翻訳ゲリラ:性的指向

Spencer A. Rathus, Jeffrey S. Nevid & Leis Fichner-Rathus, Human Sexuality in a World of Diversity, 6th ed., 2005の一部「性的指向」(p.292以下)勝手な訳。誤植とか見つけたらコメントしてください。選択して上の「コメント」ボタンを押す。


性的指向を指向して

性的指向(sexual orientation)とは、ある人が自分の同性あるいは異性の人に対してエロチックな魅力を感じたり、ロマンチックな関係を築いたりすることにかかわります。Q:どんな種類の性的指向があるでしょうか? 異性愛的指向(heterosexual orientation)とは異性にエロチックな魅力を感じたり、ロマンチックな関係を気付いたりすることを好んだりすることです。(同性愛の人々の多くは異性愛の人々を「ストレート」straightあるいはstraightsと呼びます。)

同性愛的性的指向とは、自分の同性の人にエロチックな魅了を感じたり、ロマンチックな関係をもとことに関心をもつことです。同性愛という言葉は自分と解剖学的な性が同じ人に性的な関心を抱くことを指し、男性にも女性にも使われます。同性愛の男性はしばしばゲイ男性と呼ばれます。同性愛の女性はしばしばレズビアンと呼ばれます。ゲイ男性とレズビアンは、集合的に「ゲイ」や「ゲイピープル」と呼ばれることもあります。バイセクシュアルという言葉は男性にも女性にも性的な魅力を感じ、ロマンティックな関係をむすぶことに関心をもつことを指します。

用語に親しむ

さて、上で一応同性愛を定義しましたが、この言葉はかなり論争のまとになることに注意しておきましょう。ゲイピープルの一部の人々は、同性愛(ホモセクシュアル)という言葉に反対します。というのは、この言葉は性的な行動に注意を引いてしまうからです。さらに、この言葉は社会的なスティグマもともなっています。APA(米国精神医学協会)のレズビアン・ゲイ委員会(1991)は、同性愛という言葉は歴史的に異常や精神病とも結びつけられてきたと指摘しています。同性愛という言葉を使うことによってゲイピープルについてネガティブなステレオタイプを継続させることになります。また、この言葉はしばしば男性だけに使われます。そしてそれよってレズビアンの人々を目立たなくさせてしまいます。それゆえ、ゲイ男性的・レズビアン的性的指向という言葉の方を好む人も多いのです。

同性愛(ホモセクシュアル)という言葉は両義的でもあります。それは性的な行動を指すのでしょうか、それとも性的な指向を指すのでしょうか?この本では、私たちは(ヘテロセクシュアル行動ではなく)男性-女性性行動、男性-男性性行動、女性-女性性行動という言葉を使って、性的行動と性的指向を区別しやすいようにします。

性的指向とジェンダー・アイデンティティ

Q:同性愛の人はむしろ反対の性なのではないでしょうか?

ゲイピープルは自分と同じ性の人に魅力を感じるのですから、自分自身が異性であることをこと望んでいるのではないかと想定する人もいます。しかしながら、ゲイピープルの大多数の人は異性愛の人と同様に、自分の解剖学的な性と一致したジェンダーアイデンティティを感じています。J. Michael Bailey (2003b)のこう書いています。「極端にゲイ」な人々トランスセクシュアルになる——つまり、自分の文化で異性の人々が送っているライフスタイルを採用する、と。しかし異性の身体に「とらわれた」感覚は、ゲイであることの定義には含まれていません。

異性愛者が同性愛者について考える場合、男性・男性関係や女性・女性関係の性的な側面に注目してしまいがちです。しかし、同性愛者の愛情関係は、異性愛者と同様に、セックス以上のものを含んでいます。異性愛者と同様に同性愛者は、性的活動に少ししか時間を使いません。ゲイ男性的・レズビアン的性的指向にとってもっと基本的なのは、自分と同性の人とロマンチックな愛着関係を形成しようとするところです。こうした愛着関係は、男性・女性間の愛着関係と同じく、愛情と親密さのための枠組となります。性的関係と愛情は人間関係という共通の特徴をもっているわけですが、どちらも人間関係のための必須条件ではありません。性的指向は性的活動そのものによって定義されるのではなく、むしろロマンチックな関心やエロチックな魅力(を感じること)によって定義されるのです。

性的指向の分類: イエス・ノーかで十分か?

