旧「目の中の丸太日記」

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二瓶由美子先生のすばらしい研究

二瓶由美子「ポルノグラフィーと性犯罪~暴力的AVが性犯罪に与える影響について」『桜の聖母短期大学紀要』第28号2004 というのも見てみた。
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荒木菜穂さんのすばらしい研究

ポルノと性意識の実証調査というのは実はあんまり数がない。 もうちょっと若い世代の研究も見てみた。 荒木菜穂「ポルノグラフィ文化におけるホモソーシャルな構造~大学生へのアンケート調査を通して」『鶴山論叢』第5号、2005 荒木さんは発表時点で...
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佐々木輝美先生のすばらしい研究

佐々木輝美「性的メディア接触が大学生の性意識に与える影響に関する研究」『国際基督教大学学報I-A 教育研究』46号2004 という文献を見る機会があった。 佐々木輝美先生は国際基督教大学准教授、メディアと暴力の専門家で、テレビでの暴力の問題...
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ILLの恐怖

それにしてもあれだ。上の論文はILL (図書館相互利用)で入手したのだが、このILLとBlogは人文・社会学系の大学教員の研究生活を変える有用性だけじゃなくて、人生をまったく変えてしまう破壊力も持ってるんじゃないだろうか。
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荒木菜穂さんその後

でネチネチからんでしまった荒木菜穂さんの「現代フェミニズムスにおける「性の政治」再考:「女性による性的快楽の追求」への多様なまなざし」女性学年報、25巻、2004 という論文を見る機会があった。 おそらく若い学生さんなので、特にこの方に粘着...
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山形の解説 (5)

山形浩生訳『ウンコな議論』 「キツいシャレだなあ」と思っていったん終りにしようと思ったのだが、なんかへんな感じがする。山形がやろうとした(と私が想定している)ことは、うまくいってるんだろうか? フランクファートの議論では、「嘘」と「ブルシッ...
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山形の解説のまずいところ (3)

いろいろ調べたんだが、けっきょく山形のpp.68-70あたりの解説がどこから来たのかはよくわからん。 もうちょっとだけまずいところを指摘しておくと(細かいが)、 嘘をつくことはよくないことだと心底信じている人を考えよう。この人はどんな状況に...
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翻訳を学術的業績として認めよう

たいていの大学教員の業績の評価では、翻訳はまったく業績にカウントされない。しかしこれっておかしいんじゃないのかな。わたしがこのごろよく見る社会学関係の本では、引用はたとえば Parsons とかって形で行なわれる(上野千鶴子(編)の『脱アイ...
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山形の解説はどこから来たか

山形浩生訳『ウンコな議論』 どうも山形がFrankfurtのどの論文を解説しているのか発見できない。 "Freedom of the Will and the Concept of a Person"も、山形が言っているような「自律性」なん...
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独白

はあ。まあ私はこうして一生ブルシットの山とつきあっていくんだな、きっと。勉強になった。それはそれでいいかもしれん。これまでも大量のブルシットに悩まされてきたし、これからも悩んでいくんだろう。このブログの過去の記載を見ても、書いているのはブル...
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山形の解説の気になるところ (4)

あと気になるのがやっぱりpp.71-76あたり。一次的欲求と二次的欲求の区別の話はOKなのだが、そのあとが気になる。 最終的にどう生きるべきかを決めるのは何か?それは・・・何かを大事に思うという気持ちだ、とフランクファートは論じる。それを愛...
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山形の解説のまずいところ (3)

いろいろ調べたんだが、けっきょく山形のpp.68-70あたりの解説がどこから来たのかはよくわからん。 もうちょっとだけまずいところを指摘しておくと(細かいが)、 嘘をつくことはよくないことだと心底信じている人を考えよう。この人はどんな状況に...
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山形の解説のまずいところ(2)

さて、んじゃ山形の解説が"Freedom of the will~"をもとにしたものなのかな、と読みなおしてみたけど、微妙に違うんだよな。これにも「自律性」とかって概念は出てこない? でもたしかに見覚えのある解釈なんだよな。この解説はどっか...
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ウンコな議論: 解説のまずいところ(1)

山形浩生訳『ウンコな議論』 「大学のレポートだったら落とされるだろう」とか書いてほっておくのはアレなので、一応解説を。 山形の解説のまずいところは、 ・・・嘘がつけないこと、嘘をつくという選択肢を持たないことこそが道徳的責任の存在を示す。こ...
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山形の解説はどこから来たか

山形浩生訳『ウンコな議論』 どうも山形がFrankfurtのどの論文を解説しているのか発見できない。 "Freedom of the Will and the Concept of a Person"も、山形が 言っているような「自律性」な...
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独白

