セックス

セックスの哲学

酒飲みセックス問題 (6) 酔っ払い行為の責任

まず、「我々は酔っ払ってしたことについて責任があるか」というのがけっこう難しい。 まあこういう形で問いを作ることに問題があるかもしない。だって、たいていの人は「責任がある」っていうのがどういうことかはっきりとした考えをもってないからです。「...
セックスの哲学

酒飲みセックス問題 (5) エロス、ルダス、そして誘惑

ちょっと戻ってさらにだらだらと横道にそれると、まあ相手の欲望を引き起こし抑制を解除する、っていうのはこれはもう恋愛とかの一番重要な局面ですわね。そりゃ世間の正しい人びとっていうのは「恋愛やセックスというのは、長い時間をかけてお互いをよく知り...
セックスの哲学

酒飲みセックス問題 (4) 薬物の影響そのものは問題ではないかも

セックスにおける同意が問題になるのは恋愛とかセックスとかそういうのには医療行為とか商売上の契約とかとはまったく違う面があるからですね。 お医者が患者を手術したくてしょうがない、みたいなことはないわけです。「手術させろー、シリツシリツ」みたい...
セックスの哲学

酒飲みセックス問題 (3) 「インフォームドコンセント」で考えると

医療におけるインフォームドコンセントだと、おおまかに(1) 同意能力、(2) 十分な情報、(3) 自発性・自律、の三つのポイントが有効な同意のために重要だってされてます。(1)同意能力はちゃんと判断して責任を負う能力があるってことですね。ま...
セックスの哲学

酒飲みセックス問題 (1) 酔っ払ってセックスするのは許されるか

なんか(女子)大学生が酒飲んで街中で大量に倒れたりして話題になってますね。アルコール濫用はやめましょう。 まあ一部のサークルとかではほんとにお酒を使ってやばいことをしているようで、なんというか命の心配もあるし各種の性的暴行なんかも行なわれた...
セックスの哲学

メモ: レイプと同意関係の洋書

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セックスの哲学

アンソロジーの計画をしてみたり

英米系セックス哲学アンソロジーを組んでみたいと思ったり。まあ私自身がアンソロジー好きなんよね。翻訳して出版したい。たとえば売買春だとどうなるかな。Jaggar, "Prostitution"Ericsson, "Charges agains...
セックスの哲学

不倫はなぜ不道徳か (2)

まあんじゃ、私が見ている英米系の応用哲学・倫理学での不倫とかの議論はどうなってんのか、とかって話もいきがかり上書かないとならんですね。
セックスの哲学

不倫・浮気・カジュアルセックスの学術論文ください

不倫(婚外セックス)とか浮気とかカジュアルセックス(いわゆる「ワンナイト」)とかについての哲学・倫理学の議論を紹介しようと思って、しばらく国内の文献をあさってたんですが、これって国内の学者さんによってはほとんど議論されてない問題なんすね。
セックスの哲学

過去1年間、あなたは配偶者(夫・妻)恋人以外の人何人とセックスをしましたか

不倫っていうかカップル外セックスはどの程度の人がどれくらいやってるのか、ってことですが、あんまり信用できるデータがなくてねえ。NHKの調査は信頼できるだろう、と思うわけですが、こんな感じですね。もっと新しいデータ欲しいっすね。質問は「過去1...
読書

ブックガイド: 恋愛心理学のおすすめ本

ひさしぶりに学生様用お説教ネタ。 卒論を恋愛関係で書きたいっていう学生様はけっこういるわけですが、最低限おさえておく心理学系の本。ゴミみたいな本が多いので、まともな学問的な心理学の本を読むのがコツです。
セックスの哲学

カジュアルセックスは不正か(2)

ハルワニ先生が紹介していたフロイト先生の「性愛生活が誰からも貶められることについて」読んでみました。岩波のフロイト全集第12巻。この全集は読みやすくて優秀です。 精神分析の開業医が、どのような苦しみのために自分はもっとも頻繁に助けを求められ...
セックスの哲学

カジュアルセックスは不正か (1)

今日は1日カジュアルセックスまわりの文献見たりしておりましたです。 まあ基本はソーブル先生の事典(Sex from Plato to Paglia)のRaja Halwani先生のCasual Sexの項目見ながらもってる文献見なおしたり。
セックスの哲学

不倫はなぜ不道徳か (1)

なんか一日「不倫はなんで悪いか」みたいな論文読んで終ってしまいました。これは「セックスの哲学」の流れのなかではけっこう議論の蓄積がある問題で、Richard Wasserstrom先生の"Is Adultery Immoral?" (197...
セックスの哲学

性表現と表現規制(7) ポルノ批判と会田先生の答え

まあ米国での規制の法制度づくりは失敗したわけですが、その後もポルノは性差別だというマッキノンとドウォーキンのラインの議論はけっこう魅力を感じる人もいるようです。表現そのものが性差別だとかってのに疑問を感じる人がいると思いますが、人種差別的な...
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性表現と表現規制(6) エロチカとポルノ

