カント先生から未婚化・非婚化の原因を学ぼう

性的傾向性のなかのまったく単純で粗雑な感情は、なるほどまっすぐに自然の大いなる目的へと導いて行き、その要求を満たすことによって、回り道せず、手際よくその人物を幸福にするが、対象の大きな普遍性のゆえに放蕩と放縦に変質しやすい。(p.361) カント先生はアリストテレス的な「目的論的説明」が好きで、我々がもつ性欲とか、首尾よくセックスできたときの満足感・幸福感とかは自然の目的を達成するよう、うまく作ら […]

カント先生に女性のルックスの鑑賞法を教えてもらおう

前のエントリの続き。 紹介したいと思ったのは、第3章が「両性の相互関係における崇高と美の差異について」の後半にある、女性のルックスの美についてカント先生が語っているところです。こんな感じにはじまる。 美しい性〔女性〕の姿と顔立ちが男性に与える多様な印象を、できるかぎり概念化して捉えることは快適でなくもないかもしれない。この魔力の全体は、根本的には性的衝動の上にひろがっている。(p.358) カント […]

カント先生の『美と崇高』はおもしろいなあ

去年と今年、過去の大哲学者たちが、男と女、そしてその関係について、いかにろくでもないことを言っていたかというのを紹介する一般向け講座みたいなのをやっているのですが、読み直してやっぱり軽い哲学っていうのはおもしろいなと思いますね。昨日は大哲学者のヒューム先生とカント先生を取り上げたのですが(先週はルソーとウルストンクラフト)、その一部を紹介してみたいです。 カント先生は『純粋理性批判』『実践理性批判 […]

カント先生とセックス (6) 結婚が唯一の道徳的なセックスの条件です

セフレもカジュアルセックスも売買春もオナニーもだめ。ではどうしたらいいですか? 結婚だけが唯一の道です。 全人格を意のままにするという権利、それゆえ性的傾向性を満足させるために性器をも使用する権利を私はもつのだが、いかにして私は人格全体に対するここのような権利を獲得するのだろうか。──それは私が他の人格に私の全人格に対するまさにそのような権利を与えることによって、すなわちただ結婚においてのみ生じる […]

カント先生とセックス (5) オナニーも禁止です

カント先生によれば、売買春やセフレがだめなだけではありません。オナニーもいかんです。いいですか、オナニーもいけません。 性的傾向性(性欲)の濫用が「情欲の罪」です。んで、売買春とか姦通とかは「自然にしたがった」罪で理性に反しているのですが、自涜(オナニー)は自然に反した罪です。 自然に反した情欲の罪には、自然本能や動物性に対立するような性的傾向性の使用が属する。自涜はこれの一つとして数えられる。こ […]

カント先生とセックス (4) 恋人関係でもセックスしてはいけません

前エントリで「利害関心にもとづいて」と訳されているのは主に金銭的利益とかを考えてって、ことです。まあ「売買春はいかんです」というカント先生のご意見に「我が意を得たり」みたいな人は少なくないかもしれませんが、カント先生が偉いのは、売買春だけじゃなくて、お互いに性的に求めあってる関係でさえセックスはいかん、と主張するところですね。前エントリでは「金銭とかの利益のために体をまかせる」のが問題だったように […]

カント先生とセックス (2) 性欲は直接に他人の身体を味わおうとする欲望

カントのセックスについての話は、『人間学』、『コリンズ道徳哲学』(死後出版。カント先生の講義ノートをまとめたもの)、『美と崇高の感情性に関する考察』、『人倫の形而上学』、『人類の歴史の憶測的起源』あたりにばらまかれてます。けっこういろんなこと語ってますわ。『コリンズ道徳哲学』の有名なセックス論はこんな感じ。 ……もしその人が相手を単に性的傾向性に基づいて愛しているのだとすると、これは愛ではありえず […]

カント先生とセックス (1) いちおう「人間性の定式」の確認

哲学者・倫理学者といえばカント先生。しかしそのカント先生を専門的に勉強していた人が犯罪で逮捕されたというので話題になっているようです。まあ正直なところまったく同世代なのでいろいろ考えちゃいます。でもまあ別に倫理学勉強したから犯罪しなくなるってわけじゃないですからね。物理学勉強したってビルから飛んだら落ちるし、医学や生物学勉強したって100年ぐらい生きたら死んでしまう。私には因果関係とかよくわからん […]

ゲーテとカントその後

のコメントで PePeODさんから情報と定言命法をいただいたので、私の身近な図書館*1で調べてみた。 カッシーラなんて読むことがあるとは。 たしかに『カントの生涯と学説』の訳注に白水社の『ゲーテ対話録』p. 293を見ろという指示あり。 ところがこのビーダーマン編高橋義孝他訳『ゲーテ対話録』は5巻本でどの p. 293やら。それにしてもこれ古本屋でたかっ! 第1巻はシラーからフンボルトあての手紙。 […]

ゲーテはカントの文体を褒めたか

の続き。 charis先生に教えてもらったエッカーマンの『ゲーテとの対話』だが、どうにもへんな感じ。ゲーテ先生がカントの文章を褒めているところは見当らないような。かろうじてかすっているようなのが、 私はゲーテに、近代の哲学者のうち、誰がもっともすぐれていると思うか、と尋ねてみた。 「カントが」と彼はいった、「最もすぐれている、間違いなくね。(中略)もし君がいつの日か、彼のものを読みたくなるようだっ […]

カント先生とおはなしを続けてみる

カント先生おはようございます。 婦人の徳は、美しい徳である。男性の徳は、高貴な徳たるべきである。女性は悪を避けるであろうが、その理由は、それが不正だからではなく、醜いからである。そして有徳な行為が、彼らにあっては、道徳的に美しい行為を意味する。当為もなく、しなければならぬということもなく、負い目もない。婦人は、一切の命令、一切の口やかましい強制に堪えられない。彼らが何かを為すのは、ただそれらが彼ら […]

カント先生とおはなししてみよう

「『思想』2007年4月号に、水田珠枝さんによる論文「平塚らいてうの神秘主義(上)」が掲載されている。」 http://d.hatena.ne.jp/gordias/20070524/1179982514読んでしばらくの間なんかおかしいと思ってたら、そういうのは哲学だけでなく文学作品だってそうだということに気がついた。 『高慢と偏見』の性差別的偏見に満ち満ちた冒頭の文章を打倒せよ! 財産を持った独 […]