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Dropbox Businessは危険かもしれないことをさらに検証しています

Dropbox Businessは非常に危険です
Dropboxは馬鹿が使うと非常に危険なことを検証しました
の続き。

私の馬鹿みが呼びよせたDropboxの事故の対策はまだ続いています。担当してくれているDropbox社のサポートの方々はとても優秀で親切で誠実で、すばらしい対応をしてもらっています。技術力も高いのがわかる。Paperも返ってくるかもしれません。それなら私が馬鹿なのがおもな原因なのだから、それ以上要求することはありません。

しかし、私の馬鹿み以外の原因についても問題を考えているのですが、(私が見ていない)管理者画面を確かめてくれている方がいました(ことりちゅんさん)。ありがたい。

その画像をお借りすると、こうなっていたようです。

なるほど、こうなっていたのか。私(ともう一人)は、自分のアカウントがチームに飲みこまれたことを察知して、管理者A氏に「削除してくれ」と頼んでしまいました。独立に同じリクエストしてしまったので、あわてたときに我々はそうしたことをするのだと思います。

A氏が辿りついたこの画面、私はいろいろ問題があると思うのです。

注:このメンバーはXXX(チーム名か)に個人用アカウント「XXXXX」(メールアドレスか個人アカウント名だろう)のDropboxアカウントをリンクしました。リンク前に個人用のファイルをそのアカウントに保存していた可能性があります。代わりに個人用のDropbox Basicアカウントに変更できます。

たしかにこの警告は重要なのですが、私が(DropboxとDropbox Business自体を知らない)管理者の立場に立つと、さほど有効ではないように思います。

まず最初の「このメンバーは〜アカウントをリンクしました」ですが、これは実は「もとから所有していた個人用アカウントをそのままチームに統合しました(したがって現在もまだ個人ファイルが含まれているかもしれません、その一部はプライバシーや財産にかかわる重大なものかもしれません)」ということですよね。リンクというとたんに紐づけたような印象ですが、そうではなく、チームから見れば、このメンバーのデータとアカウントを自分たちに飲み込んでしまっている。それが理解できたかどうか。

「リンク前に個人用のファイルをそのアカウントに保存していた可能性があります」。統合前だろうがあとだろうが、このアカウントに個人用のファイルが存在する可能性が高い。したがって、この文章に次には、「もしこのアカウントを削除する場合は、このアカウントに個人用のファイルを保有していないかメンバー自身に確認してください」の一文が絶対必要に思えます。この大事な一文がない。これ、もし社員とかをクビにする場合でも個人のデータを勝手に消しちゃって大丈夫なのか心配になります。ビットコインとか(しらんけど)のヘソクリ隠してたらどうなるんだろ。

「代わりに個人用のDropbox Basicアカウントに変更できます」は私がゼミやレポート採点などで学生様に口をすっぱくしてお説教しているやつで、大事な目的語がない(主語もないけど)。それに、「このチームメンバーのアカウントを削除するかわりに統合する前の個人用のDropbox Basicアカウントに戻すことができます」であるべきだと思う。これならまちがいようがない。BasicなのかProfessionalなのかわからないけど、とにかく「個人用に戻す」という選択肢があれば、A氏はそれを選んだはずなのす。

また、「変更前に概要を確認」はリンクっぽいので、おそらくDropboxのヘルプに跳ぶのでしょうが、あれは専門家向けでなにもわからない素人がおそらくあれ見てもわからないですよね。

まあ上のが最大の問題。次の「別のチームメンバーに移行しますか?」は企業チームなら当然必要な措置だと思います。ただ、この移行の措置をとると、うっかり消してしまったアカウントを一週間のあいだは復活できる、という選択肢を失なうのですわ。だからできれば「移行した場合は以後アカウントの復活は不可能になります。移行しない場合は、週間にかぎり復活させることが可能になります」にして、「後で移行する」をデフォルトの選択肢にするものだと思います。