キャサリン・マッキノンとアンドレア・ドウォーキンのラインの考え方では、性表現はよい性表現と悪い性表現がある、と。それを分けましょう。たんに友好的で平等で自発的で楽しいセックスを描いた「エロチカ」と、女性をものみたいに扱ったりいじめたり差別し...
セックスの哲学

性表現と表現規制(5) 性差別としての性表現

しかし1980年代からは、「猥褻」としてではなく「性差別」や「性暴力」として性表現を見る考え方が現れて注目をあびるわけです。この一連のエントリの始まりに書いた「ポルノ被害を考える会」なんかの思想的背景はこういうところにあるはずです。1960...
セックスの哲学

性表現と表現規制(4) 猥褻規制の問題点

しかしまあ猥褻だから規制してしまえ、って考え方は多くの批判にさらされていて、一般にうまくいかないと思われています。まずはなにが猥褻なのかが常に曖昧なことですわね。まず定義そのものが曖昧。「いたずらに性欲を刺激する」の「いたずらに」ってのがど...
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性表現と表現規制(3) 猥褻猥褻

ええと、んで猥褻なんですが、どういうわけかエロい表現は国家が規制してもかまわん、とみんな思いこんでた時代があるみたいなんですね。いまもそうかもしれないですけど。とにかくある種の表現はわいせつでいやらしくてけしからんので流通させないようにしよ...
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性表現と表現規制(2) エロな表現

んでやっと猥褻の話なんですが。猥褻って字は難しいですね。私は書けません。猥褻猥褻。言論の自由ってのはまあ政治的にはとても重要なので、民主的な先進国の市民ならほとんど誰でもその重要性を認めるわけですが、それでも言論の自由や表現の自由ってのは絶...
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性表現と表現規制(1)

会田誠先生の森美術館というところでの展覧会に、ポルノ被害と性暴力を考える会( 以下「考える会」)という団体が抗議をしたのをきっかけに、ネット界隈では芸術と表現の自由とかについての議論が盛んになっているようです。まあ性表現と表現の自由の問題は...
セックスの哲学

Ratus先生たちのHuman Sexuality

というわけでまあおすすめのRathus, Nevid & Fichner-Rathus先生たちのHuman Sexualityの「ジェンダー役割」の項目も訳出してみました。他にも妊娠のメカニズムとか人々はどんなのに興奮するかとか、おすすめの...
セックスの哲学

オペラを勉強してモテるようになろう!

「セックスの哲学」といえば、面倒なことせずにモテる方法とかってのを期待している人も多いんじゃないかと思うので、おそらくモテるために学んでおくべきことを示唆しておきたいですね。まああくまでおそらくなんですけど。あとに述べるように哲学者や哲学研...
セックスの哲学

性科学を勉強しよう

セックスの話をするときは、当然人間としての事実がどうなってるのかを知る必要があるわけです。まあ他の人がどういうことをしたりどういうこと考えたりしているかってなかなか知れないもんですしね。ここらへんはやっぱり生物学者や医学者や心理学者や社会学...
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セックス哲学アンソロジー The Philosophy of Sexの第6版が出たよ

Alan Sobleが編集していたアンソロジー The Philosophy of Sexの第6版が出てました。中身がずいぶん変わって、1.(セックス概念の)分析と倒錯、2.クィア問題、3.(性的)モノ化と同意の理論的問題、4.モノ化と同意...
セックスの哲学

恋愛の類型学 (2) スタンバーグの三角形理論

スタンバーグ先生は恋愛心理学の一発屋ではなく、認知心理学とかのほうでけっこう大事な仕事した人なんじゃないですかね。 リー先生の恋愛の色彩理論は、恋愛を六つなり八つなりのタイプに分けるって考え方(類型論)なわけですが、まあそんなすっきりタイプ...
セックスの哲学

恋愛の類型学(1) リーの色彩理論

セックスの哲学史とかいって哲学史におけるセックスの問題を扱おうとすると、どうしたって「セックス」というよりは「愛」とか「エロース」とかそういう問題としてとりあつかことになります。まあ私はそもそも西洋人は性欲と愛との区別あんまりついてないんじ...
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セックス哲学史:サッポー先生に恋を学ぼう

古代ギリシアの恋愛詩というと女流詩人のサッポー先生が有名です。レスボス島に住んでて女性どうしてあれしていたのでレズビアンの言葉のもとになったとか。名前は聞くわりには作品を読むことめったにないですよね。断片しか残ってないからのようです。
セックスの哲学

セックスの哲学史: エピクロス先生に我慢を学ぼう

エピクロス先生は古代ギリシアの哲学者で、ソクラテス先生より一、二世代下ですかね。 エピクロス先生 私のヒーローの一人 いっぱんにエピクロス派っていうと「快楽主義」ってことになってて、英語でエピキュリアン(エピクロス派)って言うとおいしいもの...
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セックスの哲学史: 狂気としての恋・性欲(1)

西洋人はどういうわけか古代ギリシア文明を自分たちの文化の源流だと思ってるらしいです。なんかあるとソクラテスやプラトン、あるいはホメロスまでさかのぼっちゃったりして。なんかそれって日本人が孔子様や老子様たちを自分たちの先祖だって言ってるみたい...