30手前になった1994年、オーバードクター人生はどんぞこでもうどうしようもなくてギターを買う。ははは。ストラトとアンプのセットで4万円。払えず2回ばらい。ジャズギター練習するつもりだっんだよな。教則本もいちおう買ってみるけどなかなかむずかしい。コードおさえらんないし、どう練習したらいいのかもわからんし。 続きを読む
Visits: 9
30手前になった1994年、オーバードクター人生はどんぞこでもうどうしようもなくてギターを買う。ははは。ストラトとアンプのセットで4万円。払えず2回ばらい。ジャズギター練習するつもりだっんだよな。教則本もいちおう買ってみるけどなかなかむずかしい。コードおさえらんないし、どう練習したらいいのかもわからんし。 続きを読む
Visits: 9
4回生ぐらいから大学の夜中に侵入すると某部室のピアノを弾けることを教えてもらってまあ時々あれしたり。ひたすらインヴェンション。あとシャコンヌをブラームスが左手に編曲したやつとか。亜麻色の髪の乙女とか。 続きを読む
Visits: 16
ビルエヴァンス先生はモードジャズとかってのの他にもう一つ大きな働きをしていて、ドラムとベースを同じこと繰り返すことから解放したんですわ。
いまままで聞いてきた曲はぜんぶドラムはチーキキチーチキ、ベースはぶんぶんウォークしているわけですが、人数少ないのにそんなことしてたら飽きちゃう。
ビルエヴァンス先生はもっとドラムもベースももっと好きにやっていいよ、と。まあベースだけならチャールズミンガス先生という偉大な方がそういうことやってらっしゃったんですが、それをピアノトリオでやる。さらにドラムもやりたくないならビート刻まなくていいです。ピシ!スパ!とか好きなときに入れてください。
スコットラフォロというベースの高慢な腕利きとポールモチアン先生と3人で白人インテリ高慢ピアノトリオを結成して、決定的な1曲を出す。
聞きどころは、「枯葉」のテーマやったあとにリズムキープする人が誰もいなくなって、ドバババ/ボンビョロ/キョロロ とかしばらくやってから緊張もりあがったところで、エヴァンス先生のアドリブに突入するところですな。まあそれ以前からラファロ先生は勝手なことをやっておるわけですが。もうウォーキングするだけがベースではない。もうここは音でかくしてドラムの人のスティックの音とかまで聞きたい。すごい緊張感。
まあこういう「インタープレイ」みたいなのは、前に書いたようにそれ以前から細かくピアノとソロ楽器の間とかでおこなわれてわけですが、それを公にやる感じ。
ちなみにラファロ先生はウォーキングベースやらせてもすごいスイング感でとんでもないです。ちょっと早めっていうか前ノリでバンドを猛烈にドライブする。
このブッカー・リトル先生のでラファロ先生の推進力を味わってください。
Visits: 12
皆が速くて激しい音楽やってるとき、そういう演奏できない人間はどうするか。ってのがまたしてもマイルスデイヴィス先生を襲った問題だった、って理解していいんちゃうかな。
んで、ギルエヴァンス先生とかインテリ白人に相談するのもいっしょ。今回はピアノのビルエヴァンス先生にも協力してもらって、ぜんぜん違う音楽をはじめる。有名なKind of Blueですわね。
アイディアは、パーカーやコルトレーンみたいに速くてコードチェンジたくさんするのがバップの考え方だけど、ついていけないからやめましょう。1個や2個のコードでいいではないですか、と。もうDm7の上でレミファソラシドレだけで演奏するってのでいいじゃん。まあそれだけだともたないから一部Ebm7もつかいましょう。AABA形式にして、BのところでEm7でミbファソラbシbドレbミbで演奏します。スケール2個で1曲作っちゃいましょう、というわけです。
こういうあえて素材を限定してしまおうというアイディアはクラシック作曲家のドビュッシーやサティー(どっちも20世紀初頭ぐらいに活躍)あたりからあって、それを50年後にジャズにもちこんだわけですわね。雰囲気も似た感じになる。
まあとにかくSo What聞きましょう。
