものとなっていく」は
場合によっては多様性が減る場合もあるから。でも大丈夫。

問6。野生生物種の減少は科学の問題ではない、か。微妙。そうなんだけどね。ちゃんと答えられない子は
けっこういたろうなあ。

問7。あ、伊勢田哲治先生だ。(2)が正解なんだろうけど、実は(3)がけっこうよくある主張に見えるけ
どな。「血液型正確判断がある種の研究者により正しいと主張されたとしても、新たな反証によって
否定され得るので、絶対視しない方がいいよね」を「血液型正確判断がある種の研究者により否定
されたとしても、それも新たな証拠によって否定され得るし、新たな証拠が出てくるかもしれないから、
絶対視しない方がいいよね」にすると典型的な疑似科学の人々の主張になる。

問8。やっぱりこういう月並みな要旨問題って必要なのかな。
「とりあえずふつうの科学的思考をまず身につけましょう。難しいことはそれから」とかそういう
主張はできないのか。
いちばん曖昧でエッジのたってない選択肢が正解になるというのは
テツガクのイメージとしてどうもなあ。作問しているとやっぱり必要になるのか。テツガクの本質は
懐疑と否定と限定にあるってのは私の思い込みか。

第5問。「安全と自由」。いろいろチャレンジしてる感じ。でもこの架空の国に迫力がないような。
名前をA国とB国にすれば・・・違うか。「可能性を孕む」とかこの「孕む」って表現に抵抗感じない人は
多いのかな。私ジェンダーイメージを孕んでていやなんだけど。
第5問に哲学史の問題が入っているのはとてもよいと思う。じゃないと
こういう分野を「倫理」で扱う意味がないからね。

問2。この「『リヴァイアサン』には~とある」って文章やめてくれないかな。
学生がレポートにこういう書きかたするようになってやだ。「ホッブズは『リヴァイアサン』で~と述べる」にしてほしい。
あと本のタイトルだけって大丈夫なんかな。『統治論』『社会契約論』とかってタイトルの本はたくさんありそうな気がするけど。

問5。『1984』もってきたのはおもしろいんだけど、選択肢(1)の意味がよくわからんし、
設問の意図そのものもよくわからん。単に『1984』紹介したかったのかな。

問6。(3)が正解なんだろうが、危害原理をこっちのたずねかたをするのはなんかポイントが違うよなあ。
選択肢(1)と(2)はかなり微妙。特に(2)はミルの文脈でどうなのか考えちゃう。他者への善行を本当に強制できないだろうか?
やっぱりself-regardingな奴に限るべきだったんではないか。

問7。期待させてもりあがらない終り方。あえて脱力系を狙ったのか。こうしてみると要旨を問う問題みたいなのは
意味があるのか。

全体としては例年より難化してるか。

とまあ色々イチャモンつけてみたけど、全体として見ると標準的な良問だわね。
毎年毎年奇問難問を避けて標準的で勉強になる良問を作っていて偉い。リード文も
高校生相手と思えばこれくらいの標準的な文章がよいのだろう。あんまり変わったこと言われても困るしね。
今年はとくに疑似科学だの1984だのでチャレンジしていて意欲的だ。

問題

本文の主旨としてもっとも適当なものを次の1. ~ 4.のうちから一つ選べ。

  1. 今年のセンター試験は例年より若干難しかった。
  2. 気になる細かい部分はあるものの、全体としてみればよく練られた良問である。
  3. 格調高いリード文と、非常に適切な設問によって標準的なセンター試験として高く評価できる。
  4. 作問する人々はごくろうである。今年は特に新鮮なネタがはいっていて勇気があるなあ。

大人数授業での私語・飲食・トイレ

私語厳禁

授業中の私語は絶対に禁止です。コソコソしゃべるのは、教員もまわりの人もかえって気になります。人間の耳ってのはそういうふうにできてのね。私自身、ちょっとした物音に敏感で、特に話し声がすると気になって集中することができません。大学の入学や授業料にはみなさん自身や親御さんの大金がかかっているのですから、他人の学習を妨害することは絶対に許されません。

授業で聞きのがしたことを隣の人に尋ねるのは最悪です。しゃべってる間、
あなたもその隣の人も教員が続けてしゃべってることを聞くことができないわけですから、
もともとあなたが聞きとれなかったら被害者1名、でもあなたが隣に聞くと被害者2名で、
さらに、まわりの人20人もあなたたちのこそそこ話が気になり、
次を聞き逃がすことになるでしょうから被害はどんどん広がります。教員はなにか
とてつもなく恥ずかしいことをしゃべってしまったのかと気になって集中力をなくしてしまいます。

