『不安の概念』(8) 「規定」の意味がわかりません、ははは

んで問題の第1章第5節「不安の概念」というタイトルと同名の節をよみたいわけだけど、ここで止まってしまいました。 この節は「不安は夢見つつある精神の規定である」とかその手の超有名フレーズが頻発するんだけど、この「規定である」っていったいなんだっけ、みたいになってしまった。実はキェルケゴールを読むときに、この「規定」とか「中間規定」とか出てくると読めなくなるんですよね。何言ってるかわからん。 デンマー […]

『不安の概念』(6) 禁断が欲情を目覚ますが、欲情はまだ罪ではない

ちょっとキェルケゴールを引用すると、こんな感じ。 禁断を堕罪の条件とするなら、禁断が「欲情」を目覚ます事になる。……欲情は、責めや罪以前の責めや罪の規定であって、しかもそれは責めや罪などではない。すなわちこれらの責めや罪によって定立されたものなのである。 こういうのがふつう読めない。これ読めるって人は異常。英語やデンマーク語だとこういう感じ。 If the prohibition is regar […]

『不安の概念』(5) 禁止されるとやりたくなりますか

私が一番好きなイエスさんのお説教は、もちろん、これ。 「姦淫してはならない」と言われたのを、あなたがたは聞いています。しかし、わたしはあなたがたに言います。だれでも情欲をいだいて女を見る者は、すでに心の中で姦淫を犯したのです。(マタイ5:27あたり) 大事なことだから先生もう一度繰り返します。誰でも情欲をいだいて女を見るひとはすでに心の中で姦淫を犯したのです。もう一回くりかえしますよ、エッチな目で […]

『不安の概念』(4) 無垢はエロについて無知っす

んで、『不安の概念』の第1章第1節〜第2節では、アダムの最初の罪はよくわからんね、って話をぐだぐだやるわけです。まあここらへんでキリスト教の問題わからん人は読み進められなくなるですね。私も別にキリスト教にそれほど興味あるわけじゃないから読めない。キェルケゴールもよくわからずぐだぐだやってるんだと思う。まあここらへんいろいろ、とりあえず堕罪、原罪の話は大事だよ、ぐらいに読んどいていいんじゃないか。 […]

『不安の概念』(3) キェルケゴールの問いは

んでまあ、もどって、『不安の概念』の最初の2章で扱っているのは、キリスト教では人間はみんな罪人です、ってことになってますが、人間はどうやって罪人になるのですか、という問いだと思うんですわ。これ、つまり原罪の話ね。 人間にはアダム以来の原罪があるから罪を犯します。われわれはアダムとイブから原罪を遺伝されちゃってます。でもんじゃ、アダムはなぜ最初の罪を犯したのですか。これがキェルケゴールの問いね。 ま […]

『不安の概念』(1) 『不安の概念』はセックス哲学の本、性欲の本かもしれない

この前、年に1回のキェルケゴール研究者の会合に出て、いつものようにみんながなにを話しているのかほとんどわからなくて、絶望しています。まあそもそも私キェルケゴールあたりから勉強をはじめたのに、30年たってもそういう状態で、いろいろ思うところがあるわけです。「キェルケゴールと私」シリーズにも書いたんですけどね。 キェルケゴールとわたし(学部生編) キェルケゴールとわたし(修士課程編) キェルケゴールと […]

愛をめぐるモンテーニュさんとパスカル君

最近実存主義はやってるみたいですね。ていうか実存主義はいつも「哲学」に興味ある読書好き学部生の心をひきつけてるんだけど、まあ哲学というよりは文学の領域にはいってるところも多くて、大学で「哲学」や「倫理学」教えてるような人間が授業でいじるにはむずかしいところもある。パスカルやショーペンハウエル、ニーチェあたりはもっぱら文学の人が扱ってますわね。キェルケゴールなんかも本来は北欧文学かなんかやってる人が […]

ナカニシヤ出版「愛・性・結婚の哲学」を読みましょう (2)

愛 (愛・性・家族の哲学 第1巻) posted with amazlet at 16.07.16 藤田尚志 宮野真生子 ナカニシヤ出版 売り上げランキング: 352,993 Amazon.co.jpで詳細を見る 福島知己「恋愛の常識と非常識:シャルル・フーリエの場合」 実は刊行前に目次出たときから一番楽しみにしてたのがこの論文で、フーリエの『愛の新世界』っていう奇怪な大著の翻訳者本人のよる解説っ […]

いい人・ナンパ師・アリストテレス (4) アリストテレス先生の「高邁な人」はモテそうだ

まあそういうシステマチックな「ナンパ」というのはおそらくあれですわね。ふつうだったら人間の関係っていうのはもっと長い時間かけてゆっくりはじまるわけで、クラスで一番足が早いとか勉強ができるとか、みんなから信頼されているとか、そういうふうにしてどういうひとか知ってからおつきあいしたりセックスしたりするわけですが、高校とか出てしまうともうそういう関係を築くことが難しくなってしまう。自分の価値みたいなのを […]

進捗どうですか (9)

