最近、この本読みなおしてたんですよ。モンソン先生のSaying Something。名著です。ジャズは会話だ!みたいな感じの本(実際には会話とのアナロジー通用しないね、みたいな話もあり)。そのなかにコルトレーンのMy Favorite Thingsの分析があったんですわ。
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最近、この本読みなおしてたんですよ。モンソン先生のSaying Something。名著です。ジャズは会話だ!みたいな感じの本(実際には会話とのアナロジー通用しないね、みたいな話もあり)。そのなかにコルトレーンのMy Favorite Thingsの分析があったんですわ。
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ソリストとバックの間でなにをやってるのか、っていうのはおもしろくて私も勉強したいのですが、ソリストどうしでもいろいろやってるわけです。一番有名なのはこれですね。開始時間指定してますが、最初から聞いてください。 続きを読む
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70年代のジャズってなんか低調というか、フュージョンが出てくるまでペンペン草1本生えなかった印象がありますが、その直前にはどうなってたでしょうか。まあヨーロッパとかでは喜んで聞かれてたんですよね。私の75〜6年の印象はこんな感じ。 続きを読む
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この「ジャズ入門」シリーズ読みなおしてみて、けっこうおもしろいので継続してみたい。あれ以上はネタ本がないと書けないわけですが、ポール・ベルリナー先生のThinking in Jazz: The Infinite Art of Improvisationっていう本がものすごくすばらしいので、それを紹介していけばいいのかな、みたいなことを考えています。これはすごい。英語読めるひとはそっち読みなさい。 続きを読む
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前の記事、「ブレイキーのチュニジア、フレーズの流れは2-3なのにクラーベは3-2で打ってるんだよね。」っていう「はてブ」コメントもらってました。なるほど!まあ私はその程度のことがわからない程度の人間なのでそういうつもりで一つおねがいします。 続きを読む
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マイルスバンドで名前を上げたハービー・ハンコック先生は本当に偉大。前にHead Hunterのchameleon を貼ったと思いますが、60年代にもマイルスバンド以外にもいろいろ活動している。 続きを読む
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Nefertitiあたりの音は本当に美しいんだけど、どうも売れなかったらしいです。なんか高級すぎて頭いい人たちのための音楽になっちゃってるんですよね。現代音楽みたいになっちゃってる。やっぱりジャズとかってのはポピュラー音楽だから楽しくて踊れないと。あとウェインショーター先生が強力すぎて、ショーター五重奏団みたいになっちゃってるし、そこらへんもおもしろくなかったかもしれない。 続きを読む
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まあコルトレーン先生ががんばって「モードジャズ」みたいな一発は発展した、というかこう細かいコードをあんまり考えずにブリブリ吹きまくるみたいなスタイルが定着したりしました。 続きを読む
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ファンキージャズもそうなんだけど、1960年前後はアドリブ一発ってのを離れて、曲やアレンジしっかりして全体として演奏を作ろうっていう方向性が強い。まあこれはマイルスがハードバップはじめたときからの方向性でもあるけど、マイルスはきっちりアレンジするというよりはメンバーの色彩をうまく合わせておく、みたいな感じだった。 続きを読む
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マイルスと同じように、うまく吹けないけど一発当てたい男がいました。あんまり頭もよくないし教養もない。音楽理論とかちゃんと理解できない。そもそもチューニングもできない。さてどうするか。
答:あまり考えずに自由にやる。ただし白人インテリのバッアップを受ける。
