「アンビバレント」「琥珀色の街、上海蟹の朝」「祝祭」「me me she」

2回生で1回、グループワークとして楽曲の歌詞について考えてもらいました。

3、4人ぐらいのグループに分かれて、ジャンケンで勝った人が自分のプレイリストから1曲を選んでもらう。それをまずみんなで聞いてもらって(イヤホン)、次に1回歌詞を朗読してもらう。んでどういう人がどういう人に語りかけているかとか、どういう状況かとか、メッセージはなんですか、みたいなを例のワークシートを埋めながら考えてもらう、みたいな手順です。ワークシートは説明不足だったので、最初はあんまりうまく機能しなかった。もう1、2回やってみたい。

教えてもらったのは次の曲。私もコメントしとこう


欅坂46「アンビバレント」


歌詞 → https://www.uta-net.com/song/254130/

まあこれは有名曲だし、私が語ることはあんまりないなあ。130BPM、四つ打ちEDM、アキモト標準アイドルソング?あんまりいいことがない思春期〜若者、ださい男の子が語り手かなあ。

メッセージは「孤独なまま生きていたい/だけど一人じゃ生きられない」のサビのところにはっきりしてると思う。

「なにもはっきりしないアンビバレントな状態です。ちかづきたいけど近づきたくありません。「ハリネズミのジレンマ」でたいへんです」みたいな感じでしょうか。

じっくり聞いてみると、「ラブソングばかり流れるシーズン/マジ恋人いない聞くなリーズン」のところがものすごくダサくてとてもい。こんなライム考えられるのはやはり秋元先生は天才だと思わされますね。

「願望は二律背反/押し付けの理性なんて信じない」のあたりでなんかカント先生やショーペンハウアー先生っぽくなりますが、ここらへんの哲学風味も秋元先生らしくていい。

あと、欅のダンスは別嬪さんたちにキモい動きをさせてて挑戦的でしたね。


くるり「琥珀色の街、上海蟹の朝」 (2016)


歌詞 → https://www.uta-net.com/song/210701/

恥ずかしながらこの曲知らなかったのですが、これはすごい曲ですね!

  • 学生様たちはこれ恋愛の歌だろうって聞いてたみたいですが、ものすごく政治的な感じですよね。2016年の発表なので、香港の2014年の「雨傘運動」あたりへの賛意が隠れメッセージでしょうね。香港そのままだとカドが立つので上海蟹にしたかな。「さようならさマンダリンの楼上」「不穏な未来」「吸うも吐くも自由/それだけで有り難い」「この街はとうに終わりが見えるけど/俺は君の味方だ」とかまあ。
  • ライム踏みまくりでものすごく技巧的な歌詞です。
  • 音の質感はオールドスクールHIP-HOP/ラップな感じ。あれこれの日本人ラッパーたちの感じもうまく再現しているというか、オマージュ。
  • コード進行はいわずと知れたJust the two of us。でも丸の内サディスティックの感じの方が近いですね。もちろん、If you want me to stayな感じもはいってる。
  • 全体のエレピや、突然登場するギターソロの感じがディアンジェロのファーストアルバムな感じ。
  • 男女のオクターブちがいユニゾン私も好きなんです。
  • 「もうそういうのいいよ」は欅坂の「エキセントリック」オマージュかと思ったら、発表順逆だった。むしろエキセントリックがこれのオマージュ?
  • 「いいからさぁ」「やりきれないだろう」「聞こえてくるよ」みたいなのにキリンジの「エイリアンズ」を感じた。
  • なにより、ポンキッキの「カンフーレディ」へのオマージュもはいってますね。アチョー!この曲、けっこうカバーされてるのね

まあこの曲は、ほんとにいろんな曲のコラージュとオマージュで構成されていてものすごくいいと思いました。


sumika 「祝祭」

歌詞 → https://www.uta-net.com/song/297582/

これはまあ受験応援ソングですか。「人生、関門があるけどがんばります!虹をくぐりぬけたら君と遊べるといいですね」ぐらいの歌で、ポジティブでおだやか、前向き。CM応援ソングらしい。音楽にも歌詞にも毒が少ない。「晴のち雨」「凪のち風」「群れのち一人」とかちょっと工夫されていて、この「ちょっと」な感じが適切なのだろうという感じ。


RADWIMPS 「me me she」


歌詞 → https://www.uta-net.com/song/49383/

これはなんかすごいなあ。一聴してびっくりしました。まあ女子に逃げられた若年男子の歌だと思うのですが、とにかく私にはキモい。

だけどそんな僕(を)つくってくれたのは

パパでもママでも神様でもないと思うんだよ

残るはつまりほらね君だった

女子にとって、「パパ」「ママ」「神様」と自分が並べられてしまうのはとてもキモいはず。「つまりほらね」もなんか奇妙だ。へんに論理的すぎる。「つまりほらね」とか言ってるから逃げられたのではないか。

なによりここだ。

僕が例えば他の人と結ばれたとして

二人の間に命が宿ったとして

その中にもきっと君の遺伝子もそっとまぎれこんでいるだろう

「遺伝子がまぎれこんでいるだろう」!。

つまり、「僕が別の人と恋愛して結婚したとします。そしてセックスして妊娠出産するとしますが、そのときに君に少し似た子どもができるでしょう」。っていうかその元カノの遺伝物質はどこの粘膜に残っているのだ。検体サンプル確保されてそうだ。昔交際した人に似た人を生殖するつもりです、とかっていうのはほんとうにすごい。男性の発想ではないと思う。これもなんか論理的な感じですごい。君のことはずっと忘れません、とかそういうのではない、ものすごさ。君と僕は一回そういう関係になってしまったので、君がどう思おうが離しませんよ、みたいなメッセージ?

まあ女性ならそういう発想がどっかあってもまあ奇妙だけどありかなあ、みたいなのはありますね。しかし、女性が妊娠出産して、その子どもがなぜかダンナより元彼に似ているときに、「まあ元彼の遺伝子が残ってたのかしらね」みたいなキモさも連想する。

むしろ「僕が他の子と結婚しても〜」って言うことによって、それによって「君が他の男と結婚してセックスして子どもを生んでも、僕の遺伝子がそっとまぎれこんでいますので覚悟してください」みたいなことを言いたいとか連想させたいようにさえ思う。これはやばい。

「結ばれる」とか「命が宿る」「愛し方」とかもキモい。すごい言語感覚と発想で、この人本当に天才かもしれん。どうも野田進次郎先生21才のときの歌らしく、まあそれくらいの年齢だとこういう発想するんだろうか。

まあとにかくこの曲はラブソングというよりホラーソングっぽい。天才。

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