進捗だめです。 びゅんびゅん時間が過ぎてました。 某発表のためにフェルドマンの議論をちゃんとおさえる、という短期的目標をたててWhat is this thing called happiness読んで、2週間以上かかってしまいました。やっぱりこの本おもしろいなあ。時間測ってたんですが、40〜50時間ぐらいかかってる感じですね。14章と付録があって、まあ1章2時間弱みたいな感じ。ちょっとかかりすぎ […]

進捗どうですか (8)

進捗だめです。 短期的には19日のあれの準備をしなければならず、そのための文献調べている段階です。遅すぎる。ネタは「幸福」なわけだけど、どの程度の話にするべきなのかよくわからないので過去の『哲学の探求』読んだり。まあなんにしても私はエレメンタリーな話しかできないわけですが。お客さんがどういう人びとか予想するっていうのは私は一番大事な作業だと思ってます。関東の哲学関係の院生とかの雰囲気というのはもう […]

「愛と性の西洋思想史」読書案内

最初にブラックバーン先生の『哲人たちはいかにして色欲と闘ってきたのか』読むとよいと思う。 古代ギリシア・ローマ サッフォーの恋愛詩は岩波文庫の呉茂一訳『ギリシア・ローマ抒情詩選』にはいってます。 プラトンは『饗宴』だけでなく『パイドロス』も読みましょう。どちらも岩波文庫にあります。 アリストテレスの『ニコマコス倫理学』は京都大学出版会の朴先生の訳で読んだ方がよい。ちょっとむずかしい。 ディオゲネス […]

認知の歪みと研究者生活

うつ病とかになるひとには、独特の認知の歪みとかがあるっていう話を聞いたことがあります。有名なのはデビッド・バーンズ先生の歪みリストですね。いろんなページで紹介されてますけどたとえば http://d.hatena.ne.jp/cosmo_sophy/20050119 とか。 すべてか無か思考。完璧じゃなければ意味がない。 過度の一般化。一つの例から一般法則を導いちゃう。 心のフィルター。悪いことし […]

キェルケゴールとわたし(死ねないこと、それこそが絶望である編)

  諸般の事情で情報倫理とか勉強するチャンスをもらえる。どもありがとうございます。少し生き返る。 まあそういう意識でキェルケゴールのことを考えると、内心の秘密とか、コミュニケーションとか、プライバシーとか、大衆社会とか、キェルケゴールってけっこう現代社会を哲学的に考えるときのヒントになるかもなあ、みたいなことは考えたり。まあこの方針はいまだにいろいろありそうだという気がしている。 超ラッ […]

キェルケゴールとわたし(修士課程編)

まあとにかく大学院進学。西谷先生は私の人生についてほんの数秒でさえ考えてなかっただろう。 ワープロ買った日から日記をつけはじめているのだが、フロッピーとかなくしてしまった。 大学院に入って奨学金もらえることがわかってPCを買ったんかな。んで1989年の5月17日からの日記が残っている。ここらへんから記憶が少しはっきりしてくる。やっぱり日記は大事よね。 現在残っている日記の最古の記述は「やっとMif […]

キェルケゴールとわたし(学部生編)

なんちって。 功利主義とわたし 生命倫理学とわたし の姉妹編。 もちろん学部生のころはなにも考えてなかった。哲学についてもほとんどなにも知らない状態だったんじゃないのかなあ。 3回生になって文学部の授業受けられるようになって購読とか履修しなきゃなんなくて、枡形公也先生の『死に至る病』をドイツ語で読んでる授業に出た。履修しているのは4、5人だったかな。Liselotte Richter先生の訳で。そ […]

オペラを勉強してモテるようになろう!

「セックスの哲学」といえば、面倒なことせずにモテる方法とかってのを期待している人も多いんじゃないかと思うので、おそらくモテるために学んでおくべきことを示唆しておきたいですね。まああくまでおそらくなんですけど。あとに述べるように哲学者や哲学研究者自身はモテることはむずかしい。 モーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』の主人公はドン・ジョヴァンには伝説的女たらしで、もうどんな女性でもオトせます。 まずはド […]

セックスの哲学史

最初のエントリに書き忘れてましたが、セックスの哲学があるので、当然セックスの哲学史もあるです。ソーブル先生とかはあんまり得意じゃない感じだけど、この分野もかなりおもしろい。実はほとんどの有名哲学者は、なんからの仕方で愛やセックスについて語っているのです。セックスなり愛なりエロスなりを軸にして哲学史を見ていくと意外なものが見えてくるかもしれないです。まあ私キェルケゴールから勉強はじめたので、特にそう […]

生命倫理学とわたし

なんちゃって。「功利主義とわたし」 の兄弟編。 前史 学部~Mのころはなにも考えてなかった。アルバイトだし。卒論はキェルケゴール。修論も。 でも小学生のころから医学とか生物とかそっち系の科学とは好きだったねえ。学研(?)の学習マンガシリーズで『人体の不思議』とか『生命の神秘』とか買ってもらってね。小学3~4年生で子どもが『生命の神秘』読んでたら親心配したろうねえ。なんか男性が水撒きホースにぎってま […]