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ちょっと時間が前後して60年代前半までいっちゃうけど。
まああんまりアートだの芸術だのしてないで、楽しければいいのではないか。音楽というのは音を楽しむと書くのです!みたいな人もいるわけだわね。
まあポピュラー音楽といういうのはダンスみたいなのと切り離しちゃうと死んじゃうわけでね。死なないまでも弱ってしまう。もっと踊れるようにしましょう。
ファンキーってのはまあ黒人臭いというか、そういうんだと思う。ブルーノートのあからさまな使用とか独特のハネた感じとか。ビバップの人たちはぜんぜんファンキーじゃなかったし、マイルスとかもファンキーじゃない。コルトレーンもファンキーじゃない。もちろんビルエヴァンスもファンキーじゃない。エリントンもベイシーもファンキーじゃない。でもハードバップの人々のけっこうな部分がファンキーだった。
まあゴスペルとかブルースとか、黒人ポピュラー音楽の伝統にもどろう、みたいな。すごいテクニックとか繊細で高度な音感みたいなんいらんから楽しくやりましょう。
モードだのフリーだのっていうのは一部の先進的な人々のもので、こういうのが主流。
おそらく50年代から60年代、アートペッパーとかスタンゲッツとかシェリー・マンとかチェット・ベイカーとかデイブブルーベックとか、白人ジャズミュージシャンも増えてけっこうな人気があった。イケメンだったりして女にはモテた。こっちに来る女は商売人ばっかりだけどあっちは素人女だ。ていうか実力的には黒人ミュージシャンの方が上だけど、人気は白人の方が高くなる。それに対する敵対的な行動でもあったんちゃうかな。おれたちはクサく行くぜ。これはマネできねーだろう。
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ビルエヴァンス先生はモードジャズとかってのの他にもう一つ大きな働きをしていて、ドラムとベースを同じこと繰り返すことから解放したんですわ。
いまままで聞いてきた曲はぜんぶドラムはチーキキチーチキ、ベースはぶんぶんウォークしているわけですが、人数少ないのにそんなことしてたら飽きちゃう。
ビルエヴァンス先生はもっとドラムもベースももっと好きにやっていいよ、と。まあベースだけならチャールズミンガス先生という偉大な方がそういうことやってらっしゃったんですが、それをピアノトリオでやる。さらにドラムもやりたくないならビート刻まなくていいです。ピシ!スパ!とか好きなときに入れてください。
スコットラフォロというベースの高慢な腕利きとポールモチアン先生と3人で白人インテリ高慢ピアノトリオを結成して、決定的な1曲を出す。
聞きどころは、「枯葉」のテーマやったあとにリズムキープする人が誰もいなくなって、ドバババ/ボンビョロ/キョロロ とかしばらくやってから緊張もりあがったところで、エヴァンス先生のアドリブに突入するところですな。まあそれ以前からラファロ先生は勝手なことをやっておるわけですが。もうウォーキングするだけがベースではない。もうここは音でかくしてドラムの人のスティックの音とかまで聞きたい。すごい緊張感。
まあこういう「インタープレイ」みたいなのは、前に書いたようにそれ以前から細かくピアノとソロ楽器の間とかでおこなわれてわけですが、それを公にやる感じ。
ちなみにラファロ先生はウォーキングベースやらせてもすごいスイング感でとんでもないです。ちょっと早めっていうか前ノリでバンドを猛烈にドライブする。
このブッカー・リトル先生のでラファロ先生の推進力を味わってください。
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皆が速くて激しい音楽やってるとき、そういう演奏できない人間はどうするか。ってのがまたしてもマイルスデイヴィス先生を襲った問題だった、って理解していいんちゃうかな。
んで、ギルエヴァンス先生とかインテリ白人に相談するのもいっしょ。今回はピアノのビルエヴァンス先生にも協力してもらって、ぜんぜん違う音楽をはじめる。有名なKind of Blueですわね。
アイディアは、パーカーやコルトレーンみたいに速くてコードチェンジたくさんするのがバップの考え方だけど、ついていけないからやめましょう。1個や2個のコードでいいではないですか、と。もうDm7の上でレミファソラシドレだけで演奏するってのでいいじゃん。まあそれだけだともたないから一部Ebm7もつかいましょう。AABA形式にして、BのところでEm7でミbファソラbシbドレbミbで演奏します。スケール2個で1曲作っちゃいましょう、というわけです。
こういうあえて素材を限定してしまおうというアイディアはクラシック作曲家のドビュッシーやサティー(どっちも20世紀初頭ぐらいに活躍)あたりからあって、それを50年後にジャズにもちこんだわけですわね。雰囲気も似た感じになる。