「このメンバーがオンラインになったときに、このメンバーのデバイスからコンテンツを削除しますか?」は、企業が機密情報を保護するためにどうしても必要なオプションだと思うのですが、「デバイス」あたりは素人には何を意味しているのかわからないかもしれない。まあそれはOKとして、「あなたのチームの情報を保護するために、このメンバーのデバイスから、このチームのすべてのファイル・コンテンツを強制的に削除しますか?」ぐらい強くして、さらに「いいえ」をデフォルトにしておけば、事故もすこしは軽くなるでしょう。

やはり素人・非専門家にもわかりやすく説明する、安全なオプションをデフォルトにする、のような配慮というのは、プログラムを組んだりするのと同様の大事な基本技術で、どんな優れたサービスもそうした「わかりやすい案内・ガイド文を書く」という技術の裏付けなしには危険なものになってしまうと思います。正直私はDropboxは技術的には競合するサービスより優れていると思っていました。特にPaperが好きだった。

というわけで、今回の事件は私にとってとても残念だったのです。サポートの方々の指示はとてもわかりやすいもので、それがなぐさめです。

素人の人々、問題をまだよく知らない人々に対してわかりやすい文章を書く、という技術は、私の勤務先の学生様にも習得してほしいと思う。人を不幸にしない文章を書いてほしい。そし、そうした教育と訓練をするのが私たち大学教員の責務なのだという思いを強くしたのです。私にとって、そういう技術は「人文知」とかそんな偉いものよりずっと重要なものだという思いもますます強くなりました。

Dropbox Businessは馬鹿が使うと非常に危険なことを検証しました

いくらなんでもあれなので、もう一個アカウントを作って、自分がどういう行動をしたのかたしかてみました。(新しいPlusのアカウントを作りました)

招待のメールはリンクだけがある簡単なもので、そのリンクを踏んだわけです。するとこうなったはず。

(このスクショはEvernoteでクリップしたので現物とはちょっとちがう)

これを「承諾」(ワンクリック)で次の画面になります。

 

 

「アカウントを統合」がメインの選択肢。しかしよく見ると、「あなたと管理者だけがアクセスできる」って表現されていて、管理者も読めることはたしかに明記されてますね。ただ、私がこれまでもっているデータまで見えるようになるとは思ってなかった。せいぜい、これから作るファイルは管理者と共有するぐらいだと思ってました。

 

 

なるほど、ではおそらくプロフェッショナルの場合も当然、「Professional版は自動的にキャンセルされる」と出たのでしょう。ここで「トライアル版を継続」を選ぶと前の画面に戻ります。だから慎重なひとはそこらでやめるわけですね。馬鹿は青色押してしまう。ただ、Plusのトライアル版についは、すぐに「トライアル版はキャンセルされました」のメールが届いたけど、Professionalのキャンセルの通知は届いてないみたい。Gmailのゴミ箱も探したけど見つからない。トライアルじゃなくて課金してるやつも警告出たのかどうか……注意欠陥の馬鹿だからわからない。

そして次はもう(私にとっては)カタストロフというかチームに参加です。1クリックじゃなくて、2クリックか3クリックぐらいかかってますね。そして、誘導されているとはいえ、私が選んだ道ではあります。でもそれは私が選びたかった道ではなかった。やはり悪いデザインは人を不幸にすると思います。少なくとも馬鹿を不幸にする。

いまとなってみれば、私がほしかった情報は、「アカウントを統合」すると、自分がこれまでためてきたデータがすべてチームに所属するものになること、個人用プロフェッショナルアカウントが無効になり、管理者に完全に消されてしまうこともありえること、消されたら私がもっていたデータを管理者が自由に処分できるようになってしまうこと、そしてなにより、もう(運が悪ければ)二度と自分ではもとに戻れないことだったのですが、それは上の画面にすべて凝縮されて表現されていたわけです。また、チームに入ったら支払いはそのチームの管理者がやってくれるということだと思うのですが、それも知りたかった。さすがに、私のデータ管理の支払いを別の人がしてくれる、ってことを理解したらそんなうまい話に乗ろうとはしないです。

