セックスの哲学」カテゴリーアーカイブ

セックスの歴史書

作成中。自分でも何読んだかわからんようになってるし。

ちょっと難しめか。

愛と結婚とセクシュアリテの歴史―増補・愛とセクシュアリテの歴史
ジョルジュ デュビー
新曜社
売り上げランキング: 935,539
性の歴史

性の歴史

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J‐L・フランドラン
藤原書店
売り上げランキング: 653,422
図説 不倫の歴史―愛の幻想と現実のゆくえ
サビーヌ メルシオ=ボネ オード ド・トックヴィル
原書房
売り上げランキング: 965,081

古代

原書は1960年で古いがとてもおもしろい古典。古代ギリシアの同性愛、セックス、結婚などについてだいたいのことは書いてある。

愛の諸相―古代ギリシアの愛

愛の諸相―古代ギリシアの愛

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R・フラスリエール
岩波書店
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同性愛にしぼった名著。

古代ギリシアの同性愛

古代ギリシアの同性愛

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K.J. ドーヴァー
青土社
売り上げランキング: 899,500
古代ギリシアの女たち―アテナイの現実と夢 (中公文庫)
桜井 万里子
中央公論新社 (2010-12-18)
売り上げランキング: 704,663
ヴィジュアル版 ギリシア・ローマ文化誌百科〈上〉 (世界史パノラマ・シリーズ)
ナイジェル スパイヴィー マイケル スクワイア
原書房
売り上げランキング: 596,115
愛欲のローマ史 変貌する社会の底流 (講談社学術文庫)
本村 凌二
講談社
売り上げランキング: 695,874

古代ローマ人の愛と性

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アルベルト アンジェラ
河出書房新社
売り上げランキング: 275,802

中世

図解 ヨーロッパ中世文化誌百科 上 (世界史パノラマ・シリーズ)
ロバート・バートレット編
原書房
売り上げランキング: 108,750
図説 快楽の中世史

図説 快楽の中世史

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ジャン ヴェルドン
原書房
売り上げランキング: 647,930

近世


19世紀


20世紀

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プラトン先生の『パイドロス』でのよいエロスと悪いエロス、または見ていたい女の子と彼女にしたい女の子

パイドロス (岩波文庫)

パイドロス (岩波文庫)

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プラトン
岩波書店
売り上げランキング: 29,876

プラトン先生の『パイドロス』の話については、最初にあらわれる弁論家リュシアスの「少年は自分に恋していない人間に身をまかせるべきである」(= セックスは自分の利益になるような相手とするべきだ→だから君に恋していない僕とおつきあいしてセックスしましょう)という議論について、けっこう昔に一部だけ書いたんですが、この本おもしろいけど全体にかなり難しいんですよね。まあプラトン先生は詩人っぽくてでよくわからん。情熱がからまわりしているようなところがあるっていうか。アリストテレス先生なんか落ちついてて大人だなって思いますけどね。

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エッチな絵からギリシア神話を学ぼう

「教養科目」みたいなの担当していて、まあ低学年の学生様に教養っぽいことをしゃべらなきゃなりません。来週は古代ギリシアとか、その神話とかをやる予定。ちゃんと正確に知らんことをしゃべっていいのか、みたいなことも悩みますが、まあ教養っていうのはそういうものでもあるような気がするからそれでいいのか。
ガイジンの名前っておぼえにくいので、哲学者とかは肖像画とか写真とか見せてるわけですが、神様たちの写真ってのはなくてこまりますね。しょうがないから想像した絵画で代用しようかな、とか。でもこういうの見せたらセクハラで逮捕されて失職してしまうな、とか考えたり。
 西洋では20世紀まで裸の女性とか描いちゃだめ、ってことになってたので、どうしても裸描きたい画家たちはギリシア神話とか使って描くわけですね。同時代の生身の女性はわいせつでだめだけど、まあ神話ってことならしょうがない、とかってことになってたみたい。意味不明ですが、まあそういう言い訳が必要な時代もあった。そういう抑圧とかもあって、神話使った絵画はエロくてよいものです。

アプロディテ/ヴィーナス

古代ローマ人ってのは戦争が強くて帝国なんか作っちゃったりしますが、あんまり文化的じゃないんで、お隣のギリシア世界の文化や学問を輸入して自分たちのものだ、って言いはったりしてたようです。美の女神アプロディテさんはウェヌスさん、とかって名前つけられちゃったりする。それの英語読みがヴィーナスさんですわね。
この神様は美と愛欲と快楽の神様。お父さんのウラノスさんが、事情でチンチン切り落とされてそれが海に落ちてでてきた泡から生まれたということになってます。火と鍛冶の神様ヘパイストスさんの妻だけど、イケメン勇者と浮気したりもします。その子供がエロスだという説もある。もうエッチといえばアプロディテ/ヴィーナスの営みですわ。
ブグロー先生のこの有名な絵はすばらしいっすね。多くの人は、女子に生まれたら一回このポーズとってみたいと思ってるんではないでしょうか。
好きなの探してくさい。

