翻訳もの
一般に、同じテーマでも翻訳書の方がレベルが高くおもしろいことが多い。あるていど売れて定評のある本 が翻訳に選ばれるために、フィルターがかかっているためである。日本の著者によるものは、情報が翻訳書の 出版から数年遅れであることが多い。
マーティン・セリグマンは「ポジティブ心理学」の生みの親。読むなら『ポジティブ心理学の挑戦』がよいだろう。
- セリグマン『オプティミストはなぜ成功するか』
- セリグマン 『ポジティブ心理学が教えてくれる「ほんものの幸せ」の見つけ方』。
クリストファー・ピーターソンはセリグマンの協力者で、教科書としてはこちらの方がよく書けている。
- ピーターソン『ポジティブ心理学入門』。ただし翻訳は抄訳(部分訳)であり、翻訳の質にも問題が
ある。 その他手に入りやすいもの。
- ボニウェル『ポジティブ心理学が 1 冊でわかる本』はコンパクトな入門書だが、記述が薄くておもしろ いとは言いにくい。
- リュボミアスキーの『人生を「幸せ」に変える10の科学的な方法』、『幸せがずっと続く12の行動習慣』は自己啓発風だが心理学者によるしっかりしたもの。
- ハイト『しあわせ仮説』はいろんな意味で良書。現在業界でもっとも注目されている心理学者の一人。
- ネトル『幸福の意外な正体』はちょっと古いが悪くない。
- ビスワス=ディーナーもこの分野の権威。『ポジティブコーチング』はけっこうよい。
- 他に「行動経済学」などがタイトルに入っている 翻訳書 を読むのはおすすめ。どれでも同じようなものである。
気分の改善など
- デヴィッド・バーンズの『いやな気分よさようなら』『フィーリンググッドハンドブック』は非常に定 評のある精神科医による自己啓発本。
- アルバート・エリスは認知療法の元祖。ちょっとクセがある。 そしてどれ読んでも同じ。しかしおもしろみを感じる人もいるだろう。怪人です。
- ディヴィッド・クラークの『認知行動療法に基づいた気分改善ツールキット』はかなり包括的。
- メラニー・フェネル『自信をもてないあなたへ』などもよい。
日本人著者によるもの
- 友原章典『実践幸福学』が現在の一押し。自腹で買う価値がある。
- 前野隆司『実践ポジティブ心理学』と『幸せのメカニズム』は若干軽薄な感じがあるが、入門としては読みやすいだろう。
- 島井哲志はセリグマンの弟子でこの分野の国内の権威。堅い印象があるが正確。
- 大石繁宏『幸せを科学する』は、この分野の権威エド・ディーナーたちとの共同研究その他で世界的に有名。おすすめ。
- 内田由紀子『これからの幸福について』は若手の心理学者による国際比較など。
- 内田由紀子 (2020) 『これからの幸福について:文化的幸福観のすすめ』,新曜社.
- 大石繁宏 (2009) 『幸せを科学する:心理学からわかったこと』,新曜社.
- 島井哲志 (2006) 『ポジティブ心理学:21 世紀の心理学の可能性』,ナカニシヤ出版.
- 島井哲志(2009) 『ポジティブ心理学入門:幸せを呼ぶ生き方』,星和書店.
- 島井哲志(2015) 『幸福(しあわせ)の構造』,有斐閣.
- 島井哲志 (2021) 『科学的に幸福度を高める 50 の習慣』,明日香出版社.
- 友原章典 (2020) 『実践幸福学:科学はいかに「幸せ」を証明するか』,NHK 出版.
- 前野隆司 (2013) 『幸せのメカニズム:実践・幸福学入門』,講談社.
- 前野隆司(2017) 『実践ポジティブ心理学:幸せのサイエンス』,PHP 研究所.
- エリス,アルバート (1996) 『どんなことがあっても自分をみじめにしないためには:論理療法のすすめ』,国分康孝他訳,川島書店.
- エリス,アルバート(2000) 『性格は変えられない、それでも人生は変えられる:エリス博士のセルフ・セラピー』,斉藤勇訳,ダイヤモンド社.
- エリス,アルバート(2018) 『現実は厳しい,でも幸せにはなれる』,斉藤勇訳,文響社.
- クラーク,ディヴィッド・A (2015) 『認知行動療法に基づいた気分改善ツールキット』,高橋祥友監訳,金剛出版.
- セリグマン,マーティン (1994) 『オプティミストはなぜ成功するか』,山村宣子訳,講談社.
- セリグマン,マーティン(2004) 『世界でひとつだけの幸せ:ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生』,小林裕子訳, アスペクト.
- (2013) 『オプティミストはなぜ成功するか』,山村宣子訳,パンローリング.
- (2014) 『ポジティブ心理学の挑戦:“幸福” から “持続的幸福” へ』,宇野カオリ訳,ディスカバリー・ トゥエンティワン.
- ネトル,ダニエル (2020) 『幸福の意外な正体 なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか』,きずな出版.
- ハイト, ジョナサン (2011) 『しあわせ仮説:古代の知恵と現代科学の知恵』,藤澤隆史・藤澤玲子訳,新曜社.
- バーンズ, デビッド・D (2005) 『フィーリング Good ハンドブック:気分を変えてすばらしい人生を手に入 れる方法』,野村総一郎監訳,星和書店.
- (2012) 『人間関係の悩み,さようなら:素晴しい対人関係を築くために』,野村総一郎監訳,星和書店.
- (2013) 『いやな気分よ,さようなら:自分で学ぶ「抑うつ」克服法(コンパクト版)』,野村総一郎他 訳,星和書店.
- ビスワス=ディーナー,ロバート (2016) 『ポジティブ・コーチングの教科書:成長を約束するツールとスト ラテジー』,草思社.
- ピーターソン, クリストファー (2012) 『実践入門ポジティブ・サイコロジー:「よい生き方」を科学的に考 える方法』,宇野カオリ訳,春秋社.
- フェネル,メラニー (2004) 『自信をもてないあなたへ:自分でできる認知行動療法』,曽田和子訳,CCC メ ディアハウス.
- ボニウェル,イローナ (2015) 『ポジティブ心理学が 1 冊でわかる本』,成瀬まゆみ監訳,国書刊行会.
- リュボミアスキー,ソニア (2012) 『幸せがずっと続く 12 の行動習慣』,日本実業出版社. (2014) 『人生を「幸せ」に変える 10 の科学的な方法』,日本実業出版社.
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