ある人の性的指向を決定することは、クリアカットな仕事だと思われるかもしれません。ある人々は完全にゲイで、性的活動を同性とのものに限っています。また他の人々は厳密に異性愛的で、性的活動を異性のパートナーとのものに限っています。しかしながら、多くのひとはその中間に位置しているのです。

Q: ゲイ男性やレズビアン的性的指向と、異性愛的性的指向の間のどこに一線を引くべきでしょうか?またこれらとバイセクシュアルの間のどこに線を引くべきでしょうか?

異性愛の人々が同性の何人かと性的経験をもつのは可能ですし、それどころか珍しいことでもありません。Eisenberg & Wechsler (2003)は119大学の10,000人以上の大学生に調査しました。6.1%が同性と性的な経験をもったことがあると返答しました。あとで見るように、6%という数字は人口おける同性愛者の数のおそらく2倍程度です。異性愛的なはけ口がないために、思春期の少年少女や、刑務所収容者のように隔離された人々は、異性愛者としてのアイデンティティを保持したまま同性と性的経験をもつ場合があります。

ゲイ男性やレズビアンも、ゲイ性的指向を保持したまま、男性・女性間の性的活動に参加することがあります。ゲイ男性やレズビアンのなかには、異性と結婚しながら、同性に対する満たされない欲求をかかえている人もいます。また、バイセクシュアルではあるが、同性に対して感じる魅力にもとづいては行動しない人々もいます(Edser & Shea, 2002)。

性的指向は必ずしも性的行動において表現されるとは限りません。多くの人は、同性とセックスするずっと前から、自分がゲイか異性愛者かを理解しています(Diamond, 2003a; Savin-Williams & Diamond, 2000)。ゲイも異性愛者も同じように、宗教的あるいは禁欲主義的な理由から、性的に不活発(celibate)なライフスタイルを採用しています。

人のエロチックな関心や空想が時間も時間とともに変化することがあります。ゲイ男性やレズビアンは散発的にヘテロエロティックな興味関心を経験します。異性愛の人々も時折ホモエロティックな関心をもつことがあります。女性の性的指向は男性の性的指向より柔軟で可塑性があることが明らかになっています。女性の方がより社会的経験に依存しているのです(Bailey, 2003a, Diamond, 2000, 2002, 2003a)。同性愛者に関する古典的な調査では、調査対象となったレズビアンの約50%が時に男性に魅力を感じたと報告しています(Bell & Weinberg, 1978)。Lisa M. Diamond (2003b)は、5年間にわたってレズビアンとバイセクシュアルの女性を調査し、3人をインタビューしました。彼女の発見によれば、25%以上の女性が時間の経過につれて自分のレズビアン的・バイセクシュアル的指向を放棄しています。これらの人々のうち、半分は自分を異性愛者だと考えなおすようになり、もう半分は自己規定することを放棄しました。異性愛の人々の一部は同性との性的活動にかんする空想を報告しています(第9章)。同性愛者についての古典的な研究であるMasters & Johnson (1979)は、多くのゲイピープルは異性との性的活動のついての空想をレポートしています。

このように、異性に魅力を感じることと同性に魅力を感じることは、相互に排他的ではありません。人々はさまざまな程度でどちらかの性の人々に関心を抱き、性的体験をもちます。キンゼーと共同研究者は、ゲイ男性・レズビアン的性的指向と、異性愛的性的指向の間の協会は、時にぼやけていることを認識しました。キンゼイと共同研究者らによれば次のようです。

世界を羊と山羊に分けようとするべきではない……人間の精神がカテゴリーを作り、事実を別々の整理棚に入れようとするのだ。生きた世界はどんな側面においても連続体なのだ。(Kinsey et. al., 1948, p.639)

キンゼイと同僚(1948, 1953)は性的指向の連続体の証拠を調査した人々から見つけました。この調査では、バイセクシュアルが、排他的に異性愛的な人と、排他的に同性愛的な人の中間に位置づけられました。被験者は異性愛-同性愛連続体の上に7段階で位置づけられました(図10.1)。人々は性的な魅力の感じ方と行動によって、連続体のどこかに位置づけられました。カテゴリー0の人々は排他的に異性愛です。カテゴリー6の人々は排他的にゲイです。

Q: 人口のどれくらいがゲイでしょうか?

