まあシェーンベルク先生やベルク先生は、なんというかロマンチックで19世紀のドイツ音楽の後継みたいな感じなんですが、ウェーベルン先生はもっとラジカルで音楽そのものを変えちゃった感じがあります。
ピアノ変奏曲はもう聞いたので、「子どものための作品」とかどうぞ。
まあやっぱりウィーンな雰囲気は残ってるけど、こう音がまばらで密度が高い。あの暑苦しいドイツ音楽とはなんかぜんぜん違うものが発生してる感じ。
なんというか、音楽を聞く態度そのものを変更させてしまうところがあるですな。19世紀音楽の「感情」とか「情動」とかを無理矢理動かそうとするのとはぜんぜんちがう。19世紀の音楽だと「きれいねー」「ロマンチック」「情熱」みたいな感じだけど、ウェーベルン先生のはなんか鉱物かなにかを観察してるみたいな感じになる。ほう、そっちからだとそういうふうに輝きますか、みたいな。
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