音楽」カテゴリーアーカイブ

ソウル/R&Bと私 (2) 高3ぐらいはブリティッシュだったみたい

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div>高校生のころにはMTV番組をやりはじめてたと思うんだけど、田舎ぐらしで、民放テレビも2局しかなくてMTVやってなかった。情報源はNHK FMぐらいだったんよね。民放FMもなかったし。だからすごい情報が限られてた。まあ渋谷陽一先生にはお世話になった。あのころの田舎の高校生はみんな渋谷先生の番組にかじりついてたと思う。

高3のときにはデビッド・ボウイのレッツダンスがはやって、プロデュースはChicのナイルロジャースだ、みたいな紹介がされたけどChic知らなかった気がする。でもこのアルバムはいまだに好きっすね。ロジャース先生のカッティング切れ切れだし。ただドラムはオマー・ハキム先生が叩いてるやつの方が好きかも。ついでにスティーブレイヴォーン先生もおしえてもらった。しびれた。

ロキシー・ミュージックのAvalonにもはまって、ドラムはスライ&ファミリーストンのアンディ・ニューマークだぜ、と言われてもスライもよく知らなかったような。このアルバムもいまだに好き。B面の構成がいいんよね。

The Jamのポールウェラーはモータウンのファンなのだ、とか言われてもそれもよくわかってない。Jamはそれほどよくなかった。特にこの曲は、ウェラー先生やりたいことをベースの人ができてない感じがする。だから解散したんだろう、みたいな。やっぱりモータウンな感じだったらもっとベースを歯切れよくミュートしないと。

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div>それよりちょっとまえ、ホール&オーツの音はかっこいいと思ってた。ブルーアイドソウルとかって言われててね。でもCDは買わなかったな。なんでだろう。

まあここらへん思いだしてみると音楽的趣味としてはほんとうに平凡ですわね。黒人音楽のエッセンスをつかったブリティッシュニューウェーブ、みたいな傾向。ソウルまでの距離はかなりある。

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ソウル/R&Bと私 (1) めざめ

ソウル入門、みたいなのはそういうの書けるほど知らないから自分話をしよう。

まあ小学生のころから音楽は好きだったわけですが、黒人音楽というのものにはあんまり関係なかった。中学生のときも基本的にはクラシック少年でマーラーとか聞いてたんですよね。

洋楽自体は小学生のころにBeutiful Sundayってののレコード従兄弟がもっててすごい何回も聞いたおぼえがあるけど、これは黒人音楽と関係ないのでいいや。あとは中2〜3のころはビートルズ聞いたりしてたけどこれも黒人じゃない。

ただ強く記憶に残っているのがビージーズですね。小学6年生か中学生ぐらい。特にStayin’ Aliveって曲が好きで。

この若干ミュートしたギターの音がかっこいいなあ、みたいな。チッ「チキ」って拍のウラ刻んでる感じがいいですね。この拍の裏で踵をアップさせられる感じが好き。でもちろんビージーズは黒人じゃないけど、当時流行のディスコサウンドですね。1977年かあ。洋楽を意識しはじめたんのはこのころかなあ。

あ、ロッドスチュワートのこの曲もすごく好き。ベースがコッコココッコッコココッコいわゆるインディアン。これは簡単そうで非常に難しい。私はできません。1978年。

ストーンズのMiss Youも好きだけど、こっちはもっとあとになってから知ったと思う。これも1978年。つまり私はディスコ音楽が席巻するなかで中学生活をはじめたわけです。

吹奏楽で「ディスコ・キッド」っていう有名曲があって、何回か聞いてこれもかっこいいと思ってた。でもいま聞くとダサい。1977年の吹奏楽コンクルール課題曲ですね。でも1回演奏してみたかった。

でもディスコサウンド、みたいなのはずっと好きだったんじゃないかな。中学生のときにはじめてドラムセット触ったんだけど、8より16のリズムを練習するのが好きだった。

それが黒人音楽である、っていうのを強烈に意識したのはおそらくクインシージョーンズ先生の「愛のコリーダ」だとおもう。

https://youtu.be/fXmmWBzS-_o

これはかっこいいねえ。もうベースがよすぎる。スラップベース開祖の一人、ルイスジョンソン先生。基本的にディスコサウンドというのはドラムとベースを聞くものですね。ベースはロックだとベベベベって感じで鳴らしっぱなしになるのですが、ソウル/ディスコだと必ず切る。長くのばさない。その音の切れるタイミングや、音のない空白によってノせるわけですね。

あとこの曲は吹奏楽とかでもカバーするのが流行ったんですよね。

もう一曲Stuff Like That。

ドラムはスティーブガッド先生だったかな。

高校生のころになるとツェッペリンとかフーとかのロック系統を聞くようになるけど、黒人系統にはあんまり進まなかった。ツェッペリンのブルース(Lemon Songとか)はかっこいいと思ってたけどそっちにも進まず。

「ソウル」っていうとサム・クックとかオーティス・レディングとかウィルソン・ピケットとか、なんかアトランティックレコードとかで、これは私の好みではなかった。こう、リズムもハーモニーも洗練されてない。

汗くさすぎるというか。いま考えれば、1980年代に60年代ソウル聞いてもしょうがないですよね。田舎だったんで情報がなくてねえ。特に黒人系は『ロッキノン』とか読んでもわからないし、FMでも流れないし。黒人音楽とはブルースだ、みたいな印象だった。ブルースとソウル/ディスコは関係ないぞ!ていうかサザンソウルもドブルースはいまだにあんまり好きじゃない。コードにテンション入ってないとだめなんよ。ビートは16じゃないといやなの! エイトビートはかっこわるいの!

