前回のにはいきなりコメントもらってしまいましたが、これはブルース入門でもジャズ入門でもありません。単に自由に音を出すための最低限の心がまえの話をしています。それ以上のことはちゃんとした入門書・教則本を参照してください。なにを考えてこういうのを書いているかはおいおい少しずつ説明することになると思います。
前回はペンタトニックスケールをつかってブルースの伴奏にあわせて勝手に遊ぶ、という話をしました。十分に遊んでもらえたでしょうか。今日は一個だけ前進します。
ペンタトニックは「Fのブルース」ならこういう音の並びでした。
この並びを適当なところから上がったり下がったりしてもいいし(「スケール」)、適当に選んで弾いてもいい。これは音の並びというより、音の「プール」と考えた方がいいかもしれません。選択肢のプールと考えた方がいいでしょう。
ペンタトニックだけでも相当の時間遊んでいられるのですが(遊んでない人はまず相当の時間遊んでください)、選択肢が5個しかないので、いまいちな感じがあります。まあこの連載のあいだずっとイマイチなんですが、だいたいこういうの読んでる人は楽器の腕もイマイチなのでしょうがありません。イマイチに甘んじてください。
ちなみにギターの人とかはこのペンタトニックの並びを指の形でおぼえるだけで、けっこうなあいだやっていけます。これはギターという楽器の特殊なところで、他の楽器の人は音の並びあるいはプールを、キー(調)ごとにちゃんと暗記しとかないとなりません。
でもさすがにちょっと単純すぎますわね。慣れてくると10分もやってると飽きるし、なによりあんまり「ブルース」っていう感じにならないし。
まあこの連載は、ブルースをブルースらしく弾けるようになるつもりはなく、単にコードとスケールの関係みたいな超初歩の人が「難しそうだ」って気になってる不安をなくして自由になるのが目的なので、ブルースらしくなくてもどうでもいいのですが、それでも少しはブルースらしくしたい。
という人のためのスケールが「ブルーススケール」です。「Fのブルース」ならこう。
ペンタトニックに1個(赤で囲った音)加わって6個のスケールになっています(上行と下降両方書いときました)。
しかしペンタトニックに1個半音が入っただけなんすよね。このスケールは非常に「ブルース」らしいのでブルーススケールという名前がついてます。弾いてみればわかりますが「ブルース!」っていう感じ。
さっき、「ペンタトニックは音のプールと考える」と書きましたが、このブルーススケールは「音のプール」ではありません。ペンタトニックは適当に選んでもそれなりに鳴りますが、ブルーススケールはある並び(順番)や方向、適切なタイミングにしたがって弾かないとそれらしい響きがしません。つまり「節まわし」をおぼえる必要がある。これはけっこうむずかしくて、実はわたしはまだよくわかってない。でもまあ音楽やりたいって人はその方向やタイミングは適当に弾いてるうちにわかるでしょう。
またyoutubeのバックトラック(F Blues Backtrackで検索)の上でしばらく遊んでみるといいでしょう。そういうわけで、今日は一日ブルースしてください。
ブルースをブルースらしく弾くには、「おれは毎日ろくでなし、おれは毎日ろくでなし、毎日仕事せず酒飲んでるよ」のようなことを考えながら弾くとよいと言われてますが、よくわかりませんね。さらにはブルース弾くにはブルースらしい生活をする必要があるから毎日朝から酒を飲み女を殴るべきだ、とかそういう精神論・根性論はよくないと思います!
- 超初歩アドリブ入門(1) (マイナー)ペンタトニックで適当
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