大学生の図書館活用法

(大学の図書館報『Library News』 2009に掲載したものです)

大学生と高校生との一番大きな違いは、なんといっても自由な空き時間があることです。授業がない時間帯もあります。高校生までのようにいつもクラス単位で動いているわけではないので、友達がいっしょにいないひとりぼっちの時間もけっこうあります。大学生になると特に決まった教室があるわけではないので、どこにいればよいのかわからないといったこともあるかもしれません。

そんな予定のない時はどこに行けばよいのでしょうか?私は大学から大学院にかけてずいぶん長い時間大学で生活していたのですが、ヒマな時間はいつも図書館で過しました。大学講師として授業をする側にまわってからも、行く先々の大学の図書館で調べものをしたり時間を調整したりしています。私の個人的な経験からの図書館の使い方を紹介してみます。

場所を確認

まず図書館の場所を確認しましょう。京女の図書館はE校舎の本館とJ校舎地下の分館の二つに分かれています。分館の方がイスと机が広々していて快適かもしれませんね。なんとなくお気にいりの机やイスを見つけておくと、図書館にいるのが快適になります。

さて、本が並んでいる開架書架をゆっくり一周して、だいたいどこにどんな本があるのかを把握しておきます。興味をひく本のまわりには同じように興味をひくことが多いです。ぱらぱらめくってみましょう。知的な興味がどんどん広がってゆくはずです。そうしているうちに大学生活の最初の1、2ヶ月かかってしまうかもしれませんね。

本館地下の雑誌室にも注意してください。下宿をはじめて、生活費節約のために新聞をとってない人もいるかもしれません。しかしそういう生活を続けると、社会の動きを何も知らない人になってしまいます。勉強のためにも就職活動のためにも新聞には必ず目を通しておくこと。京都新聞の市内面などの犯罪情報にも注意!難しい勉強関係の雑誌の他に、ファッション雑誌などあるので自分で買う必要がなくなります。

他に皆さんが直接本を眺めることのできない閉架書架や学外書庫に納められている本もあります。それらを調べるためのOPAC(オンライン蔵書検索)の使い方も利用の手引きで確認してください。

ノウハウ本と新書を活用する

さて、「図書館」「読書」というと、小説などの「文学」という印象が強い人が多いかもしれません。でも私が大学生での読書でおすすめしたいのはむしろノウハウ本です。私自身、なにか新しいことを始めるときは、とにかくそれに関係する本をざっと読むことから始めます。ダイエットでもジョギングでも盆栽でも。大学生生活をはじめるにあたっても、授業の受け方、ノートの取り方、レポートの書き方、コンパでの自己紹介の方法、などいろんなガイドブックがあります。数年後にやってくる就職活動のときに、なにもしらないで手さぐりではじめるのと、あらかじめ何冊かのノウハウ本を読んでから始めるのではずいぶん違うものです。なにかをしようと思ったら図書館で調べる、という癖をつけると、他のぼんやりしている人たちよりずっと有利に物事を進めることができるようになるのです。

しかしなにかを調べるときにどこから手をつけてよいのかわからない、どこに本があるのかわからない、オンライン検索するにしてもなにをキーワードにすればよいのかわからない、ということもあるかもしれません。そういうときは、とにかく本館4階の新書のコーナーに行ってざっとタイトルを見てみましょう。きっとピンと来る本があるはずです。

視聴覚教材、絵本、マンガ、小説

図書館は「真面目な」本以外にも映画のビデオなども収蔵しています。視聴覚資料のコーナーを見てみましょう。時間があまったらいつでも映画を楽しめるというのはすてきだと思いませんか?映画以外にもためになる資料はたくさんあります。「教養がない」とか言われないように、たとえばNHKの『映像の世紀』などを見ておくとよいでしょう。落語や音楽CDもあるますので好きな人はどうぞ。また手塚治虫の漫画もあります。名作ぞろいなので全部読んでおきましょう。『ブッダ』を読んでおけば仏教学の単位もとりやすくなるかもしれません。

カウンターの人々と仲良くしよう

他、困ったこと、知りたいことがあったら、図書館カウンターのリファレンスに質問してみましょう。本を探してくれたり、探し方をアドバイスしてくれるはずです。ただしなにも調べずに行くのはだめです。まず図書館の「利用の手引き」を熟読してしっかり質問を考えてからから行きましょう。

府立図書館、市立図書館もチェック

あと、他府県から京都に来た人は、府立図書館や市立図書館の場所もチェックしておきましょう。一般向けの軽い小説などはそっちの方が充実しているかもしれません。

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