セックスの哲学 性表現と表現規制(7) ポルノ批判と会田先生の答え まあ米国での規制の法制度づくりは失敗したわけですが、その後もポルノは性差別だというマッキノンとドウォーキンのラインの議論はけっこう魅力を感じる人もいるようです。表現そのものが性差別だとかってのに疑問を感じる人がいると思いますが、人種差別的な... 2013.02.14 セックスの哲学
セックスの哲学 性表現と表現規制(6) エロチカとポルノ キャサリン・マッキノンとアンドレア・ドウォーキンのラインの考え方では、性表現はよい性表現と悪い性表現がある、と。それを分けましょう。たんに友好的で平等で自発的で楽しいセックスを描いた「エロチカ」と、女性をものみたいに扱ったりいじめたり差別し... 2013.02.13 セックスの哲学
セックスの哲学 性表現と表現規制(5) 性差別としての性表現 しかし1980年代からは、「猥褻」としてではなく「性差別」や「性暴力」として性表現を見る考え方が現れて注目をあびるわけです。この一連のエントリの始まりに書いた「ポルノ被害を考える会」なんかの思想的背景はこういうところにあるはずです。1960... 2013.02.12 セックスの哲学
セックスの哲学 性表現と表現規制(4) 猥褻規制の問題点 しかしまあ猥褻だから規制してしまえ、って考え方は多くの批判にさらされていて、一般にうまくいかないと思われています。まずはなにが猥褻なのかが常に曖昧なことですわね。まず定義そのものが曖昧。「いたずらに性欲を刺激する」の「いたずらに」ってのがど... 2013.02.12 セックスの哲学
セックスの哲学 性表現と表現規制(3) 猥褻猥褻 ええと、んで猥褻なんですが、どういうわけかエロい表現は国家が規制してもかまわん、とみんな思いこんでた時代があるみたいなんですね。いまもそうかもしれないですけど。とにかくある種の表現はわいせつでいやらしくてけしからんので流通させないようにしよ... 2013.02.11 セックスの哲学
セックスの哲学 性表現と表現規制(2) エロな表現 んでやっと猥褻の話なんですが。猥褻って字は難しいですね。私は書けません。猥褻猥褻。言論の自由ってのはまあ政治的にはとても重要なので、民主的な先進国の市民ならほとんど誰でもその重要性を認めるわけですが、それでも言論の自由や表現の自由ってのは絶... 2013.02.11 セックスの哲学
セックスの哲学 性表現と表現規制(1) 会田誠先生の森美術館というところでの展覧会に、ポルノ被害と性暴力を考える会( 以下「考える会」)という団体が抗議をしたのをきっかけに、ネット界隈では芸術と表現の自由とかについての議論が盛んになっているようです。まあ性表現と表現の自由の問題は... 2013.02.11 セックスの哲学
セックスの哲学 Ratus先生たちのHuman Sexuality というわけでまあおすすめのRathus, Nevid & Fichner-Rathus先生たちのHuman Sexualityの「ジェンダー役割」の項目も訳出してみました。他にも妊娠のメカニズムとか人々はどんなのに興奮するかとか、おすすめの... 2013.01.20 セックスの哲学
セックスの哲学 オペラを勉強してモテるようになろう! 「セックスの哲学」といえば、面倒なことせずにモテる方法とかってのを期待している人も多いんじゃないかと思うので、おそらくモテるために学んでおくべきことを示唆しておきたいですね。まああくまでおそらくなんですけど。あとに述べるように哲学者や哲学研... 2013.01.09 セックスの哲学
セックスの哲学 性科学を勉強しよう セックスの話をするときは、当然人間としての事実がどうなってるのかを知る必要があるわけです。まあ他の人がどういうことをしたりどういうこと考えたりしているかってなかなか知れないもんですしね。ここらへんはやっぱり生物学者や医学者や心理学者や社会学... 2013.01.08 セックスの哲学
セックスの哲学 セックス哲学アンソロジー The Philosophy of Sexの第6版が出たよ Alan Sobleが編集していたアンソロジー The Philosophy of Sexの第6版が出てました。中身がずいぶん変わって、1.(セックス概念の)分析と倒錯、2.クィア問題、3.(性的)モノ化と同意の理論的問題、4.モノ化と同意... 2012.12.25 セックスの哲学
セックスの哲学 恋愛の類型学 (2) スタンバーグの三角形理論 スタンバーグ先生は恋愛心理学の一発屋ではなく、認知心理学とかのほうでけっこう大事な仕事した人なんじゃないですかね。リー先生の恋愛の色彩理論は、恋愛を六つなり八つなりのタイプに分けるって考え方(類型論)なわけですが、まあそんなすっきりタイプに... 2012.12.17 セックスの哲学
セックスの哲学 恋愛の類型学(1) リーの色彩理論 セックスの哲学史とかいって哲学史におけるセックスの問題を扱おうとすると、どうしたって「セックス」というよりは「愛」とか「エロース」とかそういう問題としてとりあつかことになります。まあ私はそもそも西洋人は性欲と愛との区別あんまりついてないんじ... 2012.12.16 セックスの哲学