というわけでおどろきましたが、メフィストフェレスぐらいの警告はしてくれていました。

前のエントリで、Dropbox社にはたいへん失礼なことをしてしまって反省しています不幸にはなりましたが、それは私の責任だったかもしれません。しかし、アカウント統合するとか重大なことをするには、やっぱり説明が不足していると思う。<!– 馬鹿か邪悪な設計だと思うけど、ドロップボックスが馬鹿だとは思えないのであれなのではないか。 –>

指さし確認するべきでした

続きがあります。→「Dropboxl Businessは危険かもしれないことをさらに検証しています(悪いデザインは人を不幸にします)

Dropbox Businessは非常に危険です

(この記事は、Dropbox社に対してフェアじゃないものになっています。続きの「Dropbox Businessは馬鹿が使うと非常に危険なことを検証しました」も読んでください)

最近、非常に重大な事故を起こしてしまったので報告します。実際の被害は、最高が7だとすると3か4ぐらい、しかし潜在的な危険度からいうと7段階で7、ってくらい重大。Dropboxでファイルを大量に失なってしまったばかりか、個人情報流出の危険をおかしてしまいました。(実際には流出といえるものはありませんでしたが)

  • Dropbox Businessチームに招待され参加して「アカウントを統合」すると、自分では抜けられない状態になる
  • それだけでなく、それまで自分がもっていたファイルもすべてチームのものになる
  • 個人用の契約が勝手に解除されてしまう
  • 私のアカウントを削除すると、管理者は私のファイルを自分のものにすることができる
  • 管理者にアカウントを削除されるとなにもなくなる。アカウントがなくなるので、Dropboxに問い合せすらできない
  • 管理者の協力でファイルはなんとか復旧できそうだけど、ためこんだPapersのファイルを失なう(復旧できないかもしれない)

ってなことが起こりました。


事の起こりは、世話になってるあるひと(A氏)が、少し大き目のファイルを共有するためにDropboxを使おうとしたことでした。どうもA氏はDropboxとか使ったことがなかったみたい。A氏はDropbox Business Advancedのトライアル版から関係者にチーム参加への招待を出したわけです。(チームに招待するんじゃなくてファイルを共有というか公開するだけで十分だったわけですが)

私はDropboxを長年課金してつかっていて、いまは個人用のProfessionalアカウントをもっていました1)裁断した本のPDFとか、CDからリップした音源とか合計2TBぐらい。これらは「スマートシンク」できるので便利だと思っていたのです。これらはディスクにバックアップはとってたけど、Dropboxを信頼して半年ぐらいさぼってた状態。もちろん他に仕事やプライベートなファイルも大量に含まれてます。

私はうっかりその招待のリンクを踏んでしまい、招待を受諾してしまいました。受諾すると「アカウントを統合する」と「新規アカウントを作成する」の二択になるわけですが、ここで「Dropboxの新規アカウントまた作るとか面倒だから、「アカウントを統合」でいいだろう」とそっち選んでしまったわけです。

https://help.dropbox.com/ja-jp/teams-admins/admin/invite-team
https://help.dropbox.com/ja-jp/teams-admins/team-member/join-business-team

現場猫好きなんですけどね

ところが!このチームに入って「アカウントを統合」すると、私は自分ではこのチームから退会することができないのです!