もう1曲、Blue in Green。これはモードではないですが、バップとはぜんぜん違う方法論で作られてます。マイルス作曲ってクレジットされてるけど実はビルエヴァンス先生の曲らしい。コード進行もおもしろいしアドリブ部分での構成もおもしろくて、マイルスは32小節で1コーラス、コルトレーンは16小節、エヴァンスは8小節になってんだっけかな。だんだんコード進行が密になる、みたいな。まあそういういろいろヒネリを入れて、「もうハードバップやめようぜ(オレ吹けないし)」みたいな。
まあ文句なしの名盤。超名盤。これくらいの名盤はないってくらいの名盤。ちゃんとクレジットしてもらえたらギルエヴァンス先生あんなに貧乏する必要なかったのに。マイルスも実は悪いやつなんだ。
So Whatとかのアイディアの一つはビルエヴァンス先生のこのPeace Pieceって曲。さらにそのもとはレナード・バーンスタイン先生のSome Other Timeだったかな。
おそらくこの演奏のアイディアになったサティーあたりも1曲聞いてみてください。こっちはジムノペディ。
こっちはグノシェンヌって曲。スケールは違うけど一貫して同じような和音の上で一つのスケールの上で動いてるだけ。おそらくここらへんからアイディアとってきてるはず。
高橋アキ先生のサティすごくいいから買いましょう。後悔しないはず。
Visits: 43
ハードバップは歌心を大事にする、とはいえけっきょくやっぱり速く複雑に、っていう欲求は常にあるわけっす。とにかく黒人の人々は競争的なのね。ラップとかでもその場で思いついたことラップして罵り合ったりするゲームがあるじゃないっすか。とにかく黒人男性は敵対して競いあう。まあ黒人だけじゃあくて男ってのはそういうもんなんだけど。
んでいちじき遅くなったハードバップもまた速く複雑になってくんすよ。
これはロリンズとコルトレーンのV.S.。まあでも燃えます。
ハンク・モブレー、ズートシムズ、アル・コーン、そしてコルトレーンの4人のバトルロワイヤル。これは上のほどよくない。
で、50年代のチャンピオンはやっぱりマイルスバンドにいたコルトレーン先生ということになります。この2曲はコード進行とか超難曲で、ふつうの人は演奏できない。それをこのスピードでやる。きっとパーカー先生も10年後にタイムスリップしたら、しばらく演奏できなかったんちゃうかな。
Visits: 11
ジャズとか興味はあるものの、よくわからん。とふと通りがかった「しあんくれ〜る」という老舗ジャズ喫茶が「バイト募集」の紙を出してるから面接。2回生の冬ぐらいかな?無事やとってもらって働くことになる。 続きを読む
Visits: 6
でジャズミュージシャンは勝手にコードを変えて演奏するのだ、そしてそれは打ち合わせないのでぶつかったりするけどかまわん、という話をしましたが、やっぱり実例がないとわからんと思うので、不肖私が不如意ながらも実例を見せたいと思います。 続きを読む
Visits: 4
ギターはうまくならないしなんかピロピロを練習する気にはなれなかったんだけど、ドラムセットには興味があった。そもそも中学校でもドラムセット(当時はやってた透明のやつ)があって、打楽器担当の子が叩いてたんだけど私も叩きたい!でもなんか禁欲的な部活なので自分の楽器以外に手を出してはいかん、みたいな雰囲気があってねえ。エイトビートとかシャッフルぐらいはこっそり習ってた。 続きを読む
Visits: 9
んで、53年にパーカー先生死んで、ああいう腕くらべはもうやめましょう、下手は下手なりに音楽すればいいではないですか、というのがハードバップ。
音楽的には、ホーンのピアノとのからみがしっかりしてきましたよね。お互いを聞く余裕がある。パーカーはトロンボーンとか遅くて嫌いだったらしいけど、マイルスはあえて相手に選ぶ。こう、なんか、こういうのだと自分も鼻歌で参加できる気がするっしょ。ジャズは一部の楽器の巨匠たちのものではなくなった。誰でも参加できます。歌心が勝負っす。下手でもいいんす。なんなら楽器なしで鼻歌で参加してもかまわんす。