セックスの哲学 セックス哲学史:サッポー先生に恋を学ぼう 古代ギリシアの恋愛詩というと女流詩人のサッポー先生が有名です。レスボス島に住んでて女性どうしてあれしていたのでレズビアンの言葉のもとになったとか。名前は聞くわりには作品を読むことめったにないですよね。断片しか残ってないからのようです。 2012.12.16 セックスの哲学
セックスの哲学 セックスの哲学史: エピクロス先生に我慢を学ぼう エピクロス先生は古代ギリシアの哲学者で、ソクラテス先生より一、二世代下ですかね。エピクロス先生私のヒーローの一人いっぱんにエピクロス派っていうと「快楽主義」ってことになってて、英語でエピキュリアン(エピクロス派)って言うとおいしいもの食べた... 2012.12.16 セックスの哲学
セックスの哲学 セックスの哲学史: 狂気としての恋・性欲(1) 西洋人はどういうわけか古代ギリシア文明を自分たちの文化の源流だと思ってるらしいです。なんかあるとソクラテスやプラトン、あるいはホメロスまでさかのぼっちゃったりして。なんかそれって日本人が孔子様や老子様たちを自分たちの先祖だって言ってるみたい... 2012.12.16 セックスの哲学
セックスの哲学 Antioch大学の性暴力防止規程 レイプとかセクハラっていうのは「同意があったかどうか」みたいなのが面倒なので、きっちり口頭や文書で同意がないかぎり性暴力とみなそう、みたいな動きがあります。実際に学則に組み込んだ大学もある。1990年、キャンパス内で2件のデートレイプが発生... 2012.12.13 セックスの哲学
セックスの哲学 杉田聡先生の考えるあるべきセックスの姿 国内で売買春やポルノグラフィを猛烈に批判している人の一人に、杉田聡先生がいます。杉田先生によれば、本来セックスは双方が「自発的な意思」によって「自主的に興奮」し、双方が「性的快楽」を味わうことができなければならない。売買春は一方だけが性的興... 2012.12.13 セックスの哲学
セックスの哲学 活動の「目的」とかそんなにいっしょうけんめい考える必要はないかもしれない 前のエントリで「セックスの目的」みたいな話に触れてみたけど、こういうのってなんかやっぱりあやしいところがあるわよねえ。ちょっと前にツイッタとかで「学会の目的ってなんだろう?」みたいな書き込みを見かけた。まあ人間関係とか組織的活動とかうまくい... 2012.12.09 セックスの哲学
セックスの哲学 セックスの本来的(?)目的 「倒錯」っていう概念とからんでおもしろいのが、セックスには(本来的な)目的があるのかどうかとか、我々はなにを目指してセックスするのか、とかって話。「本来的な目的」みたいなのがあれば、それ以外は倒錯だとか言いやすくなるからね。「セックスって結... 2012.12.09 セックスの哲学
セックスの哲学 セックスの哲学と私 (4) 国内に目を向けると、セックスと哲学ってのは実はあんまり議論されていない、っていうかほとんど文献とかないんちゃうかな。「愛」とかそういう形ではあるんだけど、露骨なのがないから目に入らない。まあ婉曲表現だったりするんだろうけどなんかねえ。 2012.12.08 セックスの哲学
セックスの哲学 セックスの概念分析 (4) からセックスの形而上学へ まあ「セックス」とか「性的活動」とか「性的欲望」「性的快楽」みたいな言葉の分析は「我々はなにを言おうとしているのか」ってのははっきりさせる時には重要だけど、それだけではあんまりたいしておもしろい話は出てこないかもしれない。「セックス」がなん... 2012.12.08 セックスの哲学
セックスの哲学 セックスの哲学と私 (3) まあフェミニズムまわりをうろうろして悩んでいたときに手にしたのがAlan Soble先生の Pornography, Sex and Feminism 。ポルノ規制派のフェミニストたちを「ポルノ読む人間のことをさっぱりわかっとらん」とディス... 2012.12.07 セックスの哲学
セックスの哲学 セックスの概念分析 (2) まあそういうわけで「セックス」っていう概念を分析するというか、とりあえずはっきりさせたいわけだけど、「セックス」が基本的な概念なのかどうかについては諸説がある。ふつうに我々が「セックス(すること)」と呼んでいるものはおそらく「性的な活動」な... 2012.12.07 セックスの哲学
セックスの哲学 セックスの哲学と私 (2) 戻る。でまあ学部の同僚とかを中心にフェミニズムの研究会とかやってて、勉強させてもらうために顔出させてもらって、聞いてるだけだとあれだから、フェミニストによるポルノグラフィ批判みたいなのを紹介して検討したりしてた。 2012.12.06 セックスの哲学
セックスの哲学 セックスの概念分析 (1) 「セックスの概念分析」とかっていうとなんかいろいろ難しいことを考えしまいそうになるわけですが、基本的には「セックス」という言葉で何を指しているか、とか、どういうものをセックスと呼んでいるのか、とか、「セックス」と他の言葉とはどういう関係にあ... 2012.12.05 セックスの哲学