旧「目の中の丸太日記」

加藤秀一他『図解雑学 ジェンダー』

読んでみたが、コンパクトで平明な表現なのに目先が利いていて非常に優れた入門書。これ1冊あれば他の入門系の本はいらんのではないか。しかし、より深く考えてみると、ジェンダーとセックスという境界線をどこに引くか、何がジェンダーに含まれ、何がセック...
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ジェフリー・ウィークス

このジェフリー・ウィークス(『セクシュアリティ』)というひとの議論は、その筋(社会学者?)のひとびとにどのように読まれてるんだろうか。ふつうの読書経験からすると、あまりにも生物学まわりの情報が古すぎて使いものにならないんじゃないだろうか。
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田崎先生はクールだ

本のタイトルに「セクシュアリティ」を使っている田崎英明はどういう意味で使っているのかを調べてみようとジェンダー/セクシュアリティ (思考のフロンティア) をめくってみるが、少なくとも最初の30ページぐらいには特に定義らしいものは見つからなか...
旧「目の中の丸太日記」

セクシュアリティってなんだろう

どうでもいいことだが、加藤秀一の『性現象論―差異とセクシュアリティの社会学』という本の第3刷では奥付の発行年が「1996年1月20日 第1版第1刷発行」になっている。正しくは1998年らしい。ついでに書くと、p. 121で大澤真幸を引用して...
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マーサ・ヌスバウム、ジュディス・バトラーを批判する

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『男と女の倫理学』

前に「なんかいろんな意味でひどい本だな。」と書いたまま放っておいたが、それじゃあまりにも一方的なので、どう「ひどい」と思ったかぐらいは書いておかねばなるまい。たとえば山口意友による第9章「「男女平等」という神話」をとりあげてみる。この論文は...
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山形浩生訳 自由は進化する 誤訳さがし

fp.228 「生物には両方の装置が備えられていて」←An organism can have both sorts of machines「両方の装置が備えられている生物もいて」。なにも選択できない生物もいるわけだし。p.228「原始的な...
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解説まちがいさがし

p.232の著者自身のまとめ「人間の文化は奇跡ではないし、遺伝子が自分の適応力を増すために提供した追加ツールでもない」を読んで、やっと山形さんが「自由はシミュレーションのツール」っていう一行まとめで言いたかったことがほんのりつかめたような気...
旧「目の中の丸太日記」

解説まちがいさがし

メモだけ。「自由とはシミュレーションのツールである」って一行まとめ、意味がよくわからん。特に「ツール」ってときにどういうことを言ってるのか私の頭では理解できない。私が一行でまとめるなら、「われわれは決定論的な世界で自由に選択できるように進化...
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山形浩生訳 自由は進化する 誤訳さがし

第3章の後半はよく訳せていると思う。p.132「すべての傾向は永続的である---性質は一般的には変えられない---人は未来の方向性や運命や性質を変えることはありえない」← All trends are permanent, characte...
旧「目の中の丸太日記」

山形浩生訳 自由は進化する 誤訳さがし(3)

p.389「自分を合理的行為者ととらえるのは、自分の理性が現実的な応用をもつ、つまり同じことだが自分の意志があると想定することだ。」← ... is to assume that one's reason has a practical a...
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ナナメ読み

男と女の倫理学―よく生きるための共生学入門作者: 篠原駿一郎,浅田淳一出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2005/04メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見るなんかいろんな意味でひどい本だな。
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自由は進化する 誤訳さがし(2)

p.359「合理性をつかまえて自分自身のものにする」 ←How we captured Reasons and Made them Our OwnこのReasonsは「理由」の方だろう。理性の意味で複数形になっているのは見たことがない。「い...
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ついでに解説のまちがい探し(1)

p. 452 「普通は感情って、むしろ長期的な合理性を無視して目先の判断に目がくらむ方向に効くほうが圧倒的に多いんじゃないの?」←愛情とか友情とか嫉妬とか自尊心とか、われわれのさまざまな感情の大部分は長期的な利益になると思うのだが。実際問題...
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文献表

G. Hardinの「共有地の悲劇」は翻訳がある。シュレーダー・フレチェット編『環境の倫理(下)』晃洋書房。絶版?James Williamsの『プラグマティズム』は岩波文庫じゃなかったか。G. RyleのThe Concept of Mi...
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『自由は進化する』誤訳さがし(1)

自由は進化する作者: ダニエル・C・デネット,山形浩生出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2005/05/31メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 99回この商品を含むブログ (254件) を見る原文イタリックを強調しそこねてい...
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エピステモロジーその後

不勉強なので、ではじめて知った「エピステモロジー」。ぱらっとめくった『哲学の歴史〈第11巻〉論理・数学・言語 20世紀2』で最初に出てきたページで金森修先生が解説してくれていたので買って帰る。この章では、フーコーが「知、合理性、概念の哲学」...