トランスジェンダーについての基礎知識

めくってみているDavid C. Geary (2021) Male, Female: The Evolution of Human Sex Difference, 3rd ed.っていうのにトランスジェンダーの人々についての基礎知識があったので、Emacsのorg2blogってのでwordpressを書くテストをかねてメモあげてみます。

  • ジェンダーアイデンティティ = 自分のジェンダーについての当人の心理的感覚。99%以上は誕生時の性別に一致。
  • トランスジェンダーの人は生まれつきの性別がジェンダーアイデンティティと合ってない人。(ただし男女以外の場合もある。ノンバイナリー、ジェンダー流動的、ジェンダークィアなど)。
  • さまざまな文化で性別に典型的でないふるまいをする人々を記述する言葉がある。
  • ジェンダー違和(gender dysphoria 性別違和)、異性として見られ受けいれられたいという強い欲求をもつ人々がいる。
  • 性別に応じた典型とちがうふるまいをする子供は多い(男児の3%、女児の5%程度)が、これは生まれの性別に対する違和感とはまたちがったもの。
  • 1〜2%の子供が異性になりたいと語ることがあるが、これもトランスジェンダーとはちがう。このなかの85%程度は、思春期から青年期には異性になりたいと望むことがなくなる。一部は生まれの性別にとどまりつつホモセクシュアル・バイセクシュアルと自認するようになる。
  • 子供時代から性別違和を感じている人々は「早期型」性別違和者。子供時代から性別に非典型的な振舞をし、ホモセクシュアルになる傾向がある。
  • 成長してから性別違和を訴える「後期型」は圧倒的に生まれは男性。子供時代にはさほど強い性別違和はなく、しばしばヘテロセクシュアルであり、人生のけっこうな部分をヘテロセクシュアルとして生活した経過をもつ。この種の人々の一部は自分自身が女性であると想像することに関して性的興奮をおぼえることがあり、Blanchardという研究者は自己女性化嗜癖autogynephiliaと名づけたが、これはけっこうな論争になる。
  • 成人期の性別違和は子供時代よりずっと少ない。あるメタアナリシスでは、14,705人に1人がトランス女性。トランス男性はもっと少なく、38,461人に1人。ただしこれは医療機関に相談した人々の数なので、かなり過小評価になっているかもしれない。
  • 近年、性別違和を訴える青少年が増えているが、一般的な認知が普及したから周りの人々ににそうしたことを告げやすくなったためか、あるいはマスコミ等の影響でそう感じる人が増えているのかは不明。

これくらい。あっさりしてますが、まあこの手の情報さえあんまり流れてなかったりするから。

英語圏ではトランスジェンダーの人々や、そうした人々に対する差別みたいなのについての論争がかなり長く続いていて、国内のネットでもここ数ヶ月けっこう激しいやりとりが続いているようですが、セックスなんかについての話は、ネットにあるブログ記事とかあさる前に、まずはちゃんとした教科書やハンドブックみたいなものを見て基本を確認しておきたいように思います。

関連記事はこっち。

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