さらに、私がこれまでもっていたファイルもどうもチームの所有になってしまうらしく、手元のPC (Mac)のディレクトリも変更されている。チーム名のフォルダが勝手に作られ、そのなかに私がもとからもっていたファイルのフォルダがあるという状態。これは気持ち悪い。

さらに、それまで設定していたファイル共有などがすべて無効になってしまうようでした。共有は便利なので学生様たちといろいろやっていて、特に次の日の1回生のテスト範囲・予想問題などをPapersで公開してたので問い合わせ続出。ここらへんで「おかしい」と思いはじめました。

私のファイルを管理者(A氏)が見ることができるかどうかもよくわからない状態。いちおう下の説明では読めないってことになってるけど、ファイルが自分の知らない状態になっているというのはものすごく気持ち悪い。みなさんわかりますよね。ごくごく個人的な情報もDropboxとかに置いてるものだし、学生様の成績その他の個人情報や、大学その他の機密情報とか他人の目に触れるところにあったら懲戒懲罰ものです。

https://help.dropbox.com/ja-jp/teams-admins/team-member/team-access-to-files

自分では退会してもとの状態に戻すことができないので、A氏に「(チームから)私のアカウントを削除してください」とおねがいしたわけです。(私は管理権がないのでどういう状態になってるかわからない)

次の日、A氏から「削除した」という連絡がはいって確かめると、MacのDropboxのファイルはすべてなくなっており、またブラウザからログインもできない。ログインできないとDropboxは問い合わせ窓口さえなくなります。ここらへんから本気であわてました。(実は、私の前にもう一人同じ状態になってしまった人がいたのですが、それはおいておいて。)

あとで調べると、アカウントを削除するときに、管理者はメンバー抹消以外の選択肢を選ぶこともできたのですが、私から「削除しろ」って言われたわけだから、A氏は「アカウントの削除」を選択した。アカウントを削除するときに、管理者は「このメンバーのファイル コンテンツを移行する」を選択することができて、A氏は安全のためにそっちを選択した。これはわかる。私もそれをお願いした。しかしそれによって、A氏は私のファイル群(2TB)をまるごと自分のフォルダに置き自由にすることができるのです。しかしこれおそろしいでしょ。本当おそろしい。
https://help.dropbox.com/ja-jp/teams-admins/admin/delete-member

というわけでここまでで何が起こったかというと、私はチームに参加して「アカウント統合」するというワンクリックで、自分のデータ財産とアカウントの生命をA氏に渡してしまい、(A氏は意図してなかったけど)アカウントを殺されて財産を奪われた、という形なわけです。もちろんA氏は意図していたわけではないが結果的にそういうかたちになってしまった。

いくら私とA氏がDropbox Businessに不慣れだからといって、こんなのがワンクリックで生じるなんてことは私は考えもしませんでした。少なくともProfessionalアカウントで長年課金してるんだし、課金契約が解除されたというメールも届かなかったし。「チームへようこそ!」みたいなのが最後の連絡でした。

アカウントを削除されることによって、私、4台のマシンでDropboxのファイルをもっていたのですが、1台のこらず全部ファイルが消えました。わざわざぜんぶ一瞬で消してしまう仕組みなんですね。消すかどうかたずねもしない。(まあこれは同期というものはそうういうものだと思います。企業としては、社員クビにしたときにデータは問答無用ですべてひきあげる、ってことですね。)

しょうがないのでアカウント作りなおして、窓口に問い合わせとかしたんですが、まあファイルはA氏が保存していたのを「共有」したりしてとりもどせそうですが、Papersにあった大量のメモや教材みたいなのはもう復活はむずかしそう。窓口担当者によれば、「統合については管理者と参加者の同意なので」とか「アカウントを削除しても1週間は復活できるのだが、「ファイルを移行する」をするともう復活できない、問題が起きたときにすぐに相談してくれ」のような話で、つまりDropboxには責任はないというほのめかしだと思う。ここらへんで私は「ムキー!」。まあ責任あると認めちゃうと損害賠償とかされて面倒だから認めないでしょうね。

