レポートでのWeb記事の参照法についての提案

大学教員のみなさん、レポート等で、学生様にWeb記事を参照してもらわねばならないことが増えてると思うのですが、インターネッツが一般化してずいぶん経つので、そろそろ見直ししませんか? これは学生様が勝手に判断できないところがあるので、教員の側の指示を考えなおす必要があると思うのです。

まず何より、 オンラインの学会・大学レポジトリで公開されている雑誌論文等は、URLではなく掲載誌を明記するように 指導しましょう。

江口聡 (2019) 「性的モノ化再訪」 http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/bitstream/11173/2840/1/0130_021_007.pdf

では なく

江口聡 (2019) 「性的モノ化再訪」、『現代社会研究』、第21号、京都女子大学

と表記させましょう。「オンラインで見つけた論文PDFを参照した場合は、そのタイトルでもう一回検索してどの雑誌のどの号に載ってるのか確認して書け」と指導するべきだと思います。

雑誌論文ではないものについては、現在の標準的な指導では次のようになっているかと思います。

著者名、「Webページのタイトル」、Webサイトの名称、更新日付、URL、アクセス日

中央審議会、「第2期教育振興基本計画について(答申)」、文部科学省、https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2013/05/08/1334381_01_1.pdf 2013-04-25 、(2023年1月15日かくにん!よかった!)

これって、紙のレポートで読むときはURLは (1) 人間の目には不要だし、(3) 長くて分量をとるし、そしてなにより、 (3) 多くのWebサイトは随時構造が変更されているのですぐに役に立たなくなって無駄だと思うのです。むしろ、これからは次のように指導したらどうでしょうか。

著者名 (年) 「文書のタイトル」、発表媒体、発表日(あるいは更新日)

これだけにする。上の例を使えば、

文科省中央審議会 (2013) 「第2期教育振興基本計画について(答申)」、文部科学省、2013年4月25日

これだけ。シンプルでいいじゃないですか。実際、著者名・タイトル・発表年の三つがそろえばGoogle検索などで見つけることができるわけですからそれで十分だと思います。特に役所の文書なんかURLなんかいらない。「確認日」も勝手にどんどん更新されるようなものでない場合は不要だと思う。発表日・更新日で十分では?

江口聡 (2019) 「『宇崎ちゃん』ポスターは「女性のモノ化」だったのか?:性的対象物という問いを考える」,『現代ビジネスオンライン』,2019 月12 月3 日.

まあオンラインのものであることを明示してもらう必要はあるでしょうね。↑のはオンライン文書だって明白だから書いてないですが。まあURLはオンラインの文書ではもちろんあった方が便利ではあるので消せとは言いませんが、紙での提出が基本であるなら特に必要ないと思う。読者に親切に!が基本。

誰が書いたかわからないもの、文書のタイトルがはっきりしないもの、いつ発表されたのか、いつ更新されたのかわからないものについては、そもそもそれをレポートの資料として適切なものなのか学生様に考えてもらう必要があると思います。これはちゃんと指導しないとならない。もちろん使ってはいけないというものではないし、また考察の対象資料としては価値があるかもしれないけど、なんらかの論拠には使えない、というのは口をすっぱくする必要がある。

あと、学生様はなにも考えずにWordの言うなりになってリンク貼って下線つき青文字で平気なものなので、Wordの言うなりにならずに、その下線や色を消すことができるのか自問するように指導しましょう。Wordの奴隷からWordを支配する主人となることを大学では教えなけれなりません。それが啓蒙というものです(うそ)。

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