もっぱらジャズ/フュージョン聞いてた。

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yonosuke昔話 (3) 2曲目で女子にセクハラする

んでまあ仕事的に4月はバタバタするんでなにもできなかったんだけど、5月の連休期間を使ってもう1曲作ってみた。バックトラックはギターの教則本読みながらリズマシーンを使ってカッティングの練習してたら自然にできてしまった。これは歌詞は自然にできたとは言えなくて、それなりに考えた。 続きを読む

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yonosukeの歩み(2) 初作曲

まあはじめての音源あげたらその日というか次の夜にはヘタクソスレがたった(立てたのは私ではない)。ははは。これはおかしい。まあ誰かが私のようなのにはアドリブスレはそぐわないと思ったのかもしれず、あるいはなにか感じるものがあったのかもしれない。

13で「名スレの予感」とか書いてる。ははは。
「楽器・作曲」板なのに当時この板ではほとんど作曲の話はしてなかった。作曲する人たちはDTM板にいたけど、そっちはMIDI打ち込みの機械的な演奏ばっかりで音楽的じゃないことが多くてあんまり聞いてなかった。
でも私の目標は曲を作ることだった。今だから書けるけど、実は3/21にショックなことがあってそれを歌にしときたい、ってはっきりした(いや、ぼんやりした)目標があったんよね。その2日後にMTR買ったわけだ。
でもいきなり曲は作れないからいろいろ練習してた。この時点ではまだ作曲ってのがどういう作業かよくわかってない。とりあえずいろいろ弾いてみて研究。
あ、これ以前からジャズピアノの教則本みたいなのは読んでて、古いエレピでアドリブの練習みたいなのはしていた。だいたいアドリブ関係の音楽理論(コードとスケールの関係とか)とかぼんやりわかってる感じ。わかってるけど指は動かない。コード理論はわかっているので「作曲する」というのはアドリブと同じである、というのはわかっていた。まあアドリブってのはその場で作曲することなわけだし。でもオリジナルなコード進行やメロディー、歌詞を構成するってことはしたことがなかった。
ロリンズのセントトーマスのコード進行をレゲエっぽくやってみて適当に歌詞を載せたらどうか、みたいなことを考えてとりあえず作ってみた。
他の人の音源を聞いてみて思ったのは、打ち込み臭さが強いと音楽としてあんまりおもしろくないってことだった。ヘタクソスレだし、あえて下手な感じを出すためにぜんぶ手でひく、ドラムはリズムマシンをリアルタイムで手で叩こう、と。いちおうクリック聞いて叩いてるんだけどヨレる。
歌詞ははじめて作ったのに驚くほど簡単にできた。なんか毎年来る春の軽躁状態だったのだと思う。「なんか音源をあっぷしたい」と強く思っていたので、それをストレートに歌ってみた。もちろんある程度ウケを狙いに行った。
はじめての作曲「うpしたいな」。

うpしたいなうpしたいなうpしたいな
初心者だってヘタクソだってうpしたいな
君が上げればぼくは下げる
君が下げればぼくは上げる
うpしたいなうpしたいなうpしたいな

うpしたいなうpしたいなうpしたいな
リズムがよれても音程ずれてもうpしたいな
スケール練習あっぷあっぷ
それ聞く君はベッドにダウン
君といっしょにたくさんいっぱいうpしたいな

君の心のスペースさがしてうpしたいな
君がもってる空いてる部分にうpしたいな
上から下から前から横から
気合一発録音一発
いつでもどこでも誰でもかまわず
うpしたいな

この歌詞は今見ても非常によくできてると思う。きちんと対句使ってエロのダブルミーニングもどき入れてけっこう凝ってるのに、1時間かからなかった記憶がある。歌詞ができればメロディーラインは適当でいけるのがわかっていた。ていうか音源聞きながら歌詞載せてったんだったかな。歌とバックは完全に一発。間奏は直前の歌詞に合わせて、「スケール弾いてアルペジオ弾いてもうすこし自由なアドリブにチャレンジして失敗する」ってのを見せたらおもしろいだろうぐらいの目論みで2、3回弾いたんじゃなかったろうか。うまいことヨレた(実際にはこうしか弾けなかった。セントトーマスの最後でコケてるのも天然)ので即採用。
実際にあっぷするときはウケるだろうとけっこう自信があった。
もちろんウケてうれしかった。これで作曲や歌も活気づくといいな、と思った。

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アニーはパンツ履いてない

エリカ・バドゥ先生のAnnie don’t wear no pantiesっていう名曲があって、youtubeとか見てるとけっこうカバーされますね。

オリジナルはこれかな? 実はCDには収録されてないんじゃないかな。

とにかくかっこよすぎますなあ。もう「パンツ履いてない」って歌ってるだけ。バドゥ先生の体の動きがセクシーでこの種のファンク音楽と性的なあれが密接に結びついているのを感じますね。

ボーカルにもドラムにもベースにも魅力的な曲です。ボーカルに魅力があってベースがうまいなら少人数でも演奏効果があがる曲。アマチュアの人も(自分たちなりに弾くだけなら)やりやすい。実は私はアマチュアの(時に不完全な)音楽を聞くのが好きで、まあyoutubeとかでそういうビデオが見えるようになって非常によいですな。