まあこんな大事故、ひさしぶりに起こした感じで、PCもネットも30年以上触っているのに恥かしい。結果的に、学生様の個人情報や他の守秘義務のある書類等は(たいていエクセルやワードなので)OneDriveにあったので、失なったり危険にさらしたのは私の個人情報とPapersにあったメモや教材なのですが、それでも打撃とショックは大きい2)読書メモやこういうブログ記事なんかも、いったんPapersで書くクセがついていて、メモ段階で残ってるやつがけっこうあって相当痛い。。2TB近いファイルをダウンロードして別のにあげなおすのも数日がかりになること確定で、そのためにディスク用意しないとならんし。そのほかもろもろの調整もしないとならん。

A氏はこういうの不慣れだからしょうがないし(それはわかっていた)、私はあるていどわかってるつもりになってるのに「(Dropboxだから)さすがにそんな危険なことはないだろう」と思いこみがあってすごく馬鹿だというのはその通りなのです。しかし、こんな仕組み、悪意あるユーザーが誰かを招待して簡単にファイル奪ったり消したりできるってことなので、ほとんど許しがたいと思います。少なくとももっと何度も確認するべきだ。だって、自発的に奴隷になって、それ以降あらゆる権限がなくなる不可逆的な契約とまったく同じなんですよ?悪魔メフィストフェレスだって、魂奪う契約する前にもうすこし条件を説明してくれたはずだ。

Dropboxは便利だし信頼していたのに、ほんとに残念というかなんというか。「契約料金の残りの分はすでに返金している」みたいな連絡はもらったけど、正式な通知はなし。警告なしのワンクリックでこんなことになるなんて納得がいかないので、Dropboxにはクレームつけています。まあ詫び石とか要求するつもりはないけど。

んで、この話を授業でしゃべったら、学生様たちのなかには、自分たちの個人情報が流出したのではないかと不安になった人たちもいたようで、もうしわけないことをしました。当局の耳にもはいったみたいなので、まあ始末書ぐらい書かないとならんかもしれません。でもそれくらいですみそうで、潜在的な事故の大きさかさするとこれくらいですんでまだましだったとは思います。


追記

  • まあ私が馬鹿なのは前からよくわかっているので、システム開発者の皆様には、私のような馬鹿にもやさしいシステムにしていただきたい、ということです。
  • これに類した問題はずっと前に話題になってたのですね。おどろきました。そして恥ずかしい。GIGAZINE、「あなたの敵のDropboxを795ドルで消し去る方法」  https://gigazine.net/news/20121227-dropbox-terminate/「アカウントを統合」ができるようになっているので、この2012年の時点よりさらに危険になっていると思います。それにビジネスのトライアルアカウントで同じことができるので、795ドルじゃなくて無料でできちゃう。
  • あとでわかったのですが、過去に他の人たちから私に共有してもらっていた(現在はしてないつもりだった)フォルダも管理者の手にわたっていました。これは危ない。信じられない。(それにも大学関連のは含まれていなくてよかった)
  • コメントを見ると、もっと気をつけるべきだ、というもっともな意見がありますが、われわれの注意力には限界があるので、こうした問題が起こりにくい配慮をサービス会社は考えてほしいということです。今回についていえば、少なくとも4人がチームに参加してしまい、そのうち2名が爆死した感じです。これはかなり高い割合で、同種の事故は世界中で起こっていてこれからも起こるはずだと思います。
  • ファイルを失なったというよりは、(私のような馬鹿が使うと)情報・データが自覚なしに他人の手に渡ってしまう、という方がずっと問題が大きいと思います。あとそもそもPapersはバックアップとりようがないし。これが一番痛かったんですが、同様の問題はもちろんGoogle DocsにもOneNoteにもありますね。でもさすがにこんな形でアカウントがぶっとぶというのはショック。

 

References   [ + ]

1. 裁断した本のPDFとか、CDからリップした音源とか合計2TBぐらい。これらは「スマートシンク」できるので便利だと思っていたのです。これらはディスクにバックアップはとってたけど、Dropboxを信頼して半年ぐらいさぼってた状態。もちろん他に仕事やプライベートなファイルも大量に含まれてます。
2. 読書メモやこういうブログ記事なんかも、いったんPapersで書くクセがついていて、メモ段階で残ってるやつがけっこうあって相当痛い。

