セックスの哲学

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カント先生とセックス (1) いちおう「人間性の定式」の確認

哲学者・倫理学者といえばカント先生。しかしそのカント先生を専門的に勉強していた人が犯罪で逮捕されたというので話題になっているようです。まあ正直なところまったく同世代なのでいろいろ考えちゃいます。
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酒飲みセックス問題 (11) 同意というのはプロセスだ

前のエントリで書いたように、ワートハイマー先生のは私にはちょっと不安があっていろいろ考えるところです。ところで、(8) 「セックスする気があるとき女性は酔っ払うか」で紹介したDavis & Loftus先生たちの論文の後半は法政策に対する提...
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酒飲みセックス問題 (10) 同意の文脈・文化

未成年女子に酒飲ませて公然わいせつした警官が女子から損害賠償訴訟起こされたようですね。このシリーズ、そういう実際の話のことは考えていますが、実際の事件についてなんか言おうというつもりはないです。えーと、話は酔っ払った行為にも責任がないとはい...
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酒飲みセックス問題 (9) 同意したことに責任があっても同意は有効じゃないかもしれない

まあというわけで、酒を飲んで酔っ払ったからといって、行動の責任がなくなるわけではないような感じです。(場合によっては)同意したことや酔っ払ったことは非難に値するという意味で「責任がある」ということになりそうです。しかし、んじゃ酔っ払ってした...
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酒飲みセックス問題 (8) セックスする気があるとき女性は酔っ払うか

Deborah Davis先生とElizabeth Loftus先生の共著で、"What's good for the goose cooks the gander: Inconsistencies between the law and ...
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アリストテレス先生とともに「有益なおつきあい」について考えよう

まあ「有益な関係」みたいなのっていうのはどうなんですかね。世代的なものかもしれませんが、私なんかだと、そういう損得感情が入っているのは恋愛ではないのではないか、みたいなことをすぐに考えてしまうわけですが、女子はわりとプラグマチックに男性をス...
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プラトン先生の『パイドロス』からオヤジらしい口説き方を学ぼう

最近「倍以上男子」という言葉を流行らせようとしている雰囲気があるようですね ((2017年だと「パパ活」か。)) 。私はこういうのはなんかバブル時期のことを思いだしてあれなんですが、まあそういうのもあるでしょうなあ。 まあ流行らないと思いま...
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酒飲みセックス問題 (7) 酔っ払い行為の責任続き

酔っ払っての行為の責任というのはけっこう難しいんですよね。こういうのは責任とかにまつわる「自由意志」とかコントロール(制御)とかの複雑な哲学的議論を必要としている。前のエントリではHurd先生の「酔っ払ってても必ずしも善悪の区別がつかなくな...
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酒飲みセックス問題 (6) 酔っ払い行為の責任

まず、「我々は酔っ払ってしたことについて責任があるか」というのがけっこう難しい。まあこういう形で問いを作ることに問題があるかもしない。だって、たいていの人は「責任がある」っていうのがどういうことかはっきりとした考えをもってないからです。「責...
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酒飲みセックス問題 (5) エロス、ルダス、そして誘惑

ちょっと戻ってさらにだらだらと横道にそれると、まあ相手の欲望を引き起こし抑制を解除する、っていうのはこれはもう恋愛とかの一番重要な局面ですわね。そりゃ世間の正しい人びとっていうのは「恋愛やセックスというのは、長い時間をかけてお互いをよく知り...
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酒飲みセックス問題 (4) 薬物の影響そのものは問題ではないかも

セックスにおける同意が問題になるのは恋愛とかセックスとかそういうのには医療行為とか商売上の契約とかとはまったく違う面があるからですね。お医者が患者を手術したくてしょうがない、みたいなことはないわけです。「手術させろー、シリツシリツ」みたいな...
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酒飲みセックス問題 (3) 「インフォームドコンセント」で考えると

医療におけるインフォームドコンセントだと、おおまかに(1) 同意能力、(2) 十分な情報、(3) 自発性・自律、の三つのポイントが有効な同意のために重要だってされてます。(1)同意能力はちゃんと判断して責任を負う能力があるってことですね。ま...
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酒飲みセックス問題 (2) 有効な同意ってなんだろう

酒飲みセックス問題がおもしろいのは、あれですわ。フェミニストの皆さんの正しい活動のおかげで、女性のノーがノーを意味する、いやだっていったらいやだし、それを無視してセックスしたりするのは不道徳なのはもちろん犯罪だってことがまあ一般的になってよ...
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酒飲みセックス問題 (1) 酔っ払ってセックスするのは許されるか

なんか(女子)大学生が酒飲んで街中で大量に倒れたりして話題になってますね。アルコール濫用はやめましょう。まあ一部のサークルとかではほんとにお酒を使ってやばいことをしているようで、なんというか命の心配もあるし各種の性的暴行なんかも行なわれたり...
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「愛と性の西洋思想史」読書案内

