『美味しんぼ』的捕鯨・ベジタリアン批判は許せない

実際、『美味しんぼ』(雁屋哲・花咲アキラ、小学館)については前からいろいろ困って考えたりしている。

下のフォーリーさんは捕鯨反対運動家であり菜食主義者。

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その原罪なるものによって子牛を貧血にしたり、ガチョウに無理矢理エサ食わせて脂肪肝にしたりしているのだろうか。たしかにおれたちは罪深い存在なんだ。

でも「悪」や「罪」でも、なんでも同じ重さではない。きっと山岡さんも、牛苦しめるより米食う方がずっと悪くないと思うはずだ*1。そのとき、山岡さんはすべての生命はまったく同じ価値があるとは思っていないはずだ。肉食うにしても、まったく運動させずに肥満させたり、ビール飲ませて霜降りにしたり、鳥に日の光当てずに羽も伸ばせないようなところで育てたりするよりは、健康な生活送らせた動物を食べるほうがまだましだと考えざるをえなということは認めてくれるんじゃないかなと思う。

まあ山岡さんの発言の背景にある「おまえたちのうち、罪のないものがまずこの女に石を投げるが良い」ってのは正当な主張だ。でも、道徳的な主張は、他人を非難したりするのに使われるだけじゃなく、人々や自分自身に対するガイドでもあって、私はそのガイドがどういうものであるべきか知りたいね。

あ、動物の飼育環境その他は人々の運動や法的規制などによって一時期よりずいぶん改善されているらしい。世界はよくなっている(はず)。

13巻も発見

13巻の「激闘鯨合戦」の山場。捕鯨反対だが肉大好きのジェフを騙して鯨食わせてうまいと言わせ*2、さらに鳥をみんなで楽しくシメてから。

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このニワトリさんたちはけっこう幸せそうだ。ニワトリ中の富裕階層。(空間的余裕とエサを地面から探しているのがポイントらしい)

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まあ鯨と牛にそんな違いがないなら山岡さんの言うことは正しい。でも植物と哺乳類の間にはずいぶん違いがあるぞ。ジェフももうちょっとがんばればいいのに。

「人間は戦争して殺して強姦せざるをえない悲しい存在なんだ」とか言ったらやっぱりひどいと非難されるような気がする。けっきょく、人間はなにかを選択できるからね。

とにかくわたしはラーメン食うのをなんとかして正当化したい(罪悪感の問題ではなくガイドの問題として)。でもなかなか困難。どうしたらいいのかなあ。

*1:私はぜんぜん悪くないと思う。

*2:これは非難されるべきだと思う。非常に不正だ。そういうことはやっちゃいかん。私だったら殴りかねない。食い物関係の恨みは強烈だよ。

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