倫理学

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翻訳作業と私

去年の夏とこの夏は、ラジャ・ハルワニさんの『恋愛・結婚・セックスの哲学』っていうかなり大きな本の翻訳やって終ってしまいました。夏は翻訳に手間とられることが多いのよねえ。いままでやったことを反省したり。
倫理学

倫理学の入門・大学テキスト英語編

私は難しい本は苦手なのですが、入門書や教科書みたいなの読むのは好きなんですよね。んで倫理学の教科書みたいなのコレクターみたいになってます。もちろん図書館に集めてもらう。リクエスト出しましょう。 英語勉強するには自分が興味ある分野の大学テキス...
倫理学

倫理学の入門書

前にも書いたんですが、学生様に倫理学の入門書ガイドを出す必要があって作ってみました。あんまりよい本がない……
倫理学

Leiter Reportsの倫理学教科書のおすすめ

Leiter Reports: A Philosophy Blog: Best introductory texts in moral philosophy?倫理学の教科書のお勧めについてレイチェルズの本が高すぎるという指摘が。 — 児玉聡...
倫理学

最近の私は倫理学入門の最初のツカミに何を使っているか

まあ全国の倫理学系教員が、入門講義のツカミをどう入るかなあと考える季節ですね。まあだいたい倫理学系の教員はツカミだけはがんばる。あとは難しくてぐだぐだになっちゃう人は私を含めて多いと思うけど。一時期導入にはみんな(マイケル・サンデル先生流の...
セックスの哲学

愛をめぐるモンテーニュさんとパスカル君

最近実存主義はやってるみたいですね。
教員生活

大学教員は専門外のことにどこまでコメントしたり授業に組み込んでよいか

大学で授業していて教員がけっこう気にするのが、「自分の専門外のことについて、どの程度コメントしてよいか、どの程度授業にとりいれていいか」ってことです。これ、みんなけっこう気にしてると思うんだけどあんまり議論されてるのを見たことがないんですよ...
倫理学

サルトル先生が夢見たガラス張りの世界

ネットとかでいろいろ書き散らかしていると、自分の思考や感情が他の人に見られるっていうのはどういうことか、みたいなのはよく考えます。次はサルトル先生のインタビューの好きな箇所の勝手な訳。時々授業で使います。
セックスの哲学

「レイプ神話」での性的動機 (2) レイプ犯は飢えてない

まあ今回こんなん書いてるときにちょうど報道が大きめの事件があったので、マッケラー(マックウェラー)先生読みなおしたんですが、彼女の本では、「レイプの原因は性欲ではない」とは主張されていないんですね。
セックスの哲学

シジウィック先生にセックス倫理を教えてもらおう (2)

んでシジウィック先生はまあこんな感じで、日常的な道徳観みたいなのいちいち説明していくわけです。正義とか勇気とか節制とか正直とか、昔から大事だよっていわれてる美徳、性格、行動パターンみたいなのはだいたい功利主義から見てもよいもので、社会の役に...
セックスの哲学

シジウィック先生にセックス倫理を教えてもらおう (1)

シジウィック先生が我々の性道徳を分析しているのは、『倫理学の諸方法』第4巻第3章「常識道徳に対する功利主義の関係」と題されたところです。この『倫理学の諸方法』ってのはものすごい名著で、まあ倫理学の重要な問題のかなりが議論され、答え出されちゃ...
倫理学

クリストファー・ピーターソン『ポジティブ心理学入門』の訳の問題

ちょっと学生様に読ませるためにメモ。
倫理学

妊娠中絶の(道徳的)正当化

日本医学哲学・倫理学会『医学哲学 医学倫理』第31号、2013、pp. 59-60 の草稿。京都女子大学 江口聡(哲学・倫理)「妊娠中絶の(道徳的)正当化」従来の哲学・倫理学の世界において、中絶の道徳性はどのように議論されてきたかを簡単に説...
セックスの哲学

