ポップ音楽でリテラシー (1) 本を読んで

学生様と話をしていて、好きな音楽の話なんかを聞きたいわけですが、うまく説明できる人はそれほど多くないですね。「よい」「好きです」ぐらいで、なにがどうよいのか、どこがどう好きかを説明できる人はあんまりいない。というか、歌詞や曲をよく聞いてないというわけでもないと思うんですが、分析的に聞いたり説明したりすることはなかなか難しいものです。 とかって考えて、そういうので卒論を書きたいという学生様もいたりす […]

女性には男性の性欲がわかりにくいのだろう

前エントリの続き。 スティーブン・ピンカー先生の『暴力の人類史』は非常におもしろいので、あらゆる人が読むに値すると思います。暴力の歴史と心理学が延々書いてあってとても楽しい(暴力が楽しいのではなく、各分野の最新の知見が得られる)。最初の方の拷問の話は読むと冷や汗をかくので苦手な人は飛ばしてもいいと思う。そこ飛ばせばあとはそんなひどいのはない。 当然殺人だけじゃなく人種差別、児童虐待、ゲイバッシング […]

牧野雅子先生の『刑事司法とジェンダー』

昼間ちょっと某氏と性犯罪対策みたいなのについて話をする機会があり、牧野雅子先生の『刑事司法とジェンダー』読みなおしたり。この本は非常に興味深い本で、元警察官で、警察学校の同期が連続強姦で逮捕されたという経験をもつ方が書いてる。警察内部の取調べマニュアルとか、その連続強姦魔の書簡や聞き取りなんかから構成されていて非常に読みごたえがある。性犯罪とか刑事司法とかそういうのに関心ある人は必読だと思いますね […]

田村和紀夫先生の本を読もう!

これ、昔書いてそのまま「下書き」になってた。その後、さらにいくつか読んだんですが、とにかくこの先生はすばらしいので読みましょう。 ——————————–図書館で音楽の本をパラパラ見てたら、田村和紀夫先生という方がいらっしゃることを知りました。このひとすごいわ。 このブ […]

2013年に読んだ本ベスト10

風雲児たち 幕末編 21 (SPコミックス) posted with amazlet at 13.12.28 みなもと 太郎 リイド社 (2012-11-29) Amazon.co.jpで詳細を見る 昨年末から1月にかけて読みました。おもしろいねえ。やっぱり大志は大事だ。それぞれ自分の役目があります。 人類の歴史を変えた8つのできごとI――言語・宗教・農耕・お金編 (岩波ジュニア新書) poste […]

進化と道徳の本

進化と道徳の関係について、いろいろ本があるなあ、とか思ったり。いっぱいありすぎてわけわからんわね。学生様になにをおすすめすりゃいいのか。私もずいぶん読んだんですが、特におすすめのやつ。 超基本書。読んでない人は読書人としてモグリ。 利己的な遺伝子 <増補新装版> posted with amazlet at 13.07.04 リチャード・ドーキンス 紀伊國屋書店 売り上げランキング: […]

ブックガイド:倫理学入門の読書順

サンデル先生がテレビで放映されたり児玉聡先生の『功利主義入門』が出たりして(英米系の)倫理学が人気なようです。入門書を読んでいくおすすめの順番を考えたり。 功利主義入門―はじめての倫理学 (ちくま新書) posted with amazlet at 16.02.21 児玉 聡 筑摩書房 売り上げランキング: 11,458 Amazon.co.jpで詳細を見る まあやっぱりここらへんから。非常にクリ […]

文章本

まあレポートとか卒論とか、文章は簡単には書けないです。私もこの歳になってもいろいろ反省したり。大学生ともなれば、はやいうちに「文章の書き方」関係のハウツーは何冊か読んでおく必要があります。 論理的に書く方法―説得力ある文章表現が身につく 作者: 小野田博一 出版社/メーカー: 日本実業出版社 発売日: 1997/06 メディア: 単行本 購入: 3人 クリック: 13回 この商品を含むブログ (1 […]

3回生のうちに絶対読みましょう

労働ダンピング―雇用の多様化の果てに (岩波新書) 作者: 中野麻美 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2006/10/20 メディア: 新書 購入: 5人 クリック: 201回 この商品を含むブログ (70件) を見る 今ごろ読んだんだけど、非常に重要。いろいろ出ている「格差本」のなかで一番まともなじゃないかしら。非正規雇用(派遣やパート)の労働状況の現状(2、3年前だけど)を描いている第 […]

ミル自伝

みすず書房から出た村井章子訳の『ミル自伝』(「大人の本棚」とかってシリーズ)。解説のたぐいがまったくない。訳注もないみたい。人名ぐらい注つけてもいいのに。 『自伝』原稿出版の経緯 1)生前は出版されなかったし、養女のヘレン・テイラーがいろいろ手を加えた部分がある。ミルが自分の性生活について書いてるのが残っていればおもしろかったのにね。ハリエットテイラーとはずっとプラトニックでした、とか。 や実際に […]

読書『女が男を厳しく選ぶ理由』

女が男を厳しく選ぶ理由(わけ) posted with amazlet at 18.02.08 アラン・S・ミラー/サトシ・カナザワ 阪急コミュニケーションズ 売り上げランキング: 595,503 Amazon.co.jpで詳細を見る だいたい同じような話だろうと思っていると、ちょっとづつ進んでるのね。この手の学問やってる人はたいへんだろうけどやりがいもあるだろうなあ。ただ、たしかにこの本はかなり […]

中里見博先生のポルノグラフィ論 (2)

最近児童ポルノの単純所持の違法化の議論あたりの影響か、「中里見博」で検索してたどりつく人が増えているような。http://d.hatena.ne.jp/kallikles/20060313/p1 にひっかかって来訪していただいているらしい。 新しい本を出してらっしゃるのでじっくり読んでみる。(前にも書いたが政治的にはまったく違う立場に立つけど、やっていること自体や立派な学者的態度は応援している。) […]

小谷野先生の『なぜ悪人を殺してはいけないのか―反時代的考察』

小谷野敦先生は私が敬愛する人の一人。おもしろいことを色々書いていらっしゃる。共感するところも多い。一回は御著書についてなんか書いてみてかった。死刑の問題については最近興味があるので読んでみよう。 それは対偶ではないですよ。 ・・・これを、当為命題の形で言うなら「何の罪もない人を殺してはいけない」になるだろう。しかし、それと同値である対偶命題は、「罪のある人は、殺してもいい場合がある」になる。(p. […]

加藤秀一他『図解雑学 ジェンダー』

読んでみたが、コンパクトで平明な表現なのに目先が利いていて非常に優れた入門書。これ1冊あれば他の入門系の本はいらんのではないか。 しかし、より深く考えてみると、ジェンダーとセックスという境界線をどこに引くか、何がジェンダーに含まれ、何がセックスに含まれるかという認識そのものも絶対的ではなく、時代や地域、あるいは学問的立場によって変化する。そこで現在では、性別に関する知識や考え方全体を指して「ジェン […]