Visits: 13
とにかくパーカー先生はすごくて、40年代後半はああいうのじゃないとプロのジャズじゃない、みたいな感じだったんだろうと思う。もちろんダンス用のバンドはあるものの、プロどうしはジャムセッションで腕を比べるのである。
こういうときに白人ミュージシャンがなにをしてたかというのはけっこうおもしろい話。やっぱりジャズってのは基本的に黒人音楽を根にしていて、白人とかぜんぜんだめだし。でも「好きだからやりたい!」ってやつらはいるわけだ。そこでどうしたか。
アルヘイグ先生みたいにパーカーやマイルスのとりまきになって顔に墨塗って南部を旅した人もいた。まあずいぶんいじめられたでしょうなあ。マイルス先生はビルエヴァンスでさえ白人だっていっていじめたんだから。パーカーとかもうなにしても不思議ではない。でもまあ好きなものはしょうがないよね。
白人の人々はああいう競争的なのがあんまり好きじゃない、っていうかやっぱり過度に競争的なのは黒人文化の一部であって、もっと全体としてアートしているのをやりたいと思ってた人々が、マイルスとか組んでクールジャズとか立ちあげたわけですな。かなりアレンジされていて全体としてアート。マリガンとかデイヴ・ブルーベックとか。同時期のアメリカ現代音楽(グローフェとかコープランドとかバーンスタインとか)みたいなのにも注意している感じ。
どうも親玉としてレニー・トリスターノ先生っていうのがいて、このひとおもしろいんだけど初心者には向かないのでその弟子のリーコニッツ先生。マイルスのBirth of Coolでも非常に重要な役割を果たしてます。まあ最高のジャズインプロバイザーの一人だわね。
スムース。
西海岸はニューヨーク中心とはまた違った文化があって、チェットベイカーとかアートペッパーとかイケメン白人ジャズミュージシャンという文化があった感じなんじゃないっすかね。ジェリーマリガンももともとは西の人。ここらへんの東と西の雰囲気の違いはわたしらにはわかりませんね。
まあ雰囲気なんかわかるよね。イジメ。ペッパー先生偉大なのに。でもやっぱり黒人的じゃないのです。
Visits: 15
まあジャズ批評家っていうのはあんまり信用できなくて、よくないCDとかもよいっていってすすめたりするわけです。
ビバップの名盤と呼ばれてるパーカー&ガレスピーとかどうなんすかね。歴史的には意義があるんだけど、音楽的にどうなんかな。
私にはもうアルトとペットが早口で怒鳴り合ってるように聞えてそんな好きじゃない。まあとにかく競争してるんですわ。すごいスピードで。
で、まあこういうのしんどいし、音楽ってそんな大声でやるもんでもないだろう、みたいな人々が出てくるのは当然のことであります。
マイルスデイヴィス先生は1947年ぐらいからパーカーのバンドに2年ぐらいいて、前に紹介したダイアルレコードの名盤の隠れプロデューサーみたいな役目を果たしていた。同じ傾向のガレスピーとだとこういううるさい感じになるけど、パーカーとマイルスだと対象的でいい感じなんすよね。
パーカーがマイルスの音楽性を好きだったからバンドに入れてたのかどうかはわからない。っていうかパーカー先生は人格破綻者だったので自分が好きなこと吹いてればあとはどうでもよかったんちゃうかな。マイルス先生はいいとこのボンボンなので仕送りがあってアパート借りてたので、そこに転がりこんでいろいろパシリとして使うのに便利だからマイルス使ってたんだろう。まあとにかくおそらくパーカー先生は誰も自分と同じ人間だと思ってない。サイコパス。
マイルス先生はいろいろ気をつかったり音楽的な全体のことを考える人なので、アレンジ考えたり、(彼が無能だとみなしていた)ピアノのデューク・ジョーダンを首にしようとしたりしてた。
マイルス先生はそんなアドリブとかうまくない。ダイアル盤のテイクとか聞いても、どのテイクも同じような演奏していて、家でいろいろ考えてきてるのがわかる。パーカーは1回ごとにぜんぜん違ってたり。そういうでもコンプレックス感じさせられてつらい。そんな毎回違うことやらなきゃならんもんだろうか?