まあやはり基本は黒人の黒人らしいふくよか系の人にやってほしい。

白人の人がすると別の魅力が出てきます。

https://youtu.be/CWAYRwkRlmI

これはブルガリアの人かな。このルックスでやると、ほぼ完コピでもまた黒人主流正統派とはまたちがった魅力が生じる。

バドゥ先生たちが開発したファンク王道みたいなののエロティシズムから、それに影響されて別のエロが発生してくる、こういう影響関係みたいなのはおもしろいです。

それにまあ音楽の聴取にルックスとか表情とかパフォーマンスとかが与える影響はすごく大きいです。性の商品化はすばらしいですね。

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Led ZeppelinのWhole Lotta Love

レッドツェッペリンは好きなんですが、1枚目はたいしたことがないと思う。

Good times, bad times

[spotifyplaybutton play=”spotify:track:0QwZfbw26QeUoIy82Z2jYp”/]

この曲は構成が気にいらなくて、イントロ-A-A-B-B-C-C-B-B-A(ギターソロ)-A-B-B-A(ギターとボーカル)〜なんですが、Bのところのキレが悪い。

[spotifyplaybutton play=”spotify:track:6GXlXAfXR7C6u1VjR3VMsm”/]

こっちはもう少し好きだけどなんかなあ。

どっちも1枚目のアルバムだと音が軽くてあれなんですよね。

好きなのはなんといっても2枚目から。

[spotifyplaybutton play=”spotify:track:0hCB0YR03f6AmQaHbwWDe8″/]

これはいろいろ小技が効いていて、私は2枚目からジョンポールジョーンズ先生がいろいろ細かい指導をしていたんじゃないかと勝手に妄想しています。

まずイントロの音がいい。これ初めて聞いたときギターの歪みにぶっとびました。続いて入ってくるベースもいい。

そして、ギターのリフ聞いただけではそれが8なのか16なのかわからんのではないかと思うんですよね。8で忙しい感じなのか、16でゆったりした感じなのか。まあこの曲を聞いて頭を振るとき、ギャちちちギャちちちのギャだけで振るのかギャちガちギャちガちと感じるのか、ってことですが。実はポリリズム。私自身はこのイントロでは8と16の両方を感じてます。体がぎくしゃく180BPMぐらいで動く感じっすね。

ドラムがフィルインしながらはいってきてからリフは16だったのだ、実はテンポはゆっくりなのだということがわかるわけです。実はさっき感じていた半分の92〜93BPMぐらいでそんな速くない。ところがスネアドラムがギターのリフに合わせて時々4拍子の4拍目の裏を強調するんですね。普通は2拍と4拍を強調するんだけど、4拍目の裏にスネア入れることによって倍のテンポが感じられる。だから92BPMじゃなくて。180BPMぐらいに感じられたりもする。ここの二つのテンポのトリックがツェッペリンのすべてだといってもいいくらいだと思いますね。ボンゾのドラムはゆったりしているのです。そしてヘビー。

さらにドラムと各種効果音のパートにはいるとハイハットがずっと刻んでいて、180BPM。ボンゴかなにかも入っていてすごく忙しい。「実はさっきのはあなたが感じていた倍の速さだったのです」みたいなトリックがある。裏にシンバルがはいるのでもっと速く感じる。そして例のギターのキメ。ハイハットは刻みつづけてるけど全体は半分のテンポになってる。

というまあこの曲はすごい単純に見えて細かいワザが聞いていて、ここらへんがニューロックなわけですなあ。

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センチな音楽はブーチーにおまかせ

秋になるとセンチメンタルな曲を聞きたくなるわけですが、私の場合はブーチー・コリンズ先生っすね。P-Funkというとゴリゴリにダンサブルな曲を思いうかべる人が多いと思いますが、ブーチー個人だとアップな曲よりセンチな曲の方がずっといいっすね。

「電話代がなんだっていうんだ!」みたいなのは今はわかりにくくなってるかもねえ。

ミドルテンポのもよい。
前にも書いたような気がするけどLove Vibesの女性ボーカルが好き。

他にもI’d rather be with youとかManchie for your loveとかYo motehr loves yaとか。

アップなのも。でもどれもセンチなところがあるんよね。

これは予備校教師時代に電車のなかで毎日聞いてました。

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ジャズ入門: エルヴィンジョーンズ先生の「至上の愛」を探求する(2)

前の記事、「ブレイキーのチュニジア、フレーズの流れは2-3なのにクラーベは3-2で打ってるんだよね。」っていう「はてブ」コメントもらってました。なるほど!まあ私はその程度のことがわからない程度の人間なのでそういうつもりで一つおねがいします。 続きを読む

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渡辺貞夫と福村博

渡辺貞夫先生は中学生のころに流行ったんですよね。今でも好きなのはこのStraight to the Top。

バックはピアノがデイブグルーシンなのはわかってたけど、他はマーカスミラー、エリックゲイル、リチャードティーとかですね。ベースいいと思ってたんですが、マーカスの音だとは気づかなかったなあ。
この貞夫先生はバックはいかにもヒュージョンなんですがあちこちII-Vだらけでバップフレーズ満載な感じがジャズメンだぜ!な感じで気持ちいいです。
渡辺先生バップ好きなんですよね。Confirmationをグレートジャズトリオとやってるやつ。あら、なくなっちゃったから最近のやつで。

前にも紹介したと思うけど、貞夫先生がスーパーバイズしてトロンボーンの福村博って人のアルバム作ってて、これが最高なんすわ。

こっちはベースはチャック・レイニー先生、ドラムはハーヴィー・メイソン先生ですばらしいです。

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春の祭典100周年 ピアノ版もよいです

前にも書いたんですが、今年は春の祭典100周年なわけです。
https://yonosuke.net/yonosuke/?p=222

この曲はまあオーケストレーションがすごくてそれが魅力なのだ、って思ってしまうんですが、実はこれ2台のピアノバージョンがあって、これがシンプルでけっこういいんですね。ピアノ2台でもちゃんとあの音が鳴る!

