セックスの哲学

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このブログで取り上げた、文献の参照に問題がある研究

このブログでとりあげた参照に問題があるものの一部。 以前のエントリ「他の研究者先生を信頼できないのはつらいことです」から分離しました。島岡まな先生中西祐子先生田中東子先生高橋幸先生の 斎藤圭介の。ガブリエル・ブレア『射精責任』の解説にコメン...
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島岡まな先生の例の記事についてまじめに考えたい学部生向けの注意書き (2)

続きです。 (1ページ目)なぜ異例の逆転無罪になったのか2022年の事件についての大津地裁〜大阪高裁の判決ですが、こうしたニュース記事等で裁判について読む場合には、できるかぎり判決文を入手するようにしてください。法学部のある大学では判例デー...
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島岡まな先生の例の記事についてまじめに考えたい学部生向けの注意書き (1)

前のエントリでとりあげた島岡まな先生の記事について、特にそうした問題にまじめな関心のある学部生ぐらいの人に向けての注意書きです。ぜひこれを機会に勉強しましょう。(1ページ目)日本の中絶手術は、子宮の胎児を掻き出す「掻把(そうは)」が一般的だ...
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島岡まな先生のピル大国フランス信仰について

島岡まな先生は、ピル使用率が低いことをもってして、日本は女性の自己決定権が尊重されていないということを主張したがっていらっしゃるようです。日本でのピル服用率は2.9%で、カナダの28.5%やフランスの33.1%などに比べると、かなり低いこと...
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島岡まな先生の妊娠中絶件数/実施率への言及について

島岡まな先生という権威ある法学者の先生が、President Onlineのインタビューに答えた記事が話題になってましたが、私もいろいろ問題が多い記事だと思うのです。問題の数が多くて挙げきれないんですが、一個だけ。島岡先生は日本ではピル利用...
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男女共同参画局の妊娠中絶率のグラフについて

以前、「妊娠中絶は「10代女子の問題」ではありません」っていうエントリ書いたんですが、最近、男女共同参画局の資料見てたらこういうグラフあったんですよ。これは平成29年度の「男女共同参画社会の形成の状況」の「特集編 スポーツにおける女性の活躍...
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ジェンダーギャップ指数(GGI)について目を通しておいてほしいページ

自分用(そして学生様用)メモ。ジェンダーギャップ指数(GGI)についてはいろいろ解説があるのですが、私のおすすめのものをあげておきます。KY  (2024) 「ジェンダーギャップ指数の読み解き方(2024年版)」 ( ← とにかくこれだけは...
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無限定の「性的」という言葉はできれば避けてほしい/「セックスの対象にならない」

伊藤昌亮先生の「「表現の自由戦士」たちの戦い、その背景とイデオロギー」というのもめくってみて、これは示唆的な論文でおもしろいと思いました。「ツイフェミ対オタク」の対立の背景には、右派的な権力による表現規制に対抗するリベラル派による反権力とし...
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フェミニズムの入門書

質問箱で「フェミニズムの入門書を紹介しろ」と言われたので
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田中東子先生の表現の自由論 (4) まとめ

(3)に加筆したら、おそらくわかりにくい文章になってしまったので、(さらにわかりにくくしてしまうかもしれないけど)補遺を。
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田中東子先生の表現の自由論 (3) ポルノの有害さ

さて、本論文の核心部分、本論の部分です。私たちがいま早急に対応しなくてはならないのは、ポルノ表現は「表現の自由」であるかどうかという問題以上に、その「有害さ」である。ポルノを定義してないのにポルノがどれくらい有害か論じられるのは困るんですが...
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田中東子先生の表現の自由論 (2) ポルノの分類

前エントリでちょっとコメントをつけた「ポルノ表現については、米国では、「合衆国憲法修正第一条」の言論の自由条項によって法的保護を受けているし」につづいて、先生は次のように説明しています。 一九九六年には「通信品位法第二三〇条」が成立し、「相...
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田中東子先生の表現の自由論 (1) ポルノの定義の問題