で、さすがにパーカー先生が金とか女とかいろいろ汚いのでいやんになって飛びだしたはいいものの、ああいう演奏はできない。んじゃどうするか、ってのがクールジャズ。ギルエヴァンスとかリーコニッツとかジェリーマリガンとかインテリ白人といっしょにインテリなことをする。基本的にマイルスはインテリが好きなんですわ。白人インテリを自分勝手に使うと自尊心が高まる。んで、「きっちりアレンジしてるよ」ってことになればアドリブそんな新しいことしなくていいし。
んで、テクニックとかスピードとかじゃなくてアレンジでせまる。無理して高い音とかピロピロとか出さなくても音楽はできるよ、ってな感じで、私はBirth of Cool好きですね。愛聴してます。
まあパーカーが死ぬまでまわりのミュージシャンはパーカーが怖くてしょうがなかった。もう同じステージに立ったら一発でやっつけられるのわかってんだもん。マイルスは違うスタイルだったからいっしょにやれた。パーカーが死んだ53年の次の年あたりからジャズが栄えるのは偶然ではなく、あれと同じことをしなくてもいいんだ、っていう呪縛が解けたってことだって思っていいと思う。
名盤。
Visits: 18
まあパーカーは録音が改善される前に死んでしまっているので、それほど聞くべきものはないんですわ。前のエントリで紹介した「ダイアル」レコードのやつとサヴォイのやつ、Now the TimeってのとSwedish Snapsってやつぐらい。
これだけはぜひライブラリに加えてほしいってのが Charlie Parker with Strings。これはすばらしい。愛聴盤です。
聞きどころはやっぱりスピード。なめらかさ。歌心。そして突然のピロピロ。「バード」って呼ばれてた理由がわかります。オケの編曲もけっこういいんだ。
Visits: 20
んでまあまた鑑賞に戻りますが、そういうことを考えてミュージシャンはいろいろやっているのです。考えてると時間がかかるわけですが、それをどう時間かけずに速く弾くか、ってのを競ってるわけですなあ。スピードキングはもちろんパーカー先生。
前のエントリでアートブレイキーの54年のを聞いてもらいましたが、これは1946。トランペットはガレスピー、のはず。あれ、マイルスに聞こえるなあ。まあ調べます。マイルスみたいっすね。テーマのあとに、バンプ(くりかえし)があって、そのあとのパーカーのブレイク(大見得)が聞きどころ。ピロピロピロピロー。
これは前の和声の話でやったコードの分解みたいなのをやってるんですな。もっと有名なのがあるけどな。youtubeにあるかな。
お、あるある。これはすごいよ。どっかで失敗した未完成のトラックみたいだけど、パーカー先生のピロピロがすごすぎるのでそれだけで売られてるという。
Ornithologyって曲も入ってるしよいですね。アルト、トランペット、テナーの3人が腕を競っております。とにかくどれだけ速く弾くかが勝負。聞く方も音の粒々に集中してききたいです。
まあ音あんまりよくないからあれなんですが、これと比べると、54年のブレイキーのはたるいというか勢いは感じるけど繊細さやスピードの点で劣ってる。あれのルー・ドナルドソン先生ももちろんこのパーカーの演奏は何十回も聞いて知ってるわけですが、こうはできないので悔しい思いをしているわけです。この曲はこのブレイクの部分でなにをやるのか、っていうのが聞きどころになる。まあパーカーと勝負しようって人はいないわけで、どうやってこの演奏を思いうかべながらあれするか、みたいな。
実は55年ぐらいからのハードバップっていうのは、パーカーとかのこういう高度な技術と知識と感覚にささえられたビバップはたいへんすぎるので、もっと楽しくやろうじゃないか、みたいな運動だったんす。そんな一生懸命やらなくたって楽しく美しい音楽はできるよ、みたいな。ちょっと志が低い感じもするけど、まあパーカーとは勝負できない。
というわけでパーカーのような純粋ビバップという様式は45年ぐらいから50年ぐらいまででおしまい。誰もそのスピードに耐えられなかったんすわ。精神は残るわけですけどね。