オケよりシンプルで音楽の構造とかってのがよくわかって、あの色彩感はオーケストレーションによるものではなく、音楽の骨格そのものがもってるんだとわかる。それにかえって二人の演奏者のリズム感覚がはっきり出る感じでオケ版よりよいくらいですわね。

ストラヴィンスキー先生といえば巨大オケの三大バレエ曲、みたいな印象がありますが、小さな編成の方が佳曲みたいなの多くて好きです。

Music for 2 Piano / Rite of Spring

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Stravinsky: Miniatures

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グランドファンクレイルロードのハートブレイカーとその影響

グランドファンクレイルロードというバンドがあって、まあ1970年ごはずいぶん人気があったらしいですね。「ロコモーション」とヒットした。ライブがとてもいいっていうバンド。

このHeartbreakerって曲はロックらしい名曲ですわね。原曲は1970年ですか。

私の好きなP-funk (Funkadelic)のMaggot Brainってのはこの曲を自分たちになりにやった、ってことなんでしょうなあ。1971年の曲。

おそらく井上陽水先生も好きだったんですよね。1972年。

憂歌団ってバンド好きなんですが、彼らはもろにやってる。

ははは。最後にロコーション聞きつつ暑い夏を過しましょう。もちろんグランドファンクのオリジナルではなく、もとはキャロル・キング先生の曲です。Youtubeにいろんなバージョンがあるので聞いてみてください。いろんなカバーの仕方がありますな。

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作曲家としてのレナード・バーンスタイン

レナード・バーンスタイン先生は言わずと知れた20世紀の大指揮者ですが、作曲家としてもおもしろい人ですよね。なんといっても「ウェストサイド・ストーリー」の作曲者だもんねえ。

まじめな交響曲とかも書いてるんですが、私はSongfestっていうオケつき歌曲集が好きでよく聞いてます。アメリカの有名詩人たちの歌詞に曲をつけたものです。

1〜3曲目はこんなの。

1曲目はおかしなファンファーレ調だし、2曲目はジャズと12音音楽が混合していてすごい不安。アメリカ人はいろいろ不安だったんすな。
3曲目はいかにもアメリカ音楽。
4曲目はホイットマンの同性愛的な恋愛を歌った曲っすね。バーンスタイン先生自身もあれだったわけですが、これはいいっす。すごいラブソングだと思います。

まあマーラーの交響曲からショスタコヴィッチの交響曲14番あたりに行って、アメリカポピュラー音楽と出会ってバーンスタインにたどりつく、みたいな。
ほんとにどの曲もいい。できれば歌詞調べながら聞いてほしい。

10曲目のZiziのLamentも好きです。

[spotifyplaybutton play=”spotify:album:4jUKk0L6xWzozKWBXvD5gc”/]

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チックコリア先生

ここ2、3週間ぐらいチック・コリア先生をよく聞いています。この人最近はなんか過小評価されてる気がしますね。宗教がらみであれだからっすかね。

チックコリア先生は最初に買ったCD 5枚のなかの一人で私は非常に好きだし思いいれもあるです。

はじめて聞いたのはライブアンダーザスカイかなんかのFMライブだったんじゃないかな。ゲイリー・バートン先生とのデュオ。こう涼しくて金属的な感じが素敵でした。ジャズっていうのはこういう抽象的なものだっていう印象があります。まあバルトークとかの音がするんよね。

https://www.youtube.com/watch?v=DCuitQrKbwI

アルバム買ったのはThree Quartetからだったかな。これは本当によく聞いた。すばらしい名盤っすよね。マイケル・ブレッカー(ts)、エディー・ゴメス(b)、スティーブ・ガッド(dr)っていう編成。まあこれが「ジャズ」本流かっていうとあんまり本流じゃなくて白人の抽象的ジャズなわけですが、当時はジャズってのはこういうもんだと思った。ガッドのドラムとかジャズかどうか、とか問題になったらしいですね。ジャケットもよくてね。

こう、すごく構成されてる曲でねえ。フォービートじゃない独特のノリがすばらしい。

Now He Sings, Now He Sobsも高校生のときに買ったんちゃうかな。Matrixとかジャズの歴史的にすごい曲なんですが、この曲がどうすごいのかっていうのはもちろん当時はわからない。実はこれはブルースなのだ、とか言われたってわからんですよね。

わかりにくいけど、いちおう12小節のブルース形式なんよね。これが12小節がひとかたまりになってできている、っていうのを聞けるかどうかが分かれ目というか。ドラムのロイ・ヘインズ先生がキレキレですごい。

Return to Foeverのころのは大学に入ってジャズ喫茶でバイトしはじめてから聞いたんですが、そのころフュージョンというのは悪しき音楽だってことになっててあれだった。しかし新鮮だったっしょーな。カモメのやつと羽毛のやつの2枚はぜひもっておくべきですね。名演ぞろい。でも有名なのばっかりだから貼らなくてもいいだろう。

