上は何度も使っている花輪和一先生の名作『刑務所の前』の梅さん。梅さんや中年男だけでなく、女子大生も人生うまくいかなかったり、自分に自信がもてなかったり、己と仲良くできなかったりという人もいると思うんですが、病気になったりする前にセリグマン先生の本に目を通しておくのは悪くないと思います*1。
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1980年代以降注目を浴びている抑うつ状態の認知療法や、「ポジティブ心理学」の本です。世の中でうまくやっていっているように見えるひとは共通にポジティブな思考をするみたいだ、どうしたらネガティブな人間もポジティブに考えられるようになるんだろうか、っていう心理学の研究。
私自身はめちゃくちゃネガティブ思考な人間で、この本もタイトルからしてどうも手にとる気にさえならなかったんですが、一度読んでみる価値はたしかにあります。そう簡単に私の(長所の?)ネガティブさを捨てる気にはならんのですが、実際、私の知ってるポジティブ思考のひとは成功してるよなー。
タイトルはあやしすぎるのですが*2、セリグマン先生は90年代にアメリカ心理学会の会長とかつとめた超一流の学者です。学習性無力感の研究とかでうつ病関係の考え方を一変させてしまった人。20世紀を代表する心理学者としてずっと名前が残る人。おそらくアドラーとかユングとかより*3有名になるでしょう。他の同じような軽薄なタイトルのハウツー本とはぜんぜん違うよ。キルケゴール先生にも読ませてあげたい。
あと自分が嫌いでしょうがない、毎日気分が悪い、ついスナックをブス食いしてしまう私はもうダメ人間だというひとは、道具としてターゲットをもっと絞っている
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も試す価値があるかもしれません。おそらくあるでしょう。でもこの本は高いので*4、とりあえずセリグマン先生読めばよいと思う。この手のやつは実際に練習問題解いてみたりするのがポイントね。「解いたつもり」ではおそらくあんまり効果がない。
あとこの手のハウツー本はやばい心理学もどきや宗教もどきもたくさんあるので注意してください。スピリチュアルとかついてたらまずダメです。まともなものとヤバいものをどうやって見分けるかってのが難しいわけですが、見分け方を学ぶのが大学ってところなんよね。そういう知識や技術を身につけることによって、ちょっとだけ得したりちょっとだけ危険を避けたりすることができるようになる(はず)。
あ、本気でやばい人はこんなとこ読んでないですぐに学生相談室とか病院とか行ってくださいね。放っておくと羅漢様とか明王様とか出てきちゃうかもしれないし。
*1:そういう病気になると本なんか読めなくなるから元気なうちに読んどくべきですね。
*2:表紙もひどすぎるよね。そのピンクのブタはいったいなんですか。
*3:もちろんラカンなんかより。
*4:こっちの表紙もひどいですよね。どうも絶望した人が首くくってるように見える。
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コメント
大学教員のような気分思考で、実際の世の中で生きよう(主導性じゃ!)と思っている者ですが、薄々生きずらくなってきているしだいです。
やめとくべきでしょうか? 出来れば理由の1つでもあげてご教授御願い致します。