(まあここだけの話、どう考えてもこの40年代後半から50年代前半の超スピードの音楽は薬物の影響を感じるんですよ。戦中〜戦後のドサクサといえばあの頭がすっきりして興奮するという薬物が思いうかびますよね。日本でもあれしたあの薬。いまでもあれしているあの薬。ジャズミュージシャン、特にパーカーというとヘロインって話になるわけですが、こういうタイプの音楽はダウン系の薬物やってたらできないんじゃないのかな。他のミュージシャンにもそういう影響を感じることがあるです。ハンプトンホーズのAll Night Sessionっていう有名盤があるんですが、あれもおかしい。やっぱりあれキメてたんでしょう。やっちゃだめですよ!)
チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアル Vol.1
Visits: 22
んじゃ具体的にどういうことをしているのか。実はもうなにやってもかまわんのですが、いくつかよく使われる手段がある。
実は前に「コード進行を複雑にする」とかってのがそのまんまなんすよ。
続きを読む
Visits: 17
ビバップはリズムも非常に特徴があるのですが、和声的にもいろいろなことをしていて、これ解説するのは猛烈にたいへん。うまく解説するとお金が発生するくらいたいへんなのではないかと思うです。でもネットでうまい解説を見たことないので、ちと書いてみたい気はある。 続きを読む
Visits: 33
んで、40年代前半〜なかばは戦争もあったし、ミュージシャン組合とレコード会社がなんかあったとかであんまり録音が残されてないんですが、このころにジャズに革命が起こるわけです。
チャーリー・パーカーとかディジー・ガレスピーとかケニー・クラークとかセロニアス・モンクとかって天才たちが夜中にジャムセッションとかして腕比べしているうちに、スイングよりもっと自由で過激な芸術様式が生まれた。もう踊るための音楽ではなく、ミュージシャンがその場で適当な素材で腕競べし、客はそれを聞くというアートです。ビバップ。
50年代の演奏ですが、まあとりあえずパーカーのConfirmation。この曲好きでねえ。(ちなみにこの画像は左右逆だよね。おかしすぎる)
もうスイングとはぜんぜん違う音楽で、どこがどう違うかリストアップしていくだけでたいへんなんですが、まずはやはりリズム的側面からいきますか。
スイングはドラムがバスドラをドンドンドンドン4つ踏んでたんですが、それだと重くてダサいのでかわりにシンバルで4つ叩きます。チーチキチーチキ。バスドラはときどき裏でドンとアクセントに使われる。左手のスネアも右手でチーチキやりながらタタスタ、タ、タタッとか適当にあいの手やってる。これはとても難しいです。左足は2拍4拍でハイハット踏んでるし、両手両足バラバラに動かせないとできない。
ベースはスイングのときは同じ音を4つブンブンやることが多かったのですが、どんどん動く。音階を上下動いていくのでウォーキングベース。もちろん決まったことをやってるんじゃなくてその場でコード進行とスケール考えて、うまく合うようにそれを弾いてる。
ピアノは拍の頭で弾くことがなくなって、拍子のちょっと前で弾く。これもまあその場で適当にやってる。イントロとかピアノで出してますが、ああいうのもその場で考えられないとかっこ悪い。同じことを2回目やるときは1回目と違うことやらないとバカにされてしまう。これから何度も言うことになると思いますが、ジャズというのは競争的な音楽で、自分が優れていることを他の奴にアピールするのが主な目的です。自分が弾く部分を楽譜とか書いていくとバカにされてしまう。
それから、上の楽器(パーカーのアルトサックス)はあんまりハネない。スイングのを聞きなおしてもらうとわかるのですが、スイング時代にはドンドンドンドンチッチチッチチッチチッチと4拍子が8分三連でハネてる感じなんです。一応ジャズはこういうハネた3連符の感じ基本で、まあこの時期もいちおうベースとかはちょっとハネた感じに弾いてる。
ところがこの演奏のアルトはそのベースやドラムのリズムのハネに気をつかわず、平たく8分音符中心で演奏してます。だから演奏は12/8と8/8が重なってるポリリズムになっている。これがスイングとの決定的な差です。
どの程度ハネて演奏するかはそのプレイヤーの自由ですし、ハネたりハネなかったりしてもいいが、とりあえずドラムやベースと同じビートになることはあえて避ける!