離すと動作するカード読みとり機

図書館の入口にこういう改札があるのですが、これ、張り紙とかしてかっこ悪いっていうのもあれなんだけど、それ以外にもものすごく使いにくいんですわ。右の矢印のところに電子カードの学生証や職員証をタッチして入るんだけど、これの反応がものすごく悪くてみんなとまどってる。私とか1年たってもへんないやな感じで、図書館行くと不愉快になる理由のひとつだったんのです。

ところが昨日、卒論学生様がなぜそうなのかを解明してくれたんよね。何回か通って実験して発見したらしい。彼女によれば、この改札は、カードを触れたときではなくカードを離したときに反応するのだ! れはたしかに「うわあ!」っていう感じ。

「なんだってそんな設計になってるんだろうねえ」とか。電車の改札は触れたときに反応するわよねえ。

さっき確認してきたんだけど、そうとわかれば問題なく入れた。しかしそれを理解しろっていうのは無理よね。1年たってもわからなかった人間(私)もいるわけだし。

ていうか、たしかにその手の「離したときに反応する」読み取り機はどっか他でも使ったことがあるような気がする。建物の入口で経験したことがあるような、ないような。

「離したら反応する」のが最悪なのは、ふつう利用者はカードを接触して、いくぶんの読取の時間があるのは覚悟するけど、OKになったら反応があるもんだと思うわけよね。ところがOKがでないからずーっとカードを接触したままにする。するといずれエラーになったりする。それなのに、タッチしてすぐに離すとそのタイミングでピっ!っていって扉が開く。バカではないか。触ったらすぐに反応する、ってことにするには、なにか技術的に問題があるんですかね。それともなにか意図的なのか。

すくなくとも、カード読めたら「ピッ」とかフィードバックしてほしいんですよね。そっからトビラが開くまではちょっと時間があってもいいから。認知科学者のノーマン先生! みんなを助けてください! みたいな感じです。下の本はみんなぜひ一回は読んでほしい。

悪いデザインは人を苦しめます

「Togetterで炎上しそうになってしまった……」のつづき)

んで、どういう問題があったか、ブログでは書いておきますかね。

ここにプロ(Yashiro Photo Officeさん)の写真があるので、それを参考にしてください。 http://846-photo.com/archives/portfolio/kyoto-wu-ac-library/ ここでの写真もこのページから使わせていただきます。

この図書館、こういう感じですごくおしゃれでかっこいいんですわ。私は建物としては気にいってる。5階分の吹き抜けになっていて、音や空調や床面積や動線の関係でそれがどうかって話はあるんだけど、今回はそれにはあんまり触れない。

本は壁面書架と、階によってはフロアのまんなかにある書架、そして閉架(自動化書庫)に収められている。

図書館の本を利用する場合、いまはやはりOPACで検索して十進分類にしたがって本をとりにいくって形になりますよね。この図書館は、そのもっとも重要な十進分類が明示されていないのです。

フロアの書架にはこういう形で連番が降られているんだけど、この32・33・34という番号は十進分類とはなにも関係がない。

これはけっこうなストレスになるのです。だって「372.2 A34はえーと」って行くと「34」って目に入るわけだから。まあ運営が管理するためには、棚に番号を振ることは必要なわけだろうけど、それは利用者には関係がない。利用者が知りたいのはその棚に何番台が入っているかで、上の「34」の棚だったら、片面に「372〜375」、もう片面に「375〜375.76」が入っているということを知れば十分。そして十進分類の中身の説明が必要かどうかは微妙。それこそ大学図書館なので、「374.94には学校給食関係がある」みたいなのはいらんかもしれん 。そもそもこの部分的で断片的な枝番説明の選択は、なにが基準なんだろうか?(もしかしたらデザイナーが十進分類をよく知らない可能性まである?)