キンゼイと同僚たちは男性の4%、女性の1〜3%が排他的にゲイ(彼らの尺度で6)と報告しました。もうすこし多くの割合の人がゲイ優勢的(尺度で4か5)であるか、異性愛優勢的(尺度で1か2)。総計して、キンゼイのデータによれば、米国の10%ほどがゲイであるかゲイ優勢的でした。これは現在の見積りより大幅に大きなものです。一部の人は指向において同じ程度にゲイであり異性愛的で、バイセクシャルとラベルづけすることができました。ほとんどの人は排他的に異性愛(尺度で0)でした。

1993年のLouis Harrisの調査によれば、男性の4.4%、女性の3.6%が過去5年間に同性との性的活動を報告しています(Barringer, 1993)。キンゼイ研究所のJune Reinsich (1990)は入手可能な証拠を使って、米国の25%以上が十代または成人してから男性・男性性関係をもったことがあると見つもっています。

同性との過去の性的活動に関する統計は誤解をまねきやすいものです。これは、思春期の実験の単独のエピソードや短期間の活動を指しているかもしれません。キンゼイの調査で男性・男性性活動を報告した男性の半分は、その経験は12才から14才に限られるとしていました。さらに1/3の男性・男性性的経験をもった人々は、その経験は18才までのもので、それ以降は経験していませんでした。

キンゼイの研究が示すもう一つの点は、性的行動のパターンは変化するものであり、時には劇的に変化するということです。同性との性的経験や同性に対する性的感情はありふれたもので、とくに思春期においてはありふれています。またそれは成人になってからの排他的に同性との性的活動をおこなうことを必ずしも意味していません。

どれくらいの数の人がゲイなのかについての論争は続いています。人口におけるゲイピープルの割合についての現在の見積りはキンゼイのものよりは低くなっています。米国、アジア、南洋諸島の国々での調査で得られたデータを考察してMilton Diamond (1993)は、さまざまな文化を通じて男性のたった5%、女性の2〜3%が思春期から少なくとも一回以上同性と性的活動をおこなったと見積っています。ダイアモンドと他の研究者たちは、ゲイ男性やレズビアンよりバイセックシャル指向の人々はより少ないと見ています。

米国、英国、フランス、デンマークでの調査結果では、調査対象の男性の3%が自分自身をゲイだと考えて(identify)います(Hamer et al., 1993; Laumann et al., 1994)。調査対象の米国女性の2%が自分がレズビアンだと考えています(Laumann et al., 1994)。米国、英国、フランスでの調査結果によれば、もっと多くの男性(5%〜11%)と女性(2%〜4%)が過去5年間に同性と性的行動をおこなったと報告しています(Sell et al., 1995)。さらに、もっと多くの男性(8〜9%)と女性(8〜12%)が同性に性的魅力を感じたが、15才以来性的交渉はもっていないと報告してします(Sell et al., 1995)。

調査結果に影響を与える以下の要因を心に留めておきましょう。

  • 質問の文章(たとえば、その文章は性的自認を指しているのか、性的行動を指しているのか、性的魅力を指しているのか——そしてどんな期間での話なのか)
  • 申告された行動の社会的な望ましさ
  • インタビューする人の性別
  • 調査がなされる方法、対面インタビューなのか、電話なのか、書類による調査なのか。
  • 回答者のバイアス。たとえばボランティアで回答する人はそのバイアスがある。

キンゼイの連続体説への挑戦

アルフレッド・キンゼイは、排他的に異性愛的性的指向とゲイ的性的指向を連続体の両極に置きました。それゆえ、ある人がより異性愛的であれば、よりゲイ的ではなくなりますし、その反対も言えます。ゲイ指向と異性愛指向を連続体の両極とすることは、男性性と女性性の伝統的な見方に近いものです。より男性的であればより女性的でなく、またその反対も言える、というふうに。男性と女性を対立物とする見方は、誤解につながりますし、場合によっては両性の間の敵意にさえ結びつきます(Bem, 1993)。

Q: キンゼイ連続体に対して、別の選択肢としてどのようなものがありますか?