実はこれがロックミュージシャンとかがジャズのまねとかしてもジャズにならない理由なんですわ。どうしても「バックに合わせる」ていう意識があるからドラムがハネてたらそれに合わせてハネちゃうんだけど、合わせないのがジャズだ、みたいな。これはすごい発想ですよ。
自分のソロのなかでも同じことが続くのを嫌って、8分音符と3連音符を交互につかったりしているのがわかると思います。そうすることでイーブン(8分)とハネ(3連)のポリリズムを強調するのです。
あとフレーズが小節の頭からはじまらなかったり、へんなところにアクセントがあったり、メロディックだなと思うといきなりピロピロはじめたり。こういう意外性を追求しまくったのがビバップです。
ちなみにパーカーのこのピロピロ速いよねえ。現代のギタリストもこんな速く弾けるひとはめったにいない。サックスの方がキーとか可動部分あって物理的に難しいと思うんですけどね。音もすごいでかかったらしく、この録音ではそういうもわかりますね。ピロピロもまあまえもって練習はしてるんだけど、いつそれを使うかってのは完全にその場のアドリブだし。天才。
Visits: 70
ジャズってのは基本的にはダンス音楽で、30〜40年代ごろにはビッグバンドが主な演奏形態だったといっていいんと思います。まあマイクとスピーカーとかなかった時代にナイトクラブで踊るための音楽を提供する。
そういうわけで音楽的には4拍子でズンズンズンズンというビートを基本にする。ドラムはスドラ4つ踏んでます。その上に乗ってるホーン群も基本的にこのズンズンズンズンの乗っった形で演奏しているし、アドリブになってもそれは同じです。このノリ、スィングする感じからスィングジャズ。なんのひねりもないですね。
サックスセクションの分厚い和音とかいいですよね。こう、みんな違う高さで同じようなメロディーを吹いてるのがジャズらしい。これのアレンジの仕方もいろいろおもしろいです。
カウントベイシーのバンドのApril in Paris。ギターのザクザクザクザクってのがこのバンドのかっこいいところです。
これは踊れますよね。とにかく楽しい。
あとデューク・エリントのTake the A Train。ベイシーのバンドよりカラフルで洗練された曲が多いですね。デュークエリトン先生はもう20世紀の天才音楽家の一人なのはまちがいがない。デューク(公爵)とカウント(伯爵)だとデュークの方が偉い、と覚えておきましょう。いやベイシーのも楽しいんですが、やっぱり芸術性でいうと差がある。この曲はまあ楽しいところを狙ってますが、ラヴェルとかそこらへんのクラシック作曲家とも闘える曲も書いてます。
ところが鬼畜国家からパールハーバーとかやられて戦争になっちゃって、こういう楽しい音楽をやってる余裕がなくなるわけですね。戦争行かなきゃならんないし。楽器吹ける人もみんな軍楽隊とかに行く。お金もないので大人数で音楽するのが難しい。
戦争に行かずにすんでいるミュージシャンはやっぱりナイトクラブで稼ぐわけですが、20人もいる大きなバンドできないので(お客さんも少なくなるから人数多いと取り分が減るし)、6人とかでやる。「コンボ」です。
まあせっかくだからもう1曲エリントン。こう、黒人音楽独特の暗くて湿った感じがなんともいえんですなあ。
エリントンで好きな曲について語りはじめるとそれだけで1エントリ必要になっちゃう。