セックス哲学懇話会のお知らせ 3/10 (木) 15:00〜 神田駅前

日時:3月10日(木) 15:00-17:00場所:神田駅前センタービル4F 神田駅前ホール東京都千代田区鍛冶町2-7-3「セックスの哲学/倫理学」とそれを大学講義に採用する場合の問題等に関しての情報交換をおこないたいと思います。題材、内容...
倫理学

品川哲彦『倫理学の話』書評

(『週刊読書人』第3124号 2016年1月22日掲載の草稿)
セックスの哲学

マルクス先生たちが女性を共有するそうです

近代西欧的な一夫一婦制の婚姻制度っていうのはいろいろ問題があることは19世紀にはみんなわかっているわけです。たとえばマルクス先生たちの『共産党宣言』にはこんなところがある。家族の廃止!もっとも急進的な人々さえ、共産主義者のこの恥ずべき意図に...
セックスの哲学

ハヴロック・エリス先生の売春婦論

最近また性の商品化やセックスワーカーの話がネットでもりあがっていて、興味深くながめたりしてます。ここらへんはいくつか難しい問題がからんでて、テツガク的にも実証的にもおもしろいところですわねえ。
お説教

添付ファイルの送りかた

文書をメールで送りたいときはあるものです。レポート課題等で「メールで提出」のような教科も増えてると思います。いくつか注意事項を。
倫理学

寺田先生の自己責任論批判を読んだ

いまごろ(10年前の)寺田先生の「イラク人質事件をめぐる「自己責任論」と世界市民の責任」 を教えてもらって読んだ。まじめな哲学系の研究者はあんまり現実の問題にコメント出さないことが多いような気がするけど、これは当時の人質問題について倫理学研...
セックスの哲学

酒飲みセックス問題 (1) 酔っ払ってセックスするのは許されるか

なんか(女子)大学生が酒飲んで街中で大量に倒れたりして話題になってますね。アルコール濫用はやめましょう。まあ一部のサークルとかではほんとにお酒を使ってやばいことをしているようで、なんというか命の心配もあるし各種の性的暴行なんかも行なわれたり...
倫理学

パーソン論よくある誤解(4) パーソン論は英米生命倫理学の主流の考え方である

いや、ぜんぜん。とにかく国内で議論されている「パーソン論」は古いんですわ。けっきょくパーソン論というのは「われわれは人パーソンを特別扱いしている」っていう事実からはじまってるわけですが、70年代から80年代にかけての論争のなかでそういう「人...
セックスの哲学

Antioch大学の性暴力防止規程

レイプとかセクハラっていうのは「同意があったかどうか」みたいなのが面倒なので、きっちり口頭や文書で同意がないかぎり性暴力とみなそう、みたいな動きがあります。実際に学則に組み込んだ大学もある。1990年、キャンパス内で2件のデートレイプが発生...
セックスの哲学

杉田聡先生の考えるあるべきセックスの姿

国内で売買春やポルノグラフィを猛烈に批判している人の一人に、杉田聡先生がいます。杉田先生によれば、本来セックスは双方が「自発的な意思」によって「自主的に興奮」し、双方が「性的快楽」を味わうことができなければならない。売買春は一方だけが性的興...
読書

ブックガイド:倫理学入門の読書順

サンデル先生がテレビで放映されたり児玉聡先生の『功利主義入門』が出たりして(英米系の)倫理学が人気なようです。入門書を読んでいくおすすめの順番を考えたり。
倫理学

生命倫理学とわたし

なんちゃって。「功利主義とわたし」 の兄弟編。
旧「目の中の丸太日記」

『男と女の倫理学』

前に「なんかいろんな意味でひどい本だな。」と書いたまま放っておいたが、それじゃあまりにも一方的なので、どう「ひどい」と思ったかぐらいは書いておかねばなるまい。たとえば山口意友による第9章「「男女平等」という神話」をとりあげてみる。この論文は...