最初にブラックバーン先生の『哲人たちはいかにして色欲と闘ってきたのか』読むとよいと思う。
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メモ: レイプと同意関係の洋書

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アンソロジーの計画をしてみたり

英米系セックス哲学アンソロジーを組んでみたいと思ったり。まあ私自身がアンソロジー好きなんよね。翻訳して出版したい。たとえば売買春だとどうなるかな。Jaggar, "Prostitution"Ericsson, "Charges agains...
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不倫はなぜ不道徳か (2)

まあんじゃ、私が見ている英米系の応用哲学・倫理学での不倫とかの議論はどうなってんのか、とかって話もいきがかり上書かないとならんですね。
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不倫・浮気・カジュアルセックスの学術論文ください

不倫(婚外セックス)とか浮気とかカジュアルセックス(いわゆる「ワンナイト」)とかについての哲学・倫理学の議論を紹介しようと思って、しばらく国内の文献をあさってたんですが、これって国内の学者さんによってはほとんど議論されてない問題なんすね。
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過去1年間、あなたは配偶者(夫・妻)恋人以外の人何人とセックスをしましたか

不倫っていうかカップル外セックスはどの程度の人がどれくらいやってるのか、ってことですが、あんまり信用できるデータがなくてねえ。NHKの調査は信頼できるだろう、と思うわけですが、こんな感じですね。もっと新しいデータ欲しいっすね。質問は「過去1...
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カジュアルセックスは不正か(2)

ハルワニ先生が紹介していたフロイト先生の「性愛生活が誰からも貶められることについて」読んでみました。岩波のフロイト全集第12巻。この全集は読みやすくて優秀です。精神分析の開業医が、どのような苦しみのために自分はもっとも頻繁に助けを求められる...
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カジュアルセックスは不正か (1)

今日は1日カジュアルセックスまわりの文献見たりしておりましたです。まあ基本はソーブル先生の事典(Sex from Plato to Paglia)のRaja Halwani先生のCasual Sexの項目見ながらもってる文献見なおしたり。
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不倫はなぜ不道徳か (1)

なんか一日「不倫はなんで悪いか」みたいな論文読んで終ってしまいました。これは「セックスの哲学」の流れのなかではけっこう議論の蓄積がある問題で、Richard Wasserstrom先生の"Is Adultery Immoral?" (197...
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性表現と表現規制(7) ポルノ批判と会田先生の答え

まあ米国での規制の法制度づくりは失敗したわけですが、その後もポルノは性差別だというマッキノンとドウォーキンのラインの議論はけっこう魅力を感じる人もいるようです。表現そのものが性差別だとかってのに疑問を感じる人がいると思いますが、人種差別的な...
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性表現と表現規制(6) エロチカとポルノ

キャサリン・マッキノンとアンドレア・ドウォーキンのラインの考え方では、性表現はよい性表現と悪い性表現がある、と。それを分けましょう。たんに友好的で平等で自発的で楽しいセックスを描いた「エロチカ」と、女性をものみたいに扱ったりいじめたり差別し...
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性表現と表現規制(5) 性差別としての性表現

しかし1980年代からは、「猥褻」としてではなく「性差別」や「性暴力」として性表現を見る考え方が現れて注目をあびるわけです。この一連のエントリの始まりに書いた「ポルノ被害を考える会」なんかの思想的背景はこういうところにあるはずです。1960...
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性表現と表現規制(4) 猥褻規制の問題点

しかしまあ猥褻だから規制してしまえ、って考え方は多くの批判にさらされていて、一般にうまくいかないと思われています。まずはなにが猥褻なのかが常に曖昧なことですわね。まず定義そのものが曖昧。「いたずらに性欲を刺激する」の「いたずらに」ってのがど...
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性表現と表現規制(3) 猥褻猥褻

ええと、んで猥褻なんですが、どういうわけかエロい表現は国家が規制してもかまわん、とみんな思いこんでた時代があるみたいなんですね。いまもそうかもしれないですけど。とにかくある種の表現はわいせつでいやらしくてけしからんので流通させないようにしよ...
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性表現と表現規制(2) エロな表現

んでやっと猥褻の話なんですが。猥褻って字は難しいですね。私は書けません。猥褻猥褻。言論の自由ってのはまあ政治的にはとても重要なので、民主的な先進国の市民ならほとんど誰でもその重要性を認めるわけですが、それでも言論の自由や表現の自由ってのは絶...
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性表現と表現規制(1)

会田誠先生の森美術館というところでの展覧会に、ポルノ被害と性暴力を考える会( 以下「考える会」)という団体が抗議をしたのをきっかけに、ネット界隈では芸術と表現の自由とかについての議論が盛んになっているようです。まあ性表現と表現の自由の問題は...