壁面はもっとひどくて、これはもうほとんど手掛かりがない。上は「K」とか「S」というサインがはいってるけど、このSも上の「34」と同じただの連番で、四方の壁にA〜Zまで入ってるけど、そのA〜Zと十進分類がどういう関係になっているかを知る手掛かりはない。

上の2枚目の方の写真(シャレオツ!)だと中央に「100 哲学」という木製の箱みたいなのが置かれてるけど、手掛かりはこの10番ごとだか50番ごとだかの見えにくい箱みたいなものしかないわけですわ。実際には100番ごとだろうが50番ごとだろうが見えないから関係ない、っていうかこんなもの意識してませんし、何番ごとに置かれてるか1年通ってるけど知りません。これ、どういうことかわかりますか?つまり実際には、とにかくいちいち本の番号をてがかりにして、そこからずーっと棚を見ながら歩いていくわけです。

私はかなりよく図書館を利用するのですが、さすがに十進分類がどこにあるか頭にはいってるわけがない。1階と2階を一周ずつする、さらにフロアのまんなかの棚を見て、例の数字に幻惑される、みたいなの毎日おこってますがね。

書架は8段あるので、最上段は2メートルを越えているので、私の目では何番がはいっているかとかもちろんわかりません。(まあこれくらい高いと本をとろうとして脚立や台座に載るのも危険ですが、それはおいといて)

フロアごとに何番台が置かれているかのサインもない。こんなものがプロの仕事か。

そりゃこれを発注したのは大学で、それは委員会やらコンペやらやってるわけなので最終的には大学が悪く、それを支持している我々一般教職員にもおそらく責任がある。でもデザイナーとか建築家っていうのはプロなんだから、なにをどうすればどうなるかちゃんと考えて提案するもんじゃないのでしょうか。そういう話でした。

大学の優秀な学生様たちは、この使いづらさに気づいているので、こういうものを自作して(あんまり目立たないところにだけど)貼らせてもらってるみたい。(先週やっと見つけました)

私これ見つけたとき、正直ちょっと泣けてきましたよ。「私ら教員がしっかりしてないために君たちにこんなことさせちゃってごめんね」みたいな。

世界は変えることができる」へ続く。

日常雑記:Togetterで炎上しそうになってしまった……

去年9月に大学の新図書館が開館してわーいっていって使いはじめたのですが、なんか使いづらくて困ってたのです。建物自体はおしゃれなんだけど、本の配置なんかが機能的じゃない。「あれをこうしてください」とかいろいろ口頭でお願いしてたんですが、なかなか改善しない。

ずーっといらいらしたまま1年近く過ぎて、「なんでうまくいかないんだろう?どうしたらいのかな?」とか思ってたときに、サインをデザインしたデザイナーさんがその図書館のサインのデザインについてツイートしてたので、つい反応してしまいました。

どうもそのデザイナーさんは、大学だし、OPACなどで検索するのだからサインはそれほどわかりやすくする必要はない、知的な印象を重視したい、のような発想でサインを設計したらしいんですね。ずっと悩んでいらいらが溜っていたので、ついキツい言葉で反応してしまいました。ついでにトギャッタとかでセルフまとめ作ってみたりして。作ったあとに仮眠してたらいきなり3万ビュー、コメント100件とかになっててこれはまずい。ネットリンチを誘発してしまった。反省。

トギャッターの「注目まとめ」とかはてなブックマークの「ホットエントリ」とかに入ってしまうと、あっというまに人が集まってえらいことになってしまうわけですね。問題提起はしたいんだけど、ネットリンチみたいな形になるのは本意ではないので一時閉鎖。

おそろしい時代になりました。ある程度問題提起はしたくても、話題が大きくなりすぎると集団による個人攻撃になってしまう。注目をコントロールするっていうことも考えないとならんわけよねね。

↑この本は非常におもしろいので読んでください。

→ 「悪いデザインは人を苦しめます」に続く。

 

和訳はこっち。