ビバップの和声的側面(4) コードの装飾の不如意実例

でジャズミュージシャンは勝手にコードを変えて演奏するのだ、そしてそれは打ち合わせないのでぶつかったりするけどかまわん、という話をしましたが、やっぱり実例がないとわからんと思うので、不肖私が不如意ながらも実例を見せたいと思います。

たとえばまあ、| C | Dm7 / G7 | C | Dm7 | G7 |という譜面があったとします。

全員そのまんま演奏するとこういう感じになります。

バップ以降のプレイヤーは、これだとなんかたるいというかつまんないと思うわけです。もっと変化させたい。 そこで、ピアニストは | C / A7 | Dm7 / G7 | と弾きたいと考えてこんな感じになります。

ちょっとだけカラフルになりました。ベースにもソロにもなにも相談してないですけど特に違和感はないです。実はぶつかってんですけど。

ベースはそれを聞いて、んじゃ俺もA7弾くわー、っていって弾きます。A7かAm7かわからないけど。

ベースの人はそれにも飽きて、| C A7 | Dm7 Db7 |と弾くことにする。いわゆる「裏コード」とか「裏に行く」とか言われます。

こんでも別に問題はない、と。適当なんすよ。気分によって弾きわけたりするんちゃうかな。

ピアニストはもうちょっとカラフルにしたいので、前に紹介した「上から来る」って技を使います。これ私できないんですがなんとか練習しました。

んで、ソリストもベースやピアノの様子を聞いてちょっと考えて、 うしろは| C / A7 | Dm7 G7 G7alt | と弾くことにした、と。

まあこんな感じなわけです。実際にのプレイヤーたちはこういうのを相手がなにをやっているのかをその場で耳で判断してそれに合うようにするわけです。ピアノからしかけるときもあればソリストにピアニストがあわせることもあるし、まあそういうんでジャズは会話だと言われるわけです。耳と頭がよくないとできないので私にはできませんが、そういう微妙なやりときを楽しめるようになるとジャズがどんどんおもしろくなってくるわけす。「あ、当たってる」とか「おーぴったり」とか。

実際、ライブハウスのジャムセッションとかに行くと、音が当ったときは顔を見合わせたりしますね。特にピアニストの人は、解釈が分かれやすい分では「このひとどうするんだろう?」みたいな顔してソリストを見てます。そういうのもジャズのおもしろさの一つです。

Visits: 4

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です