私たちは男性性と女性性をパーソナリティーの別々の次元と見ることもできるのです。同じように、ゲイピープルと異性愛者を対立物として見ることは誤解と敵意に結びつきます。しかし、事実として性的指向は両極ではなく、別の次元かもしれないのです。少なくとも女性については。

性的指向を示すものとしてエロチックな空想の内容の自己申告を用いて、Michael Storms (1980)は、男性・女性間の性的な刺激(ヘテロエロティシズム)と、同性を含む性的刺激に対する別々の反応を発見しました(図10.2 )。このモデルによれば、バイセクシュアルは両方の次元で価が高く、両方の次元で低い価の人は本質的にアセクシュアルです。キンゼイによれば、バイセクシュアルの人は異性愛の人に比較して、異性による刺激にはより反応せず、同性による刺激にはより反応することになります。しかしこの二次元モデルによれば、バイセクシュアルの人は異性愛の人と同じくらい異性による刺激に反応し、かつ、ゲイピープルと同じくらい同性による刺激に反応しやすいことになります。

しかしながら、Ricahrd LippaとSara Arad (1997)はより複雑な尺度にもとづいて、もし二次元モデルが正しいとしても、それは女性にしか妥当しないかもしれないということを発見しました。彼らはさまざまなパーソナリティー尺度をもちいて148人の男子大学生と246人の女子大学生に対して調査をしました。中央値は18才です。用いられた尺度のなかには、「男性的」な道具性(instrumentality)や「女性的」な感情表出などに加え、外向性、調和性、良心性、神経症傾向(心理的安定性)、経験への開放性などの性格特性が含まれていました。学生は性的行動や態度の質問紙に答えました。男性や女性に魅力を感じるか、性的関係にたいする感情的なコミットメント、性的空想やエロチックな刺激に対する関心などがたずねられました。数学的なグループ分けテクニックを用いて、因子分析をおこなったところ、男性について4つ、女性について4つの性的行動と態度についての因子が発見されました(表 10.1)。男女は重要なしかたで異なっていました。おそらく、もっとも説得的なのは、男性は「両極」的性的指向をもっている点でキンゼイのモデルに大部分のところフィットするということでしょう。つまり、男性は、女性に興奮する傾向があればあるほど、男性に興奮する傾向はなく、またその逆も言えるのです。対照的に女性は、異性愛的因子も同性愛的因子ももっています。つまり、女性が男性に興奮するかどうかは、その人が他の女性に興奮するかどうかとは独立で、またその逆も言えるのです。興味深いことに、性的行動と態度は他のパーソナリティー尺度とはほとんど関係がありませんでした。

表10.1 男性 両極的性的指向 感情的コミットメント 性衝動 性的空想 女性 同性愛 異性愛 感情的コミットメント 性衝動

LippaとArad’sの発見は、女性の性的指向は男性より柔軟であり、社会的経験により深く結びついているという研究と整合的です(Bailey, 2003a; Diamond, 2000, 2002, 2003a)。あとでホモフォビア、つまり同性愛者嫌いを議論するときに、男性は女性よりもホモフォビア的になりやすことを紹介します。ホモフォビアは伝統的な「タフ」な男性的態度と結びついています。しかしながら、ホモフォビアにおける性差の理由の一部は、異性愛男性は異性愛女性よりも、男性が同性に魅力を感じることがありえるということを理解するのが難しいからなのかもしれません。

バイセクシュアル

(インタビューの答とかの引用)