実は1曲紹介したいのがあって、ボブ・バーグとやってるTime WarpというアルバムのWishって曲。これはバーグ先生の音楽人生で最高の演奏なんじゃないかなあ。すばらしい。

これはいいですよ。

Time Warp

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Chick Corea Quartet
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Everything But the Girlの2人にもお世話になりました。

ついでに書いておくと、Café BleuではEverything But the Girlの二人が客演してるんだけど、そのTracy Thorn先生のNight and Dayを渋谷陽一先生のラジオで聞いたときも腰抜かしたんだよな。

このEverything But the Girlの二人についてはもっと書くべきことがある。

って前のエントリに書いて、まあ書いておこう。

このTracy Thorn先生を知ったのは高3で受験勉強している時期だったんじゃないかな。渋谷陽一先生のNHK FMの番組は必ず聞いてた。StonesのWild Horses教えてもらったのも、Roxy MusicのAvalon教えてもらったのも渋谷先生。とにかく私の世代は渋谷陽一先生には頭があがらんのです。

このNight and Dayは本当に衝撃で、ギター一本でこんなことができるのか、みたいな。まあいちおうジャズとか聞いてはいたんだけど、モンクのHimselfとかコルトレーンのBalladsとか、チックコリアのThree Quartetとか。持ってる枚数も少なかったし、ジャズがなんであるかも知らなかった。ボサノバってのは知ってたけど、この演奏の新鮮さってのはもう猛烈で、ジャズとかボサノバとかそういうもんじゃないですよね。Cherry Readレコードの音。

これはあまりにも好きなので、10年ぐらい前に録音機とかそろえたときにカバーというかオマージュというかそういうの録音しました。2001年か2002年か。

https://yonosuke.net/yonosuke/and0724.mp3

もう1曲ソーン先生の曲。Small Town Girl

まあこのジャケットもよかったわね。買ったのは大学に入ってからだよな。おそらくスタカン聞いたあと。

ニコのFamme Fataleとかもやってるけど、オリジナルよりこっち先に聞いてる。

もう一人好きだったのがEverything But the Girlでコンビを組むBen Watt先生で、North Marine Driveって本当に名盤でいまだにiPhoneで聞くとうっと来る。

もう鬼のような完成度ですな。

こっちはアルトサックスのソロがよくて、これ誰なんかな。

こんなん聞きながら、山形〜京都とか北陸自動車道を自動車で走ってた。けっきょく私はセンチな音楽が好きなんよね。

とにかくこの2人のアルバム買えや!ごるぁあ。

A Distant Shore

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Tracey Thorn
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↑はどういうわけかNight and Day入ってないかもしれない。入ってるのもあるんだけど。

ベン・ワット
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↑いろんなバージョンがあるから安いのを買え。

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スタイルカウンシルが青春でした

梅雨の夜、だらだらビール飲みながらスタイルカウンシル聞いてました。大学1年から3年ぐらいの間、ほんとによく聞いててねえ。懐しい。懐メロ。

中心人物のポールウェラー先生がやってたJamっていうバンドは高校生のころA Town Called Maliceが流行て聞いてましたね。でもそんな注目してなかったし、アルバムはもってなかった。

今この曲を聞くたびにベースが残念でしょうがないですね。ウェラー先生がやりたいモータウンサウンドをこのベースの人はさっぱり理解してない。音の切り方がいかん。いや、こういうのを狙ってたのかなあ。そうじゃないだろう。だから解散したんだろうし。

大学入ってゲームセンターでバイトしているとき、優先で流れていた My Ever Changing Moodsがもうなんていうか衝撃でね。かかるたびにボリューム上げてました。MTVでも流行ったけど、PVはそんな好きじゃなかった気がするな。

アルバムCafe Bleu買って、これもしびれましたね。My Ever Changing Moodsがミックタルボット先生とのデュオになってて、かっこいい。こんなふうにピアノ弾けたらいいな、みたいな。でもそのころはコピーとかできなかった。数年前に挑戦したらそんな難しいことはしてないことがわかった気がする。

アルバムで好きだったのはあとはThe Whole Point of No Returnとかね。これもギター一本でボサノバっていうかジャズ風の9thとかのテンション入っているのがかっこよかった。まあ今聞くとけっこうインチキなんだけど。ははは。この曲聞くと当時の心象風景みたいなのを思いだす。

あとYou’re the best thingとかHeadstart for happinessとか。B面は多幸感あふれますなあ。「B面」なんて今の若い人々は知らんだろうけど。まあ大学入って京都にも慣れて、これから自分の青春が始まる、みたいな感じだったんかな。ほんとに新鮮な音だった。

でもまあ今聞くと「音まちがえてますよ」だけどね。

Shout to the Topとかね。

でも実際には、こういうおしゃれな音楽聞きながら、ゲームセンターでいっしょに働いてた立命館の学生と自分のアパートでぐだぐだ酒飲んだりゲロ吐いたりしてた。どっちもモテなくて金なくてね。街はなんかバブル前夜でみんなおしゃれにして遊んでるのに、俺らなんだろうな、みたいな。その立命のやつは、「私はモテるためにバイトでお金ためてスーツ買ったのに!なんでだめなんだろう」みたいな。まああとデビッドボウイのTonightとかあそこらへん聞いてたな。

