ブッチは絶対だめ
近年就活(セミナーや面接)がどんどん早まって、授業とバッティングしてしまうことが多くなっていると思います。学生さんもたいへんですね。
教員としては「就活なんかするな」なんてとても言えるわけがない状況なのである程度授業を休んで就活するのも黙認、となってしまうわけですが、大人数の講義ならともかく、少人数の授業、特にゼミでの発表をキャンセルするなんてのは言語道断です。いきなりメールで「面接なので発表できません」とかってのは絶対に許せませんね。
許せない理由はいくつかあります。
まあ一つには「学生の本分は勉強だ」という建前があります。でもこりゃただの建前でね。そんな建前を言うつもりはない。いまどきの学生さんにとって、就活は(おそらく勉学より)大事です。
でもなんというか、ゼミの発表のように自分に割り当てられているタスクを自己都合でキャンセルする人ってのは、社会に出ても仕事をちゃんとしないんじゃないかと思うのですね。自分のタスクをキャンセルする人はろくなものになれないし、私はそういう人を信頼する気になれませんね。そういう人は人々から嫌われる可能性が高い。っていうか実社会でも大事な仕事まわってこなくなりますよね。
それになにより、観察しているとそういう人は就活そのものを失敗しているんですわ。4、5年の経験で、なんかそういうルーズなことをする人は実は就活を失敗している傾向があるように思うんですよ。
うまいこと大企業に就職した人はみなそこらへんの連絡や交渉がしっかりしている。そういう人たちは、ちゃんと連絡したり相談したりして自分の日程を調整することができるんですね。そしてなにより、「自分の活動は自分でコントロールできる」という信念をもっている。こういうポジティブな信念は非常に重要です。他人から要求されたように動くんじゃなくて、会社や教員を相手に交渉することができるわけです。そしておそらく求められているのもそういう人材なのね。指示したそのままのことしかできない人とか、問題があっても相談も交渉もできない人とか、指示したことさえできない人とかなんかだめそうでしょ?
そういうひとが、お客さんとのミーティングをダブルブッキンぐしてしまったり、工場が忙しいのに納期まで間にあわないこことがわかっている契約してしまったりする営業や、原稿の締切を守れない大学教員になってしまったりするわけですね。最後のは私。はははははぁ。
「仁義」と「交渉」が大事
具体的にどうすりゃいいのか。ふつうに「仁義」を通して「交渉」して「調整」すりゃいのです。
大学センター入試じゃあるまいし、ゼミでも実社会でも「絶対この日にやらねばならない」「絶対こういうふうでなければならない」なんてルールは存在せんのです。たいていのことはなんでも融通が効くものです。なんでも「調整」すりゃいい。会社に、
「この日は私が所属している〜教授ゼミで私の研究発表がありまして、どうしても面接にお伺いすることができませんので、他の日時にしていただけませんしょうか」
と交渉すりゃいい。あるいはゼミの方に
「第一志望の会社の面接をやっと取ることができましたので他の日に発表をまわしてもらえませんか」
とか、他の受講生に頼んでかわりにやってもらうとか。それになにごとも先々に「どうしたらいいですか」とか相談しておけば無理もきく。こういうのはおそらく実社会で生きていくための最低限の基本なので、学生生活最後の段階に身につけておいてほしいのです。
仁義っていう点でいえば、いちおう大学の方が優先だと大学教員は思っていることが多いし、いちおう建前がそうなので、会社の方と先に交渉しておくのね。んで教員には「会社と交渉したのですがうまくいきませんでした」ってなこと言っておけば、いちおう教員の方の顔を立てたことになるのでOKになる。これが仁義。建前に一応敬意をしめす(ていうか示しているフリだけはする)。
発表じゃないときにゼミ休むときも「~という会社の面接に行くので(ちゃんと固有名詞を出すのがコツ)どうしても出席できません。もうしわけありません。おゆるしください。」と皆に連絡しておけばいい。まわりの子も納得する。(そうでないと、「私がいっしょうけんめい準備した発表なんかどうでもいいってことね!」と嫌われる」
そうすりゃ会社の方だって「真面目な奴だ」と好感もつはずだし 、教員の方も「うむ、しっかりしているな」と安心。
まあもしかしたら「そんなん許せん、大学のゼミなんかより我が社の面接の方が重要に決まっておる」って会社もあるかもしれないけど、そういう会社は「社員の健康や家庭事情なんかより会社の仕事の方が重要である」とも言いそうな気がするなあ。そういうところは用心しないとね。
いろんなことが円満に行くし、自分自身もいやな気分になることがない。よいことづくめ。
あと私自身がルーズな男なのでいろいろヤバい失敗してしまうわけですが、そういうときにはとにかく平謝りすることにしてます。コツはね、メールとかじゃなくてとにかく直参して口頭でもうしわけなさそうな顔することね。そうするとそれ以上怒れなくなるから。ははは。
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コメント
会社だって別の日程を用意するのは大変でしょうに。
就職活動は立派な社会勉強だと思いますけどね。
上のコメントの人は、大学は会社の都合に合わせるべきだと考えてるみたいだけど、大学は就職予備校じゃないんでね、、、。
そんなに「立派な社会勉強」がしたければ、大学を中退して思う存分そっちに専念したらいいんじゃない?
学生としての身分があるうちは、その権利を享受できる代わりに義務も最低限果たすべきだと思うよ。