『ザ・リバティ』1999年10月号が届いた。スティーブという仮名になってるけど、これはやっぱり”T.K.”の事例だよな。
一体なぜ彼女たちはスティーブが意識を持ち、自分の母親を識別できると感じているのだろうか? 結論を言えば、それは近代科学と現代医療が見落としてきた霊的真実、つまり脳死状態になっても人間の肉体には、「魂」が宿っているからである。(p.38)
人間の思考力や判断力は、単なる脳の神経作用ではなく、魂、なかでもその中核的な心の機能に他ならない。脳はその思考内容を言葉や行動に表すための仲介機能を果す、いわばコンピュータにすぎず、このコンピュータを操作するオペレーター、即ち考える主体こそ「魂」なのである。だからこそ、スティーブは脳に重大な損傷を受けながらも、母親の呼びかけを理解できるのだ。(p.38)
なるほど、勉強になる。最初は「彼女たちは~感じているのか」という慎重な問いなのに、うしろで「呼びかけを理解できる」になっちゃってるのは愛嬌。
p. 36で医師の丸岡功先生の談話がある。「編集部の取材に医学的アドバイザーとして同行」したらしい。それほどへんなことは言ってない。視床下部と下垂体は生きていると。無呼吸テストはパスしてないが、「臨床的診断」は「疑うべくもなく脳死」っことらしい。
ところで、小松美彦先生の『脳死・臓器移植の本当の話 (PHP新書)』だと、次のような記述がある。
私たちは母親のこういた物言いを、母親に特有の感情移入だと思うかもしれない。母親の目にはそう映るだけだと。だが、そうした判断は彼女に限ったことではない。スティーブのもとには、重度障害児専門の教師が週に三度来訪し、母親とともに機能回復の訓練を行って彼から感情や反応を引き出すことに努めている。そして、教師もまた母親と同じ認識に達しているのである。(p. 396)
でももと記事にはそういう記述はないみたい。っていうか母親のジーンさんが「私たちは~試しました」「私たちは~を察するのです」と語っているけど、この教師のウラはとってないみたいね。すべてジーンさんに対するインタビューから得られた情報。
あ、無呼吸テストしてないことは小松先生も認めているな(p.400)。まあいやなテストなんだよね。
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