おしゃれな「カフェバー」とかも流行ってたんだけど入れなくてねえ。もうなんであんな自信なかったんかね。悔しい。つらい。気が弱えーんだよ。もちろんナンパとかしたことない。合コンも学部時代に1回、大学院で1回の2回だけ。

Headstart for happinessって曲は、D.C.リー先生のちょっとフラットしているように聞えるコーラス〜リードがステキなんよね。

ドラムのシャッフルとフィルインかっこいい。「悪意という名の街」のときもこういうベース欲しかったんだろうし。

このリー先生はウェラー先生と結婚したんだったかな。まあ最初っからあれだったんだろうけど。Lodgersって曲でも素敵。

む、このバージョンじゃなくて、最初がリー先生の一人コーラスからはじまるバージョンの方が好きなんだけどな。とにかくこのハスキーボイスはすごい。12inch EPだったか。見つからん。それにしてもこのPVださすぎっすね。

まあでもスタカンはまわりに好きな人が多くなってあんまり聞かなくなったんだった。これはうまく説明しにくいけど、まあエリート意識があるのだ。ははは。音楽的にもっと高級っていうか複雑なものを聞いてしまったからかな。

Cafe Bleu

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Al Johnson、R. Kelly、富田ラボfeat.ハナレグミ

Al Johnsonって人のI’ve got my second windって曲が好きなんす。

コンピレーションに入ってたのでどんな人かぜんぜん知らんのですがね。
こういう分厚い9thとか入ってる音が好きでしょうがない。ドラムのドチー、ドチーがいいですよね。ハイハット開かれるとシビれる人間が世の中にはいるのです。

このタイプの音は昔から好きだったんですが、本気で好きになったのはR. Kelly先生の Thank God, It’s FridayのインコグニトMixですかね。これジョンソン先生のサンプリングしてるのかなあ。いや聞きなおしてみると違うな。

とにかくドラムが素敵な音楽はたまらんです。フィルイン大好き。

富田ラボの人とかハナレグミとかもおそらくこういうの好きでしょうがないんですよね。私も1曲でいいからこういう音を録音してみたいです。
https://www.youtube.com/watch?v=GLTDPWmeiGc

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春の祭典100周年を祝いましょう

今このまえ紹介したストラヴィンスキー先生の自作自演のCDをiTunesにApple Losslessで読み込み直して聞き直しているんですが、やっぱりストラヴィンスキー先生はすばらしすぎますね。これまた前に紹介した「結婚」とか「兵士の物語」とかいろいろ好きな曲はあるんですが、やっぱり「春の祭典」は特別にすばらしい。この前寝ながら聞いていて最終曲の「生贄の踊り」のドチャッドチャーチャチャチャ、で目が覚める思いをしました。

今年は春の祭典が初演されて100年目なんすね。ぜひこの機会にこの名曲を味わいつくしましょう。おすすめは一応ブーレーズですが、聞いてるうちにCDがどんどん増えていくタイプの曲です。この曲はまあ誰のCDを買ってもハズレはないですし、それぞれよいものです。

今日スコアを入手して見ながら聞いてたんですが、ほんとにどうやって演奏しているかわからないし、こんな曲を100年前に思いつく頭がおかしい。まあ拍子がおかしい難曲として知られてるんですが、バレエみながらだと自然に見えますね。

春が来て原始人みたいなのが儀式して 、女の子の中から一人選んで生贄にして殺す、みたいな筋なんですね。女の子がショック受けて暴れたり悲しんだり、ってのを描写しているんだと思うですがよくわからんです。

いくつかYoutubeで見てみました。

まず現代の標準的なのはこんな感じの振り付けなんすかね。誰だか知りません。おっぱい丸出しなのが現代な感じ。

ベジャール先生だとこんな感じ。セクロスセクロス。駅弁なんとかとかみんなでキメて楽しそうですが、サタデーナイトフィーバーみたいなのであんまり好きじゃないです。私がこのバレエをはじめて見たのはこのベジャール版じゃないかな。

今日はじめてオリジナルのニジンスキー先生の振付のやつを見たんですが、これいいですね。気が狂ってる感じがよく出てる。

聞き所は、やっぱり冒頭、なかば、最後と3回でてくるどちゃ!ちゃーらららのところの凄みを聞くところっすね。

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ストラヴィンスキー先生は全身音楽家

ストラヴィンスキーの音楽っていうのは本当に多彩で何回聞いてもよいものです。この人は演奏家に勝手に色付けされるのがイヤだとかっていって自分で作品のほとんどを録音しているんですが、それのリハーサル模様もyoutubeにはありますね。

こう、全身音楽家だっていうのがわかる。指揮の様子はただ棒振ってるだけだけど、指示出してる時の声の出し方とかもう音楽的でねえ。

この「コンプリート・ストラヴィンスキー22枚組」っていうのは安いしお勧めです。

Works of Igor Stravinsky

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無調音楽入門(16) フリージャズとの関係

んでまあここらへんまで来るともうジャズのフリーインプロビゼーションとかと変わらんところにあるわけですなあ。

セシルテイラー先生とかまあもう完全に1950年代の現代音楽の音だし。

現代音楽より肉体的で素敵ですよね。コルトレーン先生の系統のフリージャズってのはなんかとにかく吹きまくって力で押す、みたいなところがあるですが、セシルテイラー先生の系統のはもっとなんか知的に構成されてる感じ。
ジャズ喫茶で働いてたときはテイラーのソロピアノってのがなぜか人気盤でしたね。私も好きでした。
セシル・テイラー
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テイラー先生が50年代おわりぐらいにこういうの演奏してたら、デイブ・ブルーベック先生がやってきて、「ああ、君の演奏コンセプトはこういうことだろう〜」みたいに言ってきて、それがずばりだったのでテイラー先生が驚いた、とかって話があります。何をしゃべったかってことまではわかんないんですが、まあブーレーズやらシュトックハウゼンやらクセナキスやら、誰それの現代音楽のコンセプトをあれしてるんだろう、みたいな感じだったんじゃないですかね。

