なんか政府の偉い人が星野源先生の「うちで踊ろう」という曲にのっかって「コラボ」して問題になったそうで、それをきっかけにこの曲を知りました。実は最初に聞いたのがその問題の動画だったのですが、これほんとにいい曲で、へんなおじさん(とかわいい犬)が映ってるのがぶっとんでしまった。
はまってしまてそのあと何回も聞いてしまいました。私が気づいたことを書いておきますね。
勝手な妄想がはいってるので注意。
たまに重なり|合うよな| 僕ら|() | C | B7 | Em7 | G7 |
扉閉じれば|明日が生まれるなら|遊ぼう| 一緒に| | C | B7 | Em7 | G7 |
(キメ) |Am7 Bm7 | F/G |
- ここまで、4拍でコードが1個です。コード進行は、名曲Just the Two of UsのIV△ – III7 – VIm7 – I7 ってやつそのまんまですね[1]実はこのコードの解釈には疑問があり、Just the two of usはキーFm、「踊ろう」はEmだと思う。VI♭7-V7-Im7-III♭7。。
- この曲のボーカルのビル・ウィザーズ先生が今年3月30日になむなむしてしまって、ミュージシャンは一回は追悼にこの曲弾いたんじゃないかと思います。星野先生もうちにこもっていて弾いたと思う。そっからできた曲ですね。
- 「重なりあうような僕ら」なのか「重なりあうよな、僕ら」なのかわからん。星野先生が「重なりあう」っというともうセックスセックス、って思いました。あの先生ほんとに重なるのが好きだから。先生の「恋」もちょっと勉強したことがあったのですが、あれはものすごくエロチックな曲で、特にエッチなのが「指のまざり、頬の香り」のところですよね。指がからんでいるのを連想する。この「重なり」もまあ時々指もまぜながら重なっているのではないか、とか。あはは。
- 何回も聞いていると「扉」がとても印象的で、これは単なるドアとかではない。どういうわけか私は銀行の奥や旧家の土蔵にあるような動かすにも重い重い扉、一回閉めたら開けるのもたいへん、みたいな扉を想像します。
- キメの「ラーシードー」ってやつはよくやるやつだけど、すごく効いてる。
うちで踊ろう|ひとり踊ろう| C / B7 | Em7 / G7 |
変わらぬ鼓動|弾ませろよ| C / B7 | Em7 / G7 |
- こっから1小節にコードが2個入っていて、最初の部分の倍の速さになってます。ゆったりしたダンスや活動や鼓動を感じますね。
- この「うちで踊ろう」は「家で踊ろう」「家庭で踊ろう」ではないかもしれませんね。Dancing on the Insideだそうだけど(この英語正しいかどうか自信がない)、とにかく「内側で踊りつづける」っていう歌だと思います。家のなかかもしれないけど、どっかの内側、そして体内の内側、心の内側。もう十分に身体的に踊ることは難しいかもしれないけど、それでも心のなかだけは踊っていよう、そんな感じ。
- 「ひとり踊ろう」。まあ踊るっていうのはエッチな曲だとやっぱりセックスセックスなんですが、一人で踊らないとなりません。でも一人でも心臓はばくばく言わせましょう。
生きて踊ろう|僕らそれぞれの| C / B7 | Dm7 / G7 |
場所で重なり|合うよ| C | F7(#11) |
- この「生きて踊ろう」がどきっとしますよね。みんなの死が予想されている。わたしは「なんとか生きのびて踊ろう」だと聴きました。多くの人が死ぬのかもしれない。
- 私らおじさん世代は、子供の頃から核戦争とか環境汚染やらで、この世界がもう棲めなくなって、一部の人だけが核シェルターみたいなところや、あるいは宇宙船みたいなところに避難して生き延びる、みたいな話になじんでいます。上の方の「扉」もそれを連想させられるんよね。「重なりあう」が私は実は遺体の山みたいなのもうっすら連想してしまう。
- 社会はもう解体され崩壊し、人々はそれぞれのシェルターにばらばらになってしまっている。みんなとじこもって自分を守ることしかできない。そういうなかでの切実な歌だと思うのです。でもそういうときでもつながり重なりたい。私は星野先生はセックスセックス鬼畜だと思っているのですが、こうした歌を書けるのはほんとにすごい。
うちで歌おう| 悲しみの向こう | C / B7 | Em7 / Dm7 |
すべての歌で | 手を繋ごう | C / B7 | Em7 / G7 |
- 歌おう/向こう/繋ごう、が韻ふんでますね。
- ここでも大きな悲しみが我々を襲っている。あるいは襲うことが確実になっている。でも我々にはまだ音楽とSNSとかがあるから、歌を歌って手をつないでいきたい。そしてこの歌だけでなく、すべての歌がそういう力をもっている。
生きてまた会おう| 僕らそれぞれの| C / B7 | Dm7 / G7 |
場所で |重なり合えそう | C | F7(#11) |
だ | C |
- もう一回「生きてまた会おう」が出てきました。ほんとに不吉。一部の人とはもう会えないかもしれない。でもなんとか歌でみんなをつないで一人でも多く生き延びましょう。生きのびてたらまた好きな人と身体的にも重なったりできるかもしれない。とにかく生存第一。
- あとこの曲、「ラーシードー」のあとに同じこと(C-B7-Em7-G7)を4回くりかえしているように聞こえるかもしれないのですが、実は違うんですよね。上のコードで、強調したところ見てください。1回ごとそれぞれちがってるのよね。すごく凝ってて、われわれを飽きさせない。特にDm7の響きがとてもよい。これがプロの技術か!って感じです。
- まあ歌詞は単純そうに聞こえても連想させるものが豊かだし、音もシンプルに聞こえても複雑になってる。すごい。
私はほんとうにこの曲気にいりました。というわけで、私も星野先生に重ならせていただくことにしましたー!うらー、遊ばせろ!重ならせろ!まあ下手だろうが音痴だろうが、リスペクトしながらそれぞれのしかたで重なればいいのです。政治家の人だってせめて自分で歌ってくれたら私はリスペクトしましたよ!
Twitter見ると、みんなそれぞれ思い思いに重なって、とてもよい時代になった。20年ぐらい前はそういう遊びができるのは一部だったけど、いまは老いも若きもそんなお金かけずに遊べるんだから、デジタル文化やSNSってまだまだ可能性があるなあとうれしくなりました。
あ、蛇足だけど、Just the two of usはこれね。
https://www.youtube.com/watch?v=WOuI4OqJfQc
ビルウィザーズ先生なむなむ。ほんとにお世話になりました。近いうちあの世で重なりあってください。
この曲の歌詞(ウィザーズ先生作詞だと思う)もすばらしいのです。この世界には俺たち二人だけだ。訳詞探して鑑賞してください。
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References
↑1 | 実はこのコードの解釈には疑問があり、Just the two of usはキーFm、「踊ろう」はEmだと思う。VI♭7-V7-Im7-III♭7。 |
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