まあとにかくSo What聞きましょう。
もう1曲、Blue in Green。これはモードではないですが、バップとはぜんぜん違う方法論で作られてます。マイルス作曲ってクレジットされてるけど実はビルエヴァンス先生の曲らしい。コード進行もおもしろいしアドリブ部分での構成もおもしろくて、マイルスは32小節で1コーラス、コルトレーンは16小節、エヴァンスは8小節になってんだっけかな。だんだんコード進行が密になる、みたいな。まあそういういろいろヒネリを入れて、「もうハードバップやめようぜ(オレ吹けないし)」みたいな。
まあ文句なしの名盤。超名盤。これくらいの名盤はないってくらいの名盤。ちゃんとクレジットしてもらえたらギルエヴァンス先生あんなに貧乏する必要なかったのに。マイルスも実は悪いやつなんだ。
So Whatとかのアイディアの一つはビルエヴァンス先生のこのPeace Pieceって曲。さらにそのもとはレナード・バーンスタイン先生のSome Other Timeだったかな。
おそらくこの演奏のアイディアになったサティーあたりも1曲聞いてみてください。こっちはジムノペディ。
こっちはグノシェンヌって曲。スケールは違うけど一貫して同じような和音の上で一つのスケールの上で動いてるだけ。おそらくここらへんからアイディアとってきてるはず。
高橋アキ先生のサティすごくいいから買いましょう。後悔しないはず。
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ハードバップは歌心を大事にする、とはいえけっきょくやっぱり速く複雑に、っていう欲求は常にあるわけっす。とにかく黒人の人々は競争的なのね。ラップとかでもその場で思いついたことラップして罵り合ったりするゲームがあるじゃないっすか。とにかく黒人男性は敵対して競いあう。まあ黒人だけじゃあくて男ってのはそういうもんなんだけど。
んでいちじき遅くなったハードバップもまた速く複雑になってくんすよ。
これはロリンズとコルトレーンのV.S.。まあでも燃えます。
ハンク・モブレー、ズートシムズ、アル・コーン、そしてコルトレーンの4人のバトルロワイヤル。これは上のほどよくない。
で、50年代のチャンピオンはやっぱりマイルスバンドにいたコルトレーン先生ということになります。この2曲はコード進行とか超難曲で、ふつうの人は演奏できない。それをこのスピードでやる。きっとパーカー先生も10年後にタイムスリップしたら、しばらく演奏できなかったんちゃうかな。
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んで、53年にパーカー先生死んで、ああいう腕くらべはもうやめましょう、下手は下手なりに音楽すればいいではないですか、というのがハードバップ。
音楽的には、ホーンのピアノとのからみがしっかりしてきましたよね。お互いを聞く余裕がある。パーカーはトロンボーンとか遅くて嫌いだったらしいけど、マイルスはあえて相手に選ぶ。こう、なんか、こういうのだと自分も鼻歌で参加できる気がするっしょ。ジャズは一部の楽器の巨匠たちのものではなくなった。誰でも参加できます。歌心が勝負っす。下手でもいいんす。なんなら楽器なしで鼻歌で参加してもかまわんす。
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とにかくパーカー先生はすごくて、40年代後半はああいうのじゃないとプロのジャズじゃない、みたいな感じだったんだろうと思う。もちろんダンス用のバンドはあるものの、プロどうしはジャムセッションで腕を比べるのである。
こういうときに白人ミュージシャンがなにをしてたかというのはけっこうおもしろい話。やっぱりジャズってのは基本的に黒人音楽を根にしていて、白人とかぜんぜんだめだし。でも「好きだからやりたい!」ってやつらはいるわけだ。そこでどうしたか。
アルヘイグ先生みたいにパーカーやマイルスのとりまきになって顔に墨塗って南部を旅した人もいた。まあずいぶんいじめられたでしょうなあ。マイルス先生はビルエヴァンスでさえ白人だっていっていじめたんだから。パーカーとかもうなにしても不思議ではない。でもまあ好きなものはしょうがないよね。
白人の人々はああいう競争的なのがあんまり好きじゃない、っていうかやっぱり過度に競争的なのは黒人文化の一部であって、もっと全体としてアートしているのをやりたいと思ってた人々が、マイルスとか組んでクールジャズとか立ちあげたわけですな。かなりアレンジされていて全体としてアート。マリガンとかデイヴ・ブルーベックとか。同時期のアメリカ現代音楽(グローフェとかコープランドとかバーンスタインとか)みたいなのにも注意している感じ。