キースジャレット先生とかのフリーの独自魅力がある。

あとチックコリア先生なんかもフリーにやってたりもする。

まあ60〜70年代のジャズの一つの音ですわね。

Somewhere Before

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Keith Jarrett
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無調音楽入門(15) 吉松隆先生のニューロマン主義

まあ現代音楽はもうほんとうになんでもありなわけですが、吉松隆先生の「朱鷺によせる哀歌」(1981)とか名曲だと思いますね。「もう無調は古いぜ、調性の時代だぜ」みたいな。

現代音楽のマンガっていうと巨匠さそうあきら先生の『ミュジコフィリア』がまんま現代音楽作家・演奏家たちの世界を描いてますね。舞台が京都であちこち知った場所が出てくる。

さそう あきら
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いまんとこさそう先生の作品としてはもうひとつもりあがってない気はしますが、きっと大展開してくれるでしょう。

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無調音楽入門(14) まああとはなんでもあり

まあケージ以降はもうなんでもありっすな。

五線譜に書かないで図形見せて「これで適当に弾け」とか、断片だけ並べて「目にとまった順に弾け」とかもう滅茶苦茶。現代音楽とかやっぱりケージあたりで終ってる、というかはじまってる、というか、もうみんなアイディア勝負だし耳の勝負。ただうるさいだけのやつもあれば、なんか素敵な音が鳴ったり奇妙な手触りがしたりするものもある。まあどれもメロディーっていうか音の並びをおぼえたりするのは難しいけどねえ。

実際にはけっきょくどう聞こえるか、ってのが勝負なんで、裏でどういうこと考えてるのかはわからないし聞いてる方にはどうでもいいことですなあ。

日本人作曲家のもいくつかあれしますかね。

武満先生のギター音楽はいいですよね。ベルクみたいなロマンチックなものも感じるし、メシアンやブーレーズの響きもする。武満先生は文章もうまいので人気ありましたね。正直なところ、私が現代音楽とか聞きはじめたのは武満先生の文章のせいです。

近藤譲先生好きなんですが、このひとはもうなにも考えずに五線譜に音置いてくって主張してます。ほんとかどうかはわからん。NHK FMで「現代の音楽」っていう番組やってて、それでエアチャックした「時の形」っていう曲が好きでねえ。一昨年ぐらいにライブ録音したとかって情報が流れてたけど、CD出ないのかな。

もう一人、八村義夫先生っていう人紹介しますか。この「錯乱の論理」って曲はすごい名曲だと思うんすけどね。ヒステリー体質の女性(ピアノ)が錯乱してる感じ。

まあもっといろいろあるけど、入門編はこういうのでおしまいっすね。私は中級の下ぐらいで上級の人がなにを考えて音楽聞いてるのかはよくわからんです。

あとまあバルトークの方向性を追求してみたルストワフスキ先生とかベリオ先生とか、ペンデレツキだクセナキスだとまあいろんな方がいらっしゃいますが、そういうのは本でも読みつつ楽しんでください。youtubeはたいていの人のが手にはいってすばらしいですね。PCのスピーカーで鳴らしてももうひとつですがヘッドホンならなんとか聞けますからハブファンしてください。

福田進一
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音、沈黙と測りあえるほどに

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武満 徹
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無調音楽入門(13) でもそれじゃでたらめやっても同じじゃないですか

しかしこうなってくるとあれですわね。リスナーにはどうやって曲つくってんのかわかるわけもないわけだし、ちゃんとした構造みたいなものはもう聞こえなくなってる。サウンドがすべて、というか。

んじゃ、わざわざ音並べてセリーだなんて言わなくてもいいじゃん、ていう発想が出てきますなあ。

現代音楽といえばジョン・ケージ、ケージといえば現代音楽な先生は、「もうそういうのやめてサイコロ振って音置いてっても同じじゃん」と言ったのか言わないのか。

とりあえずこんな音楽を作ってみる。中国の易を利用して偶然性を導入したのじゃ、あらかじめ音の高さ、長さなどを設定しておいて、それをサイコロで決定したのじゃ、みたいな。

まあしかしですね、ケージ先生がこの曲を本当にサイコロ振って作ったのかどうかは疑わしいんじゃないですかね。思ったように鳴らないと「あ、いまのサイコロなし。こんどが本当のサイコロだし」とかやってたんじゃないかと思いますわ。

ケージ先生はこういうやる前にすでにプリペアドピアノで有名になってて、まあピアノの内部に消しゴムやピンつめたりして打楽器にしちゃって鳴らす。インドネシアのガムランとかの影響だとか。けっこういいです。

ガムラン(gamelan)はドビュッシーなんかもすごく気にいったっていう話だけどたとえばこんな音。

ケージ先生は他にもいい曲がたくさんある。4:33とかのアイディア一発の人ではないです。ちゃんとした耳をもった音楽家。

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無調音楽入門(12) ブーレーズ先生とかのセリー音楽

指揮者として超有名なブーレーズ先生ですが、この人もともとはキレキレの作曲家だったわけっす。メシアン先生とかとつきあいがあったりして。評論家でもあって、「シェーンベルクは死んだ、これからはウェーベルンの時代だ」みたいなのを1951年ごろに論文書いて大ウケしたりして。

