- あんまり議論できないけど、ルージュモン先生やC.S. ルイス先生とかの「エロスとアガペー」みたいな話は、我々の世代はうたがって読まないとならんと思う。あれはおそらくよくない。
- でもこの章はOK。こういうふうにざっくり話してもらえば、興味もつひとはそっから本読むだろうし。
- ひとつだけわりと重大な文句書いておくと、結婚という社会の制度と、恋愛という我々の一部がやってる営みとの切り分けが難しくて、そこははっきりさせてほしいと思う。もちろん先生はその二つがちがうものであることはわかって書いてると思うんだけど、「恋愛「制度」」っていう発想と表現するもんだから、そこらへんがわかりにくくなってるわけです
- そういや、ここらへんで不倫や浮気の話が出てきているのでもう一つコメントすると、タイトル「束縛の歴史」を見て、たいていの人々は恋愛観による束縛というよりは、男女間(あるいは同性間)の恋愛でのパートナーの行動の「束縛」行為を思いうかべると思うんですよね。鈴木先生はそういうのはあんまり好きじゃないのかもしれないけど、まさに結婚や恋愛関係(それが制度的なものであれば)っていうのの核にはそうした束縛や排他性があって、それ議論してくれないとどうも恋愛論っていう気がしないんですわ。おそらく鈴木先生は、そういう「恋愛もセックスも一対一じゃなきゃ」とか「二股は許さん」みたいなのも文化的なもんだから見直してあんまり重要なものではないし見直してもいいだろう、って言いたいんじゃないかと勝手に推測してるんだけど、それはっきりやってくれた方がわかりやすかったかもしれない。
- 『恋愛制度、束縛の2500年史』で恋愛の歴史を学ぼう (1) まえおき
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- 『恋愛制度、束縛の2500年史』で恋愛の歴史を学ぼう (4) こういうのは許しませんyo!
- 『恋愛制度、束縛の2500年史』で恋愛の歴史を学ぼう (5) ローマ人だってそれなりにロマンチックだったんちゃうかなあ
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- 『恋愛制度、束縛の2500年史』で恋愛の歴史を学ぼう (11) 個人主義ってなんだろう
References
↑1 | あれ、血糊の話と庭師の話は別みたいね。 |