牟田先生たちの科研費報告書を読もう(3)

牟田先生のセックス平等の話をするまえに、もうすこしだけ他の論文に簡単なコメント。 元橋利恵先生の「新自由主義セクシュアリティと若手フェミニストたちの抵抗」は、二つの話題があって、「女性は自分の性器の呼び名がない」みたいな話と、「最近は女性が競争(新自由主義)のために男向けにいろいろ努力してる」みたいな話をくっつけようとしてるみたい。 まあ性器の呼び名みたいなのは古い話で、ろくでなし子先生みたいな方 […]

品川哲彦『倫理学の話』書評

(『週刊読書人』第3124号 2016年1月22日掲載の草稿) 倫理学の話 posted with amazlet at 16.02.21 品川 哲彦 ナカニシヤ出版 売り上げランキング: 209,026 Amazon.co.jpで詳細を見る   本書は、読みやすい倫理学概論および学説史である。叙述は歴史的順序には従わず、著者独自の観点からの配列となっているが、しっかりした索引、注および […]

品川先生その後

正義と境を接するもの: 責任という原理とケアの倫理 作者: 品川哲彦 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版 発売日: 2007/10/25 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 33回 この商品を含むブログ (23件) を見る 品川哲彦先生のリプライは http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~tsina/WBJcommentSE.htm 。 (もとのレジュメは ) […]

品川先生:時間ぎれ

正義と境を接するもの: 責任という原理とケアの倫理 作者: 品川哲彦 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版 発売日: 2007/10/25 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 33回 この商品を含むブログ (23件) を見る コメントのレジュメ。 追記(7/30) もっと共感的に読むべきだったのははっきりしてます。っていうかそういうの私はunderstandingじゃなくてダメダメ。でもあ […]

ノディングス先生名言集

ケアリング―倫理と道徳の教育 女性の観点から posted with amazlet at 18.02.08 ネル ノディングズ 晃洋書房 売り上げランキング: 91,176 Amazon.co.jpで詳細を見る なんか翻訳大丈夫なんだろうか。わたしが持ってるのは第4刷。3刷で訳直したみたい。 翻訳の問題だけじゃなくて、論述上の問題をかかかえた本に見える。アマゾンで「原典そのものが難解」と評してい […]

まだ文献あつめ

ヨナスには興味はないが。 尾形敬次先生 尾形敬次「存在から当為へ:ハンス・ヨナスの未来倫理」 http://ci.nii.ac.jp/naid/110006273675/ 。ほう、これは役に立つ。 ヨナスの思想は一般の人びとや政治家たちには高く評価されている。連邦政府の現政権党である社会民主党は積極的にヨナスの思想を自分たちの政策に導入してきた。一方、大学の哲学研究者の間での評価は必ずしも高いとは […]

品川哲彦先生のもゆっくり読もう(7)

久しぶりにちゃんとした哲学者が倫理学考えている本という感じ。 ヨナスとケアの倫理に関しては十分に紹介検討されていなかったので、この本は貴重。 全体、しっかり真面目に地道にやっててとてもよい。私も見習いたい。 ジョン・ロックのところとかも正確だし。たくさん真面目に勉強してるなあ。 注、文献情報なども充実していていかにも学者の作品でとてもよい。 特に第2部は綿密に研究されていて勉強になる。 どうしても […]

品川哲彦先生のもゆっくり読もう(6)

第12章第2節 権利とそれに対応する他人の義務のところ(p.270)。妨害されない権利と助力される権利。(あるいは他人から見ると妨害しない義務と助力する義務)。ホーフェルドだったらもうひとつぐらいあるって言うはず。まあOK。 生存は爾余の権利が成り立つための先行条件である。それでは、生存への権利は、生存に必要な財を供給する義務を他者に課すほど強い権利だろうか。しかしながら実際には、不当に殺されない […]

品川哲彦先生のもゆっくり読もう(5)

第9章 「ケアの倫理、ニーズ、法」 なんかまとまりが悪いと思う。 第10章。「ケア対正義論争」 ここは大事な章なんだろう。 第1節。「メタ倫理」やっぱりわけらんな。 ケアの倫理は、状況の個別性を顧慮しないかぎり適切な行為は確定できないという個別主義をメタ倫理学上の立場とする。この立場を先鋭化した例がノディングスである。一方、正義の倫理は、公平に適用される原則を重んじる普遍主義をメタ倫理学上の立場と […]

品川哲彦先生のもゆっくり読もう(4)

今日もちょっとだけ。ノディングスの翻訳発掘した。第8章はゆっくり読みたい。 3.1 よいです。 3.2 よいです。 3.3 「倫理の根拠」(p.177)。根拠ってどういうことなんだろう。 私が相手をケアしはじめるとすれば、私は誰か他のひとからケアされ、他のひとをケアした経験を想起して、その相手をケアしはじめるのだ。ケアする気持ちが自然に発露しないときに、ケアリングを誘発するのが過去のケアリングの記 […]

品川哲彦先生のもゆっくり読もう(3)

今日はちょっとだけ。 p.161あたりから。 さて、正義の倫理は、ある人間がある状況においてすべきことは同様の状況における他の人間にもあてはまるという普遍化可能性を根拠にして行為を指令する。ところが、自他の実質の差異が看過されるのであれば、普遍化可能性とはいったい何を意味しちえるのか。ノディングスは普遍化可能性そのものを否定する。というのも、そのつどの状況は普遍化されえぬほど個別だからだ。(p.1 […]

品川哲彦先生のもゆっくり読もう(2)

第2章。 環境倫理はあんまり関心ないからまじめに読むのはむずかしい。 「環境主体」とかって言葉気になる。まあOK。 人間中心主義とか非人間中心主義やら、ここらへんの分け方もあれなんだけど。まあOK。 「非人間中心主義にしても、たんに利益の主体を人間以外の生き物に広げるだけなら、やはり利益と欲求を倫理の根拠とすることに変わりない。たしかにどの生き物も存続したいかもしれない。だが、生存したいなら生態系 […]

品川哲彦先生のもゆっくり読もう(1)

正義と境を接するもの: 責任という原理とケアの倫理 作者: 品川哲彦 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版 発売日: 2007/10/25 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 33回 この商品を含むブログ (23件) を見る とりあえずすでにざっと読んでるんだけど、機会があるので10日間ぐらいかけてゆっくり読んでみたい。 品川先生は私が子どものころから某研究会の中心的なメンバーだったので、 […]

他の文献も読んでみる

手に入りやすいものだけ適当に見てみましょう。 斎藤真緒「「ケア」をめぐるアポリア」、『立命館人間科学研究』第5号、2003。国内の基本文献調査。見通しがよくて役に立つ。「感情労働」についても論じている。なにが「アポリア」かよくわからない。 どうも中村直美先生が「アポリア」として指摘したってことらしい。 中村先生調べないと。 宮内寿子先生がけっこうよい。 「ケア倫理の可能性」『筑波学院大紀要』第3集 […]

On Bullshitその後

『ウンコな議論』 ISBN:4480842705 に品川哲彦先生が 書評を書いている。 うーん、品川先生は山形先生の出典や解説その他の問題についてはぜんぜん触れていないな。いろいろ指摘していただけるのではないかと思っていたのだが。やっぱり私の勘違いなのかな。 あと、 フランクファートはウンコな議論の横行に対抗する術を説いているわけではないが、本書のなかに引用されている、友人のちょっとした不用意な表 […]