ジャズってのは基本的にはダンス音楽で、30〜40年代ごろにはビッグバンドが主な演奏形態だったといっていいんと思います。まあマイクとスピーカーとかなかった時代にナイトクラブで踊るための音楽を提供する。
そういうわけで音楽的には4拍子でズンズンズンズンというビートを基本にする。ドラムはスドラ4つ踏んでます。その上に乗ってるホーン群も基本的にこのズンズンズンズンの乗っった形で演奏しているし、アドリブになってもそれは同じです。このノリ、スィングする感じからスィングジャズ。なんのひねりもないですね。
サックスセクションの分厚い和音とかいいですよね。こう、みんな違う高さで同じようなメロディーを吹いてるのがジャズらしい。これのアレンジの仕方もいろいろおもしろいです。
カウントベイシーのバンドのApril in Paris。ギターのザクザクザクザクってのがこのバンドのかっこいいところです。
これは踊れますよね。とにかく楽しい。
あとデューク・エリントのTake the A Train。ベイシーのバンドよりカラフルで洗練された曲が多いですね。デュークエリトン先生はもう20世紀の天才音楽家の一人なのはまちがいがない。デューク(公爵)とカウント(伯爵)だとデュークの方が偉い、と覚えておきましょう。いやベイシーのも楽しいんですが、やっぱり芸術性でいうと差がある。この曲はまあ楽しいところを狙ってますが、ラヴェルとかそこらへんのクラシック作曲家とも闘える曲も書いてます。
ところが鬼畜国家からパールハーバーとかやられて戦争になっちゃって、こういう楽しい音楽をやってる余裕がなくなるわけですね。戦争行かなきゃならんないし。楽器吹ける人もみんな軍楽隊とかに行く。お金もないので大人数で音楽するのが難しい。
戦争に行かずにすんでいるミュージシャンはやっぱりナイトクラブで稼ぐわけですが、20人もいる大きなバンドできないので(お客さんも少なくなるから人数多いと取り分が減るし)、6人とかでやる。「コンボ」です。
まあせっかくだからもう1曲エリントン。こう、黒人音楽独特の暗くて湿った感じがなんともいえんですなあ。
エリントンで好きな曲について語りはじめるとそれだけで1エントリ必要になっちゃう。
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