ダナエさん。

最強の神様ゼウスさんは女ぐせがものすご悪い。いろんな女性と関係をもちます。う、うらやましくなんてないんだからねっ!
たとえばこのダナエさんは、ゼウスさんに手をつけられて妊娠して勇者ペルセウス君を生みます。どうもこのとき、ゼウスさんは黄金の雨となってダナエさんを襲ったとか。意味わかりませんね。なんか後代になると、黄金の雨じゃなくて金貨になって降り注いだとか。こっちは少しわかるような気がする。
ここらへんで好きなの探してくさい。私クリムト先生のが好き。
ゼウス先生は鬼畜なので他にもいろいろ悪いことしてます。「ゼウスとレダ」「ゼウスとエウロペ」とかで検索してみてください。

パリスの審判

ゼウスの妻ヘラ(ユーノー)、知恵と戦争の女神アテナ(ミネルウァ)、美の神アプロディテ(ウェヌス)の三大女神様が競演している絵がたくあんあります。神様たちの結婚式に、みんな呼ばれたのに不和の神様のエリスさんだけ呼ばれなくて(いやな人だったんしょね)、それを怒った(怒りますわね)エリスさんが宴会に乱入して「この黄金のリンゴを、いちばーん美人の女神様にあげますわ」とかって宣言する。ギリシアの神様は見栄も張るし、悪いこともすればケンカもする非常に人間っぽい人々です。人間からの貢ぎ物がないとお腹空いちゃうような人々でけっこう経営たいへんそう。
美人コンテストに立候補したのが美人自慢のヘラとアテナとアプロディテさんで大喧嘩になり、困ったゼウスさんが「ほんとは王子だけどいま羊飼いやってるパリスってやつに決めさようじゃないか」みたいな馬鹿な提案をする。一番偉いんだから自分で決めりゃいいのに。っていうか「うちの嫁のヘラが一番だ嫁が最高」ぐらい言ってあげたらいいのにね。
んで、女神さまたちはワイロを使う(!)。悪いやつらだ。美人コンテストというのはそういうものなのですな。ヘラさんは「私を一番にしたら王様にしてあげます」、アテナさんは「戦争したら勝たせてあげます」、アプロディテさんは「世界一の美人と結婚させてあげます」とか言うわけです。アプロディテさんはエッチなことが得意なんだから自分であれしたらいいのにねえ。権力か名誉か女か、ってんでパリスさんは女を選ぶ。んでその絶世の美女っていうのは峡谷スパルタの王様の奥さんのヘレネーさんで、パリスさんはうまいこと人妻と恋仲になりますが命の危険があるから自分の国に女連れて逃げる、怒ったスパルタ王様は「あいつら殺す」ってな感じで大戦争になってそれがトロイア戦争でしたとさ。
教訓としては、競争心と美人とエロと嫉妬はものすごく危険で、へたすると命を落しますよ、ぐらいですか。
この美人3人並べるっていうのは、シュープリームスとかTLCとかデスティニーズチャイルドとかキャンディーズとかまで繋ってるのかもしれなくて、なんか落ち着きがいいですね。
まあこういうの、絵に描かれている話を知るとものすごくおもしろいですわね。授業では見せられませんが、いろいろ勉強してみてください。

 おすすめ本・音楽

古代ギリシア世界や、ギリシア神話とかについては、藤村シシン先生の『古代ギリシアのリアル』とてもおもしろいので読みましょう。
古代ギリシャのリアル

古代ギリシャのリアル

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藤村 シシン
実業之日本社
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絵画のエロティックな魅力を知りたい人におすすめなのは、(私読んだ少ない本のなかではありますが)平松洋先生の3冊ですわ。これはすばらしい。(まあ女といえばエロとかってのは許せん、とかいろいろ批判もあるみたいなんですが)買いましょう。
名画 絶世の美女ヌード

名画 絶世の美女ヌード

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平松 洋
新人物往来社
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名画 絶世の美女

名画 絶世の美女

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平松 洋
新人物往来社
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名画 絶世の美女 魔性

名画 絶世の美女 魔性

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平松 洋
新人物往来社
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レイプ神話関係いったんまとめ

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「レイプ神話」での性的動機 (11) おまけ: 「定説」とミル先生のお説教

私はフェミニズム思想みたいなのに魅力も感じれば反発も感じていて、まあだらだら読んだり駄文書いたりしているわけですが、今回みたいに「性欲では支配欲」みたいなフェミニスト的スローガンが「定説です」という形でネットや論文で出回るのを見るとき、いつもミル先生のことが思い浮かぶのです。まあいつもミル先生の話になっちゃうわね。いつも書いてることです。 続きを読む

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「レイプ神話」での性的動機 (10) おまけ:勝部元気先生の「性暴力欲」

勝部元気先生という先生がいて、いろいろネット上で物議を引き起こしているようです [1]このあと余計で失礼なこと書いてました。すみませんすみません。 。今回はレイプと性欲の関係ということで、このシリーズのいきがかり上コメントしないとしょうがないですね。 続きを読む

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References

References
1このあと余計で失礼なこと書いてました。すみませんすみません。

「レイプ神話」での性的動機 (9) 性欲説と支配欲説、どっちが役に立つ?

