まあ「清められた夜」みたいなのをいくつ書いても同じようなもんですわね。芸術家というのはもっと新鮮なことがしたい、と思うんだと思います。
んで、んじゃカデンツとかキメたりして調性とかでつれまわすのやめて、もっと自由にやってみたら別の美しい音楽ができるんではないか、と。
「三つのピアノ曲」作品11っていう記念碑的作品の1番目の曲がこんなんできましたー、みたいな。1909年ぐらいっすか。うっすらリストのロ短調ソナタを短縮して密度高くしてみませした、みたいな雰囲気もある。
まあ「無調音楽」とかって言われるけど、こういうのは調性がないわけじゃなくて、調性を極端に拡張しているというか、ワーグナーの方向をおもいっきり進めるとこうなりました、ってことだと思うんですわ。
実はこの曲を書く1、2年前にシェーンベルク先生の弟子のベルクがピアノソナタ作品1ってのを書いてるんですよね。これは名曲なんよ。かなりギリギリだけどいちおう調性はある。すごいロマンチックな曲ですよね。シェーンベルクの作品11とどっちが先に書かれたか知らんけど、お互いに影響してるんでしょうなあ。ベルク先生はなんか天才で、シェーンベルク先生よりもメロディーとか作る才能があると思う。内田光子先生のがおすすめだけどYoutubeにないし、グールド先生のもよいのでそっちで。
名曲。こうロマンチックで内省的で。
- 無調音楽入門(0) 予告
- 無調音楽入門(1) いきなり調性とは何かについて語る
- 無調音楽入門(2) どんづまっております
- 無調音楽入門(3) 調性を拡張して美しい曲を作ろう
- 無調音楽入門(4) 名曲誕生
- 無調音楽入門(5) 別に道もたくさんあったんだけど
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- 無調音楽入門(7) ストラヴィンスキーもかっこいい
- 無調音楽入門(8) 十二音技法誕生
- 無調音楽入門(9) ベルク先生は天才
- 無調音楽入門(10) ウェーベルン先生は新しい音楽を作ったかもしれない
- 無調音楽入門(11) メシアン先生の実験
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