セックスの哲学

『犯罪学ハンドブック』を読もう!

やっぱり知らん分野はハンドブックとかから勉強する、っていうのが、私のような素人が他の分野の研究とかを鑑賞する(勉強するんじゃなくて鑑賞ですなあ)ときの王道だと思うのです。最近『犯罪学ハンドブック』っての出てて、これアメリカのその分野の大学テ...
セックスの哲学

『性暴力と修復的司法』第4章の一部チェック(おわります)

もうしわけありませんが、途中だけどもう終ります。デイリー/カズンズ論争の紹介をしたかったのと、全体の構成その他についてちょっと書きたいことがあったのですが、どのページをひらいてもいやなものを見つけてしまって、もう私は心理的に耐えられないです...
セックスの哲学

『性暴力と修復的司法』第4章の一部チェック(5)

これはちょっと細かいのですが。私はまさしく彼が「聴くこと」を望んでいます。〔私が〕どんなに無力な状況に置かれ、ひどいトラウマを負ったのかを。彼が完全に〔私の苦しみを〕受けとめて理解すると期待しているわけでもありません。私の口から直接出てくる...
セックスの哲学

『性暴力と修復的司法』第4章の一部チェック(4)

第4章第3節も見ておきたい。 p. 151に出てくる、Nodding (2011)という資料はどういうものかよくわからない。この団体   が出している冊子かもしれない。あるいはこれ  そのものか。そもそもこの団体がどういう性質のものかよくわ...
セックスの哲学

『性暴力と修復的司法』第4章の一部チェック(3)

デイリー先生の文章の引用私は〈裁判による性暴力の問題解決〉より〈カンファレンスやそれに類するRJ〉がより一般的に用いられるとは思わない。〔しかしながら〕私は犯罪と被害へ、より洗練された対応をすること、そしてRJがその流れの中に位置づけられる...
セックスの哲学

『性暴力と修復的司法』第4章の一部チェック(2)

p.149刑事司法制度の補完として、RJを取り入れる具体策としては、「有罪答弁」の改革をデイリーは挙げている。現行の刑事司法制度にも、加害者が自らの犯行を自白する「有罪答弁」は導入されている。しかしながら、デイリーによれば「有罪答弁」は「被...
セックスの哲学

『性暴力と修復的司法』第4章の一部チェック(1)

小松原先生の『性暴力と修復的司法』の第4章は非常に問題が多いと思うので、すこしずつ指摘したいと思います。実は同内容の別の文書を書いてしまって、公開するべきかどうか実はかなり迷ったのですが、やっぱり見てしまった以上は書かざるをえないと思います...
読書

読書案内:女性のための働き方・立ち回り・そして社会的発言ガイド本

私、正直なところこういうブログ書いてて、ネットの一部ではアンチフェミやらミソジニーやら言われてるかもしれないんですが、それは誤解で、商売がらもあって特に女子の安全・健康と社会進出には強い関心をもっています。むしろ女性応援。女性は神様です(お...
教員生活

離すと動作するカード読みとり機

図書館の入口にこういう改札があるのですが、これ、張り紙とかしてかっこ悪いっていうのもあれなんだけど、それ以外にもものすごく使いにくいんですわ。右の矢印のところに電子カードの学生証や職員証をタッチして入るんだけど、これの反応がものすごく悪くて...
セックスの哲学

EUの女性に対する暴力の調査はすすんでるなー

EUの女性に対する暴力の調査を日本でもやった先生たちの調査結果報告についてこれ、龍大のページではWORDのままで開けない人がいるかもしれないので、PDFにしておきますね。 、フェミニストの小松原織香先生が加えたコメントに、正体不明自称プログ...
セックスの哲学

「メディアは現実を構成する」について調べてみた

どうでもいいつまらない話なんですが、時間とお金をつかったので記録だけしておきます。(マス)メディアとジェンダーというテーマは、ジェンダー論やらフェミニズムやらの中心的なテーマの一つなわけですが、「実証的な調査はどういうものがあるのか」ってん...
音楽

サロメさんを鑑賞して教養をつけよう

職場では「教養科目」とかそういうのを担当させられていて、まあ私そういうのしかできないのでわりと楽しくやっているわけです。教養ある学生様を育てるのが目的だと思うので(想像)、音楽とかも教養だから聞いてもらったりしています。まあ大人数講義で1時...
教員生活

図書館は改善されている

図書館のどこになにがあるかわからない問題はずいぶん改善されつつあります。今日はこういうの見つけてちょっとうれしかった。これであんまり迷うことがなくなりそうです。
セックスの哲学

妊娠中絶は「10代女子の問題」ではありません

「10代女子が1日40人中絶する現実にも、アフターピルが広まらない理由」っていう記事がちょっと話題になってたんですが、この手の話が「十代女子の問題」であるとか、それが「男性優位社会」の問題だってっていうように誤解されちゃうかもしれないのでち...
セックスの哲学