もうあんまり資料めくる気がなくなっているのですが、まあレイプの「動機」(原因というよりは動機)は性欲って考えるのが実証的ではあるようです。でもここで思弁的に、「レイプの主な動機性欲」って考えるのと、「支配欲だ」って考えるのと、どっちが性犯罪・性暴力を対策するのに役に立つかって考えてみたいですね。これは私の単なる思弁なので、全然アカデミックじゃないし(いつもアカデミックじゃないけど)、ほとんど根拠がないです。
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「レイプ神話」での性的動機 (7) だらだら

んでまあ、もうちょっとコメントしておくと、実際のところは「レイプとセックスは無関係」みたいな言い方をする人はあんまりいないんですよね。レイプとセックスは関係があるのはまあ主流派フェミニストの人も認めるはずですわ。我々のなかの一部の人は社会のルールとか、他人の苦しみ悲しみ迷惑なんかをあんまり考えない。そういう人々は、この相手とセックスしてみたいとなれば、相手の同意とか社会のルールとかを無視してそうしようとするわけです。そういう人は、欲しいものは万引するだろうし、お金がほしければ強盗するだろうし、お金払えば、そして払えればその相手にお金払うだろう。暴力はいやだ女が泣いてるところは見たくないっていう大多数の人間の一部が、お金払うのもいやだとなればらうまく誘惑しようとするだろうし、まあまじめにおつきあいしてプロポーズしてセックスしてもらう人もいるでしょう。まあそんなもん。 続きを読む

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「レイプ神話」での性的動機 (4) ブラウンミラー先生の支配欲説と反論

ともあれ、マッケラー先生の『強姦』はアミル先生の研究を参照して議論が進められていて、内容的には穏健っていうか今読んでもそんな違和感はないです [1]実は、アミル先生のもマッケラー先生のも、白人と黒人で文化を論じて分けていて、それはものすごく違和感があるんだけど。 。くりかえしますがマッケラー先生の主張は「レイプは性欲が原因ではない」とは主張しておらず、性欲はもちろんかかわっているけれども他にも様々な原因がある、ぐらいです。 続きを読む

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References

References
1実は、アミル先生のもマッケラー先生のも、白人と黒人で文化を論じて分けていて、それはものすごく違和感があるんだけど。

「レイプ神話」での性的動機 (2) レイプ犯は飢えてない

まあ今回こんなん書いてるときにちょうど報道が大きめの事件がったので、マッケラー(マックウェラー)先生読みなおしたんですが、彼女の本では、「レイプの原因は性欲ではない」とは主張されてないんですね。 続きを読む

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「レイプ神話」での性的動機 (1) レイプ神話って何

重大な性犯罪が起きると、きまってSNSには「レイプが性欲によるものだというのは神話」「レイプ神話はいまだに社会にはびこっている」「レイプは性欲が原因ではない、支配欲が原因」みたいな書き込みがなされて広まるっていう傾向があるように思いますが、これはちょっとどうかという感じです。 続きを読む

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ブックガイド:性風俗産業の実態に関する書籍

某授業用のブックガイド。作成中。


現在の性風俗産業の実態をおそらくかなり正確に描いているのはおそらく中村敦彦。ただしかなりクセのあるジャーナリストではあるので注意も必要か。数が多いが、どれか1冊読めばよいだろう。 続きを読む

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ナカニシヤ出版「愛・家族・性の哲学」を読みましょう (7)

相原征代「「男女不平等」としての結婚:日本とフランスの比較から」

フランス人は結婚しなくなってますが、日本人の学生様はいまだに結婚結婚言ってます、みたいな話。読みやすい。でも私が思うにこの論文はかなり注意が必要だと思う。(実はこのシリーズが授業に使えるかのテストとしてこの論文をゼミで読ませてもらった。コピーですましてしまいました、すみませんすみません。) 続きを読む

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ナカニシヤ出版「愛・性・結婚の哲学」を読みましょう (4)

2巻目の「性」に入ります。この巻、愛じゃなくてどろどろの行為としてのセックスの話になるのかな、と思ってたら、ジェンダーや性自認の性別にかかわる話が多くて最初ちょっととまどいました。でもまあそういう考え方もありますわね。 続きを読む

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ナカニシヤ出版「愛・性・結婚の哲学」を読みましょう (2)

福島知己「恋愛の常識と非常識:シャルル・フーリエの場合」

実は刊行前に目次出たときから一番楽しみにしてたのがこの論文で、フーリエの『愛の新世界』っていう奇怪な大著の翻訳者本人のよる解説っていうか部分的紹介。 続きを読む

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ナカニシヤ出版「愛・性・結婚の哲学」を読みましょう (1)

藤田尚志・宮野真生子「愛・性・結婚の哲学」シリーズ3巻本ってすばらしいものが出版されて、セックス哲学に関心をもつ者としてよろこんでいます [1]ぼやぼやしてたら先越されちゃった 。偉い。すばらしい。 続きを読む

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References

References
1ぼやぼやしてたら先越されちゃった