学生を黙らせられない教員はコソコソ話やガヤガヤに対抗するために
マイクのボリューム上げて、ますますうるさくなったりね。
そういう悪循環は絶対に止めなくてはなりません。

もしなにか重要なことを聞きそびれたと思ったら、手をあげるなりなんなりして
もう一度説明してもらってください。説明や指示の下手な教員は多いので、
そういう質問や要求はまったく正当です。

授業中友達とは離れる

なぜ私語してしまうのかというと、友達が隣にいるからですね。人間ってそういうもんなんです。
近しい人が近くにいるとしゃべらずにはいられない。
大人数の講義なんかだと、テレビをいっしょに見ているつもりで隣の子としゃべってしまう。
それで教員の指示とか大事なポイントとかあを聞きそこねて、また「え、いまなんて言った?」「えー、わからんかった」「~ちゃんわかった?」とかやってまたさらに次の指示を聞きのがしたりする。そういう生活は馬鹿げています。

友達といつもいべったりくっついているのは気持ち悪いものです。実際には皆、「それほどべたべたしたくないなあ」とか思いながら、なんか一人でいるのが不安だからくちゃくちゃやってしまうのですね。日常生活ならそれはそれでしょうがないのかもしれませんが、授業中ぐらいは席一つ分ぐらい離れていましょう。別に一つ席を空けても仲悪くなったりしません。むしろお互いに解放されてほっとするはず。授業の感想は終ってから「あんとき~先生~とか言ってたやん」「笑かす。スーツの柄もひどすぎ」とか話すためにとっておけば、無駄話(友達づきあいでは重要)のネタにもなる。

私自身は、大学1、2回生のときはほとんど大学行かなかったので私語するチャンスはなかったし、
3、4回生になって大学に戻って1、2回生用の授業に出たときは友達いなかったのでやっぱり私語できませんでした。3、4回生向けの授業は少人数なので先生やクラスの人とおおっぴらに雑談するのが楽しかったし。

まあ逆に、「昨日のコンパどうだったん?」「ぜんぜん~。でもそのあと~が~して~っていうから~したら」とか 誰もが聞こえる大声 でやってくれたら皆楽しめるので1回ぐらいそうしてください。私も聞きます。

携帯は電源切ってカバンへ

授業中は携帯をいじってはいけません。授業に出ているときに返事しなきゃならないほど緊急なことはあなたたちの生活にはめったにありませんし、あったとしたら授業なんか出てないでその件に集中した方がずっとましな結果になります。自分が話をしているときに友達がふんふん言いながら携帯いじってたらいやでしょう?
まあ馬鹿な大人や大学教員のなかにも、仕事中や会議中に携帯鳴らしたり、ぽちぽちいじってたりする人はいるのですが、そういう人は徹底的に軽蔑されています。

授業中の飲み物・食べ物

これはかなり微妙な問題かもしれません。私はまったく気になりませんが、教員によっては非常に嫌うようです。今日読んでみた藤田哲也先生は『大学基礎講座―充実した大学生活をおくるために』という本で、

授業は先生(=教える人)と学生(=教えてもらう人)によって構成されています。みなさんは、
教えてもらう立場の人間です。・・・ジュースやお茶などをグビグビ飲んだり、お菓子をつまみ
ながら、先生の話を聞く、というのはどうでしょうか?「学ぶ立場の人間の姿勢として」不適切
だとは思いませんか?

とおっしゃっておられます。でも私はこういう発想はしません。むしろ、喉渇くのが非常に気になる人間で、1時間半なにも
飲まずにいるのはかなり苦痛なので、授業中も研究会などでもペットボトルの水を飲むので、 学生さんに飲まない方がよいというつもりはまったくありません*1

甘い飲み物は飲めば飲むほどますます喉が渇くのでまったくおすすめしません。美容にも悪いです。
オレンジジュース1パック200mlで94kcalぐらいあるので、ごはん0.6杯分ぐらい。
かなり凶暴だと思ってください。とにかく糖分はあんまりよくないです。水が一番ですな。

おそらく食い物はかなりまずいねえ。喉がかわくってのは理解できるので
水飲むのはわかるんですが、授業中延々ご飯やお菓子食べる理由はないもんね。
お腹が空きそうなときは、
休憩時間にカロリーメイトかオニギリかなんかをつっこむとよい。落ちつきます。
チョコ系統も一時的に気分を上げるにはよいのですが、お腹空いてるときに
甘いもの食べると余計にお腹空いたり気分悪くなったりすることがありますね。
スナック菓子は最低ですわな。美容にも非常に悪いです。

