で、赤川学先生の「性=人格」論をとりあげたときに、佐古純一郎先生の『近代日本思想史における人格観念の成立』にちょっと触れた。いまごろ入手。
赤川先生の記述からどうも佐古先生がpersonの訳語としての「人格」とpersonalityの訳語としての「人格」を混同しているのではないかと印象を受けていたのだが、とんでもない誤解。佐古先生のこの本はまさにその混同の問題を扱った良書。現代の「人格」という言葉をめぐるいろんな問題が明治の西洋哲学受容期にその源があったことがよくわかる。佐古先生は牧師なので、「人格神」とかに現れる「人格」のほうに興味あるようだが、H. グリーンとか今の人間はほとんど読まないものにまで目を通していて、資料を地道に読みちまちま記していくことの大切さを教えていただいたような気がする。でもまあ高いし、ちゃんと書いたらこの1/3の量で書けるよね。明治期の日本哲学史に興味があるとかでないかぎり、ふつうは図書館で一回目を通せば十分だと思う。でもごくろうさまです。
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