メシアン先生は音の高さ(音階)に加え、音の長さや音の強さも並べてそっから音をチョイスするっていう方法を考えだした。でもメシアン先生がそのなかのどの音を選ぶかっていうのは、まあよくわからんというかメシアン先生のセンス。

でもこれでもヌルい、と。シェーンベルク〜ウェーベルンたちの12音技法ってのは音の「順番」を決めて、それを前から鳴らしたり後ろから鳴らしたりひっくりかえしたりしてた。んじゃ、これとメシアン先生のやりかたをミックスしたらどうだろう。あらかじめ音の高さ(音階)だけじゃなくて強さや長さも順番決めた列(セリー)にしておいて、それを操作して曲作ったらかっこいいんちゃうか、と。

まあそんなん聞いてる方にはなんだかわからんですけどね。私も特に好きじゃないです。

でもこのやり方で名曲ができるんですな。「ルマルトーサンメートル」「主なき槌」ですか。どういう詩なのかは知らんです。

どこが名曲なんですかっ!って聞かれるとうまく答えられないけど、なんか独特のヒリヒリする感じがかっこいい。楽器の選択とかね。女性ボーカルなんかも入っていて、シェーンベルク先生の「ピエロ」を40年後にやってみた、感じなんですかね。

この技法でシュトックハウゼン先生なんかも有名になるんですが、私この先生のは好きな曲ないから飛ばします。ははは。

Le Marteau San Maitre

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無調音楽入門(11) メシアン先生の実験

メシアン先生というのはなんとというかへんな方で、ドビュッシーとかラヴェルとかストラヴィンスキーとかの系列なんでしょがなにやってるのかわかならない、みたいな。

ドレミファソラシドじゃない並びを勝手に作って、それにしたがって曲つくってたりしたいたいですね。サティーやドビュッシーやラベルはドレミファだとどうしてもドイツ音楽っぽくなっちゃうから、ミファソラシドレミでスペイン音楽っぽくしてみたり。ドビュッシーは前に書いた「前奏曲集」のVoilesでは人工的なC D E Gb Ab Bbなんて並びの音階で曲作ってみたりしたわけです。こんな人工的な音階でも音楽になるのであれば、もっと人工的にしてもかまわんのではないか、というのがアイディアらしいです。

戦争でドイツ軍につかまって収容所で書いたっていう「世の終りのための四重奏」は名曲っすね。8曲からなる組曲だけど、一番印象が強いのはこの第6曲かなあ。ユニゾンで延々へんな音階を鳴らす。どうもなんか天使がラッパ吹いたりしているのかもしれんです。

あとリズムがおかしくて、これもなんていうか前から弾いても後ろから弾いても同じリズムだよ、みたいなので構成してたりするらしいっす。ベートーベンとかロマン派の音楽ってのは基本的に「こうするとよい音が鳴る」っていう経験則みたいなののかたまりが理論になってんですが、ドビュッシー〜ウェーベルンのあたりから、音楽ってのはもう勝手に「理論」というか音の規則を作って、それを鳴らしてみる形になっていくわけです。もちろん作曲家の「耳」がさらに重要になるわけなんだけど。

ここらへんの曲はもうベートーベンやワーグナーみたいな調性の感じはなくなってますが、音の並びがある程度限定されているので聞きやすいですね。名曲。

好きなのは第5曲とか第8曲の映画音楽みたいなのとか、第3曲のクラリネット無伴奏ソロとか。まあ聞いてみてください。TASHIっていう音楽集団のやつがいいです。

んで、このメシアン先生が戦後に「音の高さを並べてそっから曲を作っているのであれば、音の長さとか強さとかも決めて並べてしまえばよいのではないか」とか言いだして作ってみたのがこの「音価と強度のモード」。音階の一つの音は必ずこの長さ(8分音符だとか付点2分音符だとか)でこの強さ(フォルテだとかピアノだとか)を決めておいて、その並びから音をチョイスして作ったらしい。

ウェーベルンのあの無機的な感じに近い音楽ができてる。あれよりもさらに無機的というか、不思議な美しさがありますね。このころになると、無調だとか12音だとかっていう響きにみんな慣れちゃってたんでしょうな。調性のあのひっぱられる感じは感じられない。

Quartet for the End of Time

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ファンク入門(9) ニュージャックスイング

私は60年代なかばの生まれなので、80年代末〜90年前半のNew Jack Swingとか好きなんですが、久しぶりにGuyのGroove MeのPVなんか見てみたりすると、このリズムの秘密みたいなのがわかったかんじ。
このバンドのテディー・ライリーとかJam & Lewisとかこういうニュージャックスイングってリズム流行らせたわけです。上の方でチキチキうるさくて、ベースがドンっドッツドッドッドて裏で入ってくるハネた16がニュージャックスイング。
ファンクってのはOn 1だ、とにかく小節の頭で強くダウンするのだ、って強調してきたわけですが、このリズムは一拍目はアップな感じなんですよね。踊ってる連中はみんな拍で上向きの勢いを感じて、拍の裏で落ちてくるみたいな感じ。Hip Hopの連中もヨーヨーってやるときに手が上に上がるんですよね。こういうのおもしろいですね。

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