ノディングス先生

原書届いた。第2版。


  • やっぱり翻訳は問題が多い感じ。たとえば一番最初からまちがえてる。

    辞書によれば、「ケア」とは、心的な受動的作用(mental suffering)、ないしは専心没頭(engrossment)の一状態である。ケアするというのは、負荷された心的状態、つまり、なにやかや、だれかについての、心配や、恐れや、気づかいの状態の中にあることである。言いかえると、ひとが、なにかやだれかに関心や、好みがある場合に、そのなにかやだれかに対してケアすることである。もし、わたしが、数学に対して好みがあれば、喜んでそれに時間を割くだろうし、もし、あなたに関心があれば、あなたがなにを考え、感じ、望んでいるかは、わたしにとって、大きな関心事になろう。そしてまた、ケアすることは、なにかやだれかの保護や、福祉や、扶助を託されているという意味でもあろう。(邦訳p. 13-14、下線江口)

    Our dictionaries tell us that “care” is a state of mental suffering or of engrossment: to care is to be in a burdened mental state, one of anxiety, fear, or solicitude about sometning or someone. Alternatively, one cares for something or someone if one has a regard for or inclination toward that something or someone. If I have an inclination toward mathematics, I may willingly spend some time with it, and if I have a regard for you, what you think, feel, and desire will matter to me. And, again, to care may mean to be charged with the protection, welfare, or maintenance of something or someone. (強調江口)

  • ランダムハウス
    ■n.
    【1】心配,気苦労;不安,懸念;気がかり;_しばしば cares_心配ごと,苦労の種:
    worldly cares 俗世[浮世]の苦労
    borrow care 取り越し苦労をする
    drown (one's) care(s) in drink 心配を酒で紛らす
    Care aged him. 気苦労のため彼はふけ込んだ
    He was never free from care. 彼の心配が絶えたことはなかった
    Their son has always been a great care on their minds. 息子は彼らにとっていつも
    悩みの種であった.
    【2】注意,用心,留意;気配り,心遣い:
    meticulous [or the nicest] care 細心の注意
    exercise due [or proper] care しかるべく用心[注意]する
    With care. _荷物の張り紙_取扱い注意
    She devotes great care to her work. 彼女は仕事に大変な注意を払う.
    【3】世話,保護,看護;ケア,介護,介抱,介助,養護,監督,管理;_英_(公的機関による)保育
    (child care):
    skin care 肌の手入れ
    be taken into care by him 彼の世話になる
    be busy with the care of children 子供の世話で忙しい
    be under the care of a doctor 医者にかかっている
    I will leave this to [or in] your care. これは君に任せよう.
    
  • 第2版には新しい序文がついてる。

    おそらくこの本で展開されたケア理論の最大の貢献は、ケア関係を強調したことである。個人ではなく関係が存在論的な基礎であり、わたしは「ケアリング」という語をある種の関係や出会いを記述するために用いた。また一方、「ケアリング」は、道徳的行為者によって行使される特性あるいは性向としても解釈できる。私は『ケアリング』でこのことばを両方の意味で使っており、この区別を常に注意ぶかく行なっていたとはいえない。しかし、私の意図は第2章の終り付近で明らかだろう。「しかし、ケアリングは他者、ケアされる者を含む関係であり、またすでに指摘したようにケアする者とケアされる者は相互に依存している。」(p.58)。両者がケア関係で重要な役割を果たすのである。 (p. xiii)

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