ラジャ・ハルワニさんの『愛・セックス・結婚の哲学』っていうのをみんなで翻訳して、なんとか出版(予定)までこぎつけました。けっこうがんばって訳したので、できれば買ってほしいのですが、ちょっとお高い値段がついてしまって(ページ数が多いのでしょうがない)、ぜひ買いなさいとも言えないのでせめて利用している図書館にリクエスト出して入れてもらってください。おねがいします。高いし訳者の印税なんてのはほとんどないので(翻訳とはそうしたもの)献本もあんまりできません。すみません。
この本に関連しそうな国内の本を紹介しておきたいと思います。
源河亨さんの『愛とラブソングの哲学』。第1章「愛は感情なのか」、第2章「愛に理由はあるか」、第5章「愛に本質はあるか」あたりがハルワニ本の第1章〜第4章あたりと似たテーマを扱っています。源河先生は非常に優秀な方で、文章も読みやすいのでおすすめですね。ぜひ読みましょう。
鈴木隆美『恋愛制度、束縛の2500年史 古代ギリシャ・ローマから現代日本まで』。 ハルワニ本はあんまり哲学史的なアプローチはとっておらず、せいぜいプラトン、カント、キェルケゴールぐらいしか有名哲学者は登場しないのですが(かわりに現代の哲学者たちの議論が細かく検討されている)、恋愛やセックスの哲学史もおもしろいものです。鈴木先生のこの本はそういうのに興味ある人におすすめですね。哲学史というより文学史に近いかもしれないけど、十分哲学的な興味に訴えると思います。私の紹介はここから → https://yonosuke.net/eguchi/archives/10681
エリザベス・ブレイクの『最小の結婚』。現在結婚は、一対一でなんらかのロマンチックな恋愛を背景としたものであるべきだ、と考えられていますが(日本ではさらに「男女」一対一であるべきだとされている)、そういうのやめてしまって、リベラリズムを徹底して、結婚をある種の契約に準じる法的パッケージにしてしまおう、という本です。 ハルワニ本の第11章でかなり詳細に検討されています。
ブレイクの議論を念頭に置いた上で、国内の研究者がさまざまに結婚制度について論じている本です。
愛・セックス・結婚の哲学というと、もろに藤田尚志・宮野真生子編「愛・性・家族の哲学」シリーズがあります。ハルワニ本とはかなりアプローチが違いますが、最近の日本の哲学者たちがこれらのテーマについてどう考えているのかがわかります。アプローチの違いを理解する上でも読んでおいてほしいですね。私の紹介はここから → https://yonosuke.net/eguchi/archives/4036
Views: 724
コメント