あ、上の藤田先生の本はノートのとりかたやらレポートの書き方やら懇切丁寧に
書いてあるので、ぜひ一読してみてください。私とかとちがってまじめな人です。
私は大学教員のなかではかなり下品で無礼な部類なので、こういうお説教もどきの文章をまに受けてはいかんです。正しい本で正しい知識や礼儀作法を身につけてください。

トイレ

授業中どうしてもトイレに行きたくなることがあります。わざわざ「先生!トイレ行っていいですか!?」とか聞くのは恥ずかしすぎますね。
でもそういうのはしょうがないことなので、我慢してはいかんです。病気になります。

方法があります。授業中立ちあがると、教員がふつう気づくので、 目があったら軽く目礼や会釈してそれらしい感じで手ぶらで出ていけばいいのです*2
あ、ポーチとかもっていってかまいません。
でももちろん携帯を手に持ってると、携帯に出るために外に出るのかと怒鳴られます。立ちあがるタイミングは
教員がそっちを向いている時がいいですね。

こういう軽い挨拶は一般に非常に重要で、教員をまったく無視して立ちあがって出ていくと
何事があったのかと驚きます。
こういうコミュニケーションは重要なんですね。
どういう場合も他人を無視するのはだめです。

結局最初の私語の件もそういうことなんよね。
誰かが話をしているときに私語をするってことは、他人を無視していることなわけです。
教員を無視して私語するとスネるわけです。周りの学生を無視して私語してれば
まわりが腹たつわけです。そういうのは絶対にダメ。

*1:むしろ適度な水分は落ちついた勉強に必要だと思う。

*2:「トイレに行きたいポーズ」とかはとる必要ありません。

通俗心理学はおもしろいので面接用に読んでみる

心理学の本はおもしろいので、いろいろ読んでみるのはよいのではないでしょうか。ただしあくまで「通俗」であることを忘れずに。一般に国内のものよりイギリスの著者のものの方が調査が行き届いていておもしろい場合が多いです。

就職の面接などでは、喋る内容より雰囲気というかそういうものの方が重要なので、言葉以外のコミュニケーションに気をつかってください。非言語コミュニケーションってやつ。通俗的な本が山ほどあるので、いくつか読む。

たとえば下のようなもの。すごく売れた『話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く』のコンビの作品。非言語コミュニケーションに関するまじめな研究を参考にしておもしろおかしく書いたやつ。

 

本音は顔に書いてある

本音は顔に書いてある

 

この本によれば、面接のときのアドバイスは次のようになるみたいです。

  1. 荷物が多いと不器用に見えるので、どこかに預けておく。受付では座らない。
  2. 呼び出されたら堂々と部屋に入る。歩き方が重要。おどおどしない。(重要)
  3. ドアからさっさと歩いてさっさと座る。(これは日本の社会ではうまくないと思う。)
  4. 握手のテクニックを使う。(これも日本の社会とは関係なかった)
  5. 座り方に注意する。(イスを調整して相手との角度が45度になるように、っていうけどこれも日本の就職活動では使えんね。)
  6. 低いソファーの場合、はしっこに腰かけてまっすぐな姿勢に。
  7. わかりやすいジェスチャーを積極的に使う。(おすすめ。動きがないひとは不活発に見えると思う。)
  8. 距離に注意。(これも国内では関係ないか・・・)
  9. 部屋を出るときは荷物をあわてず静かに手早くまとめる。後姿も確認されている。お尻だけ観察されないように一度ふりかえって笑顔。(まあ笑顔はほんとうに重要)

あれ、なんか使えないのが多かった。まあコンパでの振舞い方や誤解されない方法について学べるかもしれないから。こういうのも1冊だけじゃなくて何冊が読むこと。だいたい同じことが書いてあるので、そこらへんはわりと信用してもよいはず。「非言語コミュニケーション」とかで図書を検索してください。

 

私は今日この本と、『しぐさと表情の心理分析』って本読んでみました。この本の著者の工藤先生によれば、つくり笑顔の練習をした方がよいそうです。鏡の前で、

  1. 唇の両端を耳の方向へ水平に引く。
  2. その状態で両方の頬を上にもちあげる。
  3. 口を多少開いて、歯が見えるようにする。
  4. 目のまわりに横じわができているのを確認。

このまま1分間笑顔をつくる練習を毎日やるそうな。

あ、ずいぶん売れたらしい『人は見た目が9割 (新潮新書)』とかもそういう本だわね。この本はあまりにも通俗すぎてちょっとおすすめできないけど、amazonとかで検索すると同じような本がたくさん見つかるので、そういう系統のを図書館でぱらぱら5~10冊読むとどのライターがよくてどれがだめかはすぐわかるようになると思うです。そういう訓練としてもいいかもね。