はあ。まあ私はこうして一生ブルシットの山とつきあっていくんだな、きっと。勉強になった。それはそれでいいかもしれん。これまでも大量のブルシットに悩まされてきたし、これからも悩んでいくんだろう。このブログの過去の記載を見ても、書いているのはブル...
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山形の解説の気になるところ (4)

あと気になるのがやっぱりpp.71-76あたり。一次的欲求と二次的欲求の区別の話はOKなのだが、そのあとが気になる。 最終的にどう生きるべきかを決めるのは何か?それは・・・何かを大事に思うという気持ちだ、とフランクファートは論じる。それを愛...
倫理学

大庭健「時-間における人-間の性」

同じシリーズの『原理論 (シリーズ 性を問う)』所収。 珍しい日本の哲学者によるセックス論。(ほかに大物(?)でこういうのを扱ってるのは神戸大の宗像恵先生ぐらいか・・・いや、大物中の大物の森岡正博さんがいた。でもあの人が狭い意味での哲学者か...
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細かいところつっこんでも無駄

馬鹿げた記述を見るとつっこみたくなるのだが、こういうクセはどうなんだろう。たとえば『シリーズ〈性を問う〉 (2)』の「性差」の赤川学「ジェンダー・セクシュアリティ・主体性」 ではその「主体性」とはどのように定義されるのか。『広辞苑第三版』に...
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加藤秀一他『図解雑学 ジェンダー』

読んでみたが、コンパクトで平明な表現なのに目先が利いていて非常に優れた入門書。これ1冊あれば他の入門系の本はいらんのではないか。 しかし、より深く考えてみると、ジェンダーとセックスという境界線をどこに引くか、何がジェンダーに含まれ、何がセッ...
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ウンコな議論

私には大きな誤訳は見つけられなかった。いろいろ訳しにくいところをうまく処理するものだし、今これを訳出するってのも(売れはしないだろうが)山形の主張が出てる(この論文だけで出版されているのは知らなかったISBN:0691122946)。ただし...
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ジェフリー・ウィークス

このジェフリー・ウィークス(『セクシュアリティ』)というひとの議論は、その筋(社会学者?)のひとびとにどのように読まれてるんだろうか。ふつうの読書経験からすると、あまりにも生物学まわりの情報が古すぎて使いものにならないんじゃないだろうか。
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田崎先生はクールだ

本のタイトルに「セクシュアリティ」を使っている田崎英明はどういう意味で使っているのかを調べてみようとジェンダー/セクシュアリティ (思考のフロンティア) をめくってみるが、少なくとも最初の30ページぐらいには特に定義らしいものは見つからなか...
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セクシュアリティってなんだろう

どうでもいいことだが、加藤秀一の『性現象論―差異とセクシュアリティの社会学』という本の第3刷では奥付の発行年が「1996年1月20日 第1版第1刷発行」になっている。正しくは1998年らしい。ついでに書くと、p. 121で大澤真幸を引用して...
旧「目の中の丸太日記」

マーサ・ヌスバウム、ジュディス・バトラーを批判する

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『男と女の倫理学』

前に「なんかいろんな意味でひどい本だな。」と書いたまま放っておいたが、それじゃあまりにも一方的なので、どう「ひどい」と思ったかぐらいは書いておかねばなるまい。 たとえば山口意友による第9章「「男女平等」という神話」をとりあげてみる。この論文...
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山形浩生訳 自由は進化する 誤訳さがし

f p.228 「生物には両方の装置が備えられていて」 ←An organism can have both sorts of machines 「両方の装置が備えられている生物もいて」。なにも選択できない生物もいるわけだし。 p.228「...
旧「目の中の丸太日記」

解説まちがいさがし

p.232の著者自身のまとめ「人間の文化は奇跡ではないし、遺伝子が自分の 適応力を増すために提供した追加ツールでもない」を読んで、やっと 山形さんが「自由はシミュレーションのツール」っていう一行まとめで言いたかったことがほんのりつかめたよう...
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山形浩生訳 自由は進化する 誤訳さがし

第3章の後半はよく訳せていると思う。 p.132「すべての傾向は永続的である---性質は一般的には変えられない---人は未来の方向性や運命や性質を変えることはありえない」 ← All trends are permanent, charac...
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解説まちがいさがし

メモだけ。「自由とはシミュレーションのツールである」って一行まとめ、意味がよくわからん。特に「ツール」ってときにどういうことを言ってるのか私の頭では理解できない。私が一行でまとめるなら、「われわれは決定論的な世界で自由に選択できるように進化...