セックスの哲学

セックスの哲学

北田先生から怒られてしまった (1) パフォーマティヴってなんですか

『現代思想』のジュディス・バトラー特集号に載ってた、北田暁大先生の「彼女は東大を知らないから:実践のなかのジェンダー・トラブル」という論文で、私が日頃ツイッタやブログで適当にかきなぐってることについて怒られてしまったのでお返事しようかと思っ...
セックスの哲学

セックスの哲学マストハブ

入門書古典アンソロジー & テキスト現代アンソロジー
セックスの哲学

若い女子はルソー先生や秋元康先生ではなくウルストンクラフト先生の言うことを聞いたほうがいいかもしれない

私の考えているセックスの哲学史では、あのふつうは偉大だとされているルソー先生はスケベなレイプ魔みたいな人なんですが、それはその次の世代の女性にははっきりわかっていたんですよね。
セックスの哲学

MeToo本家の「はじまり」と「歴史とヴィジョン」を訳してみました

MeToo運動が一部で話題になっていて、まあ話題になるべきだと思うのですが、その運動の創始者たちがどういうことを考えているのか日本語で読めるものが少なかったので、おそらく元祖・本家であるところの の文章を訳してみました。著作権とかクリアして...
セックスの哲学

『犯罪学ハンドブック』を読もう!

やっぱり知らん分野はハンドブックとかから勉強する、っていうのが、私のような素人が他の分野の研究とかを鑑賞する(勉強するんじゃなくて鑑賞ですなあ)ときの王道だと思うのです。最近『犯罪学ハンドブック』っての出てて、これアメリカのその分野の大学テ...
セックスの哲学

『性暴力と修復的司法』第4章の一部チェック(おわります)

もうしわけありませんが、途中だけどもう終ります。デイリー/カズンズ論争の紹介をしたかったのと、全体の構成その他についてちょっと書きたいことがあったのですが、どのページをひらいてもいやなものを見つけてしまって、もう私は心理的に耐えられないです...
ジェンダー

『性暴力と修復的司法』第4章の一部チェック(5)

これはちょっと細かいのですが。私はまさしく彼が「聴くこと」を望んでいます。〔私が〕どんなに無力な状況に置かれ、ひどいトラウマを負ったのかを。彼が完全に〔私の苦しみを〕受けとめて理解すると期待しているわけでもありません。私の口から直接出てくる...
ジェンダー

『性暴力と修復的司法』第4章の一部チェック(4)

第4章第3節も見ておきたい。 p. 151に出てくる、Nodding (2011)という資料はどういうものかよくわからない。この団体   が出している冊子かもしれない。あるいはこれ  そのものか。そもそもこの団体がどういう性質のものかよくわ...
ジェンダー

『性暴力と修復的司法』第4章の一部チェック(3)

デイリー先生の文章の引用私は〈裁判による性暴力の問題解決〉より〈カンファレンスやそれに類するRJ〉がより一般的に用いられるとは思わない。〔しかしながら〕私は犯罪と被害へ、より洗練された対応をすること、そしてRJがその流れの中に位置づけられる...
ジェンダー

『性暴力と修復的司法』第4章の一部チェック(2)

p.149刑事司法制度の補完として、RJを取り入れる具体策としては、「有罪答弁」の改革をデイリーは挙げている。現行の刑事司法制度にも、加害者が自らの犯行を自白する「有罪答弁」は導入されている。しかしながら、デイリーによれば「有罪答弁」は「被...
ジェンダー

『性暴力と修復的司法』第4章の一部チェック(1)

小松原先生の『性暴力と修復的司法』の第4章は非常に問題が多いと思うので、すこしずつ指摘したいと思います。実は同内容の別の文書を書いてしまって、公開するべきかどうか実はかなり迷ったのですが、やっぱり見てしまった以上は書かざるをえないと思います...
セックスの哲学

EUの女性に対する暴力の調査はすすんでるなー

EUの女性に対する暴力の調査を日本でもやった先生たちの調査結果報告についてこれ、龍大のページではWORDのままで開けない人がいるかもしれないので、PDFにしておきますね。 、フェミニストの小松原織香先生が加えたコメントに、正体不明自称プログ...
ジェンダー

「メディアは現実を構成する」について調べてみた

どうでもいいつまらない話なんですが、時間とお金をつかったので記録だけしておきます。(マス)メディアとジェンダーというテーマは、ジェンダー論やらフェミニズムやらの中心的なテーマの一つなわけですが、「実証的な調査はどういうものがあるのか」ってん...
セックスの哲学

妊娠中絶は「10代女子の問題」ではありません

「10代女子が1日40人中絶する現実にも、アフターピルが広まらない理由」っていう記事がちょっと話題になってたんですが、この手の話が「十代女子の問題」であるとか、それが「男性優位社会」の問題だってっていうように誤解されちゃうかもしれないのでち...
セックスの哲学