『現代思想』2025年5月号の「表現の自由」特集の田中東子先生の「謳歌の後に来るものは?:「自由すぎる表現」の爆発的増加とその始末」という論文を読んで、少しコメントしたいことがあったので書いておきます。
ジェンダー

「体力」の男女差について目にしたものについて

朝日新聞のThinkキャンパスっていう記事で、スポーツや体力とジェンダーの記事があって話題になってました。→ 「男性のほうが体力がある」は本当か? スポーツを通じて学ぶジェンダー論スポーツとジェンダーの話はいろいろおもしろいところがあって、...
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翻訳ゲリラ:A. W. イートン「女性ヌードの何が問題か」

なんかまた「宇崎ちゃん」とか萌え絵の女性表現とかが話題になってて昔のことを思い出したので、それに関連して話題になったアン・イートン先生の「女性ヌードの何が悪いか」をChatGPTに訳してもらいました。イートン先生が自分で公開しているから、著...
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翻訳ゲリラ:SEP リナ・パパダキ「性的モノ化についてのフェミニスト的見方」

SEPのパパダキさんのやつの無許可翻訳 最近ChatGPTと遊ぶことにハマっているし、モノ化の話はもっと資料が必要かもしれないので、SEPのパパダキさんのやつもChatGPTさんに訳してもらいました。少し修正する必要あるけど、誰かが二度手間...
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翻訳ゲリラ:ヌスバウム「性的モノ化」

最近ChatGPTと遊ぶことにハマっていて、途中でやめてたヌスバウム先生の性的モノ化論文の残りを訳してもらいました。違法だけど超重要論文で必要な人がいるかもしれないから置いときます。訴えられたらカンパおねがいします。
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高橋幸先生の「近代社会における恋愛の社会的機能」(9)

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ブーニン先生のセックス倫理学本は最高です

デヴィッド・ブーニン先生という私が以前から尊敬している応用倫理学の先生がいるのですが、2022年に The Palgrave Handbook of Sexual Ethics という素敵な本を編集してくれて助かっています。 目次はこんな感...
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高橋幸先生の「近代社会における恋愛の社会的機能」(8)

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高橋幸先生の「近代社会における恋愛の社会的機能」(7)

高橋先生のもう一個のジンメルへの言及も確認してみました。
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高橋幸先生の「近代社会における恋愛の社会的機能」(6)

引用です。
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高橋幸先生の「近代社会における恋愛の社会的機能」(5)

ベルサイユのばらの完全愛で満足してしまって、もう続けにくいのですが……
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高橋幸先生の「近代社会における恋愛の社会的機能」(4)

んで、一番困ったのが次です。
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高橋幸先生の「近代社会における恋愛の社会的機能」(3)

昔あつめた文献をひっくりかえすことになったのは、こっから先の先生の議論に違和感があったからです。
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高橋幸先生の「近代社会における恋愛の社会的機能」(2)

そもそも、スタンバーグが恋愛は「友情 + 情熱だ」って言った、って話が実はおかしいんですよね。
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高橋幸先生の「近代社会における恋愛の社会的機能」(1)

ついに、元気な社会学者の先生たちによる『恋愛社会学』が出版されてたいへんよろこんでいます。がんばってほしいですね。
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ブックガイド: 恋愛心理学のおすすめ本2024

10年ぐらいまえに一回ブックガイド作ったんですが、古くなってしまいましたね。
お説教

翻訳ゲリラ:セックス自己啓発本の見わけ方

(Spencer A. Rathus, Jeffrey S. Nevid & Leis Fichner-Rathus, Human Sexuality in a World of Diversity, 6th ed., 2005のp.8から...
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翻訳ゲリラ:アニタ・スーパーソン「セクシュアル・ハラスメント」

Anita M. Superson,‘Sexual Harassment’ in Hugh LaFollette (ed.), Ethics in Practice: An Anthology (Blackewell, 1977), pp....