Visits: 22
まあ前エントリのマイルスみたいなスタイルってのはマイルスが作ったわけですが、そのちょっと前の時期のアートブレイキーバンドのチュニジアの夜という有名曲。マイルスバンドにくらべると勢いがあって荒っぽいけどこういうのも人気ありますね。いわゆる「ハードバップ」です。ビバップがハードになったもの。ビバップがなんであるか、ハードバップがどう違うかはあとで。
ま、これも当然テーマの進行の上でどんな新しいメロディーを作れるかを競っているわけです。ジャズの本質には即興があります。即興演奏しないのはジャズじゃない、と言ってもまあOK。黒人音楽をルーツにした即興演奏する器楽中心の音楽がジャズだ、ぐらいの定義だとだいたいみんな納得するんちゃいますかね。
いま「競っている」と書きましたが、ジャズというのは本質的に競争的な音楽なんすよね。この演奏はアルトサックスとトランペットの二人がソロイストだけど、どっちが速くて印象的な演奏をするかを本気で競ってます。同じ楽器が二人いたりするともう本気のやっつけあいになります。「カッティング」っていうんですけどね。お互いの喉を切りあう感じ。
マイルスバンドは対照的になるように考えていて、ああいうのはマイルスのスタイルであって一般的ではなかった。アルトはルードナルドソン、トランペットはクリフォードブラウンで、ブラウンの勝ちに聞こえますね。ハイトーンばしばし決めてかっこいい。まあブラウン先生は最強のトランペッターなので、しょうがないです。ピアノのホレスシルヴァーは個性的で、二人の喧嘩からちょっと距離をとってる感じですな。
ジャズのおもしろいところは、あとバックの3人(ドラム、ベース、ピアノ)、または2人(ベースとドラム)が適当な茶々みたいなのを入れるわけですね。反応のいいバンドはそれが連鎖する。このバンドはブレイキーのドラムがいろいろバチバチあおってますが、マイルスバンドの3人の連携とかすごいもんです。これもあとでもっと詳しく分析してみましょう。
これが1954年の演奏で、これから10年ぐらいがモダンジャズの黄金時代という感じですね。いわゆる名盤のほとんどはこの時期に生産されている。
(ちなみに、まあ正直この盤は世間的には名盤ってことになってるけど、それほど音楽的な価値があるかってのは私はあんまり自信がないです。歴史的にジャズ黄金時代のはじまりをつげる作品ではあるわけですが。)
Visits: 26
ジャズっていうのはなんであるのか、というのはまあ難しいというか無意味な問題かもしれんですね。こういうのはジャンルの哲学とか分類の哲学とかそいう問題になっちゃう。
私はジャズってのはマイルスデイヴィスの音楽を中心に、彼に強い影響を与えた人々と彼から強い影響を受けた人々の音楽である、ぐらいでいいのではないか、なんておもってたりして。まあマイルス本人は自分の音楽を「ジャズ」って呼ばれるのいやがってたみたいですから、まあこの定義はだめです。 続きを読む
Visits: 40
音楽好きで好きでたまらんことに気づきはじめる。
オーディオ装置が欲しい欲しい欲しい、ってんでねだってそこそこのを買ってもらった。15万ぐらいかかったんじゃないだろうか。パパママありがとう。プレイヤーはいまだにもっております。スピーカーも一応ウーファー25センチだか30センチのもの。
Visits: 11