ジュディス・バトラー様と竹村和子先生のインクレディブルなダジャレと翻訳

数日まえに載せたヌスバウム先生のバトラー様批判(あれは私の翻訳ではないです、柳下先生)にはけっこう反応があったみたいなんですが、ブログとか書いてくれてる人もいたんですね。 書きたいのはこの方のブログの内容ではなく、そこで引用されているバトラ...
セックスの哲学

大学でフェミニズムを勉強したい人は

フェミニズムやらジェンダー論やら勉強したいひとのためのリストみたいなのがない、みたいな。いやそういうのはたくさんあると思うから私が書く必要はないと思うんだけど、ちょっと一般的な話にからめて紹介したいと思います。そもそも関心がフェミニズムの特...
セックスの哲学

セックス哲学史読書案内:オウィディウス『恋の技法』からナンパとモテへ

オウィディウス先生は文庫であるので入手しやすい。Ars Amatoria、『恋愛指南』とか『恋の技法』とか、『愛の技術』とかいろいろ訳しかたはあります。
セックスの哲学

セックス哲学史読書案内:アリストテレス先生の友愛

アリストテレス先生は偉いのに国内では読みやすい本がそれほどない印象。
セックスの哲学

フィガロの結婚からケルビーノのアリア二つ

大人数の教養科目みたいなので1時間半の授業は長いので、途中で5分ぐらい休憩して音楽とか流すことがあるのですが、今日はフィガロの結婚のケルビーノ君で。この人は思春期にはいったところの美少年お小姓って設定ですね。年齢は知らないけど14才ぐらい?...
セックスの哲学

セックス哲学史読書案内:プラトン先生のエロス

プラトン先生の『饗宴』は絶対に一回は読まないとならない。いろんな訳があるので、まあ好きなので読めばいいと思う。文庫本でいいでしょ。光文社の中澤先生のは注とかも豊富だし、いまのファーストチョイスだと思う。京大出版会の朴先生のも注釈が便利。一般...
セックスの哲学

セックス哲学史読書案内:古代ギリシアの奥深い純情

女子大の講義でセックス哲学史みたいなのやってるんですが、回ごとの学生様向け読書案内をなるべく掲載してみたい。実は前にも書いてるんだけど、時代別に分けてみましょう。古代ギリシアの生活など古い文物は文字だけではイメージがつかめないので、ぜひヴィ...
セックスの哲学

わたせせいぞう先生の人間球体論

プラトン先生の『饗宴』でのアリストパネス先生の酒席の馬鹿話は、マンガ家のわたせせいぞう先生によってロマンチックなお話に書き換えられているのは記憶していたのですが、『ハートカクテル』や『菜』といった名作のどこにあるのかわからず2〜3週間ネット...
セックスの哲学

チラシの裏:小宮青識論争観戦記

他でけっこう長めの文章書いてしまったけど、要点だけ。この論争がどういう文脈で生じているのかというのは難しい。
セックスの哲学

最近『饗宴』のアリストパネス先生を見直しました

もう一つ、『饗宴』で一番有名なアリストパネス先生の人間球体論も久しぶりに読んだんですが、これ私ちょっと読みそこねてた部分があったのです。
セックスの哲学

パウサニアス先生は男は尻軽にならないようにいましめています

プラトン先生の『饗宴』の話はどうもこのブログではあんまりしてなかったみたいなんですが、数日前に市民の方向けの「生涯学習講座」みたいなので話をしたので、そのときに思いついたことなど。人前で話をするとそのたびに発見があるものです。ついでに、最近...
ジェンダー

牟田先生の「セックスはすでにつねにジェンダーである—「男女平等」の罠」

また毎度毎度の牟田先生でもうしわけない。堀あきこ先生が「わかりやすい」ってほめてたので「わかりやすいなら読もう」ってな感じで(昔読んだのを)読みなおしたけどわからない。私あたまわるすぎ。
セックスの哲学

ルソー先生、あなたの弟子たちが性犯罪に手を染めています(『恋愛工学の教科書』)

以前、ルソーの『エミール』に見られる性暴力の危険性について書いたのですが、あれから250年近くたってもルソー先生と同じ連中はいるわけです。
セックスの哲学

バトラー様と事実/規範の峻別

前のエントリで『LGBTを読み解く』に言及したのに、このブログでは私がなにを問題にしているか書いてなかった。ずっと前に書いてそのままになってたやつをサルベージ。
セックスの哲学

ポストモダンの害悪

最近ちょっとtwitterでポストモダンに関する議論があって、まあいつもどおりのよくわからない話をする人がいるってくらいなんですが、そのなかで、「ポストモダン思想がなにか自然科学に実害を与えたのか」みたいな発言がありました。たしかに自然科学...
セックスの哲学

牟田先生たちの科研費報告書を読もう (7) おしまい

んでこのシリーズ、実は最初は牟田先生の論文が、われわれの日常的な事実と乖離してるんじゃないか、そしてその規範的主張が勝手なものじゃないか、って書こうとしてたんですよ。実はマッキノンやギデンズのあんまりよくない引用方法を発見してしまったらもう...