どうも親玉としてレニー・トリスターノ先生っていうのがいて、このひとおもしろいんだけど初心者には向かないのでその弟子のリーコニッツ先生。マイルスのBirth of Coolでも非常に重要な役割を果たしてます。まあ最高のジャズインプロバイザーの一人だわね。
スムース。
西海岸はニューヨーク中心とはまた違った文化があって、チェットベイカーとかアートペッパーとかイケメン白人ジャズミュージシャンという文化があった感じなんじゃないっすかね。ジェリーマリガンももともとは西の人。ここらへんの東と西の雰囲気の違いはわたしらにはわかりませんね。
まあ雰囲気なんかわかるよね。イジメ。ペッパー先生偉大なのに。でもやっぱり黒人的じゃないのです。
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まあジャズ批評家っていうのはあんまり信用できなくて、よくないCDとかもよいっていってすすめたりするわけです。
ビバップの名盤と呼ばれてるパーカー&ガレスピーとかどうなんすかね。歴史的には意義があるんだけど、音楽的にどうなんかな。
私にはもうアルトとペットが早口で怒鳴り合ってるように聞えてそんな好きじゃない。まあとにかく競争してるんですわ。すごいスピードで。
で、まあこういうのしんどいし、音楽ってそんな大声でやるもんでもないだろう、みたいな人々が出てくるのは当然のことであります。
マイルスデイヴィス先生は1947年ぐらいからパーカーのバンドに2年ぐらいいて、前に紹介したダイアルレコードの名盤の隠れプロデューサーみたいな役目を果たしていた。同じ傾向のガレスピーとだとこういううるさい感じになるけど、パーカーとマイルスだと対象的でいい感じなんすよね。
パーカーがマイルスの音楽性を好きだったからバンドに入れてたのかどうかはわからない。っていうかパーカー先生は人格破綻者だったので自分が好きなこと吹いてればあとはどうでもよかったんちゃうかな。マイルス先生はいいとこのボンボンなので仕送りがあってアパート借りてたので、そこに転がりこんでいろいろパシリとして使うのに便利だからマイルス使ってたんだろう。まあとにかくおそらくパーカー先生は誰も自分と同じ人間だと思ってない。サイコパス。
マイルス先生はいろいろ気をつかったり音楽的な全体のことを考える人なので、アレンジ考えたり、(彼が無能だとみなしていた)ピアノのデューク・ジョーダンを首にしようとしたりしてた。
マイルス先生はそんなアドリブとかうまくない。ダイアル盤のテイクとか聞いても、どのテイクも同じような演奏していて、家でいろいろ考えてきてるのがわかる。パーカーは1回ごとにぜんぜん違ってたり。そういうでもコンプレックス感じさせられてつらい。そんな毎回違うことやらなきゃならんもんだろうか?
で、さすがにパーカー先生が金とか女とかいろいろ汚いのでいやんになって飛びだしたはいいものの、ああいう演奏はできない。んじゃどうするか、ってのがクールジャズ。ギルエヴァンスとかリーコニッツとかジェリーマリガンとかインテリ白人といっしょにインテリなことをする。基本的にマイルスはインテリが好きなんですわ。白人インテリを自分勝手に使うと自尊心が高まる。んで、「きっちりアレンジしてるよ」ってことになればアドリブそんな新しいことしなくていいし。
んで、テクニックとかスピードとかじゃなくてアレンジでせまる。無理して高い音とかピロピロとか出さなくても音楽はできるよ、ってな感じで、私はBirth of Cool好きですね。愛聴してます。
まあパーカーが死ぬまでまわりのミュージシャンはパーカーが怖くてしょうがなかった。もう同じステージに立ったら一発でやっつけられるのわかってんだもん。マイルスは違うスタイルだったからいっしょにやれた。パーカーが死んだ53年の次の年あたりからジャズが栄えるのは偶然ではなく、あれと同じことをしなくてもいいんだ、っていう呪縛が解けたってことだって思っていいと思う。
名盤。
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まあパーカーは録音が改善される前に死んでしまっているので、それほど聞くべきものはないんですわ。前のエントリで紹介した「ダイアル」レコードのやつとサヴォイのやつ、Now the TimeってのとSwedish Snapsってやつぐらい。
これだけはぜひライブラリに加えてほしいってのが Charlie Parker with Strings。これはすばらしい。愛聴盤です。
聞きどころはやっぱりスピード。なめらかさ。歌心。そして突然のピロピロ。「バード」って呼ばれてた理由がわかります。オケの編曲もけっこういいんだ。
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