ジュディス・バトラー様と竹村和子先生のインクレディブルなダジャレと翻訳

数日まえに載せたヌスバウム先生のバトラー様批判(あれは私の翻訳ではないです、柳下先生)にはけっこう反応があったみたいなんですが、ブログとか書いてくれてる人もいたんですね。 書きたいのはこの方のブログの内容ではなく、そこで引用されているバトラ...
セックスの哲学

大学でフェミニズムを勉強したい人は

フェミニズムやらジェンダー論やら勉強したいひとのためのリストみたいなのがない、みたいな。いやそういうのはたくさんあると思うから私が書く必要はないと思うんだけど、ちょっと一般的な話にからめて紹介したいと思います。そもそも関心がフェミニズムの特...
セックスの哲学

セックス哲学史読書案内:オウィディウス『恋の技法』からナンパとモテへ

オウィディウス先生は文庫であるので入手しやすい。Ars Amatoria、『恋愛指南』とか『恋の技法』とか、『愛の技術』とかいろいろ訳しかたはあります。
音楽

ジャズ入門(34): フリージャズはデタラメではない

過去の記事を見直していて、オーネットコールマン先生の話やデイブブルーベック先生の話とか読み直し、別件で山下洋輔先生のこととか考えてたら、セシルテイラー先生の名盤を聞きたくなりました。これほんとに名盤なんよね。CDで入手するのずいぶん苦労した...
セックスの哲学

セックス哲学史読書案内:アリストテレス先生の友愛

アリストテレス先生は偉いのに国内では読みやすい本がそれほどない印象。
音楽

ジャズ入門(33): インタープレイって何やってんの?(2)

ソリストとバックの間でなにをやってるのか、っていうのはおもしろくて私も勉強したいのですが、ソリストどうしでもいろいろやってるわけです。一番有名なのはこれですね。開始時間指定してますが、最初から聞いてください。
音楽

ジャズ入門(32) 1975年ごろジャズはなにをしていたか

70年代のジャズってなんか低調というか、フュージョンが出てくるまでペンペン草1本生えなかった印象がありますが、その直前にはどうなってたでしょうか。まあヨーロッパとかでは喜んで聞かれてたんですよね。私の75〜6年の印象はこんな感じ。
音楽

ジャズ入門(31): インタープレイって何やってんの?(1)

この「ジャズ入門」シリーズ読みなおしてみて、けっこうおもしろいので継続してみたい。あれ以上はネタ本がないと書けないわけですが、ポール・ベルリナー先生のThinking in Jazz: The Infinite Art of Improvi...
倫理学

ヌスバウム先生のバトラー先生批判、全訳

柳下先生から昔彼がやっていたヌスバウムの「パロディの教授」の訳をもらったので、ここにあげておきます。著作権関係はクリアしていません。これをここにあげた点の責任は江口にあります。昔私もちょっとだけやったのですが、ちゃんとやってもらってよかった...
音楽

iPhoneに入れてるラテン曲&ブラジル曲

iPhoneにはいってるラテンの曲のプレイリストも作ってみますた。もうすこし増えるけど、Spotifyにない曲も多くて作りにくい。ラテンポップといえばサルサかレゲトンですが、聞いてほしいのは、メレンゲバンドのLa Makinaですね。ベース...
音楽

椎名林檎先生のベスト10を仮に作ってみた

iPhoneのプレイリストをいじっていて、ついでに椎名林檎先生のベスト10を選んでみました。下の方はもう少し考えたい感じはあるんだけど。
セックスの哲学

フィガロの結婚からケルビーノのアリア二つ

大人数の教養科目みたいなので1時間半の授業は長いので、途中で5分ぐらい休憩して音楽とか流すことがあるのですが、今日はフィガロの結婚のケルビーノ君で。この人は思春期にはいったところの美少年お小姓って設定ですね。年齢は知らないけど14才ぐらい?...
音楽

「恋するフォーチュンクッキー」は本物のマスターピース

SNSでAIアイドルみたいなのにフェミニストの人が文句をつけたのが問題になってるようですが、なんかあれですよね。我々はおそらく生物として生き延びるために我々はどうしてもネガティブなものに目が行きやすいんだけど(そうじゃないと危険な目にあって...
倫理学

ハイト先生による強みの伸ばし方リスト

Jonathan Haidt (2002) "It’s more fun to work on strengths than weaknesses (but it may not be better for you)" (リンクはこれだけど...
セックスの哲学

セックス哲学史読書案内:プラトン先生のエロス

プラトン先生の『饗宴』は絶対に一回は読まないとならない。いろんな訳があるので、まあ好きなので読めばいいと思う。文庫本でいいでしょ。光文社の中澤先生のは注とかも豊富だし、いまのファーストチョイスだと思う。京大出版会の朴先生のも注釈が便利。一般...
セックスの哲学

セックス哲学史読書案内:古代ギリシアの奥深い純情

女子大の講義でセックス哲学史みたいなのやってるんですが、回ごとの学生様向け読書案内をなるべく掲載してみたい。実は前にも書いてるんだけど、時代別に分けてみましょう。古代ギリシアの生活など古い文物は文字だけではイメージがつかめないので、ぜひヴィ...