倫理学の入門・大学テキスト英語編

私は難しい本は苦手なのですが、入門書や教科書みたいなの読むのは好きなんですよね。んで倫理学の教科書みたいなのコレクターみたいになってます。もちろん図書館に集めてもらう。リクエスト出しましょう。

英語勉強するには自分が興味ある分野の大学テキスト読むのが一番。booklogのメモから少しならべてみました。

Ian Stoner and Jason Swartwood, Doing Practical Ethics 既成の倫理学とはちがうタイプの入門書。アナロジーが重視されている

Mark Timmons, Moral Theory: An Introduction, 3rd ed. 神意説、相対主義、自然法、古典功利主義、現代功利主義、エゴイズム、カント理論、一見自明な義務、道徳的契約主義、徳倫理学とケア倫理学、道徳的個別主義。

Lewis Vaugn, Doing Ethics: Moral Reasoning and Contemporary Issues, 6th ed. 現在定番の教科書っぽい。メタ倫理学をあっさり、規範倫理学三本柱、そして応用倫理という構成。理論編では道徳的推論のところでいろんな誤謬推理やバイアスを扱っているのが目につく。応用倫理は、中絶、安楽死、ヘルスケア、動物、環境倫理、レイシズムと差別、性道徳、寛容と言論の自由、ドラッグ・銃規制、死刑、戦争・テロ・拷問、移民、世界経済。

Nina Rosenstand, The Moral of the Story: An Introduction to Ethics 8th ed. これも定番っぽい。価値、物語から学ぶ、相対主義、利己と利他、功利主義、カント的義務論、パーソン・権利・正義、徳倫理学、アリストテレス的美徳理論、徳倫理学と真正性、美徳ケーススタディー、ジェンダー、応用倫理問題。徳倫理学に分量使っているのが特徴か。

Bob Fisher, College Ethics: A Reader on Moral Issues That Affect You 第1版からけっこう入れかわってるね。1/3ぐらい入れかわってる?やっぱり最初はセックスから、というのはやはり大学生として重要だからだ。(ははは)セックスと恋愛、中絶、フェミニズムとトンラスジェンダー、人種、社会運動、インターネット・ゲーム・スポーツ、消費者倫理、高等教育、学生倫理(含スマドラ)。学生倫理はおもしろいなあ。

Fisher, Ethics, Left and Right: The Moral Issues That Devide Us 右派左派対論集。アメリカファースト、海外援助、移民、宗教テスト、課税、最低賃金、環境規制、ヘルスケア、中絶、ポリコレ、宗教による各種免除、トランスジェンダー(トイレ論争)、特権、フェミニズム、歴史モニュメント除去、アファーマティブアクション、人種プロファイリング、銃規制、軍事費、選挙といまどきのアメリカな感じの並びで新鮮。 % PDFあり

Richard Bumor, Ethical Choices, 2nd ed. それなりにでかい本。倫理と価値、相対主義、自律と主体性、道徳判断を下すこと、道徳心理学とエゴイズム。行為功利主義、規則功利主義、義務論倫理学、自然法理論、社会契約説と権利、徳倫理学、フェミニズムとケア倫理学、倫理と宗教。道徳的多元主義。応用倫理的問題はケースで考察される。

Pojman, The Moral Life: An Introductory Reader in Ethics and Literature 教養あふれるアンソロジー。高級な感じ。あ、ヴォーン先生はポイマン先生の関係者あるいは後継者なわけか。

Pojman, Ethics: Discovering Right and Wrong, 3rd ed. \citep{pojman17:ethics 倫理学とはなにか、相対主義、客観主義、エゴイズム・利他主義、善・幸福、功利主義、カントと義務論、徳倫理学、なぜ道徳的か、宗教と倫理、事実と価値問題、道徳的実在論、最小限道徳。それにしてもポイマン先生は何冊倫理学入門・教科書書いてるのだ。教科書で一番稼いだ人かもしれない。

*Jacques P. Thiroux and Keith W. Krasemann, Ethics: Theory and Practice, 11th ed. * 道徳の本性、帰結主義、非帰結主義(義務論)、徳倫理学、絶対主義vs相対主義、自由vs決定論、報奨と罰、 道徳システムの基本的想定と基本的原則、人間の生命を考える、安楽死、中絶、ウソ・約束やぶり、結婚と性、生命倫理・医療倫理、ビジネス・メディア倫理、環境倫理。この本もずいぶん売れたらしい。シルー先生は2006年におなくなりでクレイズマン先生がちょっと手を入れたのだろうが、手持ちの本は版が混乱しているようにも思える。よくわからない。

Jonathan Wolff, An Introduction to Moral Philosophy 2nd ed. 道徳的推論、文化相対主義、懐疑論と主観主義、自由意志と道徳的責任、宗教と自然法、エゴイズム、社会契約、功利主義、功利主義批判、カント、カント主義批判、徳倫理学、徳倫理学批判、ジェンダーと人種、道徳哲学全体。

Christopher Bennett, What is this thing called Ethics? 人生と生の意味、どの生が重要か、道徳はおたがいにどのていど配慮することを要求するか、功利主義、カント主義、アリストテレス的徳倫理学、倫理学と宗教、契約として道徳、道徳の批判。

D. Don Welch, A Guide to Ethics and Public Policy 倫理的言説と公共政策、便益、効率性、公正、忠誠心、正統性、ベンチマークと道徳的識別。

John Kekes, How Should We Live? A Practical Apporach to Everyday Morality 実存主義者っぽい感じのひとで、正統派教科書ではない。イントロ、絶対主義、個人の自律、反省的自己評価、無条件の愛、強い評価、物語統一性、実践理性、不可避な反省、必要な正直さ、結論。

倫理学というよりは「倫理学的に考える」方法。おもしろい。イントロ、多数派意見の役割、感情の役割、良心の役割、文化間比較、判断の基盤、基本的記述、帰結の考慮、義務の考慮、道徳的理想の考慮、道徳的責任の判断、倫理学史、現代の倫理的論争(教育、メディア、セックス、政府、法、ビジネス、医療、科学、戦争) Vincent Ruggiero, Thinking Critically about Ethical Issues

Harry Gensler, Ethics: A Contemporary Introduction, 2nd ed. 非常にごくコンパクトな入門書。相対主義、主観主義、超自然主義、直観主義、情動主義、指令主義、整合性、黄金律、道徳的合理性、帰結主義、非帰結主義、美徳、自然法、総合・まとめ。あれ、第3版が出てる!

Julia Driver, Ethics:The Fundamentals 普遍主義への挑戦、神と人間本性、古典功利主義、カント倫理学、社会契約説、直観主義、徳倫理学、フェミニスト倫理学、虚無主義。

日本語版はこっちだけど、更新しないとならん気がする。 → https://yonosuke.net/eguchi/archives/15556

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