会社で仕事するとは

学生のうちは会社に入って仕事をするってのがどういうことなのかイメージがわかないと思うのね。

だいたいの2、3回生は仕事ってのは「朝会社に行って、上司からその日の業務を言いつけられて、それをするのだ」と思っているようですが、具体的にどういうことをするのか考えたことがありますか?コンビニや喫茶店なら、「朝挨拶して着替えてお金をチェックして店内の掃除してお湯をわかして食器の準備をしてコーヒーを入れて、物品の数をチェックして足りないものを手配して、バイト仲間と雑談しつつお客が来るのを待つ」とか、わりと具体的に想像できると思うんだけどね。

マンガ読んでも、「仕事で忙しい」「残業だから」とかっていう表現は多いけど、具体的にどういうことをしているわわかんないんじゃないかな。『働きマン』とか読んでもわかんないですよね。

まあ実際、一口に「企業で仕事」っていったって営業なのか内勤なのか製造なのかとかで色々とあるんで、一口には言えんわな。

でも、20〜30代で手取り30万、40万もらえる仕事には共通点があります。それは、「自分で自分をマネジメントする」ね。

たしかに時給800円のバイトでは、あなたがやるべきことはきちんときまっています。しかしそれは800円の仕事だからなのね。自分ではなにも考えずに言われた通りに、あるいはマニュアル通りに体を動かすだけなら800円にしかならないってことでもある。

1日1万円以上もらえる人というのは、自分で仕事を作れなければなりません。会社は次第に変化し成長するものなので、常に新しいことにチャレンジしなければなりません。どうすれば新規の顧客を獲得できるのか、今なにをすればさらに効率や生産性が上がるのか、どこにお金もうけのタネがあるのか、他の会社に勝つにはどうしなきゃならのか、参加しているプロジェクトを成功させるにはなにが足りないのか。そういうのを考え、自分がなにをやるのか考えられるひとだけが1日1万円もらえるのです。

情報を集め、同僚その他と交渉し、人を説得し、自分でトラブルを解決していける人だけがお金をもらえる。だからそのための準備を大学でしておくべきなのです。

たとえば、ある会社(今熊野商事)であなたの上司があたらしいプロジェクト(中国から肉饅を輸入する)をはじめれば儲かるんじゃないかと考えたとしまう。そのためにあなたの上司は重役会議にそのプロジェクトの設立を認めてもらうための資料を提出してプレゼンしなきゃらならない。このときにあなたがすることは何か?

資料集めは当然ですね。肉饅の仕入れ価格、品質、国内での販売価格、同業者が提示している価格、見込まれる取引先、流通経路・・・まあそういうのはおそらく最初は上司があなたに「〜を調べて」と指示してくれるでしょうが、なにか足りないものがないかいっしょに考えるのがあなたの仕事になる。そのときにそれを調べる方法をあなたが知っていれば上司はすごく楽になる。ワードやパワポで資料やスライドとか作ったりするときも、あなたができる仕事はやってあげれば上司は別のことに頭を使える。もっとよいアイディアがあれば、上司にそれを進言すれば、上司はより説得力のあるプレゼンができて、重役会議で成功して、その後偉くなっていく可能性がある(あなたはそれに付随して昇進できるかも)。

昇進すれば頭を使うことがより多くなるので、部下に一々指示する時間なんてなくなるし、信頼でいる部下にそれをまかせたい。そもそもなにを考えればいいかを教えるなんてのは非常に面倒なことなので、なるべく自分で判断できる人が部下に欲しい。コピーとるのに何時間もかかってるやつなんか使えない。上司から教えてもらえるまで、指示されるまでぼーっ待ってるような人間は、会社では不要なのね。邪魔だからそっちで座ってて。

もちろんそういうのは最初っからできることじゃないから、少しずつ学んでいかなきゃならん。

お茶の出し方、コピーのとりかたから、メモのとりかた、企画の立て方、軽い書類の作りかた、しっかりした書類の作り方、外部への広報文書、人前での話し方、他人とのスムーズなコミュニケーション、部下やバイトへの指示の与え方、できない部下の使い方、上司への報告と進言の仕方、仕事仲間を増やす方法、応援をとりつける方法、プロジェクトの運営方法、アルバイトの仕事マニュアルの作り方、会社に入るとそういうのを少しづつ学ばなければなりません。まあちゃんとした会社はそういうのを「研修」として教えてくれるかもしれないけど、小さいところはそうもいかんこともあるわな。どちらにしても、そいうことを学ぶための準備を大学時代にしてない人は、すぐにあんまり考えなくてもよい仕事にまわされてしまうのね。でもそれはあんまりお給料もらえないの。

そういう選抜は会社にはいってすぐにはじまります。サバイブするために全力を尽くしましょう。

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