ただし何度も書くけど、通俗なのはあんまり本気でまにうけるのもやめてね。まあばからしいし、しょぼいし、本気で読むのは情けなさすぎ。あくまで楽しみ、ちょっと実験してみるための本。こういう通俗本の先には、ちゃんとしたアカデミックな本があります。

たとえば表情に限れば、ポール・エクマンって人が世界的権威です。上のピーズ夫妻とかはおそらく単なるライターだけど、この人ぐらいになるとアカデミックにもかなり信頼してよい。(さっきの工藤先生の話の元ネタはこのエクマン先生のはずです)

顔は口ほどに嘘をつく

顔は口ほどに嘘をつく

なんでその違いがわかるかっていうと、読みゃわかるけど、他にもまじめな文献で引用される回数とかいろいろあってね。なんども書くようにそういうのを就職活動終ったら勉強してください。

マニュアル本への抵抗感

マニュワル本に抵抗を覚えます 2009/02/10 14:09 何故なら、こまっちいやり方本を読む自分が情けなく感じるからです。 間違いでしょうか?

というコメントもらったまま忘れてたんですが、
まあマニュアル系統の本についてはいろいろ考えちゃいますよね。

私の世代は「新人類」とか「マニュアル世代」とか呼ばれてた世代です。『POPEYE』とか『ホットドックプレス』とかで「女の子にウケるデートコース」「ラブホテルへの連れ込み方」とかそういうのばっかりでね。同じようなデートコースで同じような話をするとか言われたこともあった。まあそりゃそういうマニュアルを真に受けちゃったらかっこわるすぎですわね。やっぱりなんか「個性」「らしさ」(あんまり好きな言葉じゃないけど)とかそういうの出してかないと魅力がない。

もうちょっと下の世代の将棋指しの人々(羽生・佐藤・森内あたり)も「コピー将棋」とか言われたらしい。つまりもう決まりきったマニュアル的な将棋ばっかり指す、と。佐藤康光先生がドキュメンタリー番組で「そう言われたけど実は違ってたんですけどね」とか話してたのがかっこよかった。

その佐藤さんの話を聞いて思ったのは、ああいう上級な人々ってのは誰もが知ってることをおさえた上で勝負しているわけで、それが彼らの上の世代にはわかんなかったんでしょうな、ってことで。90手目まで同じに進んでもそれはコピーじゃなくてむしろどこまで深く勉強しているか、どれくらい新しいアイディアをもっているかのチキンレースしてたわけでね。あの世界ではいまではそういう勉強好きの人々しか生き残ってない。

んで何が書きたいかというと、マニュアルに書いてあるようなことも知らないで勝負に出掛けるのは危険すぎるってことだわね。自分がどこらへんに位置しているのか、どれくらい弱いのか(/強いのか)、とかって意識をもつことができれば、なにが新しくてなにが強くてなにがウリになるのかわかるだろうっことですわ。マニュアル本に書いてあることに「ふーん」とか言ってるようでは勝負に出られない。「驚いた」だったらもうその勝負最初から負けてる*1。「もう何読んでも同じだなあ」と思ったらその分野について一応の知識を得たと考えてよいんだろうとか。そういうんではマニュアル本は1冊しか読まないのではだめですね。同分野最低5冊。そしたら優れているライターとそうじゃないのが見分けつくようになるし。

だから大学の教科書とか大事だと思うんですけどね。これもマニュアルの一種でもある。実は昨日あるよく知らない分野についての大学レベルで使える「ちゃんとした」教科書が国内でどれくらいあるんだろうと思ってしらべてみて、3冊ぐらいしかないことに気づきました*2。その1冊は23000円もしたわいな(訳書)。でもおそらくそれ持ってないとその分野の正しい知識が得られそうにないので、しょうがないので思い切って注文しましたが(予算ないので私費で)。でもおそらくその1冊はそれだけの価値があると思う。そういう投資できるかどうかってのは結構大事なんじゃないかと思っているです。お金のない学生さんは図書館利用しましょう。

まあそういうんでは、ちょっと前までの自己啓発・ライフハックブームみたいなのってのはけっこう重要で、格差社会とかなんとかってので生き残りに敏感な人々がそういうのをあれしてたんだろうから、ライフハック(笑)とかも簡単には書けんなというのが現在の私の印象。

抽象的でよくわからんね。ははは。

*1:そういや私デートのマニュアル本とか女心のつかみ方とかそっち系統の本はほとんど読んだことないな。

*2:どれが「ちゃんとした」ものかを判断するのもけっこうたいへんです。自分でだいたい見当つけられるようになれば大学での勉強は大成功だと思います。