Q: バイセクシュアルとはなんでしょうか? バイセクシャルの人々は、男性にも女性にも魅力を感じます。バイセクシュアルの人はときどき「どっちにも搖れる(swing both ways)」とか「A/C-D/C」(交流-直流)などと呼ばれます。しかし、多くの人はどちらかの一方の性により強く惹かれます。実際のところ、Weinrich & Klein (2002)はバイセクシャルは三つのカテゴリーに分けられると言っています:バイ-ゲイ、バイ-ストレート、そしてバイ-バイです。これらはそれぞれ、同性により強く惹かれる(バイ-ゲイ)、異性により魅力を感じる(バイ-ストレート)、そして同性にも異性にも同じように惹かれる(バイ-バイ)人々を指します。バイセクシュアルをどう定義するかにもよりますが、おそらく人口の1%〜4%がバイセクシュアルです。NHSLSの研究(Laumann et al., 1994)で調査された人々のうちほぼ1%(男性の0.8%、女性の0.9%)が、バイセクシュアルとしてのアイデンティティをもっていました。しかしながら、およそ4%の人が、女性にも男性にも性的に魅力を感じると答えています。

一部のゲイの人々(そして一部の異性愛者)は、自分はバイセクシャルだと主張することは自分がゲイであることを否定するための「言い逃れ」だと信じています。おそらく、そういう人々は、配偶者と別れたり、「カミングアウト」(ゲイ男性やレズビアン的性的指向をおおやけに宣言すること)することを恐れているのだというのです。別の見方では、バイセクシャルというものは、ほぼ異性愛の人が同性と性的な実験をしているだけだということになります。600人超の大学学部生に対する調査は、バイフォビア、つまりバイセクシャル嫌いが異性愛者集団でも同性愛者集団でも発見されました。

しかし多くの人がバイセクシャルだと公言していますし、研究者もバイセクシャルはどちらの性にもエロチックな関心をもち、ロマンチックな関係をむすぶことができると肯定しています。彼らによれば、バイセクシュアルは彼ら独特の発達パターンをもった真正の性的指向であって、単なるゲイ男性・レズビアン的性的指向の「覆い」ではありません(Brown, 2002; Weinrich & Klen, 2002)。

バイセクシャルの人々のなかには、その二重の傾向性を満足することができるようなライフスイルを採用している人々がいます。また、異性愛者やゲイピープルと同じようにどちらかにコミットしなければならないというプレッシャーを感じている人々もいます(lEdser & Shea, 2002)。ゲイピープルのなかには、バイセクシャルのライフスタイルを採用して自分の性的指向を隠している人もいます。つまり、そういうひとは結婚はするものの、同性と秘密の性的関係を結んでいるのです。

それでも、バイセクシャルの男性は結婚のような異性愛関係にコミットすることにそれなりに満足しています。キンゼイ尺度でバイセクシャルとしてスコアされた20人の既婚者男性に対する綿密な調査によれば、彼らはある種の不安や罪悪感や、喪失感を経験していますが、高いレベルのストレスを感じるほどではありません(Edser & Shea, 2002)。全体としては、こうした男性たちは心理的には安定しており、結婚生活はEdserとSheaが言うには「相対的によい状態にある」とされます。彼らの結論では、女性との長期間にわたるコミットした関係は、バイセックシャル男性にとって「よいオプション」です。またEdserとSheaは道徳的なわけではありません。つまり、彼らはバイセクシャル男性は女性とのコミットした関係を求めるべきだと言っているわけではないのです。彼らはたんに、そうした関係はうまくいくことがある、と言っているだけです。

(このあと、大きな見出しとして「ゲイ男性とレズビアンに対する視線(歴史的、現代社会の〜、生物学的〜)」「ゲイ男性とレズビアンの社会的適応」「カミングアウト」などの項が来るけどまあ面倒なのでやめ。おもしろいっしょ。どっか出版社がC受けてくれるならネットで人集めて訳出してみたい気はする。しかしフルカラーでA4のちょっと小さな版で700ページもあるからねえ。文章は簡単なので、大学生の学力があれば楽勝。)

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